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4話 先輩の願いが叶いますように
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「すみません。もう大丈夫です」
「ははは……ほんとに湊だ……」
しばらくして私は服を整え、湊は顔を洗って戻ってきた。
服が女物であってもメイクとウィッグがなくなったミナミちゃんは可愛い顔立ちの普通の男の子にしか見えない。
どうして今まで女の子だと認識していたんだろう。心なしかさっきより体型もがっしりして見えるから不思議だ。
「えーと。ここって誰の家なの? 私は何で寝ちゃってたの?」
「あ、この部屋は兄貴のです。兄貴は一人暮らしだから都合が良いかと思って鍵を借りました。陽菜先輩が寝てたのは僕がコーヒーに睡眠薬を入れたからですね、普通に。ごめんなさい」
うなだれながらベッドの上で正座を始めた湊が淡々と喋る。
そういえば湊と一緒にあの公園の前を通った時に、お兄さんが近くで一人暮らしを始めたっていう話を聞いた覚えがある。
睡眠薬なんてどこで入手したんだと問い詰めたいけど、まずあのコーヒーの不味さはなんなの。睡眠薬だけでああはならない。
コーヒーに関してはまだまだ大いに苦言を呈したいところだけど、それよりもまだ聞かなければならないことが残っている。
一番気になる問題が。
「それで、その格好はなに?」
「……陽菜先輩、すみませんでした。心から反省しています。今は陽菜先輩がどうして怒ったのか理解しているつもりです。だからこそもう謝っても許してもらえないと思いました。先輩は僕のこと完全に嫌いになっちゃったはずだから……」
「湊……」
湊は泣かないように唇を噛んで耐えている。
「僕には陽菜先輩がいない生活なんて考えられません……だから別人になれば、また陽菜先輩に好きになってもらえるんじゃないかと思って……でも僕……やっぱりそんなの嫌で……」
この大胆な行動を実行する前にまずは普通に謝罪してほしかった。が、そんなことはこの際どうでもいいではないか。
だって、そこら辺の女の子よりずっと可愛い湊が、瞳をうるうるさせながらこちらを見つめているのだ。
私も言い過ぎて悪かったと思ってるし、もう湊を許そう。ナニが生えたことも、体が元に戻らないことも、全てだ。
「私の方こそごめんね……湊を嫌いになるわけない。世界で一番大好きだよ。絶対ぜっったい別れたくないの!」
「せ、せんぱぁいっ、僕も好きです! あっ、でも陽菜先輩が僕を思う気持ちより、僕が先輩を大好きな気持ちの方が一億倍強いんですからね。その辺お忘れなく!」
湊の瞳の潤み方はピークを迎えている。再び大泣きし始めるかと身構えたら、私の言葉にムキになって少し眉をしかめた。
「でも、でも……嬉しぃぃ……うぅぅっ」
……それから、やっぱり泣き始めた。
湊のジェットコースターのような感情の乱高下も、くるくる変わる表情も好きだ。
一週間も口を利かなかったんだからもっと話し合いをした方がいいのかもしれない。
だけど、結局のところ私達は「好き」だと伝え合えば万事上手くいくのだ。
これから何があってもそれは変わらないんだろう。だって私は"ナニ"があっても湊を好きだという気持ちだけは揺らがない。
きっと湊も同じ気持ちのはずだから。
「そろそろ行こっか。ずっとお邪魔してても湊のお兄さんに悪いし。帰りにどこか寄っていこうよ!」
仲直り出来て本当によかった。その喜び、幸せを存分に噛み締めた後、私は提案した。
まさに王道ハッピーエンド。何の心残りもなく、私達はバカップルにもどるのだ。
「もう、陽菜先輩ってば! せっかく仲直りしたのに僕を抱いてくれないんですか? 陽菜先輩は女の子の格好をした変態な僕を、めちゃくちゃに犯したいって思わないの?」
「い、いやあ。今はそういう気分じゃ……」
湊は頬を膨らませて詰め寄ってくる。
その幼い怒り顔は可愛いけれど、湊よ、すまない。私は君と違って変態ではないんだ。
「そう、ですよね……僕なんか所詮は都合の良い肉便器ですもんね。陽菜先輩の性欲のはけ口としてのみ存在を許されてるんですもんね。さっき一回射精したから陽菜先輩は満足したんですよね。肉便器湊なんか陽菜先輩に抱かれる妄想でもしながら惨めにアナルオナニーでもしてろってことですよね……わかりました」
「ち、違うの! 湊は決してそんな存在ではなくて……」
ちょっと勘弁してもらいたい。その言い草だと、一途な女の子を好きな時に呼び出して体だけ要求するドクズのヤリチン男みたい。
私はそんなとんでもない奴じゃない!
