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二
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どのみち、働かなければならないのだ。もしくは、結婚するか。だが、結納金も結婚資金も準備できない今の状況では、まともな結婚相手など見つかるわけがない。そう思うと、先ほどの結婚資金を貯めるために売春する女性の心情がほんのすこし理解できた。
(わたしも……決心しないといけないのかもれない)
コンスタンスがそんなことを思っていると、話し声や足音がドアの向こうから響いて来て、居間にあらたに人が入ってきた。
「あら、ブリジット、来ていたの? ちょうど今夜あたり来るんじゃないかと思っていたの」
室内に入って来たのはブリジットと同じ年頃の少女ふたりだ。
「あら、ビュル。カルメンも、久しぶりね」
ビュルと呼ばれた少女は生姜色と呼ばれる赤毛を三つ編みにしており、青い目をシャンデリアの明かりの下にいきいきと輝かせている。背は、ブリジットとおなじぐらいで中ぐらいだろうか。コンスタンスより頭ひとつぶん低そうだ。
一方、カルメンと呼ばれた有名な物語のヒロインと同名の少女は、一目見て、その名が皮肉に思えるほどまったっく彼女に似あっておらず、小柄で肌は青白く、緑の目もどこか暗くおどおどとしている。首あたりまでの巻き毛の金髪も艶がなく、色褪せた麦藁のようだ。いつの時代も西洋社会では金髪碧眼は美女の条件とされてきたが、彼女にかんしてはまったく意味がなかった。
「こちら、コンスタンスよ、今日、カルロスが連れてきたの」
ブリジットがコンスタンスを紹介すると、二人がそれぞれ挨拶した。
「今晩は、コンスタンス。わたしビュルよ」
「今晩は。わたしはカルメン」
笑顔で気さくに言うビュルと、コンスタンスの機嫌をうかがうように、やはりおどおどと言うカルメン。
「ねぇ、カルメン、やっぱりマダムの言うように名前を変えない? その名前、あんたに全然似合っていないわ」
ブリジットがややうんざりしたように言う。
「本名じゃないの?」
興味をひかれて訊くコンスタンスにブリジットは笑い声をあげた。
「偽名を使う子がほとんどだけれど、あたしのブリジットは本当の名よ。まぁ、こういう所ではたいていの子は本名を出さないわね」
(わたしも……決心しないといけないのかもれない)
コンスタンスがそんなことを思っていると、話し声や足音がドアの向こうから響いて来て、居間にあらたに人が入ってきた。
「あら、ブリジット、来ていたの? ちょうど今夜あたり来るんじゃないかと思っていたの」
室内に入って来たのはブリジットと同じ年頃の少女ふたりだ。
「あら、ビュル。カルメンも、久しぶりね」
ビュルと呼ばれた少女は生姜色と呼ばれる赤毛を三つ編みにしており、青い目をシャンデリアの明かりの下にいきいきと輝かせている。背は、ブリジットとおなじぐらいで中ぐらいだろうか。コンスタンスより頭ひとつぶん低そうだ。
一方、カルメンと呼ばれた有名な物語のヒロインと同名の少女は、一目見て、その名が皮肉に思えるほどまったっく彼女に似あっておらず、小柄で肌は青白く、緑の目もどこか暗くおどおどとしている。首あたりまでの巻き毛の金髪も艶がなく、色褪せた麦藁のようだ。いつの時代も西洋社会では金髪碧眼は美女の条件とされてきたが、彼女にかんしてはまったく意味がなかった。
「こちら、コンスタンスよ、今日、カルロスが連れてきたの」
ブリジットがコンスタンスを紹介すると、二人がそれぞれ挨拶した。
「今晩は、コンスタンス。わたしビュルよ」
「今晩は。わたしはカルメン」
笑顔で気さくに言うビュルと、コンスタンスの機嫌をうかがうように、やはりおどおどと言うカルメン。
「ねぇ、カルメン、やっぱりマダムの言うように名前を変えない? その名前、あんたに全然似合っていないわ」
ブリジットがややうんざりしたように言う。
「本名じゃないの?」
興味をひかれて訊くコンスタンスにブリジットは笑い声をあげた。
「偽名を使う子がほとんどだけれど、あたしのブリジットは本当の名よ。まぁ、こういう所ではたいていの子は本名を出さないわね」
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