神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移

龍央

文字の大きさ
965 / 1,955

仲間たちの模擬戦

しおりを挟む


「他にもね……」
「ふむふむ……成る程……」

 その後、しばらくの間時間を忘れて、ララさんによる魔物の皮や素材についての話を聞く。
 一般的な事の他に、あまり知られていない魔物の素材の使い道なども聞いた。
 知られていない理由は、その魔物が少ない、加工が難し過ぎる、別の物で代用できる、など色んな理由があるみたいだけど。
 剣などの武器と、鎧などの防具では、素材も加工の仕方も違う……というのも聞いた。

 魔法具にしやすい武器素材なんかもあるようだ。
 防具に関しては、一部の魔法に対して一切受け付けない素材などもあるとか……例えば、ワイバーンの素材は火に強いけど、風を乱す性質を持っているため、風魔法をほとんど受け付けない物とか。
 他にも、熱を持っているため氷の魔法が効きにくい物など……。

 変わった物になると、水を弾いて川に全身が浸かった後でも濡れない物などもあるらしい……大体は、雨の日に服の上に着て濡れないようにとからしいけど、レインコートかな?
 それは素材が希少で、特殊な加工が必要なため一般的な市場にはほぼ出て来ないとも言っていたから、この先見る事はなさそうだけど。

「ありがとうございました、ララさん。勉強になりました!」
「いいのよ、こういう話は楽しいからね。鞄を作るのに、何か良さそうな素材を見つけたら、持って来てくれれば鞄とかに加工するわよ。それに、鍛冶師とかも紹介できるからね」
「はい、その時はよろしくお願いします」

 冒険者としての知識で言えば、ギルドからの依頼でこの素材を取って来てとかって言われるくらいで、得られる機会の少ない知識で面白かった。
 まぁ、必要かどうかもよくわからないけど……知らない事を知れるのは面白い事でもあるからね。
 鞄は今使っているのがあるから、特に必要ではないかもしれないけど、武具に関してはもしかしたらお世話になるかもしれないから、紹介してくれるとまで言ってくれるのはありがたい。
 物によっては、ララさん自身が加工したりするのかもしれないけど。

 ともあれ、暇つぶしのつもりだけだったけど、思いもよらぬ情報を得る事ができた。
 ララさんにお礼を言って、お店を後にした頃には日が沈んで暗くなっていたけど、有意義な時間だったと思う。

「退屈だったのだわ……」
「まぁ、エルサは武具とか魔物の素材とか言われても、関係ないからね」

 俺とは正反対の感想を漏らしたエルサに苦笑しながら、お腹が空いたと騒ぎださないうちに、王城へと戻った――。


 ――さらにそれから二日後、昼食後の訓練場にてモニカさん達の練習の成果を見る。
 完成というわけではないけど、とりあえずの成果としてだね。

「すぅ……はぁ……ふっ!」
「そうなの、手から柄、柄から鍔、そして刃に魔力を這わしていくの!」
「ふむ、ソフィー嬢ちゃんは筋が良いのかの。魔力を這わせるのに少しかかってしまうが、十分な威力じゃ」

 模擬戦の相手になってもらっている兵士さんに向かい、魔力を這わせた木剣を振るうソフィー。
 指導官として、ユノからアドバイスというか檄が飛んでいるのを、エアラハールさんと眺める。

「そうみたいですね。魔法具を使っていたのも、慣れるのが早かったのかもしれません。とは言っても……」
「うむ、木剣やそこらの剣なら問題はなさそうじゃが……自分の剣でできないのではのう」
「魔法具に魔力を込めるのとは違うの! 剣の外側から魔力を這わせるの!」
「むぅ……」

 ソフィーは、兵士さんも含めて魔法を使えない人達の中では、上達が早い方だ。
 ただしそれは、日頃使っている氷の魔法を発動できる、魔法具でもある剣でなければ、という条件付きだ。
 今も、木剣からいつもの剣に持ち替えた途端、次善の一手ができなくなり、代わりに氷の魔法が発動してしまっていた。
 魔力を内部に込めれば魔法具が発動、外側に這わせれば次善の一手となるみたいだけど、その切り替えというか、放出先の選択が難しいみたい。

「次、モニカなの!」
「えぇ。すぅ……せい!」
「駄目なの、穂先に魔力が行き渡っていないの!」

 ソフィーの模擬戦が終わり、次は刃引きした槍を持つモニカさんが、兵士さんへ向かって槍を繰り出す。
 モニカさんは魔法が使えるため、魔力の操作はそれなりにできるようになったんだけど、長い槍の穂先まで魔力を這わせるのに苦労しているようだ。

