『冒険者ギルドへようこそ(最強剣士と娘巫女) ~全ての謎を解き明かし、全てを救う物語~』

此木、大(しばいぬ)

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第-1章 迷星の時量剣師(めいせいのときはかし)

第3話 冒険者登録

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黒いスラックスと白いシャツ。
そして黒いロングコートを羽織ればフォーマルな感じに仕上がった。
靴はロングブーツしか無いらしい。
色は各種揃っているようだ。
黒色をチョイスして履いてみる。
しなやかで履き心地は抜群だ。
ロングブーツを履いただけなのに、一気にインフォーマルなイメージになった。

「我ながら、めちゃくちゃ格好いいな…」
鏡に映る自分の姿を確認して頷くと、エルの待つロビーに戻った。
「ごめん、待たせたな」
俺の声にエルが振り返った。
「に…似合ってるじゃん」
「それはどうも」
「それじゃ、こっちです」
エルは螺旋階段を『トントン』と足音を立てて登って行く。

凹凸の無いエルの後ろ姿をボンヤリと眺めながら後に続く。
思ったよりも長い階段を登りきると、20畳程度の四角い部屋に出た。
椅子に腰掛けた5人の男女がこちらに目を向ける。
「わぉ」
そう声をあげたのは小柄な金髪の少女だった。
「みんな、お待たせしました」
エルが部屋を見回して言った。

「これで全員集合かい? ちびっこ」
逞しい体躯の大男がエルに声を掛けた。
身長は俺より少し高い位だが、筋肉隆々で山のようなイメージだった。
短く刈り込んだ茶色い髪で、厳つい顔立ちをしているが、口調は優し気だ。
「ちびっこ言うな! あんたらが2メートルもあってデカ過ぎるだけなんだよ!」
エルはそういうと『キッ』と睨んだ。
「いや、俺は何も…」
「まぁ良いです」
エルは溜息をつくと俺に細長い金属板を差し出した。

「これは?」
「いいから受け取って下さい」
光沢のある黒い金属板は、少し長めのスマホの様に見えた。
薄いが頑丈そうだ。
「あなた達は出来ましたか?」
「問題無いよ」
エルの問い掛けに答えたのは青い髪の少年だった。
俺が2メートルなら彼は170センチくらいだろう。
「なんかゲームのキャラメイクみたいで楽しかったわ」
赤い髪の少女が金属板をこちらに見せた。
「みんなが手伝ってくれたから何とか出来ました」
銀髪の優し気な顔立ちの女性も頷く。
女性は3人ともエルよりは背が高いにしてもかなり小柄だった。


「それじゃ、あとは貴方だけですね」
エルは俺の横に腰掛けると俺の持つ金属板を指さした。
「最初にそのプレートに貴方の名前を書いて下さい」
「書く?」
「指で書けるので」
エルの言う通り、プレートに指先で触れると白い点になった。
「なるほど」
「本名じゃ無くても良いってさ」
青い髪の少年が声を掛けてくる。
「そうなんだ…」
少し悩んだが結局思い付かず『颯竢』と本名を書いた。

「どれどれ?」
茶髪の大男がそう言うと、椅子から立ち上がる。
気が付けば全員集まって俺の手元を覗き込んでいた。
プレートに文字が浮かび上がり、パラメーターが表示される。

筋力=1000
知力=1000
体力=1000
魔力=1000
属性=該当無し

「『無属性』じゃ無くて『該当無し』? そんな事ってあるの?」
青い髪の少年が鼻で笑った。
「え? そんな筈…」
エルが慌てて俺のプレートを覗き込み絶句した。
「6人目は見掛け倒しだったか…」
茶髪の大男はつまらなそうにそう言うと椅子へと戻って行った。
「属性が無いなら大人しく村人にでもなった方が良いんじゃないか?」
青い髪の少年が馬鹿にした様な表情で言うと、金髪の少女が露骨にいやそうな顔をした。
「ちょっと自分がたくさん属性持ってるからって、感じ悪いんじゃ無い?」
金髪の少女の言葉に銀髪の女性も頷いた。

「よく分からんけど、馬鹿にされてるのだけはよく分かった」
「属性は無いけど、ステータスが全部1000あるなんて凄いんじゃない? 私は平均500くらいなんだけど…」
馬鹿にされて不機嫌な俺の味方をしてくれたのは、金髪の少女だった。
「スキルが使えないんじゃ宝の持ち腐れだろ」
青い髪の少年が食って掛かる。
スキルって何だ?

「貴方達には冒険者になって魔物と戦って貰う事になります」
状況が理解出来ず混乱している俺にエルが説明する。
プレートやステータス等が存在している事を鑑みると、これはゲームみたいなものだろうと推測した。
「とりあえず3つ、スキルの編集をしましょう」
エルが俺のプレートに触れると文字が消え、再び真っ黒になった。
「本当は属性の組み合わせでスキルを組み立てるんですけど…」
エルが気まずそうに呟く。
「スキルの内容をイメージしながらプレートにスキルの名前を書いて下さい」
エルの説明がいまいち理解出来ず戸惑っていると、銀髪の女性が自分のプレートを俺の目の前に差し出してきた。

「私の属性は水と命と無属性、それでクリエイトウォーターで水を作ってライフエンチャントの魔法で生命力を付与、トランスポートの魔法で対象者に届ける事で回復魔法にしたの」
銀髪の女性がプレートを操作しながら説明してくれる。
「それが出来ないからエルさんが困ってるんだろ?」
「気分が悪いからアンタは黙ってて」
金髪の少女は青い髪の少年にぴしゃりというと『フン』と鼻を鳴らした。
「ちっ、ちょっとイケメンだからってチヤホヤされやがって」
青い髪の少年はブツブツ言いながら壁際の椅子に座り込む。

「私は貴方の事、馬鹿にするつもりは無いわ、これからよろしくね」
ニッコリと笑う金髪の少女。
愛らしい笑顔を振りまく彼女に好意を抱くのは、至極自然な事だった。


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