401 / 430
第三四一話 シャルロッタ 一六歳 闇征く者 〇一
しおりを挟む
「お前をぶち殺す……ッ!」
「良い殺気だな……さすがは強き魂……ッ!」
目の前に立ちはだかる闇征く者の姿は異様だ……身長はかなり高く、一九〇センチメートルを優に超え、黒いローブ姿ではあるがその肉体は筋骨隆々と言っても差し支えないほど隆起しており、ローブの上からでも鍛え抜かれた戦士と同レベルの身体能力を連想させる。
そして鍔付きの帽子と鳥を模した仮面を被ったその外見は、前々世における一七世紀ごろのペスト医師を悪意で歪めたイミテーションのようにも感じるのは自分だけだろうか?
だが、そんなことはすでにどうでも良い……俺が守ることのできなかった命、その命を虫けらを握り潰すような感覚で、お遊び半分で殺してしまった闇征く者だけは許すわけにはいかないのだ。
「……おおおおおッ!」
「……疾いッ?!」
一瞬の間を置いて前に出る……ほぼ瞬間移動に近い加速から距離を詰めた俺が振り抜いた右拳……魔力をたっぷり載せたそれを訓戒者へと叩き込む。
だが、ほぼノーモーションで繰り出された闇征く者の拳が同じ軌道で叩きつけられ、拳同士が空中でドゴオッ! という轟音と共に衝突し、周囲の空気を震わせた。
やはり……ローブの下の肉体は魔力で強化された俺とほぼ同等……訓戒者筆頭という立場にあり、他の訓戒者を指揮するという存在な訳だと、変な意味で納得感を感じる。
俺はそのまま左拳を振り抜く……だがその一撃も寸分違わぬ軌道で己の拳を叩きつけて威力を相殺していく闇征く者。
ドンッ! ドンッ! という音を響かせ俺と闇征く者はそのまま至近距離から両拳をほぼ同じ軌道で叩きつけ始める。
「……お前、戦闘術が初見じゃねえな?」
「クフフッ! ずいぶんと荒っぽい物言いだ……」
「答えろ、お前は何者だ?」
空中でお互いの拳を叩きつけあいながら俺は彼へと問いかける……拳戦闘術の動きに対応してほぼ同じ軌道で拳を叩き込む、なんて芸当は他の訓戒者にはほぼ不可能だった動きである。
反射神経だけでこなしている訳じゃない、そもそも拳戦闘術の戦闘軌道は変幻自在、単なる反射神経だけでどうにかなるような技術じゃない。
その程度でどうにかなるなら俺は前世で魔王を滅ぼすなんて芸当はできなかった……それだけこの戦闘術はレーヴェンティオラにおける最強の証明だった訳だからな。
俺の問いかけに闇征く者は一度、ふわりと距離をとってから優雅な動作でお辞儀を見せると仮面の下に光る赤い瞳がぎらりと光る。
「……この世界での名前は闇征く者……多元宇宙に存在する道化師にして、異なる名前を持つ混沌そのものだ」
「……多元宇宙? 科学理論でそういうのがあるのは知っているが……」
「俺は複数の世界、異なる文明、同一にして非なる宇宙に同時に存在している……クフッ!」
闇征く者は引き攣るような笑い声をあげるが、俺の疑問は深まるだけだ……つまり彼自身はこの世界だけでなく、別の世界……もちろん前世のマルヴァースもそうだろうけど、下手すると地球、前々世にも同じ存在がいたかもしれないってことか。
だがそんな危険な存在が闊歩する世界なんか、前世からしか経験がないぞ……? 俺の表情が困惑気味になっていることに気がついたのか、闇征く者は仮面の奥に光る目を歪めて声もなく笑うと、大袈裟な身振りで指を立てて左右に振る。
「難しいことは考えない方が良い、特に君のような戦闘狂はただ戦うだけの方が似合っている」
「……バカにしてんのか?」
「とんでもない……ひどく蔑んでいるんだ」
その言葉が闇征く者から発せられたと同時に放たれた俺の上段蹴りを、彼は両手をクロスさせるような防御体制で受け止める。
ズドンッ! という鈍い音と衝撃がオーヴァチュア城の壁を震わせる……だが今の言葉で多少冷静になってきた、こいつは俺を怒らせることで何かを引き出そうとしている。
そのまま体をコンパクトに回転させて中段の回し蹴り、そしてさらにもう一回転して下段の足払いを次々と叩き込むが、闇征く者はその全てを予測していたかのように防御して見せる。
初見で避けられるような速度じゃないんだぞ? 流石に方法を変えないとまずいと判断した俺は一度距離を取ろうと、後方へとステップしたその瞬間。
それまで防御一辺倒だった闇征く者が一気に前に出る。
「クハハッ!」
「……くッ!!」
凄まじい速度で放たれた手刀は咄嗟に体を捻った俺の右肩を切り裂く……鋭い痛みと共に赤い鮮血が空中に舞い、それ以上の追撃を防ぐために、超至近距離で放った破滅の炎の爆発と共にお互いの距離が少しだけ離れる。
ざっくりと切り裂かれた右肩からはどくどくと血が流れ出しているが、数秒もしないうちにその傷がゆっくりと塞がっていく……魔力による自己修復による効果ではあるが、ジクジクとした痛みに思わず眉を顰めてしまう。
爆発による煙の中からまるで無傷の闇征く者が赤い瞳を輝かせながら姿を表す……完全に傷の塞がった右肩の調子を確かめるようにくるくると回した俺と異様な雰囲気を醸し出す訓戒者はほぼ同時に魔法の行使に移った。
「クハッ!」
「……吹き飛ばしてやるッ!」
俺の眼前に出現した白く輝く電流が球状へと収縮していく前で、闇征く者がその仮面につけられた嘴を開くとともに、そこへ真紅の光が集中していく。
雷皇の一撃と同じく同じ高密度の魔力を撃ち放つ魔法のようだが、こちらが白銀の雷であるのと対照に、彼が放とうとしている魔法は血のように鮮やかな真紅に彩られた魔力そのものだ。
見たことのない魔法……そもそも見たことのある混沌魔法ってレーヴェンティオラの魔王が放った数発だけで、それ以外は本当に体系として知っていても何があるのかなんか悪魔くらいしかちゃんと理解できないのではないだろうか?
そんなことはどうでもいいか……そんなことを考えた俺と闇征く者はほぼ同時に魔法を解き放った。
「神滅魔法……雷皇の一撃」
「混沌魔法……憤怒の御使」
今いる空間の中心地点で双方の魔法が衝突するとともに、それぞれの魔力によるせめぎ合いが始まる……前に使役する者との戦いでも同じような構図となったが、今回はそれと同じかそれ以上の威力を持って周囲の物体を破壊し、城の壁面を振るわせ、お互い一歩も引くことなくその場で消滅していった。
空間内に存在する同質量における魔力の消滅……狙ってやっているというよりは、それだけ彼の放った憤怒の御使の威力が相当に高い。
厄介だな……神滅魔法はこっちの消耗もそれなりに大きくなるし、そもそも闇征く者以外の敵の存在がなんとなく見え隠れしている。
連戦になることがわかっているのに、ひどく消耗した状態で戦いに臨むのは敗北する確率が非常に高くなる……それに、オーヴァチュア城内にはクリスとユルがいることは俺もわかっているので、城を吹き飛ばして「はい、おしまい」なんて乱暴な手段は選択できない。
「……もう一度聞くが……お前は本当に何者だ?」
「先程答えたろう? 混沌だよ」
「その割にはずいぶんしっかりした形じゃねえか」
そもそも混沌そのものを俺もちゃんと理解している訳じゃないので、その言葉から連想されるイメージは不定形でぐちゃぐちゃしたものというものだけど、今まで存在していた訓戒者も含めて彼らはしっかりとした形状をしているから、まあ認識が異なるんだろうな。
こちらの思考を読んでいるのか、闇征く者は引き攣るような笑い声をあげており、その声がいちいちこちらの癇に障る気がして思わず舌打ちをしてしまう。
どうする……単純な魔力勝負で周囲の破壊を厭わずに全力を叩きつける? いや、それでは被害が大きすぎる……城の外にはイングウェイ王国の住民も多く住んでおり、下手に指向性の高い魔法をぶっ放して誤爆でもしたら大量虐殺になってしまう。
「……やはり戦闘術しか……」
「迷っているな? クハ!」
「いちいち声がうるせえんだよお前はよ……」
俺は空間の狭間に手を突っ込むと、そこから魔剣不滅を引き抜く……この世界の勇者であったスコット・アンスラックスより受け継いだ決して破壊されることのない魔剣は魔導ランプの灯に照らされて鈍い光を放った。
剣を見た闇征く者は低く笑うと、同じように空間の狭間へと手を差し入れる……スコットが使えたように、彼も同じようなものが使えるのだろう。
そこは驚くところじゃない……いつかは同じ収納魔法の使い手が現れるとは予想していたからだ……だが彼の手に握られて出てきた剣を見た瞬間に思わず俺の背中が総毛だった。
漆黒に鈍く輝く刀身、そしてこれでもかとばかりにエゲツない形状をしたまるで枝分かれしたような等身を持つその剣……それまで見てきた神話の時代における遺物とは一線を画する魔力。
闇征く者は一度片手でその剣を軽く振ると、俺に向かって刃先を向けた。
「……神話の時代の遺物としては最上級に位置する魔剣死神の舞踏なり」
「良い殺気だな……さすがは強き魂……ッ!」
目の前に立ちはだかる闇征く者の姿は異様だ……身長はかなり高く、一九〇センチメートルを優に超え、黒いローブ姿ではあるがその肉体は筋骨隆々と言っても差し支えないほど隆起しており、ローブの上からでも鍛え抜かれた戦士と同レベルの身体能力を連想させる。
そして鍔付きの帽子と鳥を模した仮面を被ったその外見は、前々世における一七世紀ごろのペスト医師を悪意で歪めたイミテーションのようにも感じるのは自分だけだろうか?
