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試練?
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応接室らしき場所に通された私は、早速話を聞くことにした。
宰相様の隣に余計なものがついてきてるが、邪魔さえしなければまあいいかと存在を無視することにする。
対面で座ると、上品なティーカップが置かれた。紅茶かな。
「では、私が呼ばれた経緯と手段を順を追ってご説明いただけますか?」
「はい。まずこの国の現状からお話しします」
──十分後。
「……………………………………………………」
神よ、何故私にこのような試練を与えたもうた。
いわゆるゲンドウポーズで苦悩したところで誰が私を責められようか。
人が乗り越えられる試練しか与えないんじゃなかったのか、神は。無神論者だけど。平凡で一般的な日本人なので。
番様?とか怪訝そうな声が聞こえるが知らん。悩む時間くらい与えろ。
いやマジで、恋愛なんざ私の優先順位最下位をぶっちぎりで万年突っ走ってんのよ。首位は趣味、次点で食事、他はともかく、恋愛沙汰は最下位から動いたことないの。絶対上がらないの。おひとり様万歳な喪女にさあ…。ええ、彼氏いない歴年齢ですよ。いいんだよ、人の人生なんだから、好きにさせろよ。
恋愛耐性も興味もまったくない人間を何故召喚した。本当に何故。
どうせなら、私みたいに枯れきってる女じゃなくて、ぴちぴち(死語)で恋に恋する女子高生辺りを呼び寄せればよかったものを。
そしたら、たぶん、この美形との恋愛も楽しめたんじゃないかなあ。
美形とか観賞用以外の何者でもないんだ、私にとって。
遠くから眺める、こう芸術品?とか、美術品の類なんだよ。これと恋愛? 勘弁してよ…。
いや恋愛ならまだいい。これから始めましょう、知っていきましょうだから。一応選択の余地があるし。
しかし番制度(といっていいのか)を聞くと、夫婦前提じゃない? もう確定じゃない?
結婚前提じゃなくて、結婚確定の上で、じゃない? 私の意思はどこへ?
勘弁してよ…(2回目)。
大体、この世界に日本と同じくらいの娯楽があるか? いやない(断言)。魔法と剣のファンタジー世界だぞ?
現代日本みたく、化学が発達した世界じゃないんだぞ?
スマホだのテレビだの電子機器がなくても最悪我慢できるかもしれないが…。
まだあの本とかあの本とか、あの話の続き、読んでないのに!!!!!!!!!
どんだけ私が次の休みを楽しみにしてたと思ってるんだ…!
買っただけで読む時間が取れなかった本。
電子書籍の続き。
連載中の雑誌。
まとめて読むのだけを、楽しみにしてたのに!!
この世界で、あの話の続きが読めるか? 最終回まで読めるか?
否。
それに、来週は友人とアフタヌーンティーに行く予定だった。話題のなんとか~で美味しいらしいと聞き、休みを合わせていたのに。
ここの食文化がどの程度か分からないが、同じようなレベルであっても、友人と行くのに意味があって、ただ美味しいものを食べるだけなら1人でもいいのだ。
そう、友人もいるが、天涯孤独でもないのだ。
兄弟もいるが、母もいる。父は他界してしまっているが、定期的に母や兄弟とも会っている。家族仲が悪いわけじゃないというか、むしろいい。
成人してから仕事があるから頻度は減ったが、それでも大事なつながりだ。
元居た世界に帰るために、どうしたらいいだろうか。…そもそも帰れるのだろうか。
「…ウリエルさん」
「はい」
「この国は法整備されてますか? さすがに無法地帯ではないと思うのですが」
「失敬な! 初代国王が定めた法を皆順守している! 我が番といえど、初代の侮辱は許さぬ!!」
いやお前に聞いてねえよと思わず毒づきそうになるが、無視だ。
法整備されてるなら、まあまだ思っていたよりマシな状況だろうか。