「じゃあ今から私も湊の舐めるからさ。それでいいでしょ?」
湊はあからさまにふて腐れているから機嫌を取るための提案をした。
一ヶ月前から何回かフェラをしたけど、その度に湊はすごく喜んでくれていたし……私も湊に舐められて一回出したわけだから、それでおあいこだと思う。
「せんぱ……い……どうして挿れてくれないんですかぁ……先輩の大きいチンポで僕のお尻、ガバガバのユルユルのビッチマンコにされちゃったから……だから、もう僕とはセックスしたくないんですか?」
「え……湊としたくないわけじゃないんだよ? 今は健全なデートがしたい気分なだけで……」
湊はまたまたまた半泣きになっていた。黒目がちの瞳で縋るような視線を向けてくる。
私にお尻の締まりが悪いって言われたこと、まだ引きずってるんだ……。
いやまあ、言い過ぎた私が悪いんだけどね。だからといってどう励ましてやればいいの。湊のお尻はきつきつの処女マンコだから安心してね、とでも言えばいいのか。
でも、正常な精神状態ではそんな変態用語、口に出せないよ。
「どうかお願いします! 先っぽだけ。先っぽだけでいいから……僕のここに挿れてください……っ」
「!!」
湊は必死だった。私とセックス出来なかった一週間は湊にとって本当に苦痛だったのだろうなぁ……と改めて思う。
女装姿の湊が履いていた下着はきちんと女性物だ。自らの手で下着を脱ぎ捨てて四つん這いになると、お尻を左右に広げてみせる。ヒクヒクと動くお尻の穴が丸見えだ。
「陽菜せんぱぁい……」
「な、な、なななな!?」
湊はいやらしく腰を振りながら、私を倒錯的な世界へ誘っている。
そんな姿を見れば湊がいかに必死かわかるけれど、でもそれだけではなかった。
高々と持ち上げられた湊のお尻と太もも、そして腰の動きに合わせてぶらんぶらんと揺れる性器に目がくぎ付けになる。
それらには油性マジックらしきもので落書きがされていた。私は何らかの強力な力に吸い寄せられるように読み上げていく。
「陽菜先輩専用肉便器」
「この穴は陽菜先輩専用です」
「陽菜先輩専用ザーメン製造器」
「僕の粗末な竿を陽菜先輩の気の済むまでオナニーに使用してください」
ぽつりぽつりと声に出すと卑猥な言葉が脳に溶けていく感覚がした。女装して別人になりきろうとしても、こんなことが書いてあったら意味ないじゃないか。
「えへへっ、僕は陽菜先輩の所有物です! わかりやすいように持ち主の名前を体にたくさん書いちゃいました!」
「…………」
にこにこと無邪気に笑う湊を前にして、返す言葉が思い浮かばなかった。相変わらずパンチのきいた行動と発言をなさるようで。
でも、今更気にしないよ。さっき何があっても好きだと誓ったばかりだもんね……。
可愛いけど色々と危ない湊は、変態的なおねだりポーズで私を待っている。
私のあそこもとっくにむくむくと勃ち上がっていた。
「……体勢変えてよ。正常位がいい」
「は、はいっ、今から陽菜先輩にレイプしてもらえるんですね。嬉しいです! 固くて大きい先輩のおちんちんで、僕の緩マンもっとガバガバにしてくださぁい!」
「え……」
……これってレイプになるの……?
という素朴な疑問。湊がお尻の穴を見せつけながら懇願してきたというのに……。
むしろ私の方が湊にレイプ紛いのことをされてきた。私のナニにいつも勝手にしゃぶりついて勃起させ、上に乗っかり、腰を振りまくっていたじゃないか。私が気を失うまで死ぬほど精液を搾りとってくれたのに。
湊はすぐに仰向けに寝転がる。両脚を自分の顔の方に向かって持ち上げて、その膝を抱えた。
シーツから持ち上がったお尻が強調されるこの体勢は、ちんぐり返しというらしい。
私も湊を受け入れる時にさせられたことがあるが「陽菜先輩の場合はまんぐりとちんぐりのどっちなのかわからないですね♡」と笑われたこと、決して忘れていない。
「陽菜先輩……」
今の湊はいつも以上のエロオーラを纏っている。少し頬を赤らめて私を見上げる表情も、しわになったシーツに髪が散らばる様も扇情的だった。女装しているためか元々中性的な湊がもっと女の子らしく見える。
今まで湊はこんな目線で私を見ていたんだろうか。女の子らしい湊とは反対に、私の思考は男の子寄りに変わってしまったようだ。
下半身を熱くしながら、はぁはぁと荒い息を吐き出している変態じみた私がいた。
「優しくするから」
「……うん。陽菜先輩きて……」
太ももに手を置いただけでピクリと敏感に反応する湊の耳元で囁く。
ノリノリのはずの湊も少しは緊張しているのかもしれない。珍しくひかえめな様子がたまらない。今の私達は完全に男女の立ち位置が逆転していると思う。
「挿れる、ね……っ……んんっ♡」
「ん♡はぁ……陽菜先輩のおっきい♡」
優しくすると言ったのに解してもいない湊のお尻に自分の欲望を沈めていく。ダラダラとだらしなく溢れる先走りが潤滑油となり、ぴっちりと閉じていたアナルは私を受け入れてくれる。
「あっ、あっ!♡」
一番敏感な亀頭が湊のなかにすっぽり埋まる。締め付けてくる内壁の温かな感触に早くも射精してしまいそうだ。
「み、湊! も、全部いい?」
「全部くれるの、嬉し……ですっ、あっ♡♡」
さっき湊は先っぽだけでもとおねだりしていたけど、私が我慢できそうにない。
湊の太ももに自分の上半身を密着させるようにして抱きかかえ、勢いをつけて根元まで一気に挿入させた。
「あ、あっ♡ど、しよ……私もうイキそう!」
一週間ぶりの湊とのエッチは刺激が強すぎる。どうしても堪えられそうになかった。
「あはっ♡陽菜先輩ってばぁ……早漏でかーわいいっ! いい……ですよ♡僕の中古オスマンコの一番奥に陽菜先輩の赤ちゃんの種ください……っ この一週間分の種付けお願いしまぁす!♡♡」
