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エルサのブレスで魔物達を焼き払う
しおりを挟む「…………フリージング!」
魔法を解き放ち、魔物達を凍らせる。
今回は足止めが目的だから、足首まで凍らせるくらいにしておいた。
魔力を多めに練って体全体を凍らせるようなイメージをしたら、思いもよらない広範囲になりそうだったからね。
「エルサ、今だ」
「行くのだわー」
エルサの力が入ってない声と共に、口から出る炎。
炎は魔物達を飲み込み、集落に向かうけど、ちゃんと調整してあったのか集落から少し手前で止まる。
「ちゃんと調整出来たんだな」
「調整はほとんどしてないのだわ。同時に入り口近くに結界を張ったのだわ」
……成る程……結界を張ったところで止められてるというわけか。
そういう使い方もあるんだな……。
エルサの炎が消えた時、残っていたのは集落入り口にオーガ数匹、オーク数匹と、炎から何とか逃れたウルフ数匹くらいだった。
これなら、後は任せても大丈夫かな。
俺は安心して、エルサの炎が作った魔物の焼けた道を歩いて行く。
モニカさんとソフィーさん、ユノは俺の後ろから、フィリーナとアルネは集落が気になるのだろう、走って先に入ってしまった。
「ちょっと待つのだわ」
「ん? どうしたエルサ」
「……もう小さくなって良いのだわ?」
「あぁ……そうか……そのまま戻るわけにはいかないか。もう良いだろうな」
「ふぅ、疲れたのだわー」
全然疲れて無い暢気な声を出して小さくなり、いつものように俺の頭へくっ付いた。
「危ないとこもあったけど、なんとかなったわね。まぁ、リクさん一人でも十分だったんだろうけど」
「そうだな。普通はこの人数で魔物の群れに後ろから突撃とかしないからな。それに、リク一人で良かったんだろうが」
「そんな事ないよ、モニカさんとソフィーさんがいてくれて助かった」
モニカさんもソフィーさんも、もちろんフィリーナもアルネも、皆お互いをよく援護し合いながら魔物を沢山倒してた。
おかげで集落に魔物を侵入させずに済んだんだ。
俺一人じゃこんなに上手く出来なかったと思うけどなぁ。
「ユノもいっぱい魔物倒したのー」
「そうね、ユノちゃんも頑張ってたわね……何度か危ない所を盾で守ってくれたし」
「うむ。しかし……盾で攻撃を防ぎながらなのに、私達より魔物を倒してたな……」
ユノもちゃんと活躍してたね。
モニカさんの槍を掻い潜って来たコボルトの攻撃を、ユノが割り込んで盾で防いだり、ソフィーさんがオーガを切りつけた隙を狙って、オークが襲い掛かって来た時もユノが盾を使って受け流してたのを見た。
それに、それだけ盾を使って皆を守ってたにも関わらず、もう片方の手で持ってる剣で魔物をあっさり切り倒してるのは圧巻だったね。
小さい女の子の見た目をしてるユノが魔物からの攻撃を受け流し、剣を振れば魔物が倒れるってのは驚きの光景だった。
ユノは剣も盾もしっかり使いこなしてるみたいだ、俺はまだ剣を上手く扱えてる気がしないって言うのに……。
エルサを頭にくっ付けたまま、皆で和やかに話しながらゆっくり歩いて集落の入り口へと向かう。
入り口に集まってるエルフ達は、俺達が入り口に向かう間に残った魔物達を全て倒してた。
まぁ、10匹いないくらいだったからね、これまで入り口から魔物を侵入させないように頑張ってたエルフ達ならそんなに難しい事じゃないと思う。
実際すぐに魔物達はいなくなったのを遠目に確認出来た。
俺達が集落の入り口に到着した頃には、エルフ達が魔物を片付けてる様子だった。
先に走って行ったフィリーナとアルネはエヴァルトさんと何か話してるようだ。
その3人の所へ歩いて行くと、途中でエヴァルトさんが俺達に気付いた。
「リクさん、助かりました。おかげ様で怪我人も少なく集落も守ることが出来ました」
「ほんと、リクのおかげよね」
「だな。俺達は後ろから魔法を撃ってただけで、大したことはしてないしな」
三人が揃って俺を見て持ち上げるけど、そんなに大したことはしてないと思うけどなぁ。
ただ、エルサに乗って魔物達の後方に突撃しただけだし……。
「大したことはしてませんよ。ただエルサに乗って移動して、魔物達の後ろから攻撃をしただけですから」
「いやいや、それがすごい事なんですがね」
「そうね、あの状況でリク以外に魔物達の後ろを突ける人はいなかったわ」
「うむ。俺達だけだったら、ただ皆で入り口を守ろうと駆けつけるだけだっただろうな」
エルサに乗って移動してた時にたまたま思い付いただけだからなぁ。
褒めてもらえる程の事はしてないと思う。
「後方からリクさん達が攻撃を加えてくれたおかげで、集落に侵入しようとする魔物達の勢いが止まりました。それもあって、私達は余裕を持って魔法で戦えたのです。リクさんの行動が無ければもっと被害が出ていた事でしょう」
「そうね。最後の方なんか、魔物達がどちらへ迎えば良いのか混乱までしてたからね」
そうか、確認はさすがに出来なかったけど、ちゃんと集落へ向かう魔物の群れが止まってくれてたようだ。
その場で思い付いた事だけど、上手く行って良かったよ。
「エヴァルト、ちょっと報告があるんだが」
「どうした?」
俺達が入り口の前で話していると、魔物達を片付けていたエルフの一人がエヴァルトさんに近付いた。
報告ってなんだろう? まだ魔物は全部片づけ終わってなさそうに見えるから、その報告じゃ無さそうだけど。
「リク様、お話の最中すみません。それがなエヴァルト、魔物達の中にサマナースケルトンがいたようだ」
「何だって!?」
エヴァルトさんがエルフからの報告に驚いて大きな声を出してたけど……サマナースケルトンって一体何だろう?
「……わかった、こちらでリクさんと相談しようと思う。お前はそれが本当にサマナースケルトンなのか確認をしてくれ」
「わかった。ではリク様、失礼します」
エヴァルトさんと話したエルフは態々俺に一礼してから、魔物達の片づけをしてる方へ走って行った。
何か……深刻な感じだな……エヴァルトさんが眉間に皺を寄せて考え込んでる。
「エヴァルト、サマナースケルトンがいたという事は……?」
「……ああ、もしかするとそれが今回の魔物が溢れた原因なのかもしれないな」
「サマナースケルトンが原因なんですか? その……俺はサマナースケルトンという魔物をよく知らないんですけど、どういった魔物ですか?」
フィリーナの問いかけにエヴァルトさんが頷いて原因と言った、その魔物が何かをしているんだろうか?
サマナースケルトンか……召喚する骨? 骨召喚士? まぁどちらでもいいけど、魔物が魔物を召喚するのかな。
マックスさんから聞いた魔物の情報にはそんな魔物はいなかった。
まぁ、マックスさんがベテラン冒険者とは言え、全ての魔物の事を知ってるってわけじゃないから仕方ないだろうけどね。
「そうですな……まずは戻りましょう。そこでこれからの事も相談したいと思います」
「わかりました」
エヴァルトさんの言葉に俺は頷いた。
他の皆も同じように頷き、石の家に向かって歩き出す。
エヴァルトさんを加えて、複雑な道を通り、石の家に帰って来る。
その頃には日が昇り始め、辺りはもう明るくなっていた。
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