「法律書、ありますよね。お貸しいただけますか? あと、ウリエルさんは魔法を使えないそうなので、できれば国で一番魔法が使える人の紹介をお願いいたします」
宰相様の隣に余計なものがついてきてるが、邪魔さえしなければまあいいかと存在を無視することにする。
対面で座ると、上品なティーカップが置かれた。紅茶かな。
「では、私が呼ばれた経緯と手段を順を追ってご説明いただけますか?」
「はい。まずこの国の現状からお話しします」
──十分後。
「……………………………………………………」
神よ、何故私にこのような試練を与えたもうた。
いわゆるゲンドウポーズで苦悩したところで誰が私を責められようか。
人が乗り越えられる試練しか与えないんじゃなかったのか、神は。無神論者だけど。平凡で一般的な日本人なので。
番様?とか怪訝そうな声が聞こえるが知らん。悩む時間くらい与えろ。
いやマジで、恋愛なんざ私の優先順位最下位をぶっちぎりで万年突っ走ってんのよ。首位は趣味、次点で食事、他はともかく、恋愛沙汰は最下位から動いたことないの。絶対上がらないの。おひとり様万歳な喪女にさあ…。ええ、彼氏いない歴年齢ですよ。いいんだよ、人の人生なんだから、好きにさせろよ。
恋愛耐性も興味もまったくない人間を何故召喚した。本当に何故。
どうせなら、私みたいに枯れきってる女じゃなくて、ぴちぴち(死語)で恋に恋する女子高生辺りを呼び寄せればよかったものを。
そしたら、たぶん、この美形との恋愛も楽しめたんじゃないかなあ。
美形とか観賞用以外の何者でもないんだ、私にとって。
遠くから眺める、こう芸術品?とか、美術品の類なんだよ。これと恋愛? 勘弁してよ…。
いや恋愛ならまだいい。これから始めましょう、知っていきましょうだから。一応選択の余地があるし。
しかし番制度(といっていいのか)を聞くと、夫婦前提じゃない? もう確定じゃない?
結婚前提じゃなくて、結婚確定の上で、じゃない? 私の意思はどこへ?
勘弁してよ…(2回目)。
大体、この世界に日本と同じくらいの娯楽があるか? いやない(断言)。魔法と剣のファンタジー世界だぞ?
現代日本みたく、化学が発達した世界じゃないんだぞ?
スマホだのテレビだの電子機器がなくても最悪我慢できるかもしれないが…。
まだあの本とかあの本とか、あの話の続き、読んでないのに!!!!!!!!!
どんだけ私が次の休みを楽しみにしてたと思ってるんだ…!
買っただけで読む時間が取れなかった本。
電子書籍の続き。
連載中の雑誌。
まとめて読むのだけを、楽しみにしてたのに!!
この世界で、あの話の続きが読めるか? 最終回まで読めるか?
否。
それに、来週は友人とアフタヌーンティーに行く予定だった。話題のなんとか~で美味しいらしいと聞き、休みを合わせていたのに。
ここの食文化がどの程度か分からないが、同じようなレベルであっても、友人と行くのに意味があって、ただ美味しいものを食べるだけなら1人でもいいのだ。
そう、友人もいるが、天涯孤独でもないのだ。
兄弟もいるが、母もいる。父は他界してしまっているが、定期的に母や兄弟とも会っている。家族仲が悪いわけじゃないというか、むしろいい。
成人してから仕事があるから頻度は減ったが、それでも大事なつながりだ。
元居た世界に帰るために、どうしたらいいだろうか。…そもそも帰れるのだろうか。
「…ウリエルさん」
「はい」
「この国は法整備されてますか? さすがに無法地帯ではないと思うのですが」
「失敬な! 初代国王が定めた法を皆順守している! 我が番といえど、初代の侮辱は許さぬ!!」
いやお前に聞いてねえよと思わず毒づきそうになるが、無視だ。
法整備されてるなら、まあまだ思っていたよりマシな状況だろうか。
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