211 / 1,955
パーティの話し合い
しおりを挟む「それなら……私は冒険者に関する事ですね。王都に冒険者の知り合いは……少ないが、いないわけではありませんので」
「そう。ならソフィーはそちらの情報収集ね」
「リクさんが貴族になる話で……国にはどんな利点が? 叙爵する人を決める手間というのはわかりますが……嫌がるリクさんにお願いしなくてもいいのではないかと……」
「りっくんの事は、国内では既に有名なの……英雄としてね。他国にも名前が知れ渡るのも時間の問題だと思うは。そして、そんな人物が貴族になるという事は……」
「我が国としては、他国への牽制にもなるのです。英雄が貴族として領地を治める国。そして、ドラゴンも共にいる……と」
「りっくんの名前を利用するみたいで、私はこの考えがあまり好きじゃないけどね」
ソフィーさんは、俺達より長い間冒険者をして来たから、冒険者としての知り合いは多いのだろう。
センテで活動していたから、王都にいる知り合いは少ないかもしれないけど、いないわけじゃないからね、それに頼ってみるのも良いかもしれない。
モニカさんは、俺が貴族になる事での国として何の利点があるのか気になるようだ。
さっき姉さんが話していた、信頼できる相手を探して叙爵するという事の他に、英雄としての名前があるみたいだ。
俺自身は、英雄と言われる事にあまり特別な事は感じて無いけど、他の人の反応を見る限り、大量の魔物を倒した英雄というのは、他国に対して脅威になる事なのかもしれない。
……確かに、エルサが大きくなって攻めたりして来たら、一般の人達は恐れて逃げ出すだろうしなぁ……モフモフだけど。
「成る程……」
「他には……」
「私は……そうね……」
体感で約1時間ほど、皆と話し合う。
特にこれと言った意見は出るわけじゃなかったけど、皆の考えが聞けて有意義な時間だったと思う。
けど、やっぱり会議とかって苦手だなぁ……。
「それじゃありっくん、おやすみ」
「おやすみ、姉さん」
「では、失礼します」
話し合いが終わり、姉さんとハーロルトさんが退室するのを見送る。
ハーロルトさんに至っては、これからさらに会議のまとめだとか、情報の選別だったりとまだ仕事が残っているそうだ。
情報部隊っていうのも、大変そうだ。
……それと比べたら、ヴェンツェルさんは忙しそうじゃなかったけど……。
「それじゃ、私達もこれで帰るわね」
「今日は魔法を使ったからな。多少疲れがあるようだ」
「お疲れ様、フィリーナ、アルネ」
合同訓練の時、細かい魔法を使っていたから、疲れが出て来たんだろう。
エルフの二人も姉さん達に続いて部屋を出て行った。
魔物との戦いと違って、魔法を細かい制御をしながら使っていたようだから、魔力というより精神的な物かもしれないけどね。
どちらにせよ十分休んで欲しい。
「私達は……どうしようかしら?」
「時間的には帰る時間なんだがな」
「……眠いの」
モニカさんとソフィーさんは、これからどうするか相談している。
二人も疲れているようだけど、訓練に慣れているからまだ眠気とかは無いみたいだ。
宿に帰っても暇だから……なのかもしれない……。
ユノの方は、満腹になったうえで、さらに難しい話を聞いていたから眠くなってしまったようで、頭をフラフラさせ始めた。
「二人共、時間があるなら少し、相談しても良いかな?」
「何かしら?」
「リクから相談とは、珍しいな」
「……くぅ……」
ユノには悪いが、この機会に二人と相談をしようと思う。
フラフラしていたユノは、ソファーに横になって寝息を立て始めた……ヒルダさんが毛布を掛けてくれてるな、ありがとうございます。
とりあえずユノは寝かせておき、今のうちに二人に相談しておこう。
「これからの事なんだけど……王都にこのまま滞在するか、ヘルサルに帰るか……どうしようかと思ってね」
「昨日父さんに言われてた事ね」
「ふむ……そうか……ふふ」
俺とモニカさん、ソフィーさんは同じパーティだ。
皆がどう活動するのかを、俺一人で決めるものじゃないと思うからね。
しかし、ソフィーさんが何故か少し嬉しそうだ……何だろう?
