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第四九話 シャルロッタ・インテリペリ 一五歳 一九
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「おはようシャル~」
「おはようターヤ、今日も元気ですわね」
朝学園に登校中のわたくしにターヤが声をかけてきたので笑顔を返す……先日の冒険者体験で暴漢に襲われたわたくしに声をかけてくる貴族令嬢が一気に減った。
まあ、婚約者がいるのに傷物にされたかもしれない貴族令嬢の扱いなんてそんなもんだしな……この件については我が家は大して騒いでおらず娘に限ってそんなことはあり得ませんという発言を繰り返している。
なんでもアンブローシウス・マルムスティーン国王陛下から直接お父様に問い合わせがあったらしいが、その際も同じ返答を返したそうだ。
曰く、「我が娘に危害を加えようとした者を近づけさせるほど、私の信頼する護衛は弱くはありません」と答えたそうで……それはユルという普通ではない護衛がわたくしについていることから家族からすると「そこらへんのチンピラに手籠にされる? いやいや無理でしょ、現実的に」という意味での発言なのだけど、対抗心の強い貴族からは傷物になった娘を庇っているとか言われて攻撃されていたそうだ。
特に本来婚約者候補レースで独走中だったはずのハルフォード公爵家から相当に恨みを買ってしまっているらしく、「辺境の翡翠姫の羽は捥がれているのではないか?」なんて主張していたのだとか。
特に主張が激しかったのはソフィーヤ様を中心とした第一王子派に所属する貴族の子女たちだ……とにかく学園内でも似たような風評が流されており、どうも最近周りの学生達からの奇異の目と、哀れみのような視線が辛い状況が続いていた。
それに合わせて再度婚約者を選び直した方がいいのではないか? と主張し始めてる高位貴族なんかもちらほら出てて、お父様の政務にも多少なりとも影響が出始めてる始末で……領地の経営は実質長兄のウォルフガング兄様が代行しているという状況だった。
とはいえ娘に一言も確認しないで「大丈夫っす」と答えてくれているのは信頼されている証なんだろうな、と家族の愛情を感じる出来事なので、この辺はありがたい。
で、先日クリス様に呼び出されてお茶を共にした後、改めて彼がシャルロッタ・インテリペリを婚約者として認めているという発言を公の場で行ったため、お父様の発言が裏打ちされた結果となったため一応公の場ではわたくしに対する批判はおさまっている格好になっている。
「しっかし殿下の宣言で一気に批判が収まるんだもん……びっくりしちゃった」
「そうですわね……実際に何もなかったのですから、それを信じてもらえたのはよかったですわ」
まあこれは本音の部分だが、ユルという規格外の護衛がいるのに兵士より弱いチンピラ相手にどうにかなるなんて思う方がおかしいんだよな。
とはいえ貴族の間でもわたくしに幻獣ガルムがついている、という事実を信じない層も一定数いてそのうちユルを公の舞台に引き摺り出す必要が出てくるかもなあ。
面倒だなあ……と考えつつ、黙り込んだわたくしを見てターヤがキョトンとした顔でわたくしを見ているが、その視線に気がついたわたくしは彼女に微笑む。
「行きましょう……もうすぐ授業が始まってしまいますわ」
「あら、シャルロッタ様……お怪我とかはありませんこと?」
ツン、とした甘ったるい匂いを漂わせつつ昼食後のちょっとしたティータイムに話しかけてきた女性がいた……プリムローズ・ホワイトスネイク侯爵令嬢その人だ。
甘い匂いは別の香水に紛れて漂っており周りの人間にはあまり感じ取れていないようだが……この匂いはもしかして、肉欲の悪魔の権能だろうか?