だが、そんなことはすでにどうでも良い……俺が守ることのできなかった命、その命を虫けらを握り潰すような感覚で、お遊び半分で殺してしまった闇征く者だけは許すわけにはいかないのだ。
「……おおおおおッ!」
「……疾いッ?!」
一瞬の間を置いて前に出る……ほぼ瞬間移動に近い加速から距離を詰めた俺が振り抜いた右拳……魔力をたっぷり載せたそれを訓戒者へと叩き込む。
だが、ほぼノーモーションで繰り出された闇征く者の拳が同じ軌道で叩きつけられ、拳同士が空中でドゴオッ! という轟音と共に衝突し、周囲の空気を震わせた。
やはり……ローブの下の肉体は魔力で強化された俺とほぼ同等……訓戒者筆頭という立場にあり、他の訓戒者を指揮するという存在な訳だと、変な意味で納得感を感じる。
俺はそのまま左拳を振り抜く……だがその一撃も寸分違わぬ軌道で己の拳を叩きつけて威力を相殺していく闇征く者。
ドンッ! ドンッ! という音を響かせ俺と闇征く者はそのまま至近距離から両拳をほぼ同じ軌道で叩きつけ始める。
「……お前、戦闘術が初見じゃねえな?」
「クフフッ! ずいぶんと荒っぽい物言いだ……」
「答えろ、お前は何者だ?」
空中でお互いの拳を叩きつけあいながら俺は彼へと問いかける……拳戦闘術の動きに対応してほぼ同じ軌道で拳を叩き込む、なんて芸当は他の訓戒者にはほぼ不可能だった動きである。
反射神経だけでこなしている訳じゃない、そもそも拳戦闘術の戦闘軌道は変幻自在、単なる反射神経だけでどうにかなるような技術じゃない。
その程度でどうにかなるなら俺は前世で魔王を滅ぼすなんて芸当はできなかった……それだけこの戦闘術はレーヴェンティオラにおける最強の証明だった訳だからな。
俺の問いかけに闇征く者は一度、ふわりと距離をとってから優雅な動作でお辞儀を見せると仮面の下に光る赤い瞳がぎらりと光る。
「……この世界での名前は闇征く者……多元宇宙に存在する道化師にして、異なる名前を持つ混沌そのものだ」
「……多元宇宙? 科学理論でそういうのがあるのは知っているが……」
「俺は複数の世界、異なる文明、同一にして非なる宇宙に同時に存在している……クフッ!」
闇征く者は引き攣るような笑い声をあげるが、俺の疑問は深まるだけだ……つまり彼自身はこの世界だけでなく、別の世界……もちろん前世のマルヴァースもそうだろうけど、下手すると地球、前々世にも同じ存在がいたかもしれないってことか。
だがそんな危険な存在が闊歩する世界なんか、前世からしか経験がないぞ……? 俺の表情が困惑気味になっていることに気がついたのか、闇征く者は仮面の奥に光る目を歪めて声もなく笑うと、大袈裟な身振りで指を立てて左右に振る。
「難しいことは考えない方が良い、特に君のような戦闘狂はただ戦うだけの方が似合っている」
「……バカにしてんのか?」
「とんでもない……ひどく蔑んでいるんだ」
その言葉が闇征く者から発せられたと同時に放たれた俺の上段蹴りを、彼は両手をクロスさせるような防御体制で受け止める。
ズドンッ! という鈍い音と衝撃がオーヴァチュア城の壁を震わせる……だが今の言葉で多少冷静になってきた、こいつは俺を怒らせることで何かを引き出そうとしている。
そのまま体をコンパクトに回転させて中段の回し蹴り、そしてさらにもう一回転して下段の足払いを次々と叩き込むが、闇征く者はその全てを予測していたかのように防御して見せる。
初見で避けられるような速度じゃないんだぞ? 流石に方法を変えないとまずいと判断した俺は一度距離を取ろうと、後方へとステップしたその瞬間。
それまで防御一辺倒だった闇征く者が一気に前に出る。
「クハハッ!」
「……くッ!!」
凄まじい速度で放たれた手刀は咄嗟に体を捻った俺の右肩を切り裂く……鋭い痛みと共に赤い鮮血が空中に舞い、それ以上の追撃を防ぐために、超至近距離で放った破滅の炎の爆発と共にお互いの距離が少しだけ離れる。
ざっくりと切り裂かれた右肩からはどくどくと血が流れ出しているが、数秒もしないうちにその傷がゆっくりと塞がっていく……魔力による自己修復による効果ではあるが、ジクジクとした痛みに思わず眉を顰めてしまう。
