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第-1章 迷星の時量剣師(めいせいのときはかし)
第4話 スキル編集
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「私はアイリス、貴方の名前は何て読めば良いのかな?」
金髪の少女はアイリスと名乗った。
アイリスは身長140センチ程度で、白いミニのワンピースからスラリとした手足が伸びていた。
「俺はソウシ、なんと言うか、ありがとう」
「良いの良いの、別に属性なんてなくても使えるスキルを考えれば良いんじゃない?」
アイリスはそう言うと薄い唇に人差し指を当てて考え込む。
「魔法や衝撃波は無理だし、やっぱり剣士になるのかなぁ?」
そう言うと、何かを思い付いたように人差し指を立てて見せた。
「足がめっちゃ速くなるとか!」
「足手まといなら逃げ足くらいは速くないとな」
青い髪の少年は余程俺の事が気に入らないようだ。
「あんた、本当に大概にしなさいよ?」
アイリスが心底呆れたように言った。
足が速くなる、というのは確かにありだな。
プレートに人差し指を滑らせて『疾風(はやて)』と書き込む。
アイリスと銀髪の女性が興味津々に覗き込んできた。
「私も仲間に入れて貰おうかな? ラナって呼んでね」
銀髪をかきあげる仕草は少し大人びて見えるが、話をすると子供のようだった。
ちなみに『疾風』とは『犬上破刀流』基本の運歩法の一つで、静止状態から一瞬で全速力で駆ける体術だ。
続けて『旋風(つむじ)』と書き込む。
これも『犬上破刀流』の、高速回転をする体術だ。
最後に『虎切(とらきり)』と書いた。
これはいわゆる『燕返し』の様な剣術の事だ。
『真田流抜刀術』では上下の変化に限らず、左右などの変化を高速で行う『返し』の総称となっている。
これで良いのかよく分からないが、取り合えず3つ、スキルの編集が完了した。
「弾かれなかったし、編集は出来たみたいですね」
エルはホッとした表情で言った。
「弾かれる?」
「条件を満たしていないスキルは登録出来ないのです」
俺の問い掛けにエルが答えた。
「それじゃ最後にクラスを記入して下さい」
エルがプレートに触れると、文字が消え真っ黒になる。
「クラス?」
「職業の事だけど、自称で良いですよ」
そんな適当な肩書に意味があるのかと訝しむが
「ギルドで仕事を受ける時に依頼主に見せる肩書で、スキルや装備に制限がかかる事はありません」
エルの説明の続きを聞いて納得した。
プレートを持ち直すと、迷う事なく『剣士』と書き込んだ。
「剣士…弓使いの方が良かったんじゃないかしら?」
今まで黙っていた赤毛の少女がぼそりと呟く。
「ぶっぶー、もう遅い」
アイリスがそう答えると赤毛の少女は小さく溜息をついた。
「だって、接近戦は危ないじゃない…」
いや、近い遠い関係なく、戦いってそもそも危ないものじゃないだろうか?
危なくない戦いってなんだよ…
それに…
「俺は弓、そんなに得意じゃ無いんだ」
「剣なら得意だと言いたげな口ぶりだな」
茶髪の大男が不愛想に言う。
「弓に比べればな」
茶髪の大男の目を見て、皮肉っぽく笑って答えてやった。
「まぁ良い、俺はオルガ、クラスはタンクだ」
茶髪の大男はそう言うと腕を組んでうつむいた。
話はそれだけだと言う事だろう。
タンクとは前衛で、敵の攻撃を受けてパーティメンバーを守る職業だ。
「私は草木と風の魔法使いだよ」
アイリスがプレートの表示を見せてくれたが良くわからず適当に頷いて見せた。
「私はラナ、ヒーラーよ、よろしくね」
銀髪の女性はラナと名乗った。
ラナのスキルは具体的に説明してくれたから、なんとなくだけどよく分かっている。
「電気と光と音の弓使い、名前はユキ」
赤毛の少女の自己紹介を聞いてズッコケそうになった。
「俺も弓使いになってたら完全にかぶってたな、と言うか俺は劣化版になるだろ…」
「遠くから攻撃すれば安全じゃない…」
ユキが持論を展開する。
全員の視線が青い髪の少年に向けられた。
「なんだよ、俺は天才魔法剣士のリュウだ、お前らみたいな凡人と一緒にするなよな」
リュウの自己紹介を聞いて、アイリスが盛大に溜息をついた。
「それじゃ改めて自己紹介します、私はエル、案内人です」
エルは今までとは違う真面目が顔をしていた。
「もう気付いている人もいるかもしれないけど、残念ながら貴方達は地球で亡くなって、この地に転生しました」
エルの説明は確かに突拍子もない内容だったが、それでも全ての疑問には答えられていた。
「この世界では転生者は必ず『冒険者』になる決まりがあります」
「はい!」
挙手でエルの説明を遮ったのはリュウだった。
「何でしょうか?」
「ここはどこですか?」
リュウの質問は俺が抱く疑問の一つではあった。
「それを今から説明してくれるんでしょ、黙って聞いてれば?」
アイリスはリュウに対してなかなか辛辣である。
エルは一つ頷くと続けて口を開く。
「元からこの地に住んでいる『現地人』はこの世界を『アンゴルモア』と呼んでいます」
エルの口から飛び出したのは、とある有名な予言に登場する単語だった。
「詳しい説明と冒険者としての訓練は明日から始めます、今日は部屋に戻ってゆっくりと休んでおいて下さい」
エルは事務的な口調で言うと、背後の扉から出て行った。
『ガチャ』と音を立てて扉に鍵がかかる音が響く。
閉じ込められた、とも受け止められる。