「んん……っ、ふぁぁっ♡♡」
きっと私は情けない表情をしている。意地悪な笑みを浮かべた湊に髪を撫でられながら本日二回目の射精。私の精液が湊の中に注ぎ込まれていくのを感じる。
「はぁ、はぁ……」
力の抜けた体を湊の胸に預ける。敏感な先端が湊の一番奥にぶつかった、その一度の刺激だけで達してしまった。
やっぱり湊はゆるゆるなんかじゃない。あの時は適当に言っただけだから当然だけど。
「湊……」
「ん?」
「うぅ。早過ぎでほんとごめん……」
射精の余韻に浸っている今も、湊の固い性器は私のお腹に当たっていた。それでも湊は聖母のような慈愛に満ちた微笑みを浮かべ、私の髪を優しく撫でてくれている。
そんな湊の懐の広さを感じると、私は男として……いや男ではないんだけれど。一応ナニを挿れる側をやっている身として、情けなさと申し訳なさでいっぱいになる。
「今から湊のこともく、口でイカせてあげるね。あ……それとも私の、その、ナカに挿れたい?」
まさかこんな恥ずかしいことを言う日が来るなんて。羞恥心で死んでしまいそうだ。
それでも私は湊の胸に頬をくっつけたまま上目で湊の顔を見て、ちょっと可愛らしい雰囲気を出すことに成功した。
まずは欲を吐き出して縮んだ性器を湊の中から抜こう。湊の胸に支えてもらっている上半身を起こすと、再び膝立ちの姿勢になって腰を引いていく。
「陽菜せーんぱい?」
媚びを含んだ熱っぽい声で名前を呼ばれる。さっきまで髪を撫でてくれていた指が、私のお尻の割れ目をなぞってくる。
「っ、なに?」
くすぐったくて逃げるように身をよじっても、湊は遠慮なく私のお尻を揉みしだく。何だか少し悪い予感がする……私は表情が強張るのを感じながら湊の顔を見た。
「陽菜先輩は何もしなくていいんですよ? ただそこに、僕のナカに……ずーっっといてくれるだけでいいんだから♡ねっ、簡単なことでしょう?」
「えっ、それってどういう……っんぁあっ!!」
考えられたのは一瞬で、すぐに下半身に意識を持っていかれる。
湊のナカから抜く途中だったんだ。今もまだ先っぽは挿入ったままだ。男性器で一番敏感なそこを急に強く締めつけられて、しぼんでいた性器が反り返るのがわかる。
「ふふふっ♡♡陽菜先輩に締まりが悪いと言われて一週間……まさかこの僕が、無駄に過ごしてたなんて思ってないですよね?」
「あ、あ……もっ、むりぃっ♡♡」
湊のアナルの内壁はまるで生きているみたいにうごめき、私の先端をきゅうきゅうと締めつける。陰茎をピストンして刺激を生み出しているわけじゃない。湊のアナルの内側が意志を持って自ら動いているみたいな感覚。
元々湊の中は気持ち良かったけど、ここまで強烈な刺激は初めてだった。
「んっ♡あはっ♡また先輩の精液きたぁ! はぁ……あったかぁい♡♡」
「はぁっはぁっ……あ……で、でもこれでもう、んっ♡♡」
湊の言葉で自分がイッたことを理解する。本日三度目の射精をしても、湊の内側に包まれたままの性器はこりずに勃ち上がる。
性器は元気でも私はくたくただ。いい加減解放してもらいたかった。
湊の中に挿入っているのは先端部分だけ。体に力が入らない状態だけど、私は湊から逃げたい一心で腰を後ろに引いた。
「あん。抜いちゃだーめ♡」
「っ、んんっ」
でも怖いくらい気持ち良い湊の体から性器を逃がすことはできなかった。
きつく窄んだ入口にカリが引っ掛かる。私が一瞬体をビクつかせた隙に湊の手で引き寄せられる。膝立ちの体勢から前のめりに倒れて、私の上半身と湊の胸板が密着した。
「ひぃっ、やだぁっ! またイクッ♡♡」
抜けかかっていた性器は根元まですっかり湊の中に埋まっている。
イッた直後で過敏状態の鈴口が、湊の最奥にコツンと当たった瞬間――
「っ、うぁぁっ!」
また私の性器がビクビクと痙攣したのを感じる。
「四回目♡♡んー……さすがに量が少なくなってきましたね。でも安心してください! 僕って努力家で尽くすタイプなんですよ。まだまだ陽菜先輩を気持ち良くしてあげられます!」
「あっ。もう許してぇ!」
「ふふっ。最後の一滴まで残さず搾り取ってあげますねっ♡」
言葉通り、一滴も逃さないと主張するように最奥がきゅううう♡と締まって5回目の射精を促していた。
多分これまでで今が一番気持ち良い瞬間かもしれない。なんて、湊とエッチしてる時は毎回そう思っているけれど。
「む、り! 無理無理! これ以上したら私死んじゃうよぉ!」
「初対面のツンデレ女の顔面にザーメンぶっかけた浮気チンポが何言ってるんですか。僕専用のチンポだってわからせるためには最高に気持ち良いお仕置きが必要ですよね? 二度と浮気なんて考えられないように今後は射精管理を徹底しますから!」
「やぁ! 許してよぉ!」
連続の射精は快楽を通り越して拷問みたいだ。信じられないくらいに気持ちが良くて、同時に苦しくもあって、私の限界をとっくに越えている。
「ほらぁ、僕のナカが動いてるのがわかりますか? 陽菜先輩のチンポが大好きだから離したくなくてぎゅうってしてるんですよ♡」
「やだぁぁ! 私は家に帰るの。もうイきたくないっ! 湊のばかばか!……に、肉便器の分際で調子に乗るなよ!」
しんどい五回目の射精は目前だ。私の泣き顔をうっとりと見つめている湊に頭にくる。
ツンデレ女の正体は湊だったじゃないか。多分あれだ。私は心の奥底でミナミちゃんの正体に気付いていたからフェラされてあっという間に射精してしまったんだ。
そうだ、そうに違いない。あれは浮気なんかじゃなかった。
……か、勘違いしないでよね!
