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宰相様は、仕事があるとのことで、私が希望した法律書を残して退室した。魔法使い様には先触れを出しておくとのこと。
のはいいとして。
なんでまだいるんだ、この美形。王様なら仕事あるんじゃないか?
「……そなた、名前は何という?」
「白井です」
「変わった名だな」
「異世界人ですから」
辞書なみの書物から目を離さず答える。不敬罪あったら該当するかな。ついでに調べるか。
文字が読めなかったらどうしようと思ったが、杞憂に終わった。異世界特典か。
索引から知りたい項目調べるだけでも時間かかりそう…と気が遠くなりかけるも、今後のために仕方ないのだ。ファイト自分!
「我が名は、アシュフィルド=ザキエル=ミズリウィールという。我が番であるそなたには、ぜひアシュフィルドと呼んでほしい」
「分かりました。では陛下と呼ばせていただきますね」
まるでまったく聞いてなかったから。というか、調べものしてるの見えてないわけ? 空気読め。
「何か怒っているのか?」
「………」
「何か望みがあれば、遠慮なく言ってほしい。そなたが望むことなら何でも叶えよう」
だったら元の世界に帰してくれと言いたいが、何も知らない状態で言うのはおそらく悪手だ。それなりの労力でもって召喚したのだ。すんなり帰してくれるとも思えないし、現時点で信用もできない。軟禁監禁もごめんだ。
「シライ、そなたの好きな食べ物や、苦手なものはないか? あ、腹は空いてないか?」
フルネームを名乗らなかったのは当然わざとだ。よくある、真名を知られたら帰還不能とかになりたくないし。
「そなたのために部屋を用意してある。気に入ってくれるといいが」
会話を試みようとしているのだろうが、正直集中できないから黙っててほしい。贅沢をいうなら、1人になりたい。
じっくり読み込みたいので。いや読み込まなければいけないので。
「せめて返事をしてほしいのだが」
控えめに言っても自分の希望だけ通そうとするのは、やはり身分が高いせいなのだろうか。偏見か? 周囲にも知人にも、そんな高貴な方はいないため参考になるような対象がいない。
「…陛下」
「アシュフィルドだ」
「今、この国について学んでるところなんです。お時間いただきたいのですが。そして陛下もお仕事があるのではないですか?」
暗に邪魔だと言ってみるが、通じるかどうか。
基本、身分が高い人間って周囲が動いて当然だろうしなあ。
「…そうだな。我も先に執務を片付けてこよう。シライ、後でまた」
そう言ってやっと出ていった。お付きの人を連れて。
あー肩凝ったわ。本当。
いやに注視されて視線が痛いし、こっちは文字追って咀嚼するのに頭使ってるところなのに、ちょいちょい話しかけてくるし。どこの国も法律に関する本って、小難しい言い回しなんだよねえ。ラノベくらい軽く読みやすい、分かりやすいのだったら庶民にも浸透しやすいだろうにと思わざるを得ない。
出勤前のカバンごと召喚されててよかった。ペットボトルの水を取り出し、口に含む。営業職に飲み物常備は基本なのでね。
取り敢えず、ファーストコンタクトで出される飲み物には何が入ってるか分からないので、手を付けないのはまあ鉄則。
今後も油断はできないが、たとえ数日だったとしても絶食は辛すぎるし、どうしたもんか。
─────*─────*─────*─────*─────*─────
休みの間にどれだけ書けるかな~。
のはいいとして。
なんでまだいるんだ、この美形。王様なら仕事あるんじゃないか?
「……そなた、名前は何という?」
「白井です」
「変わった名だな」
「異世界人ですから」
辞書なみの書物から目を離さず答える。不敬罪あったら該当するかな。ついでに調べるか。
文字が読めなかったらどうしようと思ったが、杞憂に終わった。異世界特典か。
索引から知りたい項目調べるだけでも時間かかりそう…と気が遠くなりかけるも、今後のために仕方ないのだ。ファイト自分!
「我が名は、アシュフィルド=ザキエル=ミズリウィールという。我が番であるそなたには、ぜひアシュフィルドと呼んでほしい」
「分かりました。では陛下と呼ばせていただきますね」
まるでまったく聞いてなかったから。というか、調べものしてるの見えてないわけ? 空気読め。
「何か怒っているのか?」
「………」
「何か望みがあれば、遠慮なく言ってほしい。そなたが望むことなら何でも叶えよう」
だったら元の世界に帰してくれと言いたいが、何も知らない状態で言うのはおそらく悪手だ。それなりの労力でもって召喚したのだ。すんなり帰してくれるとも思えないし、現時点で信用もできない。軟禁監禁もごめんだ。
「シライ、そなたの好きな食べ物や、苦手なものはないか? あ、腹は空いてないか?」
フルネームを名乗らなかったのは当然わざとだ。よくある、真名を知られたら帰還不能とかになりたくないし。
「そなたのために部屋を用意してある。気に入ってくれるといいが」
会話を試みようとしているのだろうが、正直集中できないから黙っててほしい。贅沢をいうなら、1人になりたい。
じっくり読み込みたいので。いや読み込まなければいけないので。
「せめて返事をしてほしいのだが」
控えめに言っても自分の希望だけ通そうとするのは、やはり身分が高いせいなのだろうか。偏見か? 周囲にも知人にも、そんな高貴な方はいないため参考になるような対象がいない。
「…陛下」
「アシュフィルドだ」
「今、この国について学んでるところなんです。お時間いただきたいのですが。そして陛下もお仕事があるのではないですか?」
暗に邪魔だと言ってみるが、通じるかどうか。
基本、身分が高い人間って周囲が動いて当然だろうしなあ。
「…そうだな。我も先に執務を片付けてこよう。シライ、後でまた」
そう言ってやっと出ていった。お付きの人を連れて。
あー肩凝ったわ。本当。
いやに注視されて視線が痛いし、こっちは文字追って咀嚼するのに頭使ってるところなのに、ちょいちょい話しかけてくるし。どこの国も法律に関する本って、小難しい言い回しなんだよねえ。ラノベくらい軽く読みやすい、分かりやすいのだったら庶民にも浸透しやすいだろうにと思わざるを得ない。
出勤前のカバンごと召喚されててよかった。ペットボトルの水を取り出し、口に含む。営業職に飲み物常備は基本なのでね。
取り敢えず、ファーストコンタクトで出される飲み物には何が入ってるか分からないので、手を付けないのはまあ鉄則。
今後も油断はできないが、たとえ数日だったとしても絶食は辛すぎるし、どうしたもんか。
─────*─────*─────*─────*─────*─────
休みの間にどれだけ書けるかな~。
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