神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移

龍央

文字の大きさ
879 / 1,955

神も性格や考え方は千差万別

しおりを挟む


 半透明だから失礼かもしれないけど、幽霊みたいな感じかなぁって思っていたんだけど、ユノをしっかりと抱き締めていたから、触れらえる事を少しだけ疑問に感じた。
 幽霊じゃないけど魔物でも、ゴーストとかは魔法は当たるけど物理的な剣を当てたりはできないから、それと似たような感じかなとも。
 けど、魔力だとか顕現したとか……よくわからないけど、ちゃんと存在しているから触れられるって事らしい。
 ユノに教えられたとこで、ようやく俺に視線を向けたアルセイス様が、ポーズをとるようにしながら俺に近付く。

 攫ったというのは人聞きが悪いし、そんな事をした覚えがないので否定しながらも、視線を逸らしながら触れるのは遠慮しておいた。
 アルセイス様、肌は緑色だけど体は女性っぽいし、なんというか……何も着ていないようにも見えるからね。
 一応、魔力なのかなんなのか、薄いベールのようなものが体を覆っており、アルセイス様自身が半透明な事もあって裸を見ているという程ではないけども。

「結構初心なのねぇ? ユノ様を攫ったから、それなりに女好きなのかと思ったけど……英雄色を好む、みたいな?」
「色を好んだ覚えはありませんし、節操のない事をしようとも思っていません。それに、そもそも俺はユノを攫ったりなんて……」
「そうなの。リクが攫ったんじゃないの。私が自分からリクについて行ったの!」
「……お菓子をあげて、こっちへ来い見たいな感じかしら? 駄目よーユノ様、知らない男にお菓子で釣られてついて行ったら―」
「子共扱いしないの! 私は子供じゃないの、お菓子なんかでは釣られないの!」
「……お菓子や食べ物には、すぐ飛びつくのだわ」
「エルサ、思ってても今は言わない方がいいと思うぞ?」

 失礼な、というより濡れ衣を着せられている気がするので、ユノを攫ったというのはしっかり否定しておく……ついでに、色を好んでいるわけではない事も。
 ユノも俺を庇うように、攫ったわけじゃないと否定してくれるが、アルセイス様から見れば知らない男にホイホイついて行った子供、のように見えるのかもしれない。
 ……からかっているだけかな?
 子供扱いに憤慨するユノに、ポツリと小さくエルサが俺の頭にくっ付いたまま漏らしたけど、今は止めておいた方がいいと注意しておいた。
 変に拗れてユノが本気で怒ったら、大変だからな。

「あらあらごめんなさいねー。どうにも今のユノ様の姿に考えが引きずられてしまって……そうよねー、ユノ様私より年上だものねー。ちゃんと、熟女として扱わないといけなかったわねー」
「私はおばさんじゃないのー!」

 アルセイス様、完全にユノをからかうモードに入っているっぽい……久しぶりにあった事と、ユノがムキになるので面白いんだろう。
 というか、神様にも年齢ってあったんだなぁ……まぁ、先に神様として生まれたとかがあるからかもしれないけど。
 年齢という概念があるのに少し驚いた。

「もう、私の事はいいから、本題に入るの! ちゃんとリクを連れて来たの!」
「そうねー、これ以上からかうとユノ様を怒らせそうだし、そうなったら私なんて軽く消し飛びそうだしねー」
「……アルセイス様は、このような性格をなされていたのですね……」

 楽しそうに話しているアルセイス様を見ながら、アルネが再びショックを受けている様子。
 おそらく、今までエルフが厳粛に祀っていた神様が、ユノをからかったり、喋り方が軽かったりと想像と違ったためだろう。
 まぁ、祀る側は想像しかできない以上、実際とは違っても仕方のない事なんだろうけど。

「あらー? 私は別にエルフ達に根暗な性格だって、伝えていないはずだけどー? こういうの、結構あるのよねー。仕方ない事だけど……神だからって、厳格だとか厳かな存在ってわけでもないのよー」
「まぁ、ユノも神様らしい性格じゃないですからね……」
「そ、そうなのか……そうだな、確かにどういった雰囲気だったり性格だったりというのは、こちら側が勝手に想像していた事だ。伝わっている伝承だけで判断しているにすぎんか……」
「そうそう、そうなのよー。どうしても直接じゃないと伝わらない部分なのよねー。もう少し、神が世界に働きかけられるようになったり、干渉できれば違うんだろうけど、こればっかりはしかったないかしらねー」
「神が自由に世界へ干渉できるようになったら、もっと混沌とした世界ができてしまうの。だから仕方ないの。私だって、自由に干渉できないから、今こうなっているの。楽しいけど……」