「こんのっ、ド鬼畜野郎がぁ! いい加減に離れろ……っ!」
「っ!?」
残っている力の全てを振り絞り、湊の太ももに膝蹴りを入れてやった。皮肉にも命中したのは「陽菜先輩専用肉便器」と書かれている場所だった。
「いったぁ!!」
痛みで身悶える湊から逃げるのは容易い。満身創痍のナニを湊のナカから救い出し、素早くベッドから降りようと思った。
……のだけど。私の悪い癖で、どうしても最後に暴言を吐いてやりたくなったのだ。
「ざまーみろ。肉便器湊なんか、そのガバガバ中古アナルに大根でも突っ込んでオナってろよ!」
今もなお痛みで苦しんでいる湊の脚の間に座ったまま、勝ち誇った気持ちで顔を覗き込む。言い過ぎてしまった感があるけど、湊にはこのくらいで丁度いい。お互い様だ。
「私は帰るから」
「だ、だめーっ!」
冷たく言い放つと、湊は上半身をガバッと起こした。
「絶対の絶対に離さないんだからぁ! 陽菜先輩好きぃ! 好き好き好き!」
「うわっ!?」
湊が首の後ろに腕を回してきたと思ったら、私を道連れに再び背中からベッドへとダイブする。そのまま私の背中に湊の両脚が巻き付いてきて、動けないようにがっしりとロックされてしまった。
「陽菜先輩大好きですぅぅ!!」
「ちょ、離してよ!」
首に回された腕と体に絡んで離れない脚のせいで、私と湊の体は完全に密着している。なんとか体勢を変えたくてもぞもぞ動いていたら、私とは違う意図で湊が腰を動かす。
「っ、ふぁぁっ♡♡」
「あはっ♡陽菜先輩ってば、僕のガバガバ中古精子バンクに何回精子提供してるんですか♡恥ずかしくないの? こんなユルユル雄マンコにイキ狂っちゃって!」
密着している状態で湊は器用に私の性器を導いて、アナルに挿入させる。既に精液でぐちゃぐちゃに溶けている湊のアナルが、私の陰茎も亀頭も痛いくらいに締めつける。
媚びるようにうごめく湊の内側はきつくて狭くて温かくて……ユルユルなんかじゃない。
「湊のマンコは世界で一番きもちいよ! わた、し、湊のナカにずっと住みたぃぃっ♡♡」
「んっ、はぁっ♡陽菜せんぱ、いっ、嬉しっ♡陽菜先輩大好きぃ♡」
「わっ私も好きだよぉ!」
気持ち良過ぎて頭の中がふわふわしてる。頭をおかしくする度重なる刺激で脳みそがついに溶けてしまったんだ。
「あっっ! そこ……きもち♡」
「んんっ、ここ……?」
「はぃぃ♡♡……ぼく幸せです……あっ、も、イクっっ!」
本能の赴くままに腰を振った。湊に夢中になっている私の姿を湊はトロトロにとろけきった表情で見上げていた。やっと少し安心してくれたんだろう。
湊の愛は重たい。絶対に私を離さないというどす黒い執念に塗れている。
それでも残念ながら私は湊のことが大好きだけれど。
▽
一週間後――私達はストーカー座流星群を見るために近所の公園で会っていた。
「陽菜先輩、朗報です。ツンデレ星が木っ端みじんになりました。今や宇宙の藻屑です!」
「そ、そうだね」
隣の湊はツンデレ星の超新星爆発の件を異常に高いテンションで話している。
寿命が近いと言われ続けていたツンデレ星の爆発がなんと昨日観測されたのだ。地球とは何千光年も離れているから、私が生まれる遥か昔からツンデレ星は存在していなかったことになる。
湊はツンデレ星の消滅がよっぽど嬉しかったらしい。昨日のニュースを見てからお祭り騒ぎといった様子でこの話題を続けている。
「でもまぁ、すごい偶然だよね。爆発の衝撃でヤンデル座の星の位置が大きく変わっちゃったんだもんね。それで、ドリーム星とヤンデレ星がお隣り同士になるなんて……どんな星の巡り会わせだよって話ですよ、ほんと」
「……偶然? それは違いますね。ヤンデレ星の勝利は必然でした。必ず最後に正義は勝つんです! ツンデレなんて所詮はかませ犬の負け犬属性ってことですよ」
「へ、へぇ」
グッと拳を握り締めて語る湊は熱苦しい。普段の湊は熱くなるタイプでもないけど、ヤンデレ星には妙に肩入れしてしまうようだ。
「そもそもドリーム星を残して先に逝くなんて情けない奴ですよね。ヤンデレ星ならドリーム星の最期を看取った後、あの世でドリーム星が寂しがったりしないよう直ぐさま後を追いますよ。だからこれからのドリーム星は死ぬまで……いえ、死んだ後も一人ぼっちになる心配はないですね。誰もが納得のトゥルーエンドです!」
「……それ、今日だけで五回聞いたよ」
相変わらず湊には呆れるばかりだけど、今日は湊から嬉しい提案をしてくれた。「ストーカー流星群にもう一度お願いしてみよう」そう言い出したのは湊だ。
「今度こそ本当に、私の体を元に戻したいと思ってるんだよね?」
「はい。陽菜先輩と離れていた一週間で、当たり前のことに改めて気付かされました。僕はナニがあっても陽菜先輩のことが好きです。そして、ナニがなくても変わらず陽菜先輩が大好きなんだって……。陽菜先輩がそばにいてくれるなら、それだけで僕は……あっ、もしもこれで願いが叶わなかったら、僕のおちんちんを切り落として陽菜先輩にプレゼントする覚悟でいます!」
……何それ気持ち悪い。途中までせっかく良い雰囲気だったのに、少しも喜べない物を最終的に押し付けるのは勘弁してもらいたい。
だけど、私を真っ直ぐに見つめる湊の瞳は真剣そのものだった。
湊は気付いてくれたんだ。ナニが付いていたら浮気が出来ないとか、スカートを長くするとか、そんなのくだらないって。
ナニが付いてようが付いてなかろうが私は私。これからも変わらずに湊のことが大好きな私のままなんだから。