「モニカ嬢ちゃんは、槍というのが問題じゃの」
「槍は剣より長いですからね。やっぱり、手元から遠くに魔力を這わせるのって、難しいんでしょう」
「そうじゃの。リクのように、無節操に魔力を放出させれば簡単なのじゃが、威力の調節だけでなく、自分の魔力が枯渇してしまわないように調整する必要があるからの。最小限の魔力を這わせるというのは、神経も使って難しいのじゃろう」

 一応、時間をかければ穂先まで魔力を這わせられるんだけど、戦闘中に悠長にそんな事をしている時間があるかどうかわからない。
 ソフィー程とは言わないけど、それに近い……数秒で穂先まで魔力を這わせるのを目指しているため、模擬戦で体を動かしながら時間の短縮を主に練習している。
 モニカさんも自前の槍は魔法具だけど、自分で魔法を使える感覚があるおかげなのか、ソフィーのように間違って魔法を発動をさせたりという事はない。
 まぁ、次善の一手、魔法具発動、自分での魔法発動……それに加えて槍のリーチを生かす戦いと、考える事ややる事は多いみたいで大変そうだけど。

「それじゃ最後に、フィネ!」
「はっ! すぅ……はぁ……ふん!」
「そうなの、フィネは魔力を這わせる速度も、威力の調整も上手いの!」

 ある程度兵士さんと打ち合い、モニカさんの模擬戦が終わる。
 次はフィネさんが斧を持ち、次善の一手を使って兵士さんへ向かって振るう。

「フィネさんは、やっぱり一番上手くできているみたいですね」
「まぁ、ユノ嬢ちゃんと一緒に、次善の一手を考えだしたからのう。それに、それなりに戦いの勘も良さそうじゃ。斧という、槍どころか剣よりも短い武器なのも利点なのじゃろう」
「そうですね。一番練習もしているので、感覚も掴んでいるんだと思います」

 フィネさんは魔力を這わせるのも早く、最小限の威力から最大限の威力の切り替えなどもこなしていて、次善の一手を練習している人達の中で一番使いこなしている様子。
 技を編み出す時に一緒に考えたという事以外にも、騎士としての訓練などもしていて戦闘経験が豊富だからなのもありそうだ。
 あと、そもそもいつも使っている武器が、魔法具ではないうえに投げられる斧という、短めの武器なのもやりやすくしている部分かな。
 ただまぁ、手から離れたら魔力が離れてしまうため、投げずに振る時にしか使えないみたいで、今は投げても少しだけ維持できて、敵に当たるまでは威力を保つようにできないかと、試行錯誤中らしいけど。

「追加で、エアラハールお爺ちゃん!」
「ひょ!? ワシか、ユノ嬢ちゃん!?」
「もちろんなの。手本を見せるつもりでやるの!」
「むぅ……傍観しているつもりじゃったが、ユノ嬢ちゃんから言われたら断れんわい。まだまだ未完成な兵士もおるからのう……仕方ないの」


しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

科学×魔法で世界最強! 〜高校生科学者は異世界魔法を科学で進化させるようです〜

難波一
ファンタジー
「魔法ってのは……要はエネルギーの制御だろ?」 高校生にして超人的な科学知識を持つ天才・九条迅は、ある日、異世界アルセイア王国に「勇者」として召喚された。 だが、魔王軍との戦争に駆り出されると思いきや—— 「お前、本当に勇者か? 剣も魔法も、まともに使えないのか……?」 「科学的に考えれば、魔法ってのはもっと進化できるはずだ!」 剣も魔法も素人の迅だったが、「魔法を科学的に解析し、進化させる」という異端の方法で異世界の常識を根底から覆し始める! 魔法の密度を最適化した「魔力収束砲」 魔法と人体の関係を解明し、魔力を増大させる「魔力循環トレーニング」 神経伝達を強化し、攻撃を見切る「神経加速《ニューロ・ブースト》」 次々と編み出される新技術に、世界は驚愕! やがて、魔王軍の知将《黒の賢者》アーク・ゲオルグも迅の存在に興味を持ち始め—— 「科学 vs 魔法」「知能 vs 知能」 最強の頭脳戦が今、幕を開ける——! これは、「魔法を科学で進化させる勇者」が、異世界を変革していく物語! ※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜

沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。

異世界に降り立った刀匠の孫─真打─

リゥル
ファンタジー
 異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!  主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。  亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。  召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。  そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。  それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。  過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。 ――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。  カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

処理中です...