【本編完結】召喚? 誘拐の間違いでは?

篠月珪霞

文字の大きさ
2 / 9

試練?

しおりを挟む
応接室らしき場所に通された私は、早速話を聞くことにした。
宰相様の隣に余計なものがついてきてるが、邪魔さえしなければまあいいかと存在を無視することにする。
対面で座ると、上品なティーカップが置かれた。紅茶かな。

「では、私が呼ばれた経緯と手段を順を追ってご説明いただけますか?」
「はい。まずこの国の現状からお話しします」


──十分後。




「……………………………………………………」


神よ、何故私にこのような試練を与えたもうた。

いわゆるゲンドウポーズで苦悩したところで誰が私を責められようか。
人が乗り越えられる試練しか与えないんじゃなかったのか、神は。無神論者だけど。平凡で一般的な日本人なので。
番様?とか怪訝そうな声が聞こえるが知らん。悩む時間くらい与えろ。

いやマジで、恋愛なんざ私の優先順位最下位をぶっちぎりで万年突っ走ってんのよ。首位は趣味、次点で食事、他はともかく、恋愛沙汰は最下位から動いたことないの。絶対上がらないの。おひとり様万歳な喪女にさあ…。ええ、彼氏いない歴年齢ですよ。いいんだよ、人の人生なんだから、好きにさせろよ。
恋愛耐性も興味もまったくない人間を何故召喚した。本当に何故。
どうせなら、私みたいに枯れきってる女じゃなくて、ぴちぴち(死語)で恋に恋する女子高生辺りを呼び寄せればよかったものを。
そしたら、たぶん、この美形との恋愛も楽しめたんじゃないかなあ。

美形とか観賞用以外の何者でもないんだ、私にとって。
遠くから眺める、こう芸術品?とか、美術品の類なんだよ。これと恋愛? 勘弁してよ…。
いや恋愛ならまだいい。これから始めましょう、知っていきましょうだから。一応選択の余地があるし。
しかし番制度(といっていいのか)を聞くと、夫婦前提じゃない? もう確定じゃない?
結婚前提じゃなくて、結婚確定の上で、じゃない? 私の意思はどこへ?
勘弁してよ…(2回目)。

大体、この世界に日本と同じくらいの娯楽があるか? いやない(断言)。魔法と剣のファンタジー世界だぞ?
現代日本みたく、化学が発達した世界じゃないんだぞ?
スマホだのテレビだの電子機器がなくても最悪我慢できるかもしれないが…。

まだあの本とかあの本とか、あの話の続き、読んでないのに!!!!!!!!!

どんだけ私が次の休みを楽しみにしてたと思ってるんだ…!
買っただけで読む時間が取れなかった本。
電子書籍の続き。
連載中の雑誌。
まとめて読むのだけを、楽しみにしてたのに!!

この世界で、あの話の続きが読めるか? 最終回まで読めるか?
否。

それに、来週は友人とアフタヌーンティーに行く予定だった。話題のなんとか~で美味しいらしいと聞き、休みを合わせていたのに。
ここの食文化がどの程度か分からないが、同じようなレベルであっても、友人と行くのに意味があって、ただ美味しいものを食べるだけなら1人でもいいのだ。
そう、友人もいるが、天涯孤独でもないのだ。
兄弟もいるが、母もいる。父は他界してしまっているが、定期的に母や兄弟とも会っている。家族仲が悪いわけじゃないというか、むしろいい。
成人してから仕事があるから頻度は減ったが、それでも大事なつながりだ。

元居た世界に帰るために、どうしたらいいだろうか。…そもそも帰れるのだろうか。

「…ウリエルさん」
「はい」
「この国は法整備されてますか? さすがに無法地帯ではないと思うのですが」
「失敬な! 初代国王が定めた法を皆順守している! 我が番といえど、初代の侮辱は許さぬ!!」

いやお前に聞いてねえよと思わず毒づきそうになるが、無視だ。
法整備されてるなら、まあまだ思っていたよりマシな状況だろうか。

「法律書、ありますよね。お貸しいただけますか? あと、ウリエルさんは魔法を使えないそうなので、できれば国で一番魔法が使える人の紹介をお願いいたします」








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

番など、今さら不要である

池家乃あひる
恋愛
前作「番など、御免こうむる」の後日談です。 任務を終え、無事に国に戻ってきたセリカ。愛しいダーリンと再会し、屋敷でお茶をしている平和な一時。 その和やかな光景を壊したのは、他でもないセリカ自身であった。 「そういえば、私の番に会ったぞ」 ※バカップルならぬバカ夫婦が、ただイチャイチャしているだけの話になります。 ※前回は恋愛要素が低かったのでヒューマンドラマで設定いたしましたが、今回はイチャついているだけなので恋愛ジャンルで登録しております。

『番』という存在

恋愛
義母とその娘に虐げられているリアリーと狼獣人のカインが番として結ばれる物語。 *基本的に1日1話ずつの投稿です。  (カイン視点だけ2話投稿となります。)  書き終えているお話なのでブクマやしおりなどつけていただければ幸いです。 ***2022.7.9 HOTランキング11位!!はじめての投稿でこんなにたくさんの方に読んでいただけてとても嬉しいです!ありがとうございます!

私が一番嫌いな言葉。それは、番です!

水無月あん
恋愛
獣人と人が住む国で、ララベルが一番嫌う言葉、それは番。というのも、大好きな親戚のミナリア姉様が結婚相手の王子に、「番が現れた」という理由で結婚をとりやめられたから。それからというのも、番という言葉が一番嫌いになったララベル。そんなララベルを大切に囲い込むのが幼馴染のルーファス。ルーファスは竜の獣人だけれど、番は現れるのか……?  色々鈍いヒロインと、溺愛する幼馴染のお話です。 いつもながらご都合主義で、ゆるい設定です。お気軽に読んでくださったら幸いです。

幸せな番が微笑みながら願うこと

矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。 まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。 だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。 竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。 ※設定はゆるいです。

愛があれば、何をしてもいいとでも?

篠月珪霞
恋愛
「おいで」と優しく差し伸べられた手をとってしまったのが、そもそもの間違いだった。 何故、あのときの私は、それに縋ってしまったのか。 生まれ変わった今、再びあの男と対峙し、後悔と共に苦い思い出が蘇った。 「我が番よ、どうかこの手を取ってほしい」 過去とまったく同じ台詞、まったく同じ、焦がれるような表情。 まるであのときまで遡ったようだと錯覚させられるほどに。

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

逃した番は他国に嫁ぐ

基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」 婚約者との茶会。 和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。 獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。 だから、グリシアも頷いた。 「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」 グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。 こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

あなたの運命になりたかった

夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。  コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。 ※一話あたりの文字数がとても少ないです。 ※小説家になろう様にも投稿しています

処理中です...