ふと、アイリスの不安そうな瞳に目が合った。
――ピンチの時は不敵に笑ってやり過ごせ――
親父の言葉を思い出し、アイリスにニヤリと笑い掛けた。
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アイリスは身長140センチ程度で、白いミニのワンピースからスラリとした手足が伸びていた。
「俺はソウシ、なんと言うか、ありがとう」
「良いの良いの、別に属性なんてなくても使えるスキルを考えれば良いんじゃない?」
アイリスはそう言うと薄い唇に人差し指を当てて考え込む。
「魔法や衝撃波は無理だし、やっぱり剣士になるのかなぁ?」
そう言うと、何かを思い付いたように人差し指を立てて見せた。
「足がめっちゃ速くなるとか!」
「足手まといなら逃げ足くらいは速くないとな」
青い髪の少年は余程俺の事が気に入らないようだ。
「あんた、本当に大概にしなさいよ?」
アイリスが心底呆れたように言った。
足が速くなる、というのは確かにありだな。
プレートに人差し指を滑らせて『疾風(はやて)』と書き込む。
アイリスと銀髪の女性が興味津々に覗き込んできた。
「私も仲間に入れて貰おうかな? ラナって呼んでね」
銀髪をかきあげる仕草は少し大人びて見えるが、話をすると子供のようだった。
ちなみに『疾風』とは『犬上破刀流』基本の運歩法の一つで、静止状態から一瞬で全速力で駆ける体術だ。
続けて『旋風(つむじ)』と書き込む。
これも『犬上破刀流』の、高速回転をする体術だ。
最後に『虎切(とらきり)』と書いた。
これはいわゆる『燕返し』の様な剣術の事だ。
『真田流抜刀術』では上下の変化に限らず、左右などの変化を高速で行う『返し』の総称となっている。
これで良いのかよく分からないが、取り合えず3つ、スキルの編集が完了した。
「弾かれなかったし、編集は出来たみたいですね」
エルはホッとした表情で言った。
「弾かれる?」
「条件を満たしていないスキルは登録出来ないのです」
俺の問い掛けにエルが答えた。
「それじゃ最後にクラスを記入して下さい」
エルがプレートに触れると、文字が消え真っ黒になる。
「クラス?」
「職業の事だけど、自称で良いですよ」
そんな適当な肩書に意味があるのかと訝しむが
「ギルドで仕事を受ける時に依頼主に見せる肩書で、スキルや装備に制限がかかる事はありません」
エルの説明の続きを聞いて納得した。
プレートを持ち直すと、迷う事なく『剣士』と書き込んだ。
「剣士…弓使いの方が良かったんじゃないかしら?」
今まで黙っていた赤毛の少女がぼそりと呟く。
「ぶっぶー、もう遅い」
アイリスがそう答えると赤毛の少女は小さく溜息をついた。
「だって、接近戦は危ないじゃない…」
いや、近い遠い関係なく、戦いってそもそも危ないものじゃないだろうか?
危なくない戦いってなんだよ…
それに…
「俺は弓、そんなに得意じゃ無いんだ」
「剣なら得意だと言いたげな口ぶりだな」
茶髪の大男が不愛想に言う。
「弓に比べればな」
茶髪の大男の目を見て、皮肉っぽく笑って答えてやった。
「まぁ良い、俺はオルガ、クラスはタンクだ」
茶髪の大男はそう言うと腕を組んでうつむいた。
話はそれだけだと言う事だろう。
タンクとは前衛で、敵の攻撃を受けてパーティメンバーを守る職業だ。
「私は草木と風の魔法使いだよ」
アイリスがプレートの表示を見せてくれたが良くわからず適当に頷いて見せた。
「私はラナ、ヒーラーよ、よろしくね」
銀髪の女性はラナと名乗った。
ラナのスキルは具体的に説明してくれたから、なんとなくだけどよく分かっている。
「電気と光と音の弓使い、名前はユキ」
赤毛の少女の自己紹介を聞いてズッコケそうになった。
「俺も弓使いになってたら完全にかぶってたな、と言うか俺は劣化版になるだろ…」
「遠くから攻撃すれば安全じゃない…」
ユキが持論を展開する。
全員の視線が青い髪の少年に向けられた。
「なんだよ、俺は天才魔法剣士のリュウだ、お前らみたいな凡人と一緒にするなよな」
リュウの自己紹介を聞いて、アイリスが盛大に溜息をついた。
「それじゃ改めて自己紹介します、私はエル、案内人です」
エルは今までとは違う真面目が顔をしていた。
「もう気付いている人もいるかもしれないけど、残念ながら貴方達は地球で亡くなって、この地に転生しました」
エルの説明は確かに突拍子もない内容だったが、それでも全ての疑問には答えられていた。
「この世界では転生者は必ず『冒険者』になる決まりがあります」
「はい!」
挙手でエルの説明を遮ったのはリュウだった。
「何でしょうか?」
「ここはどこですか?」
リュウの質問は俺が抱く疑問の一つではあった。
「それを今から説明してくれるんでしょ、黙って聞いてれば?」
アイリスはリュウに対してなかなか辛辣である。
エルは一つ頷くと続けて口を開く。
「元からこの地に住んでいる『現地人』はこの世界を『アンゴルモア』と呼んでいます」
エルの口から飛び出したのは、とある有名な予言に登場する単語だった。
「詳しい説明と冒険者としての訓練は明日から始めます、今日は部屋に戻ってゆっくりと休んでおいて下さい」
エルは事務的な口調で言うと、背後の扉から出て行った。
『ガチャ』と音を立てて扉に鍵がかかる音が響く。
閉じ込められた、とも受け止められる。
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