神とモフモフ(ドラゴン)と異世界転移

龍央

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緑の光除去開始

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「ってモニカさん、今言っていたリーバーって?」

 それはともかく、リーバーって誰だろう? 聞いた事のない名前だと思って、首を傾げる。

「リクさんが連れてきた、ボスワイバーンの事よ。いつまでもボスワイバーンって言うのはどうかと思って、リーバーって名付けてみたの。いけなかった?」
「いや、名付けたらいけないわけじゃないし、ボスワイバーン……リーバーが嫌がっていないなら構わないよ」

 確かに、ボスワイバーンってちょっとだけ言いにくいからね。
 俺が名付けたかったわけじゃないし、呼びやすい名前があるならそっちの方が良さそうだ。
 でもなんでリーバーなんだろう?……あぁ、ワイバーンのリーダーだから、リーバーか。
 俺だったら、リーバーンとかワイダ―って付けたかもしれない。

「なんにしても、ここを覆っている植物から脱出する方法がないと、どうにもならないわね」 
「そうだね。それじゃ……っと。あれ?」

 植物……緑の光からの脱出と聞いて、とりあえず覆っていて邪魔な茎や葉をどうにかするため、足を動かして自分のいる位置を変えた。
 緑の光は、俺を中心に添えて繋がり、そこから力を少しずつ注がれていたというのは、自分の魔力を意識する事でこれまで以上に詳しく感じられる事からわかっていた。
 だから位置をずらせば、力が注がれなくなって緑の光……面倒だから、モニカさんと同じく植物で良いけど、その植物が維持するため、広がり大きくなるための力がすぐに不足して、自壊を始める。
 はずなんだけど……特に何も変わらなかった。

「どうしたのリクさん?」

 数歩動いて首を傾げた俺を、キョトンとして見るモニカさん。

「いや、俺から力を吸い取っているみたいだったから、それを遮断というか繋がりを切ったわけなんだけど……力を失ってなくなっていくはずの植物に、何も起こっていないから不思議で。何かの力がないと、維持できないはずなんだけどなぁ」
「……もしかしてだけど、リーバー達が絡め捕られているからかしら? 確か、捕まっていると少しずつ力を吸い取られるみたいだから」
「あー、それかもしれない……」

 新しく力が注がれなければ、ただ消え去るだけのはずなんだけど……と思っていたら、どうやら俺以外から力を得ていたからみたいだ。
 維持をするくらいなら、リーバーから吸い取ればなんとかなるのかもしれない。
 ボスワイバーンのリーバーは、再生力に優れているのもあって魔力は人間よりも多いし。

「って、リーバー……達?」
「えぇ。リーバーの他にも、ユノちゃんやロジーナちゃん。それから……」

 達と言うには他にもいるのかな? と思って聞いたら、ユノ達もいっしょだったんだ。
 ユノとロジーナだけでも、しばらく植物をいじするだけでなく大きく広がれる程の力があるはず……。
 それに加えて、フィネさんやアマリーラさん、リネルトさんもいるうえそれぞれリーバー以外のワイバーンも数体いるらしい。

「あ、レッタって人もいるみたい。ロジーナちゃんが言っていたわ」
「あぁ……そういえば」

 俺に負の意識を誘導した人か……ロリコンなんて不名誉かつ濡れ衣を着せた人でもある。
 意識が飲み込まれた時、ロジーナのドロップキックでふっ飛ばされていたけど……近くにいたから、ロジーナとレッタさんは巻き込まれていて当然か。
 あの人も魔力がクラウリアさん達みたいに、通常より多かったから植物にとってはいい栄養源だろうね。

「だったら、まず皆を助けないと……と思うけど、どこにいるのかはさすがにわからないね」
「真っ直ぐ上で捕まっていたはずだけど、絡め捕られてから別の場所へ移動しているかもしれないわ」
「そうだね。うーん、さすがにわからないか」

 上を見上げるモニカさんに頷きながら、探知魔法を使って調べてみたけど皆がどの場所で捕まっているのか、一切わからなかった。
 誰かの魔力を感じるという以前に、色んな魔力が混ざり合ったうえで特に強く俺自身の魔力の反応を示す、植物が周囲を覆っているせいだ。
 ブハギムノングの鉱山以上に、周囲が魔力で包まれている状態のようで、人などの反応を見分けるのはできそうにない。

「仕方ないね、ちょっと手間だけどこの植物を消して、皆を助けよう」
「消すって……この植物、斬ってもすぐに再生するのよ? どうやって……って、リクさんならできるのかもしれないけど」

 力不足で自壊するより、少しだけ時間がかかりそうだったからやっていなかったけど、植物を消し去る方法はある。
 というか、誰かの力を吸い取ったとはいえ大半が俺の力だから、それを戻してもらうだけだね。
 なんとなく、植物が生き物の力を吸い取るのと似ていて、あまりやりたくなかったのもあるけど……まぁ、元が俺の力だから別に構わないかな。

「この植物は、俺が作り出して力を注いでいたから、それを元に戻すために吸収するだけなんだ……」

 とりあえず、やろうとしている事をモニカさんに伝えて、まだぐずったままのエルサを抱え直す。
 そろそろエルサには復活して欲しいんだけど、それだけ心配をかけたって事だからもう少しこのままにしておこう。

「な、成る程……? わかったようなわからないような。とにかく、周囲だけじゃなく植物その物が消え去るって事なのね」
「うん、そんな感じかな。元になっている力が全部なくなった瞬間に、消えるはず」

 自分が作った物だからか、植物がどうなるのかがなんとなくわかる。
 自壊する時は力不足だけど、誰かから維持のための力を吸い取りながらだと……核みたいになっている俺の力が全てなくなった時点で、自壊どころかきれいさっぱりなくなる、はずだ。

「あとは、上のどこかにいるはずの皆が落ちて来るから、それを受け止めるだけだね」

 そう言って、胸あたりに引っ付いているエルサをそのままに、両手を広げて少しの集中。
 植物に宿っている力、その中から俺の力にこちらから力を細い糸のように伸ばして接触、戻って来るように指令を出す。
 どうしてこんな事ができるのか、という理由は言葉では説明がしづらい。
 頭に浮かぶのは、門を開いたから、自分の力だから、複数の意識と触れ合って取り込んだから、などなどだけど……そのどれもが理由で、それだけではないってところかな。

「すぅ……ふぅ……」

 体で深呼吸をし、同じように魔力でもイメージ的に深呼吸をするようにして、植物の力を、俺から吸い取っていた、注ぎ込まれていた力を取り込んでいく。

「ぐす……う、だわ?」

 引っ付いているエルサからの声を聞きながら、植物から緩やかに俺へと向かう力。
 それは、可視化される程濃い魔力ではないけど、周囲を覆う植物から俺へと流れて来る。
 総量としては、ヒュドラーが向かって来る時の俺の魔力、その半分くらい。

 ただ、押し寄せた意識を取り込み、俺自身の器みたいなものが大きくなったのか、現時点での全体容量としては、五分の一くらいだろうか。
 尋常じゃないくらいの魔力量になっているなぁ。
 誰かに言ったら、騒がれてしまいそうだからエルサ以外には、全体は気付かれないよう気を付けよう……今更だけど――。


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