普段であれば彼女の取り巻きと一緒に行動しているのだけど……今回はなぜか一人でわたくしの元へときていた。
「プリムローズ様……お久しぶりです。先日はターヤさんと共にお招きいただきありがとうございました」
「はっ……そういえばそうだったわね。ところで冒険者体験の授業大変でしたわねえ?」
「……ああ、あの時のことですか? 殿下のおかげで身の潔白が証明できてよかったです」
食堂にいた他の学生たちはわたくし達の会話を耳で聞きつつ、面倒ごとに巻き込まれたくないようで見ないふりを続けてくれている。
ありがたいことだけど、助けに来てくれてもいいのになあと内心がっかりする。
彼女が話しているのは、今朝もターヤに心配された例の冒険者体験の授業中にわたくしが暴漢に襲撃された事件のことだな。
残念ながら表立ってわたくしにそのことを伝えてくる馬鹿正直な貴族の子女はいなくなったと思ったのだけどと、プリムローズの顔を見上げるとそこには悪意という化粧で塗り固められたような表情をした彼女が笑顔で立っているのが見える。
この女性がこんな表情をしたっけな……? と先日の彼女を見た印象から少し頭が混乱するが、再びツンとした甘い匂いが鼻を刺激し思わず片手で軽く鼻の頭を擦ってしまう。
「……潔白? 殿下はお優しいから貴女を庇ったんでしょうけど……白状なさいな、どういう目にあったの?」
「……わたくしには護衛がおります」
「は?」
「その護衛、普段は見えない場所におりまして、わたくしの身に危険が迫った場合に問題を処理してくれる優秀な護衛ですわ」
あくまで笑顔のままわたくしはプリムローズに伝える、本当に一瞬だけ殺気の籠った目を向けてみる……普通の令嬢ならわたくしのことを不気味に思ってこれで近づかなくなると思うのだけど。
プリムローズはその殺気を感じ取れなかったのか動じることはない、それとも精神自体を別の何かに支配されているのか……まあ後者っぽいな。
そんなわたくしの考えに気づいているのか気がついていないのか、少し歪んだ笑みを浮かべたままプリムローズはわたくしへと顔をぐいっと近づける。
「そんなこと言って……どうせ貴女みたいなアバズレのことだから、どうせ何かして許してもらったんでしょ?」
「……多少お下品ですわね」
「そのうち、アンタの化けの皮を剥がしてやるわ覚えてなさい」
怒りに歪んだ顔のままプリムローズはわたくしを一瞥すると、そのまま立ち去っていくが、通りすがりに平民出身の学生が前を塞ぐとかなり大きな声で怒鳴りつけてから去っていった……。
暴力性の向上、自己愛の拡大……そして抑制の欠如、精神支配を受けた人間にありがちな行動にも見えるな。
大きくため息をついてわたくしが手元においていたカップから紅茶を軽く飲むが、心配になったのか姿を表さないままユルが念話で話しかけてきた。
『……大丈夫ですか?』
大丈夫……少し匂いがきついから当てられたかも……。
距離が近くなってはっきりとわかったが、プリムローズ嬢の背後に肉欲の悪魔がいることは確実だ……ってことはあの暴漢達はプリムローズの意を受けた悪魔による工作の一つで確定だな。
人を操るという点においては死ぬほど厄介な連中なので正直いうのであれば出会いたくなかったな、とは思う。
『しかし……厄介ですな、プリムローズ嬢の魔力は底なしです、あのお茶会でも感じましたが、彼女はこの王国でも有数の魔法使いですね……』
そうなんだよなあ……そんな能力を持っている魔法使いが簡単に籠絡されるなよ! とは思うけどまだ若い令嬢だから簡単につけ込まれることになったかもしれないし、何とも言いづらい。
とはいえプリムローズの体の中に見える巨大な魔力の濁流……これは相当に厄介で、彼女はまだ成長途中にあって全ての魔力を生かし切ることができていないようだが、契約した悪魔はあの魔力を自由に引き出し使いこなすことができる。
戦闘になったらとても厄介な能力を発揮するだろう……個体としてはそれほど強くないんだけどなあ……。
それに肉欲の悪魔は非常に狡猾な悪魔らしい性格で、直接的に人を襲うことをしない工作と謀略に長けた連中でもあり、何かしら巨大な悪意を持って周囲を巻き込むような陰謀を企むはずだ。
前世の記憶で王族をたぶらかして踊り子になって操ったというものがあるが、精神に干渉して相手を自由自在に操るという特性を持っている。
操られている方はまさか悪魔に支配されているなんて思わないから、本気で襲いかかってくるし、それが正義だと信じて疑わないから論理的な話すら通じない。
