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イオスも魔力量が多かった可能性
しおりを挟むイオスと相対した時、魔力が繋がっていてそれが途切れたら、ルジナウム付近に集まっている魔物が暴れ始めると言っていた。
それはつまりイオスと魔物を集めるようにした、クォンツァイタの間が繋がっているという意味だと思うけど、多分、俺とフォルガットさんが見つけたあの仕掛けから魔力を流していたんだろう。
もしかすると、あの鉱山内の仕掛けからさらにイオスに繋がっていた、という可能性もある……イオス自体が亡くなっているから、もう調べる事はできないけど。
「ですが、ここで問題になって来るのが、これだけの長距離で魔力を繋げるのは、少々の魔力量では不可能という事です」
「魔法具を扱う者や、詳しい者にも確認したが、ブハギムノングとルジナウム距離で魔力を流して繋げるなんて、そんじょそこらの人間には不可能と言われた」
「繋がっているのがわかっても、方法がわからなかった……どういう事なのかと考えているところに、今回のリク様の活躍とツヴァイという者の魔力、です……」
「イオスは、魔力を分け与えられていた可能性が高い……という事ですね」
「それって、リクさんが戦ったっていうツヴァイや、私と一緒に追いかけて捕まえた男と一緒って事よね?」
「うん」
モニカさんの確認に、俺も含めてフランクさん達も頷く。
通常の人間には不可能なら、通常じゃない魔力を増やした人間を使えばいい、という事だろう。
イオスと対峙した時、向こうは魔法を使わなかったから、もしかしたら逃げた男と同じく魔法が使えないだけで魔力は多く持っていたのかもしれない。
鉱山内じゃフィリーナもいなかったし、探知魔法が役に立たないからと使っていなかったから、イオスの魔力まではわからなかったな……。
まてよ? そうだとすると、鉱山で行われていた研究で、エクスブロジオンオーガの核に魔力を注ぎ込んでいたのは、イオスなのかもしれない。
モリーツさんの魔力量が、与えられて多いという可能性も捨てきれないけど……どちらにせよ、エクスブロジオンオーガに魔力を与える程、余剰な魔力があったのは確かだね。
その後もしばらく、ノイッシュさんも交えてフランクさんと、今回の三か所で行われていた事の確認や予想、相談を行った
「ともあれ、私の領内で他国の者に好き勝手をさせるわけにはいきません。気を引き締めて、調査を進めます」
「冒険者ギルドもだな。リク様が直接話しているから、ベルンタの爺さんはわかっているだろうが、他の支部とも連携して、潜り込んでいる者がいないかを調査だ。まぁ、冒険者ギルドは他国から来た者だからと言って、拒否するような組織ではないが……国や怪しい組織が企んでいるのに加担しているようなら、排除しなきゃいけないからな」
「おや、ここにはギルドマスターとしてではなく、個人で話をしているのでは?」
「おいおい、子爵殿……それは今更だ。今回の話から、ギルドマスターとしても動かなきゃいかんだろう。もっとも、約束通りリク様に関して何かを言う事はないがな」
「ありがとうございます」
「お礼を言いたいのはこちらだ。色々と有用な情報を持って来てくれる。これで、冒険者としてよりも国との拘わりが強いと文句を言うようなら、ギルドマスター失格だからな」
とにかく、現状はどこまでツヴァイやイオスのいた組織が関わっているかわからないため、それぞれ注意をして調べるのが優先となった。
まぁ、身うちを疑うような事に繋がるから、すぐにわかるような事ではないだろうけど、頑張って欲しい。
それなりに長い話を終えて、ノイッシュさんがまず他の支部との連携を取る方策を考えるため、退室。
続いて俺とモニカさんも退室して……と考えたんだが、フランクさんに呼び止められた。
「リク様、ノイッシュ殿がいる場所では話せなかったのですが……」
「どうかしましたか?」
何やら、ノイッシュさんのいないところで話したい事があるらしい。
本来内緒にしていたはずの事も話したのに、どうしたんだろうか?
「お恥ずかしながら、私の不肖の息子、コルネリウスの事です」
「コルネリウスさん? そういえば、一応護衛としていつもなら後ろに控えさせているのに、今日はいませんね」
「はい。まぁ、それはフィネがいないため、制御役がいないからでもあるのですが……コルネリウスは、私の屋敷にいる使用人から、何やら吹き込まれている節があります」
「コルネリウス様がですか!?」
フィネさん、フランクさんの言葉に取り乱して驚いている。
今この場で考えて決めた、というわけじゃないんだろうけど、フィネさんには相談してたりはしなかったんだろう。
町を離れていたから、話す時間がなかったのが大きいか。
「……失礼しました」
「フィネが驚くのも無理はありません。私の知らないうちに、使用人の一部から、次期子爵家の当主であれば、もっと我が儘に振る舞うのも許される……といった、甘言とも言える事を吹き込まれていたようですな。フィネがリク様について行き、コルネリウスから離れた事で、判明しました」
「そんな事が……」
「でも、その使用人さんはなんでそんな事を?」
「まだ、理由はわかっておりません。まぁ、屋敷に戻らずここに私がいるので、確かめようがないというのが本当のところですが……。ともかく、フィネが離れた事で、コルネリウスがその甘言を弄していた使用人を、自分の近くへ呼ぼうとしていたのです。理由を聞けば、その者ならば自分の言う事を聞いてくれるし、文句も言われない。なんでも自由にさせてくれると……まったく、我が息子ながら情けない……」
「子爵様、もしかしてその使用人というのは……私が一時離れていた際に雇われた……」
「うむ、あの者だ。いや、あの者達だな。フィネが以前離れた際、それを狙っていたのかどうかは定かではないが、我が子爵家に取り入って使用人になった後、コルネリウスに接触したようだ。巧妙に、私が屋敷にいる時には、コルネリウスとは直接関わらないようにしていたし、他の使用人達にも隠していた」
「私がいない間に……そんな事が……もしかして、それで戻った時にコルネリウス様の性格が捻じれてさらに、捻じくれ曲がっていたんですね!」
「……不肖の息子とわかっていても、そこまで言われるのはあれだが……言われても仕方ない正確になってしまったからな。フィネには苦労をかける」
「いえ……申し訳ありません……」
話を聞くうちに、以前フィネさん本人から語られた、コルネリウスとの再会の事を思い出したようだ。
ちょっと言い方はあれだけど、確かに捻じくれまくっているというか、よく考えたらキマイラに敵わない事だってわかるだろうし、自分本位に物事を考え過ぎて我が儘になった原因が判明したのだから、父親のフランクさんを前にしても言ってしまったんだろうなぁ。
「いや、息子の事をよく見ず、フィネもそうだが使用人達に任せっきりだった私が悪いのだ。とまぁ、そこでなのだが……リク様」
「はい?」
コルネリウスさんの話だけかと思ったら、俺の名を呼んで、何やら頼まれそうな雰囲気……?
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