爆発による煙の中からまるで無傷の闇征く者が赤い瞳を輝かせながら姿を表す……完全に傷の塞がった右肩の調子を確かめるようにくるくると回した俺と異様な雰囲気を醸し出す訓戒者はほぼ同時に魔法の行使に移った。
「クハッ!」
「……吹き飛ばしてやるッ!」
俺の眼前に出現した白く輝く電流が球状へと収縮していく前で、闇征く者がその仮面につけられた嘴を開くとともに、そこへ真紅の光が集中していく。
雷皇の一撃と同じく同じ高密度の魔力を撃ち放つ魔法のようだが、こちらが白銀の雷であるのと対照に、彼が放とうとしている魔法は血のように鮮やかな真紅に彩られた魔力そのものだ。
見たことのない魔法……そもそも見たことのある混沌魔法ってレーヴェンティオラの魔王が放った数発だけで、それ以外は本当に体系として知っていても何があるのかなんか悪魔くらいしかちゃんと理解できないのではないだろうか?
そんなことはどうでもいいか……そんなことを考えた俺と闇征く者はほぼ同時に魔法を解き放った。
「神滅魔法……雷皇の一撃」
「混沌魔法……憤怒の御使」
今いる空間の中心地点で双方の魔法が衝突するとともに、それぞれの魔力によるせめぎ合いが始まる……前に使役する者との戦いでも同じような構図となったが、今回はそれと同じかそれ以上の威力を持って周囲の物体を破壊し、城の壁面を振るわせ、お互い一歩も引くことなくその場で消滅していった。
空間内に存在する同質量における魔力の消滅……狙ってやっているというよりは、それだけ彼の放った憤怒の御使の威力が相当に高い。
厄介だな……神滅魔法はこっちの消耗もそれなりに大きくなるし、そもそも闇征く者以外の敵の存在がなんとなく見え隠れしている。
連戦になることがわかっているのに、ひどく消耗した状態で戦いに臨むのは敗北する確率が非常に高くなる……それに、オーヴァチュア城内にはクリスとユルがいることは俺もわかっているので、城を吹き飛ばして「はい、おしまい」なんて乱暴な手段は選択できない。
「……もう一度聞くが……お前は本当に何者だ?」
「先程答えたろう? 混沌だよ」
「その割にはずいぶんしっかりした形じゃねえか」
そもそも混沌そのものを俺もちゃんと理解している訳じゃないので、その言葉から連想されるイメージは不定形でぐちゃぐちゃしたものというものだけど、今まで存在していた訓戒者も含めて彼らはしっかりとした形状をしているから、まあ認識が異なるんだろうな。
こちらの思考を読んでいるのか、闇征く者は引き攣るような笑い声をあげており、その声がいちいちこちらの癇に障る気がして思わず舌打ちをしてしまう。
どうする……単純な魔力勝負で周囲の破壊を厭わずに全力を叩きつける? いや、それでは被害が大きすぎる……城の外にはイングウェイ王国の住民も多く住んでおり、下手に指向性の高い魔法をぶっ放して誤爆でもしたら大量虐殺になってしまう。
「……やはり戦闘術しか……」
「迷っているな? クハ!」
「いちいち声がうるせえんだよお前はよ……」
俺は空間の狭間に手を突っ込むと、そこから魔剣不滅を引き抜く……この世界の勇者であったスコット・アンスラックスより受け継いだ決して破壊されることのない魔剣は魔導ランプの灯に照らされて鈍い光を放った。
剣を見た闇征く者は低く笑うと、同じように空間の狭間へと手を差し入れる……スコットが使えたように、彼も同じようなものが使えるのだろう。
そこは驚くところじゃない……いつかは同じ収納魔法の使い手が現れるとは予想していたからだ……だが彼の手に握られて出てきた剣を見た瞬間に思わず俺の背中が総毛だった。
漆黒に鈍く輝く刀身、そしてこれでもかとばかりにエゲツない形状をしたまるで枝分かれしたような等身を持つその剣……それまで見てきた神話の時代における遺物とは一線を画する魔力。
闇征く者は一度片手でその剣を軽く振ると、俺に向かって刃先を向けた。
「……神話の時代の遺物としては最上級に位置する魔剣死神の舞踏なり」
34
あなたにおすすめの小説
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる