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2-5 冒険者流遠足会
第85話 おやつは銀貨一枚まで 2
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明くる日の夕方、仕事を終え帰還する冒険者達の姿もまばらに見え始めた頃、センスバーチへの定期便を担当する事を決めた俺は、詳細を詰める為、ギルドの受付前に集合していた。
「……では、皆様に担当いただくということで。よろしくお願いします」
キャシーが書類に記入している。
「今回の定期便、ビビットさんが護衛に就く予定だったらしいから、俺とリーフル、ロングとビビットさん、この四人だね」
「護衛クエストは初めてっすけど、ビビットさんが居れば大丈夫っすね!」
「リーフルちゃ~ん、あ~んですよ~」
態度には似つかわしくない頼もしい大盾を背負うビビットが、目を輝かせながら持参した牛の赤身を与えている。
んぐんぐ──「ホッ……ホホーホ(ナカマ)」
(ビビットさんは相変わらずだなぁ……)
本来の定期便とは、輸送する物量に合わせた台数の馬車を用意し、その護衛に足る人数分の冒険者を集めるというのが具体的な構成となる。
今回に関しては、運ぶ品々その全てを俺が収納する事になるので、荷の無い馬車一台に護衛の冒険者が三人という、はたから見ると何とも不思議な様相だ。
ビビットが護衛に就く予定だと聞ききつけた俺は、以前助力を乞われた事もあり、彼女の恋を応援する為、追加でロングを指名した。
故郷の村が周辺にあり、元々センスバーチで冒険者となり活動していたという話も聞いていたので、案内を頼むのに丁度良い人選で、何より気心が知れた弟分が共に行動してくれるというのは心強い。
肝心の危険性についてだが、キャシー曰く、センスバーチへの道程においては特に危険な要素も無いとの話だった。
距離としては荷台を曳く馬の歩みで凡そ一日。
途中、大事を取り休憩に立ち寄る村を経由しても、一日半から二日程と、それ程時間がかかることも無いようだ。
「じゃあ三日後の早朝、表門に集合ですね」
「了解っす!」
「リーフルちゃん、美味しい物たっくさん用意してくるからね。楽しみにしてるんだよ~!」
「ホーホホ~! (タベモノ!)」
「アハハ……有り難いですけど、ほどほどでお願いします……」
ギルドの倉庫内にて、預かる荷を異次元空間に収納してゆく。
「相変わらず鮮やかな魔法ですね~。私がこの地を離れる際には、是非ヤマトさんにお願いしたいですね……」
暗い表情を浮かべ、声色重く語りだす。
「え!? どこかへ行かれるんですか?」
「いいえ? それ程に評価しているという表現です」
先程とは対照的に、キャシーがあっけらかんと話す。
(や、ややこしい……湧いて出る寂しさが勿体無い……)
荷を収納し終えた俺は、三日後の遠征に備え中央広場で食料を買い込み、宿へと戻った。
◇
他の宿泊客のラッシュが過ぎた頃を見計らい、食堂でシシリーとテーブルを囲み、センスバーチへ遠征する事を報告していた。
「お土産、食べ物もいいけど、何か"形の残る"物がいいかな」
以前ダムソンの件で心配をかけたお詫びとして渡した万年筆を眺めながらシシリーが呟く。
んぐんぐ──「ホッ……」
「ホーホホ? (タベモノ?)」
「リーフルは新しい物が食べたいらしいよ」
「はぁ……私も仕事が無ければ一緒に付いて行くんだけどなぁ」
「家族経営の辛いところだね~──センスバーチって何が有名なんだろう」
「そういえば特定の何かが有名っていう話は聞いたことがないかも。物は集まるけれど、独自の物は発展しなかったのかしら?」
「ふむ……って事は、選択肢自体は多いわけだから、何かしら見つかりそうだね」
カレン亭名物であるラビトーのシチューを堪能しながら他愛のない会話が続く。
「弓、残念ね……良い物が手に入るといいけど」
「弟って話だし、腕は確かなんじゃないかな?」
「ホー? (テキ?)」
「テキ? う~ん、居ないって訳じゃないだろうけど、危険も無いってキャシーさんは言ってたね」
「確かにあんまり聞かないかも。この街の周辺の方がよっぽど危ないんじゃないかしら」
「比較的安全な地域だからこそ"流通の拠点"なんだろうしね」
「センスバーチの宿の情報収集もお願いね! もし流行とかがあるなら、うちも取り入れて集客の強みにしなきゃ!」
「そうだね~。分かった、一通り見ておくよ」
んぐんぐ──「ホッ……」
その後も取り留めのない、だが退屈さを感じない夕食はゆったりと続いた。
◇
まだ空が白み始め、周囲を包む薄い霧が晴れ切らない定期便出発当日の早朝。
いよいよ初めてサウドを自ら飛び出すという事で、心なしか出発の準備をする手も先走り気味で、若干の緊張感を覚えつつ、約束の表門へとやってきた。
