神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移

龍央

文字の大きさ
124 / 1,955

エルフの集落との別れ

しおりを挟む


 広場に向かいながらフィリーナさん達との会話。

「リクがいなくなるのは寂しくなるわね。長老達じゃないけど、このまま集落にいて欲しいくらいだわ」
「ははは、まぁ本来俺達はヘルサルの街で暮らしてるからね。ここにいるのも楽しいけど、そろそろ帰らないと皆を心配させそうだ」
「父さん達なら多分魔物にとかそういう心配はしてないと思うわよ。リクさんの強さは知ってるからね。……まぁ食べ物とかの心配はしてるかもしれないけど」
「しかし、長老達もあれから一切接触してこなかったな」
「リクとの件でさらに発言力が薄まっただろうな。あれから森にある住宅から出て来ないらしい」

 長老達は引きこもってしまったみたいだね。
 変なちょっかいを掛けて来るよりはいいのかもしれない。
 フィリーナやアルネは俺達が帰るのを惜しく思ってるみたいだけど、俺達もそろそろ帰らないといけないからね。
 マックスさん達にも報告したいし、王都に行って勲章授与式とやらも控えてる。
 王都まで行く準備もしないといけない。
 広場でエヴァルトさんやヤンさん達一行と合流し、集落の入口へと移動する。

「リクさん、本当にありがとうございました。貴方達のおかげでこの集落は大した被害も無く救われました」
「エヴァルトさん達も頑張った、その結果ですよ」

 入口への道すがら、エヴァルトさんから何度もお礼を言われた。
 俺だけがやった事じゃないからちょっとだけ面映ゆい。
 話ながら集落入り口に着くと、俺達が通れるくらいの間を開け、集落で出会ったエルフ達がずらりと並んでいた。
 もしかして、総出で見送りなのかな?

「「「「「リク様、エルサ様、モニカ様、ソフィー様、ユノ様! 集落を救って頂きありがとうございました。この御恩、我々エルフは忘れません!」」」」」

 俺達が入り口に着いた瞬間、一斉に頭を下げながら叫ぶエルフ達。
 それだけ感謝してる事なのだろうけど、ここまでしてくれるとは思って無かった。
 ヤンさんと一緒に来た冒険者さん達や兵士さん達も驚いてる。
 俺達は苦笑いを浮かべながら、並んでるエルフ達に挨拶をしながら集落の外に出た。
 
「この辺りで良いか。エルサ、大きくなってくれ」
「わかったのだわ」

 俺の頭にくっ付いていたエルサが地面に降り、光を放ちながら大きくなる。
 ヤンさんはまだしも、兵士さんや冒険者さん達は見慣れていないせいか、大きくなったエルサを見て口を開けたまま固まってる。

「それじゃ、フィリーナ、アルネ、エヴァルトさん。お世話になりました」
「料理美味しかったの!」
「ありがとう、また来るわ」
「色々と学ぶ事が多かった、またな」

 俺達が口々に挨拶を済ませ、エルサに乗り込む。
 俺達の他にヤンさん達も乗ってる。
 どうせ帰る場所は同じ街だし、エルサは10人程度増えたところで問題無いそうなので、皆一緒だ。

「リク、勲章授与式には集落を代表してきっと駆けつけるわ!」
「リクの晴れ舞台を見なければな!」
「リクさん、集落からもリクさんの活躍を国に伝えます!」

 フィリーナさん……俺の勲章授与の事知ってたんだ……もしかしたらヤンさん辺りから聞いたのかもしれない。
 もし、王都でアルネやフィリーナとまた会う事が出来たら楽しいだろうなと考えながら、エルサに乗って俺達はヘルサルの街へと飛び立った。
 ……エヴァルトさん、これ以上変に国から表彰されるのも事が大きくなり過ぎだから、何も言わなくて良いんだけどな……なんて考えたけど、それを言ったところでエヴァルトさんは止めないだろうからなぁ。
 というかフィリーナ、ここから王都ってかなり距離があるけど、授与式に間に合うんだろうか?
 飛び立ったエルサに乗り、段々と小さくなって見えなくなる集落を遠目に見ながら、色々な事を考えていた。
 エルフの集落、楽しかったな。
 色んな街や村に行って色んな人達と出会うというのも楽しいかもしれないな。

「リクさん、この移動手段は便利ですね」

 ヤンさんがエルサの背中に乗りながら、すごい速さで流れて行く景色を見ながら声を掛けて来た。
 ヤンさんが連れて来た人達は全員、空を飛ぶ事に戦々恐々としていてエルサにしがみついて景色を楽しむ余裕は無いようだね。
 初めての事だから仕方ないけど、エルサの結界のおかげで風圧とかはほとんど無いからもっと楽にしてても良いんだけどなぁ。

