イケメンエリート軍団??何ですかそれ??【イケメンエリートシリーズ第二弾】

便葉

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He is 完全無欠??

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 トオルがコーヒーを淹れてオフィスの中にあるサロンで休憩をしていると、ジャスティンが帰って来たのが見えた。

「ジャス、シャス」

 自分のブースに向かっているジャスティンを呼び止めて、トオルは自分の居る場所へ来るよう促す。 
 ジャティンは目を細めながら面倒くさそうにトオルのそばへ来ると、何?と低い声でそう聞いた。 
 自分で言うのも何だけど、今日の俺はとにかく機嫌が悪い。世間話とか必要以上の仕事の話とか、できれば今日はやめてほしい。

「何か可笑しな事があったら、それは謙人のせいだからな」

「何だよ、それ?」

 トオルは興味本位な笑みを浮かべて、自分の場所に戻って行った。
 ジャスティンは謙人という名前を聞いただけで、不吉な予感がした。 あいつのせいでとは言わないけれど、でも、ジャスティンが慎重に計画していた大切なマストな要件をグチャグチャにされた感がどうしても拭いきれない。でも、どのみちこうなる事は分かっていたから、別にあいつのせいでもないんだけれど…

 ジャスティンがブツブツひとり言を言いながら自分のブースに入ると、濃いブルーの和紙でくるまれた真っ白いかすみ草の花束がジャスティンの机の上に置いてあった。
 何だこれ??
 ジャスティンの中でかすみ草の花束は変なトラウマになっている。
 凪が舞衣に花束を贈る時に、花束なんて買った事がない凪の代わりに自分が全て取り仕切った。 
 10万円分のかすみ草だけの花束でどれだけ俺が苦労したことか。 
巨大なボールとなったかすみ草の花束を、今でもはっきりと覚えている。

 ジャスティンは、さっきのトオルの話を思い出した。
 謙人からか…? 
 そして、その花束についているシールを見て、腰が砕けそうになった。 
 モナンジュの花束ってことは、謙人はモナンジュに行ったのか…? 
 謙人がモナンジュに行く理由は、木の実に会いに行くしかない。 
 何しに行ったんだ…?

 ジャスティンがトオルの元へ行くと、トオルはほら来たみたいな顔をしてジャスティンを待っていた。

「謙人からの伝言を聞きに来たんだろ?」

 ジャスティンは顔をしかめてトオルを見る。

「謙人は何て言ってた?」

 トオルは一人だけ楽しそうだ。 
 何も事情を知らない男は、お気楽に微笑んでいる。

「ジャス…… すまない、反省してる……」

「ふざけないでちゃんと答えろよ」

 トオルはジャスティンを睨みつけるふりをする。

「ふざけてないよ、ちゃんとそう言ってた」

 ジャスティンはニヤついているトオルを残して、自分の部屋へ戻った。 
 謙人は絶対に木の実と話している。 ジャスティンは頭がおかしくなりそうだった。 この期に及んで謙人が木の実を口説く事はないと思うけれど、そんな馬鹿な事を考える俺はマジで末期だ。
 でも、二人は一体何を話したのだろう……






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