その理屈がどんなに論理破綻していたとしても、それを狂信的に信じてしまう……そして命を投げ出すことすら厭わない狂信者と化してしまうのだ。
プリムローズ嬢はまだ取り憑かれて日が浅いようで、まだ何とかなるレベルだ……だがそのためにやらなければいけないことが一つ増えてしまった。
『……どうなさいます?』
面倒だけど、一つお願い事をしにいくしかないわね……そのためには異世界と繋がる場所に一度向かわないとダメだから、冒険者ロッテとして行動する必要が出てくるだろう。
そして異世界と繋がる場所……王都の近くにある迷宮が一つあったはずなので、そこの最深部にある核を使うとするか。
わたくしはカップの中に残った紅茶を飲み干すと、椅子から立ち上がってその場を離れていく。
「早く何とかしないと、後々厄介になりそうね……しかし悪魔が定期的に出現するなんてどうなっているのかしら……」
「おはようターヤ、今日も元気ですわね」
朝学園に登校中のわたくしにターヤが声をかけてきたので笑顔を返す……先日の冒険者体験で暴漢に襲われたわたくしに声をかけてくる貴族令嬢が一気に減った。
まあ、婚約者がいるのに傷物にされたかもしれない貴族令嬢の扱いなんてそんなもんだしな……この件については我が家は大して騒いでおらず娘に限ってそんなことはあり得ませんという発言を繰り返している。
なんでもアンブローシウス・マルムスティーン国王陛下から直接お父様に問い合わせがあったらしいが、その際も同じ返答を返したそうだ。
曰く、「我が娘に危害を加えようとした者を近づけさせるほど、私の信頼する護衛は弱くはありません」と答えたそうで……それはユルという普通ではない護衛がわたくしについていることから家族からすると「そこらへんのチンピラに手籠にされる? いやいや無理でしょ、現実的に」という意味での発言なのだけど、対抗心の強い貴族からは傷物になった娘を庇っているとか言われて攻撃されていたそうだ。
特に本来婚約者候補レースで独走中だったはずのハルフォード公爵家から相当に恨みを買ってしまっているらしく、「辺境の翡翠姫の羽は捥がれているのではないか?」なんて主張していたのだとか。
特に主張が激しかったのはソフィーヤ様を中心とした第一王子派に所属する貴族の子女たちだ……とにかく学園内でも似たような風評が流されており、どうも最近周りの学生達からの奇異の目と、哀れみのような視線が辛い状況が続いていた。
それに合わせて再度婚約者を選び直した方がいいのではないか? と主張し始めてる高位貴族なんかもちらほら出てて、お父様の政務にも多少なりとも影響が出始めてる始末で……領地の経営は実質長兄のウォルフガング兄様が代行しているという状況だった。
とはいえ娘に一言も確認しないで「大丈夫っす」と答えてくれているのは信頼されている証なんだろうな、と家族の愛情を感じる出来事なので、この辺はありがたい。
で、先日クリス様に呼び出されてお茶を共にした後、改めて彼がシャルロッタ・インテリペリを婚約者として認めているという発言を公の場で行ったため、お父様の発言が裏打ちされた結果となったため一応公の場ではわたくしに対する批判はおさまっている格好になっている。
「しっかし殿下の宣言で一気に批判が収まるんだもん……びっくりしちゃった」
「そうですわね……実際に何もなかったのですから、それを信じてもらえたのはよかったですわ」
まあこれは本音の部分だが、ユルという規格外の護衛がいるのに兵士より弱いチンピラ相手にどうにかなるなんて思う方がおかしいんだよな。
とはいえ貴族の間でもわたくしに幻獣ガルムがついている、という事実を信じない層も一定数いてそのうちユルを公の舞台に引き摺り出す必要が出てくるかもなあ。
面倒だなあ……と考えつつ、黙り込んだわたくしを見てターヤがキョトンとした顔でわたくしを見ているが、その視線に気がついたわたくしは彼女に微笑む。
「行きましょう……もうすぐ授業が始まってしまいますわ」
「あら、シャルロッタ様……お怪我とかはありませんこと?」
ツン、とした甘ったるい匂いを漂わせつつ昼食後のちょっとしたティータイムに話しかけてきた女性がいた……プリムローズ・ホワイトスネイク侯爵令嬢その人だ。
甘い匂いは別の香水に紛れて漂っており周りの人間にはあまり感じ取れていないようだが……この匂いはもしかして、肉欲の悪魔の権能だろうか?