「おはようございます、今日からよろしくお願いします」 「ホホーホ(ナカマ)」
「あぁ。おはようヤマト、リーフルちゃん──今日も愛らしいねぇ」
「おはようございます!」
「よろしく……」 「──ブルルッ!」
一見すると愛想の悪そうなこの人物。
"ガリウス"という名のギルド専属の御者で、相棒の"バル"という馬と共に様々な輸送をこなしている、役所からの信頼厚きベテラン御者だ。
「よろしくなぁバル」 「ホホーホ? (ナカマ?)」
頭を撫でてみる。
「ブフンッ」
大人しく、頼りがいのある鼻息をもって応えてくれる。
競馬や観光牧場等で馴染み深い所謂競争馬達と違い、バルは脚が太く短めで、胴体部分も小舟かと見紛う幅と厚みがあり、体高も百八十センチメートルはありそうな、まさに馬車を任せるにうってつけの、力強い体躯を誇っている。
白く輝く美しい毛並みも、ガリウスに大切にされているであろう事が伺い知れ、見ていて惚れ惚れとする馬だ。
「ガリウス、さすがのあんたも今回は拍子抜けしたんじゃないかい?」
「いや、ヤマトの事は知ってる」
「確かにこれじゃ定期便じゃなくて、ただの乗合馬車っすね、くふふ」
中に何も積まれていないがらんとした荷台を指し、ロングが朗らかにしている。
「ロング、だとしても気を抜くんじゃないよ。ヤマトに何かあってみな、荷は二度と取り出せない、闇の中なんだよ?」
ビビットが注意とまではいかない、やれやれといった様子でロングを軽く窘める。
「うっ……そうでした。ごめんなさいっす……」
「はは、そこまで気にする事はないよ。今からあたしらが辿るルートは、先人達がその尊い犠牲をもって導き出した、一番確実な道さ。あんたもサウドに来る時に通って来たんだから知ってるだろう?」
「そうっすね、自分が来た時も何も起こらなかったっす」
「ハハ……ビビットさん、あまり縁起でも無い事を言われると……」
「安心しなヤマト! リーフルちゃんはこの身に変えても絶対に守ってやるさ!」
拳で胸を叩き、自信に満ちた表情でリーフルに語り掛ける。
(確かにリーフルを優先して欲しいのはそうなんだけど、なんだか釈然としないなぁ……)
「そろそろ出る。混み合う前にサウド周辺の街道を抜ける」
傍で物静かに見守っていたガリウスが号令を発する。
「はい、お願いします」
荷台に乗り込む。
「ハッ──」
ガリウスが御者台に腰を下ろし、手綱を引き合図を出す。
「ブルッ!」
バルがその力強い脚を送り出し、荷台が曳かれてゆく。
四人を乗せた馬車は、一路センスバーチを目指し旅立った。
「……では、皆様に担当いただくということで。よろしくお願いします」
キャシーが書類に記入している。
「今回の定期便、ビビットさんが護衛に就く予定だったらしいから、俺とリーフル、ロングとビビットさん、この四人だね」
「護衛クエストは初めてっすけど、ビビットさんが居れば大丈夫っすね!」
「リーフルちゃ~ん、あ~んですよ~」
態度には似つかわしくない頼もしい大盾を背負うビビットが、目を輝かせながら持参した牛の赤身を与えている。
んぐんぐ──「ホッ……ホホーホ(ナカマ)」
(ビビットさんは相変わらずだなぁ……)
本来の定期便とは、輸送する物量に合わせた台数の馬車を用意し、その護衛に足る人数分の冒険者を集めるというのが具体的な構成となる。
今回に関しては、運ぶ品々その全てを俺が収納する事になるので、荷の無い馬車一台に護衛の冒険者が三人という、はたから見ると何とも不思議な様相だ。
ビビットが護衛に就く予定だと聞ききつけた俺は、以前助力を乞われた事もあり、彼女の恋を応援する為、追加でロングを指名した。
故郷の村が周辺にあり、元々センスバーチで冒険者となり活動していたという話も聞いていたので、案内を頼むのに丁度良い人選で、何より気心が知れた弟分が共に行動してくれるというのは心強い。
肝心の危険性についてだが、キャシー曰く、センスバーチへの道程においては特に危険な要素も無いとの話だった。
距離としては荷台を曳く馬の歩みで凡そ一日。
途中、大事を取り休憩に立ち寄る村を経由しても、一日半から二日程と、それ程時間がかかることも無いようだ。
「じゃあ三日後の早朝、表門に集合ですね」
「了解っす!」
「リーフルちゃん、美味しい物たっくさん用意してくるからね。楽しみにしてるんだよ~!」
「ホーホホ~! (タベモノ!)」
「アハハ……有り難いですけど、ほどほどでお願いします……」
ギルドの倉庫内にて、預かる荷を異次元空間に収納してゆく。
「相変わらず鮮やかな魔法ですね~。私がこの地を離れる際には、是非ヤマトさんにお願いしたいですね……」
暗い表情を浮かべ、声色重く語りだす。