 ユノを例えに出すと、納得してくれたアルネ。
 まぁ、完全に子供っぽい行動や性格をしているように見えるし、神様だって千差万別というか絶対に厳格で真面目な性格をしていなければいけない、という決まりはない。
 あるのは、祀る側の先入観のようなものばかりだろう。
 日本だって、八百万の神々というくらい沢山の神様がいると信じられていたりするが、それだって全てが真面目な神様ばかりじゃない。

 日本神話とか、それこそ人間と似たような性格や行動をする神様も沢山いるからね。
 まぁ、あれは人間側が解釈しやすいような内容だったり、勝手な想像がほとんどなんだろうけど……例えば偉人と言われる人だって、こういう人柄だったと伝えられてはいても、実際に会ってみないと本当の人柄がわからなかったりもする。
 結局、あの人はこうだ、この人はあぁだ、という考えに意味はあまりないのかもしれない。
 って、色々と余計な事を考えてしまったけど、今はこんな事を考えている場合じゃなかった。

「神様も、世界に干渉するに決まりがあったりするんですか?」
「もちろん、神にだって色々な考えがあるからねー。それこそ、人間はいらないという神もいれば、生き物すらいらないという神もいるわ。極端な神だと、世界そのものがいらないと言う神だってね。逆に、エルフを創った私のように、生き物を慈しんで世界を見守るのが好きと言う神だっているのよ」
「だから神がそれぞれ自由に干渉し始めたら、反発し合って混沌になるの。そしてそれを好きだって言う神もいるの。だから、神にはそれぞれ干渉力があって、それを越える事はできないようになっているの」

 人間やエルフだってそうだが、それぞれに違う考えを持っているからこそ、反発しあったり違う方向性になったりするって事か。
 世界そのものが滅茶苦茶にならないよう、神々が自由に干渉してしまわないように、制約のようなものがあるらしい。

「創造神であるユノ様だって、直接干渉する権限は限られているからねー」
「え、創造神?」
「そう呼ばれていた事もあるの」
「まぁ、今はその創造神の中身というかなんというか、部分的に切り離されて、その力はほとんど失っているようだけどねー。……だから、かわいらしい姿なのかしら?」
「今の姿は、リクの好みなの!」
「ちょっとユノ、それは変な誤解が……」
「やっぱりそうなのねー。そういう目的でユノ様を攫ったのねー?」
「いえいえいえいえ、違いますから。変な目的とか好みとかじゃないですから! 初めて会った時のユノが、今の姿だっただけで……!」


しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

科学×魔法で世界最強! 〜高校生科学者は異世界魔法を科学で進化させるようです〜

難波一
ファンタジー
「魔法ってのは……要はエネルギーの制御だろ?」 高校生にして超人的な科学知識を持つ天才・九条迅は、ある日、異世界アルセイア王国に「勇者」として召喚された。 だが、魔王軍との戦争に駆り出されると思いきや—— 「お前、本当に勇者か? 剣も魔法も、まともに使えないのか……?」 「科学的に考えれば、魔法ってのはもっと進化できるはずだ!」 剣も魔法も素人の迅だったが、「魔法を科学的に解析し、進化させる」という異端の方法で異世界の常識を根底から覆し始める! 魔法の密度を最適化した「魔力収束砲」 魔法と人体の関係を解明し、魔力を増大させる「魔力循環トレーニング」 神経伝達を強化し、攻撃を見切る「神経加速《ニューロ・ブースト》」 次々と編み出される新技術に、世界は驚愕! やがて、魔王軍の知将《黒の賢者》アーク・ゲオルグも迅の存在に興味を持ち始め—— 「科学 vs 魔法」「知能 vs 知能」 最強の頭脳戦が今、幕を開ける——! これは、「魔法を科学で進化させる勇者」が、異世界を変革していく物語! ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

異世界に降り立った刀匠の孫─真打─

リゥル
ファンタジー
 異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!  主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。  亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。  召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。  そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。  それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。  過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。 ――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。  カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

処理中です...