普段であれば彼女の取り巻きと一緒に行動しているのだけど……今回はなぜか一人でわたくしの元へときていた。
「プリムローズ様……お久しぶりです。先日はターヤさんと共にお招きいただきありがとうございました」
「はっ……そういえばそうだったわね。ところで冒険者体験の授業大変でしたわねえ?」
「……ああ、あの時のことですか? 殿下のおかげで身の潔白が証明できてよかったです」
食堂にいた他の学生たちはわたくし達の会話を耳で聞きつつ、面倒ごとに巻き込まれたくないようで見ないふりを続けてくれている。
ありがたいことだけど、助けに来てくれてもいいのになあと内心がっかりする。
彼女が話しているのは、今朝もターヤに心配された例の冒険者体験の授業中にわたくしが暴漢に襲撃された事件のことだな。
残念ながら表立ってわたくしにそのことを伝えてくる馬鹿正直な貴族の子女はいなくなったと思ったのだけどと、プリムローズの顔を見上げるとそこには悪意という化粧で塗り固められたような表情をした彼女が笑顔で立っているのが見える。
この女性がこんな表情をしたっけな……? と先日の彼女を見た印象から少し頭が混乱するが、再びツンとした甘い匂いが鼻を刺激し思わず片手で軽く鼻の頭を擦ってしまう。
「……潔白? 殿下はお優しいから貴女を庇ったんでしょうけど……白状なさいな、どういう目にあったの?」
「……わたくしには護衛がおります」
「は?」
「その護衛、普段は見えない場所におりまして、わたくしの身に危険が迫った場合に問題を処理してくれる優秀な護衛ですわ」
あくまで笑顔のままわたくしはプリムローズに伝える、本当に一瞬だけ殺気の籠った目を向けてみる……普通の令嬢ならわたくしのことを不気味に思ってこれで近づかなくなると思うのだけど。
プリムローズはその殺気を感じ取れなかったのか動じることはない、それとも精神自体を別の何かに支配されているのか……まあ後者っぽいな。
そんなわたくしの考えに気づいているのか気がついていないのか、少し歪んだ笑みを浮かべたままプリムローズはわたくしへと顔をぐいっと近づける。
「そんなこと言って……どうせ貴女みたいなアバズレのことだから、どうせ何かして許してもらったんでしょ?」
「……多少お下品ですわね」
「そのうち、アンタの化けの皮を剥がしてやるわ覚えてなさい」
怒りに歪んだ顔のままプリムローズはわたくしを一瞥すると、そのまま立ち去っていくが、通りすがりに平民出身の学生が前を塞ぐとかなり大きな声で怒鳴りつけてから去っていった……。
暴力性の向上、自己愛の拡大……そして抑制の欠如、精神支配を受けた人間にありがちな行動にも見えるな。
大きくため息をついてわたくしが手元においていたカップから紅茶を軽く飲むが、心配になったのか姿を表さないままユルが念話で話しかけてきた。
『……大丈夫ですか?』
大丈夫……少し匂いがきついから当てられたかも……。
距離が近くなってはっきりとわかったが、プリムローズ嬢の背後に肉欲の悪魔がいることは確実だ……ってことはあの暴漢達はプリムローズの意を受けた悪魔による工作の一つで確定だな。
人を操るという点においては死ぬほど厄介な連中なので正直いうのであれば出会いたくなかったな、とは思う。
『しかし……厄介ですな、プリムローズ嬢の魔力は底なしです、あのお茶会でも感じましたが、彼女はこの王国でも有数の魔法使いですね……』
そうなんだよなあ……そんな能力を持っている魔法使いが簡単に籠絡されるなよ! とは思うけどまだ若い令嬢だから簡単につけ込まれることになったかもしれないし、何とも言いづらい。
とはいえプリムローズの体の中に見える巨大な魔力の濁流……これは相当に厄介で、彼女はまだ成長途中にあって全ての魔力を生かし切ることができていないようだが、契約した悪魔はあの魔力を自由に引き出し使いこなすことができる。
戦闘になったらとても厄介な能力を発揮するだろう……個体としてはそれほど強くないんだけどなあ……。
それに肉欲の悪魔は非常に狡猾な悪魔らしい性格で、直接的に人を襲うことをしない工作と謀略に長けた連中でもあり、何かしら巨大な悪意を持って周囲を巻き込むような陰謀を企むはずだ。
前世の記憶で王族をたぶらかして踊り子になって操ったというものがあるが、精神に干渉して相手を自由自在に操るという特性を持っている。
操られている方はまさか悪魔に支配されているなんて思わないから、本気で襲いかかってくるし、それが正義だと信じて疑わないから論理的な話すら通じない。
その理屈がどんなに論理破綻していたとしても、それを狂信的に信じてしまう……そして命を投げ出すことすら厭わない狂信者と化してしまうのだ。
プリムローズ嬢はまだ取り憑かれて日が浅いようで、まだ何とかなるレベルだ……だがそのためにやらなければいけないことが一つ増えてしまった。
『……どうなさいます?』
面倒だけど、一つお願い事をしにいくしかないわね……そのためには異世界と繋がる場所に一度向かわないとダメだから、冒険者ロッテとして行動する必要が出てくるだろう。
そして異世界と繋がる場所……王都の近くにある迷宮が一つあったはずなので、そこの最深部にある核を使うとするか。
わたくしはカップの中に残った紅茶を飲み干すと、椅子から立ち上がってその場を離れていく。
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