「そうですね。山や川を越えるのも楽ですし、直線で移動できるのは便利ですよ」
「遠くの場所にこれだけ速い移動出来れば色々な事が変わりますね……」
「まぁ、確かにそうですけど……エルサ以外に空を飛んで移動出来る方法ってあるんですか?」
「ありませんね……移動と言えば徒歩か馬でしょうね」

 この世界に飛行機なんて物は無い。
 空を飛んで移動をするのはエルサ以外にいない事は無いと思うけど、それに人間が乗ると考えると……魔物を従えるくらいしかないかもね。
 ……人間を乗せて飛べる大きさの魔物がいるかどうかまで知らないけど……。
 エルサを見慣れているヤンさんは空を飛ぶ事を楽しみ、俺達も優雅に空の旅を満喫した。
 冒険者さんや兵士さん達は落とされないように必死にしがみついて楽しむどころじゃ無かったようだけど……。
 そんなに必死にしがみつかなくてもエルサは振り落としたりしないと思うけど、慣れて無いのだから仕方ないかな。

「エルサ、そろそろ降りよう。野営出来る場所を探してくれるか?」
「木陰がある場所が良いのだわ? わかったのだわ」

 途中、一度昼食のために地上に降りて食事をした後、再びエルサに乗って移動。
 日も暮れて来て薄暗くなって来た辺りでエルサに野営場所を探してもらう。
 エルサに見つけてもらった木が数十本ある場所へと降りてもらい、野営の準備を始める。
 さすがはベテラン冒険者なのか、ヤンさんが連れて来た人達はエルサから降りて数分で平常を取り戻して動き始めた。
 今回は人数も多いし、野営に慣れてるだろうヤンさんや冒険者さん達がいるから、テント設営等の準備はすぐに終わる。
 それぞれのグループに別れてたき火を囲み、夕食を取って今日は休む事にする。
 食材はエルフの集落で大量にもらって来た。
 ……ヘルサルへ着くまでに食べ切れそうにない量だけど……。
 一応の見張りを交代でしながら、テントで休んだ翌朝、朝食を取った後にまたエルサに乗ってヘルサルに向かって飛び立つ。
 見張りはほとんどがヤンさんを含めた冒険者さんと兵士さん達がやってくれた。
 俺達は連日の魔物討伐で疲れてるだろうからという事らしいけど、集落ではちゃんとした場所で休んでたからそんなに疲れとか無いんだどなぁと思いつつ、甘える事にした。
 ヘルサルに向かって数時間……冒険者さんや兵士さん達が、エルサに乗って空を飛ぶ事に慣れた頃にヘルサルの街南へ到着した。

「エルサ、そろそろ降りよう。ここからは徒歩ですねヤンさん」
「そうですね。エルサさんの事を街の人達は知っていますが、大きくなったままでは驚かせてしまうでしょう」
「わかったのだわー」
「何か、久々な気がするわね」
「そうだな……考えれば20日以上も離れてたのか」

 エルサが地上に向かって高度を下げる途中で、モニカさんとソフィーさんがヘルサルの街を見ながら懐かしそうにしてる。
 確かにヘルサルを出てから結構な日数だったから、懐かしく感じるね。
 マックスさん達、元気かなぁ?
 地上に降りたエルサから俺達が降りると、すぐに小さくなって俺の頭にドッキング。
 いつもの位置に落ち着いたエルサのモフモフを撫でながら、皆でヘルサルに向かって歩いて行った。


しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

科学×魔法で世界最強! 〜高校生科学者は異世界魔法を科学で進化させるようです〜

難波一
ファンタジー
「魔法ってのは……要はエネルギーの制御だろ?」 高校生にして超人的な科学知識を持つ天才・九条迅は、ある日、異世界アルセイア王国に「勇者」として召喚された。 だが、魔王軍との戦争に駆り出されると思いきや—— 「お前、本当に勇者か? 剣も魔法も、まともに使えないのか……?」 「科学的に考えれば、魔法ってのはもっと進化できるはずだ!」 剣も魔法も素人の迅だったが、「魔法を科学的に解析し、進化させる」という異端の方法で異世界の常識を根底から覆し始める! 魔法の密度を最適化した「魔力収束砲」 魔法と人体の関係を解明し、魔力を増大させる「魔力循環トレーニング」 神経伝達を強化し、攻撃を見切る「神経加速《ニューロ・ブースト》」 次々と編み出される新技術に、世界は驚愕! やがて、魔王軍の知将《黒の賢者》アーク・ゲオルグも迅の存在に興味を持ち始め—— 「科学 vs 魔法」「知能 vs 知能」 最強の頭脳戦が今、幕を開ける——! これは、「魔法を科学で進化させる勇者」が、異世界を変革していく物語! ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

異世界に降り立った刀匠の孫─真打─

リゥル
ファンタジー
 異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!  主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。  亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。  召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。  そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。  それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。  過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。 ――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。  カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

処理中です...