「え!? どこかへ行かれるんですか?」
「いいえ? それ程に評価しているという表現です」
先程とは対照的に、キャシーがあっけらかんと話す。
(や、ややこしい……湧いて出る寂しさが勿体無い……)
荷を収納し終えた俺は、三日後の遠征に備え中央広場で食料を買い込み、宿へと戻った。
◇
他の宿泊客のラッシュが過ぎた頃を見計らい、食堂でシシリーとテーブルを囲み、センスバーチへ遠征する事を報告していた。
「お土産、食べ物もいいけど、何か"形の残る"物がいいかな」
以前ダムソンの件で心配をかけたお詫びとして渡した万年筆を眺めながらシシリーが呟く。
んぐんぐ──「ホッ……」
「ホーホホ? (タベモノ?)」
「リーフルは新しい物が食べたいらしいよ」
「はぁ……私も仕事が無ければ一緒に付いて行くんだけどなぁ」
「家族経営の辛いところだね~──センスバーチって何が有名なんだろう」
「そういえば特定の何かが有名っていう話は聞いたことがないかも。物は集まるけれど、独自の物は発展しなかったのかしら?」
「ふむ……って事は、選択肢自体は多いわけだから、何かしら見つかりそうだね」
カレン亭名物であるラビトーのシチューを堪能しながら他愛のない会話が続く。
「弓、残念ね……良い物が手に入るといいけど」
「弟って話だし、腕は確かなんじゃないかな?」
「ホー? (テキ?)」
「テキ? う~ん、居ないって訳じゃないだろうけど、危険も無いってキャシーさんは言ってたね」
「確かにあんまり聞かないかも。この街の周辺の方がよっぽど危ないんじゃないかしら」
「比較的安全な地域だからこそ"流通の拠点"なんだろうしね」
「センスバーチの宿の情報収集もお願いね! もし流行とかがあるなら、うちも取り入れて集客の強みにしなきゃ!」
「そうだね~。分かった、一通り見ておくよ」
んぐんぐ──「ホッ……」
その後も取り留めのない、だが退屈さを感じない夕食はゆったりと続いた。
◇
まだ空が白み始め、周囲を包む薄い霧が晴れ切らない定期便出発当日の早朝。
いよいよ初めてサウドを自ら飛び出すという事で、心なしか出発の準備をする手も先走り気味で、若干の緊張感を覚えつつ、約束の表門へとやってきた。
「おはようございます、今日からよろしくお願いします」 「ホホーホ(ナカマ)」
「あぁ。おはようヤマト、リーフルちゃん──今日も愛らしいねぇ」
「おはようございます!」
「よろしく……」 「──ブルルッ!」
一見すると愛想の悪そうなこの人物。
"ガリウス"という名のギルド専属の御者で、相棒の"バル"という馬と共に様々な輸送をこなしている、役所からの信頼厚きベテラン御者だ。
「よろしくなぁバル」 「ホホーホ? (ナカマ?)」
頭を撫でてみる。
「ブフンッ」
大人しく、頼りがいのある鼻息をもって応えてくれる。
競馬や観光牧場等で馴染み深い所謂競争馬達と違い、バルは脚が太く短めで、胴体部分も小舟かと見紛う幅と厚みがあり、体高も百八十センチメートルはありそうな、まさに馬車を任せるにうってつけの、力強い体躯を誇っている。
白く輝く美しい毛並みも、ガリウスに大切にされているであろう事が伺い知れ、見ていて惚れ惚れとする馬だ。
「ガリウス、さすがのあんたも今回は拍子抜けしたんじゃないかい?」
「いや、ヤマトの事は知ってる」
「確かにこれじゃ定期便じゃなくて、ただの乗合馬車っすね、くふふ」
中に何も積まれていないがらんとした荷台を指し、ロングが朗らかにしている。
「ロング、だとしても気を抜くんじゃないよ。ヤマトに何かあってみな、荷は二度と取り出せない、闇の中なんだよ?」
ビビットが注意とまではいかない、やれやれといった様子でロングを軽く窘める。
「うっ……そうでした。ごめんなさいっす……」
「はは、そこまで気にする事はないよ。今からあたしらが辿るルートは、先人達がその尊い犠牲をもって導き出した、一番確実な道さ。あんたもサウドに来る時に通って来たんだから知ってるだろう?」
「そうっすね、自分が来た時も何も起こらなかったっす」
「ハハ……ビビットさん、あまり縁起でも無い事を言われると……」
「安心しなヤマト! リーフルちゃんはこの身に変えても絶対に守ってやるさ!」
拳で胸を叩き、自信に満ちた表情でリーフルに語り掛ける。
(確かにリーフルを優先して欲しいのはそうなんだけど、なんだか釈然としないなぁ……)
「そろそろ出る。混み合う前にサウド周辺の街道を抜ける」
傍で物静かに見守っていたガリウスが号令を発する。
「はい、お願いします」
荷台に乗り込む。
「ハッ──」
ガリウスが御者台に腰を下ろし、手綱を引き合図を出す。
「ブルッ!」
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