「どうかしたんですか、ソフィーさん?」
「あぁいや、リクがしっかりリーダーとして頑張ってるのがわかってな。それに、皆にちゃんと相談するリーダーというのも珍しいからな」
「……そうなんですか?」
一応、俺がパーティのリーダーとなってるけど、そのあたりはあまり良く考えていない。
独断専行をしないように、皆にしっかり相談するように気を付けるくらいだね。
でも、ソフィーさんが言うには、そんなリーダーは珍しいらしい。
「冒険者と言うのは、我が強い者が多いからな。そんな者達がパーティを組めばどうなると思う?」
「……まとまって行動しない?」
「そうだ。パーティを組んだ最初はそれなりに行動するんだが……リーダーやメンバ-の誰かが勝手に決めて勝手に行動して……そうした理由で解散になる事が多い」
「でも、マックスさんやマリーさん、ヤンさんなんかは?」
我が強い、というのはわからなくもない。
ギルドで俺達に絡んできた人をはじめ、自分が一番だと考えている人も多いんだろう。
そういった自信を持ってないと、長年魔物と戦ったり、色んな依頼をこなしたり出来ないのかもしれないしね。
でも、マックスさんやマリーさん、ヤンさんなんかは、長年パーティとして続いてたらしいし、そういった人達がいないわけじゃないと思う。
「あの人達は珍しい例でもあるな。大抵はパーティを組んで解散……というのを繰り返す事が多いみたいだ。よっぽど意気投合していないと、長くは続かない……それを見ていたから、私は今までパーティに入らなかったというのもあるな」
「そうだったんですか……」
「その点、リクはしっかりメンバーの意見を聞いて、方針を決めるようにしているからな。これなら早々に解散何て事にはならないだろう」
「リクさんがワンマンに物を決める姿は……想像できないわね」
マックスさん達は、珍しい例らしい。
お互いがお互いに一筋と見えるマックスさんとマリーさん、そこに冷静に一歩引いたスタンスで接するヤンさん……バランスが取れていたのかもしれない。
それはともかく、俺は皆の意見というのはちゃんと聞きたい。
勝手に決めて、後で怒られるのは怖いから……というのもあるけど、やっぱり一緒に活動していくんだから、意見に耳を傾けるのは大事だと思うんだ。
ワンマンで皆を引っ張って行く俺なんて、モニカさんの言う通り自分でも想像できない。
……こういうのは、事なかれ主義だった以前の世界での生活が響いているのかもね……悪い事だとは思ってないけど。
「さて……これからの活動か……」
「父さんも行ってた通り、冒険者として活動するなら王都にいた方が便利ね」
「そうだね。人が多いという事は、それだけ依頼も多いだろうしね。けど、ヘルサルにいた方が気楽、というのもあるよね」
ヘルサルなら、獅子亭の手伝いをしながら、マックスさんの作る美味しい料理を食べて生活できる。
知り合いの多い街だから、エルサを乗せて歩いていても珍しがられないしね。
でも、王都なら色々な依頼があるから、冒険者として経験を積むには良い事だとも思うんだ。
俺には絶対的に経験や知識が足りていない。
それを考えると、Aランクというのも不相応なんだけど、なってしまったものは仕方ない。
11
あなたにおすすめの小説
「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ
天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。
彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。
「お前はもういらない」
ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。
だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。
――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。
一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。
生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!?
彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。
そして、レインはまだ知らない。
夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、
「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」
「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」
と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。
そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。
理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。
王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー!
HOT男性49位(2025年9月3日0時47分)
→37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)
科学×魔法で世界最強! 〜高校生科学者は異世界魔法を科学で進化させるようです〜
難波一
ファンタジー
「魔法ってのは……要はエネルギーの制御だろ?」
高校生にして超人的な科学知識を持つ天才・九条迅は、ある日、異世界アルセイア王国に「勇者」として召喚された。
だが、魔王軍との戦争に駆り出されると思いきや——
「お前、本当に勇者か? 剣も魔法も、まともに使えないのか……?」
「科学的に考えれば、魔法ってのはもっと進化できるはずだ!」
剣も魔法も素人の迅だったが、「魔法を科学的に解析し、進化させる」という異端の方法で異世界の常識を根底から覆し始める!
魔法の密度を最適化した「魔力収束砲」
魔法と人体の関係を解明し、魔力を増大させる「魔力循環トレーニング」
神経伝達を強化し、攻撃を見切る「神経加速《ニューロ・ブースト》」
次々と編み出される新技術に、世界は驚愕!
やがて、魔王軍の知将《黒の賢者》アーク・ゲオルグも迅の存在に興味を持ち始め——
「科学 vs 魔法」「知能 vs 知能」
最強の頭脳戦が今、幕を開ける——!
これは、「魔法を科学で進化させる勇者」が、異世界を変革していく物語!
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます
難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』"
ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。
社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー……
……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!?
ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。
「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」
「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族!
「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」
かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、
竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。
「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」
人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、
やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。
——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、
「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。
世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、
最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕!
※小説家になろう様にも掲載しています。
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
異世界に降り立った刀匠の孫─真打─
リゥル
ファンタジー
異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!
主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。
亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。
召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。
そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。
それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。
過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。
――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。
カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる