配信の果て

ほわとじゅら

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眩しい光

フラグ

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 俺たちは社長室を後にした。宇多野が美駒社長に今後の配信でやるべきことをどうするか問われ「それなら色々と考えているから心配しないでくれ」と返したのだ。

「結局、シチュボの告知は『泰人君の自由にやってくれて構わないよ』なんて言ってたけど、あれ適当に言ってるよな?」

「そこらへんは、時期をみて配信上で告知しておこうと思う」

「あ、それより宇多野。さっき活動方針のことで聞かれた際、色々と考えてるって言ってたじゃん。何を予定してるんだ?」

 肝心の担当マネージャーである俺自身が何も先のスケジュールを聞いていないのだ。心配しないでくれと宇多野が言った直後、用事を控えていると話を切り上げてしまった。

「さっき叔父さんに言ったことは適当に返しただけだ」

「え。じゃあ、このあとの用事って?」

「ない。事務所に帰るだけだ」

 どうやら話をすり抜ける為に嘘を伝えたようだ。しかしサンライブに加入したのに個人配信で新作ゲームの実況をやらないのは、なんだか変に感じた。

「リスナーの皆んなはゲーム配信を期待してると思うぜ? コラボだけ成立しても開発者自らが実況とか、せめて新作ゲームの解説をやらないってのは変じゃないか?」

「シチュボを2本も作るんだ。コラボの動画だって4本予定している。夏カフェに向けてメニュー開発と付属グッズの商品開発にも関わってる。どれも今までにない取り組みをしてるんだ。個人配信をするときは、いくつかの企業案件もある。お取り寄せグルメの紹介に、限定販売される俺のエナドリ。スポンサー提供のマウスとキーボードの使用感を伝えること。新作ゲームの実況はリリース後もサンライブの他の誰かがやってくれる」

 他にやることがあると言い訳を盾にして、自分はやらなくても良いと思っているようだ。

「まったく新作ゲームに触れないんなら、リスナー離れが起きるかもしれないぞ?」

「リスナー離れが起きるなら別に構わないさ。サンライブが出したプレスリリースにも俺自身が自分のチャンネルで個人配信をするときに新旧のゲーム実況を行うなんて一言も書いてないからな?」

 言葉に詰まった。今となればうろ覚えだが俺自身もプレスリリースを最終チェックで確認をした。思い返してみればコラボや試遊会のことくらいしか触れていなかった気がする。

「うわ。マジかよ!」

「でも絶対にやらないわけじゃない。バレンタインのときのように、何か大きな案件でも潰れるようなアクシデントがあれば、奥の手として俺が新作ゲームの実況をやってみるという手もある」

「イレギュラーなことが発生したら救済措置として実況をやるっていうのか?」

「あんま、こういう話をしてフラグは立てたくはないけどな?」

 どうにも言葉だけで上手く誤魔化されているようにも聞こえた。万一のときが来たらというのは、一体どんな状況でやるというのか。

「そうかよ。じゃあ期待しないでおくぜ」

「そうしてくれ」

 エレベーターのボタンを宇多野が押そうとした瞬間だった。ちょうど左右に扉が開いた。中から出てきたのは寿々丘だった。

「あ、お二人ともお疲れさまです。ちょうど良かった。聞きたいことがありまして後ほどメールをするところでした」

「では今聞いたらメールをする手間が省けますね」

 にこやかに宇多野が返した。

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