「……それに、先輩の元の皮かぶり短小クリチンポが恋しくなっちゃったんですよね。同じ大きさになるまで一生かけて僕の手で育ててあげようと思ってるんです!」
「お、同じ大きさ? ナニと……?」
「ふふっ、怖くなんてないですよ。今まで以上の天国に連れて行ってあげますからね。楽しみにしていてください!」
唐突に聞かされた、私の体を戻しても構わないと思ったもう一つの理由。
湊は無邪気な笑顔を見せている。それはとてもとても可愛らしく、何よりも愛おしい天使の微笑み……なんだけど。
何か冷たいものが背筋を這ってくるような感覚に襲われて、私は身震いした。
湊が連れて行ってくれる場所なんて地獄くらいのものなんだから。
「あっ、陽菜先輩流れ星ですよ」
「ほんとだ!」
湊はすぐに目を閉じた。きっと私のためにお願いをしてくれてるんだ。
優しげな横顔から、私への溢れんばかりの愛情が伝わってくるようだった。
本当は、一瞬で消えてしまう流れ星にお願いごとなんて出来っこない。
それでも二人が気持ちを一つに出来たなら願いはきっと叶うはず。
「ははは……ほんとに湊だ……」
しばらくして私は服を整え、湊は顔を洗って戻ってきた。
服が女物であってもメイクとウィッグがなくなったミナミちゃんは可愛い顔立ちの普通の男の子にしか見えない。
どうして今まで女の子だと認識していたんだろう。心なしかさっきより体型もがっしりして見えるから不思議だ。
「えーと。ここって誰の家なの? 私は何で寝ちゃってたの?」
「あ、この部屋は兄貴のです。兄貴は一人暮らしだから都合が良いかと思って鍵を借りました。陽菜先輩が寝てたのは僕がコーヒーに睡眠薬を入れたからですね、普通に。ごめんなさい」
うなだれながらベッドの上で正座を始めた湊が淡々と喋る。
そういえば湊と一緒にあの公園の前を通った時に、お兄さんが近くで一人暮らしを始めたっていう話を聞いた覚えがある。
睡眠薬なんてどこで入手したんだと問い詰めたいけど、まずあのコーヒーの不味さはなんなの。睡眠薬だけでああはならない。
コーヒーに関してはまだまだ大いに苦言を呈したいところだけど、それよりもまだ聞かなければならないことが残っている。
一番気になる問題が。
「それで、その格好はなに?」
「……陽菜先輩、すみませんでした。心から反省しています。今は陽菜先輩がどうして怒ったのか理解しているつもりです。だからこそもう謝っても許してもらえないと思いました。先輩は僕のこと完全に嫌いになっちゃったはずだから……」
「湊……」
湊は泣かないように唇を噛んで耐えている。
「僕には陽菜先輩がいない生活なんて考えられません……だから別人になれば、また陽菜先輩に好きになってもらえるんじゃないかと思って……でも僕……やっぱりそんなの嫌で……」
この大胆な行動を実行する前にまずは普通に謝罪してほしかった。が、そんなことはこの際どうでもいいではないか。
だって、そこら辺の女の子よりずっと可愛い湊が、瞳をうるうるさせながらこちらを見つめているのだ。
私も言い過ぎて悪かったと思ってるし、もう湊を許そう。ナニが生えたことも、体が元に戻らないことも、全てだ。
「私の方こそごめんね……湊を嫌いになるわけない。世界で一番大好きだよ。絶対ぜっったい別れたくないの!」
「せ、せんぱぁいっ、僕も好きです! あっ、でも陽菜先輩が僕を思う気持ちより、僕が先輩を大好きな気持ちの方が一億倍強いんですからね。その辺お忘れなく!」
湊の瞳の潤み方はピークを迎えている。再び大泣きし始めるかと身構えたら、私の言葉にムキになって少し眉をしかめた。
「でも、でも……嬉しぃぃ……うぅぅっ」
……それから、やっぱり泣き始めた。
湊のジェットコースターのような感情の乱高下も、くるくる変わる表情も好きだ。
一週間も口を利かなかったんだからもっと話し合いをした方がいいのかもしれない。
だけど、結局のところ私達は「好き」だと伝え合えば万事上手くいくのだ。
これから何があってもそれは変わらないんだろう。だって私は"ナニ"があっても湊を好きだという気持ちだけは揺らがない。
きっと湊も同じ気持ちのはずだから。
「そろそろ行こっか。ずっとお邪魔してても湊のお兄さんに悪いし。帰りにどこか寄っていこうよ!」
仲直り出来て本当によかった。その喜び、幸せを存分に噛み締めた後、私は提案した。
まさに王道ハッピーエンド。何の心残りもなく、私達はバカップルにもどるのだ。
「もう、陽菜先輩ってば! せっかく仲直りしたのに僕を抱いてくれないんですか? 陽菜先輩は女の子の格好をした変態な僕を、めちゃくちゃに犯したいって思わないの?」
「い、いやあ。今はそういう気分じゃ……」
湊は頬を膨らませて詰め寄ってくる。
その幼い怒り顔は可愛いけれど、湊よ、すまない。私は君と違って変態ではないんだ。
「そう、ですよね……僕なんか所詮は都合の良い肉便器ですもんね。陽菜先輩の性欲のはけ口としてのみ存在を許されてるんですもんね。さっき一回射精したから陽菜先輩は満足したんですよね。肉便器湊なんか陽菜先輩に抱かれる妄想でもしながら惨めにアナルオナニーでもしてろってことですよね……わかりました」
「ち、違うの! 湊は決してそんな存在ではなくて……」
ちょっと勘弁してもらいたい。その言い草だと、一途な女の子を好きな時に呼び出して体だけ要求するドクズのヤリチン男みたい。
私はそんなとんでもない奴じゃない!
「じゃあ今から私も湊の舐めるからさ。それでいいでしょ?」
湊はあからさまにふて腐れているから機嫌を取るための提案をした。
一ヶ月前から何回かフェラをしたけど、その度に湊はすごく喜んでくれていたし……私も湊に舐められて一回出したわけだから、それでおあいこだと思う。
「せんぱ……い……どうして挿れてくれないんですかぁ……先輩の大きいチンポで僕のお尻、ガバガバのユルユルのビッチマンコにされちゃったから……だから、もう僕とはセックスしたくないんですか?」
「え……湊としたくないわけじゃないんだよ? 今は健全なデートがしたい気分なだけで……」
湊はまたまたまた半泣きになっていた。黒目がちの瞳で縋るような視線を向けてくる。
私にお尻の締まりが悪いって言われたこと、まだ引きずってるんだ……。
いやまあ、言い過ぎた私が悪いんだけどね。だからといってどう励ましてやればいいの。湊のお尻はきつきつの処女マンコだから安心してね、とでも言えばいいのか。
でも、正常な精神状態ではそんな変態用語、口に出せないよ。
「どうかお願いします! 先っぽだけ。先っぽだけでいいから……僕のここに挿れてください……っ」
「!!」
湊は必死だった。私とセックス出来なかった一週間は湊にとって本当に苦痛だったのだろうなぁ……と改めて思う。
女装姿の湊が履いていた下着はきちんと女性物だ。自らの手で下着を脱ぎ捨てて四つん這いになると、お尻を左右に広げてみせる。ヒクヒクと動くお尻の穴が丸見えだ。
「陽菜せんぱぁい……」
「な、な、なななな!?」
湊はいやらしく腰を振りながら、私を倒錯的な世界へ誘っている。
そんな姿を見れば湊がいかに必死かわかるけれど、でもそれだけではなかった。
高々と持ち上げられた湊のお尻と太もも、そして腰の動きに合わせてぶらんぶらんと揺れる性器に目がくぎ付けになる。
それらには油性マジックらしきもので落書きがされていた。私は何らかの強力な力に吸い寄せられるように読み上げていく。
「陽菜先輩専用肉便器」
「この穴は陽菜先輩専用です」
「陽菜先輩専用ザーメン製造器」
「僕の粗末な竿を陽菜先輩の気の済むまでオナニーに使用してください」
ぽつりぽつりと声に出すと卑猥な言葉が脳に溶けていく感覚がした。女装して別人になりきろうとしても、こんなことが書いてあったら意味ないじゃないか。
「えへへっ、僕は陽菜先輩の所有物です! わかりやすいように持ち主の名前を体にたくさん書いちゃいました!」
「…………」
にこにこと無邪気に笑う湊を前にして、返す言葉が思い浮かばなかった。相変わらずパンチのきいた行動と発言をなさるようで。
でも、今更気にしないよ。さっき何があっても好きだと誓ったばかりだもんね……。
可愛いけど色々と危ない湊は、変態的なおねだりポーズで私を待っている。
私のあそこもとっくにむくむくと勃ち上がっていた。
「……体勢変えてよ。正常位がいい」
「は、はいっ、今から陽菜先輩にレイプしてもらえるんですね。嬉しいです! 固くて大きい先輩のおちんちんで、僕の緩マンもっとガバガバにしてくださぁい!」
「え……」
……これってレイプになるの……?
という素朴な疑問。湊がお尻の穴を見せつけながら懇願してきたというのに……。
むしろ私の方が湊にレイプ紛いのことをされてきた。私のナニにいつも勝手にしゃぶりついて勃起させ、上に乗っかり、腰を振りまくっていたじゃないか。私が気を失うまで死ぬほど精液を搾りとってくれたのに。
湊はすぐに仰向けに寝転がる。両脚を自分の顔の方に向かって持ち上げて、その膝を抱えた。
シーツから持ち上がったお尻が強調されるこの体勢は、ちんぐり返しというらしい。
私も湊を受け入れる時にさせられたことがあるが「陽菜先輩の場合はまんぐりとちんぐりのどっちなのかわからないですね♡」と笑われたこと、決して忘れていない。
「陽菜先輩……」
今の湊はいつも以上のエロオーラを纏っている。少し頬を赤らめて私を見上げる表情も、しわになったシーツに髪が散らばる様も扇情的だった。女装しているためか元々中性的な湊がもっと女の子らしく見える。
今まで湊はこんな目線で私を見ていたんだろうか。女の子らしい湊とは反対に、私の思考は男の子寄りに変わってしまったようだ。
下半身を熱くしながら、はぁはぁと荒い息を吐き出している変態じみた私がいた。
「優しくするから」
「……うん。陽菜先輩きて……」
太ももに手を置いただけでピクリと敏感に反応する湊の耳元で囁く。
ノリノリのはずの湊も少しは緊張しているのかもしれない。珍しくひかえめな様子がたまらない。今の私達は完全に男女の立ち位置が逆転していると思う。
「挿れる、ね……っ……んんっ♡」
「ん♡はぁ……陽菜先輩のおっきい♡」
優しくすると言ったのに解してもいない湊のお尻に自分の欲望を沈めていく。ダラダラとだらしなく溢れる先走りが潤滑油となり、ぴっちりと閉じていたアナルは私を受け入れてくれる。
「あっ、あっ!♡」
一番敏感な亀頭が湊のなかにすっぽり埋まる。締め付けてくる内壁の温かな感触に早くも射精してしまいそうだ。
「み、湊! も、全部いい?」
「全部くれるの、嬉し……ですっ、あっ♡♡」
さっき湊は先っぽだけでもとおねだりしていたけど、私が我慢できそうにない。
湊の太ももに自分の上半身を密着させるようにして抱きかかえ、勢いをつけて根元まで一気に挿入させた。
「あ、あっ♡ど、しよ……私もうイキそう!」
一週間ぶりの湊とのエッチは刺激が強すぎる。どうしても堪えられそうになかった。
「あはっ♡陽菜先輩ってばぁ……早漏でかーわいいっ! いい……ですよ♡僕の中古オスマンコの一番奥に陽菜先輩の赤ちゃんの種ください……っ この一週間分の種付けお願いしまぁす!♡♡」
「んん……っ、ふぁぁっ♡♡」
きっと私は情けない表情をしている。意地悪な笑みを浮かべた湊に髪を撫でられながら本日二回目の射精。私の精液が湊の中に注ぎ込まれていくのを感じる。
「はぁ、はぁ……」
力の抜けた体を湊の胸に預ける。敏感な先端が湊の一番奥にぶつかった、その一度の刺激だけで達してしまった。
やっぱり湊はゆるゆるなんかじゃない。あの時は適当に言っただけだから当然だけど。
「湊……」
「ん?」
「うぅ。早過ぎでほんとごめん……」
射精の余韻に浸っている今も、湊の固い性器は私のお腹に当たっていた。それでも湊は聖母のような慈愛に満ちた微笑みを浮かべ、私の髪を優しく撫でてくれている。
そんな湊の懐の広さを感じると、私は男として……いや男ではないんだけれど。一応ナニを挿れる側をやっている身として、情けなさと申し訳なさでいっぱいになる。
「今から湊のこともく、口でイカせてあげるね。あ……それとも私の、その、ナカに挿れたい?」
まさかこんな恥ずかしいことを言う日が来るなんて。羞恥心で死んでしまいそうだ。
それでも私は湊の胸に頬をくっつけたまま上目で湊の顔を見て、ちょっと可愛らしい雰囲気を出すことに成功した。
まずは欲を吐き出して縮んだ性器を湊の中から抜こう。湊の胸に支えてもらっている上半身を起こすと、再び膝立ちの姿勢になって腰を引いていく。
「陽菜せーんぱい?」
媚びを含んだ熱っぽい声で名前を呼ばれる。さっきまで髪を撫でてくれていた指が、私のお尻の割れ目をなぞってくる。
「っ、なに?」
くすぐったくて逃げるように身をよじっても、湊は遠慮なく私のお尻を揉みしだく。何だか少し悪い予感がする……私は表情が強張るのを感じながら湊の顔を見た。
「陽菜先輩は何もしなくていいんですよ? ただそこに、僕のナカに……ずーっっといてくれるだけでいいんだから♡ねっ、簡単なことでしょう?」
「えっ、それってどういう……っんぁあっ!!」
考えられたのは一瞬で、すぐに下半身に意識を持っていかれる。
湊のナカから抜く途中だったんだ。今もまだ先っぽは挿入ったままだ。男性器で一番敏感なそこを急に強く締めつけられて、しぼんでいた性器が反り返るのがわかる。
「ふふふっ♡♡陽菜先輩に締まりが悪いと言われて一週間……まさかこの僕が、無駄に過ごしてたなんて思ってないですよね?」
「あ、あ……もっ、むりぃっ♡♡」
湊のアナルの内壁はまるで生きているみたいにうごめき、私の先端をきゅうきゅうと締めつける。陰茎をピストンして刺激を生み出しているわけじゃない。湊のアナルの内側が意志を持って自ら動いているみたいな感覚。
元々湊の中は気持ち良かったけど、ここまで強烈な刺激は初めてだった。
「んっ♡あはっ♡また先輩の精液きたぁ! はぁ……あったかぁい♡♡」
「はぁっはぁっ……あ……で、でもこれでもう、んっ♡♡」
湊の言葉で自分がイッたことを理解する。本日三度目の射精をしても、湊の内側に包まれたままの性器はこりずに勃ち上がる。
性器は元気でも私はくたくただ。いい加減解放してもらいたかった。
湊の中に挿入っているのは先端部分だけ。体に力が入らない状態だけど、私は湊から逃げたい一心で腰を後ろに引いた。
「あん。抜いちゃだーめ♡」
「っ、んんっ」
でも怖いくらい気持ち良い湊の体から性器を逃がすことはできなかった。
きつく窄んだ入口にカリが引っ掛かる。私が一瞬体をビクつかせた隙に湊の手で引き寄せられる。膝立ちの体勢から前のめりに倒れて、私の上半身と湊の胸板が密着した。
「ひぃっ、やだぁっ! またイクッ♡♡」
抜けかかっていた性器は根元まですっかり湊の中に埋まっている。
イッた直後で過敏状態の鈴口が、湊の最奥にコツンと当たった瞬間――
「っ、うぁぁっ!」
また私の性器がビクビクと痙攣したのを感じる。
「四回目♡♡んー……さすがに量が少なくなってきましたね。でも安心してください! 僕って努力家で尽くすタイプなんですよ。まだまだ陽菜先輩を気持ち良くしてあげられます!」
「あっ。もう許してぇ!」
「ふふっ。最後の一滴まで残さず搾り取ってあげますねっ♡」
言葉通り、一滴も逃さないと主張するように最奥がきゅううう♡と締まって5回目の射精を促していた。
多分これまでで今が一番気持ち良い瞬間かもしれない。なんて、湊とエッチしてる時は毎回そう思っているけれど。
「む、り! 無理無理! これ以上したら私死んじゃうよぉ!」
「初対面のツンデレ女の顔面にザーメンぶっかけた浮気チンポが何言ってるんですか。僕専用のチンポだってわからせるためには最高に気持ち良いお仕置きが必要ですよね? 二度と浮気なんて考えられないように今後は射精管理を徹底しますから!」
「やぁ! 許してよぉ!」
連続の射精は快楽を通り越して拷問みたいだ。信じられないくらいに気持ちが良くて、同時に苦しくもあって、私の限界をとっくに越えている。
「ほらぁ、僕のナカが動いてるのがわかりますか? 陽菜先輩のチンポが大好きだから離したくなくてぎゅうってしてるんですよ♡」
「やだぁぁ! 私は家に帰るの。もうイきたくないっ! 湊のばかばか!……に、肉便器の分際で調子に乗るなよ!」
しんどい五回目の射精は目前だ。私の泣き顔をうっとりと見つめている湊に頭にくる。
ツンデレ女の正体は湊だったじゃないか。多分あれだ。私は心の奥底でミナミちゃんの正体に気付いていたからフェラされてあっという間に射精してしまったんだ。
そうだ、そうに違いない。あれは浮気なんかじゃなかった。
……か、勘違いしないでよね!
「こんのっ、ド鬼畜野郎がぁ! いい加減に離れろ……っ!」
「っ!?」
残っている力の全てを振り絞り、湊の太ももに膝蹴りを入れてやった。皮肉にも命中したのは「陽菜先輩専用肉便器」と書かれている場所だった。
「いったぁ!!」
痛みで身悶える湊から逃げるのは容易い。満身創痍のナニを湊のナカから救い出し、素早くベッドから降りようと思った。
……のだけど。私の悪い癖で、どうしても最後に暴言を吐いてやりたくなったのだ。
「ざまーみろ。肉便器湊なんか、そのガバガバ中古アナルに大根でも突っ込んでオナってろよ!」
今もなお痛みで苦しんでいる湊の脚の間に座ったまま、勝ち誇った気持ちで顔を覗き込む。言い過ぎてしまった感があるけど、湊にはこのくらいで丁度いい。お互い様だ。
「私は帰るから」
「だ、だめーっ!」
冷たく言い放つと、湊は上半身をガバッと起こした。
「絶対の絶対に離さないんだからぁ! 陽菜先輩好きぃ! 好き好き好き!」
「うわっ!?」
湊が首の後ろに腕を回してきたと思ったら、私を道連れに再び背中からベッドへとダイブする。そのまま私の背中に湊の両脚が巻き付いてきて、動けないようにがっしりとロックされてしまった。
「陽菜先輩大好きですぅぅ!!」
「ちょ、離してよ!」
首に回された腕と体に絡んで離れない脚のせいで、私と湊の体は完全に密着している。なんとか体勢を変えたくてもぞもぞ動いていたら、私とは違う意図で湊が腰を動かす。
「っ、ふぁぁっ♡♡」
「あはっ♡陽菜先輩ってば、僕のガバガバ中古精子バンクに何回精子提供してるんですか♡恥ずかしくないの? こんなユルユル雄マンコにイキ狂っちゃって!」
密着している状態で湊は器用に私の性器を導いて、アナルに挿入させる。既に精液でぐちゃぐちゃに溶けている湊のアナルが、私の陰茎も亀頭も痛いくらいに締めつける。
媚びるようにうごめく湊の内側はきつくて狭くて温かくて……ユルユルなんかじゃない。
「湊のマンコは世界で一番きもちいよ! わた、し、湊のナカにずっと住みたぃぃっ♡♡」
「んっ、はぁっ♡陽菜せんぱ、いっ、嬉しっ♡陽菜先輩大好きぃ♡」
「わっ私も好きだよぉ!」
気持ち良過ぎて頭の中がふわふわしてる。頭をおかしくする度重なる刺激で脳みそがついに溶けてしまったんだ。
「あっっ! そこ……きもち♡」
「んんっ、ここ……?」
「はぃぃ♡♡……ぼく幸せです……あっ、も、イクっっ!」
本能の赴くままに腰を振った。湊に夢中になっている私の姿を湊はトロトロにとろけきった表情で見上げていた。やっと少し安心してくれたんだろう。
湊の愛は重たい。絶対に私を離さないというどす黒い執念に塗れている。
それでも残念ながら私は湊のことが大好きだけれど。
▽
一週間後――私達はストーカー座流星群を見るために近所の公園で会っていた。
「陽菜先輩、朗報です。ツンデレ星が木っ端みじんになりました。今や宇宙の藻屑です!」
「そ、そうだね」
隣の湊はツンデレ星の超新星爆発の件を異常に高いテンションで話している。
寿命が近いと言われ続けていたツンデレ星の爆発がなんと昨日観測されたのだ。地球とは何千光年も離れているから、私が生まれる遥か昔からツンデレ星は存在していなかったことになる。
湊はツンデレ星の消滅がよっぽど嬉しかったらしい。昨日のニュースを見てからお祭り騒ぎといった様子でこの話題を続けている。
「でもまぁ、すごい偶然だよね。爆発の衝撃でヤンデル座の星の位置が大きく変わっちゃったんだもんね。それで、ドリーム星とヤンデレ星がお隣り同士になるなんて……どんな星の巡り会わせだよって話ですよ、ほんと」
「……偶然? それは違いますね。ヤンデレ星の勝利は必然でした。必ず最後に正義は勝つんです! ツンデレなんて所詮はかませ犬の負け犬属性ってことですよ」
「へ、へぇ」
グッと拳を握り締めて語る湊は熱苦しい。普段の湊は熱くなるタイプでもないけど、ヤンデレ星には妙に肩入れしてしまうようだ。
「そもそもドリーム星を残して先に逝くなんて情けない奴ですよね。ヤンデレ星ならドリーム星の最期を看取った後、あの世でドリーム星が寂しがったりしないよう直ぐさま後を追いますよ。だからこれからのドリーム星は死ぬまで……いえ、死んだ後も一人ぼっちになる心配はないですね。誰もが納得のトゥルーエンドです!」
「……それ、今日だけで五回聞いたよ」
相変わらず湊には呆れるばかりだけど、今日は湊から嬉しい提案をしてくれた。「ストーカー流星群にもう一度お願いしてみよう」そう言い出したのは湊だ。
「今度こそ本当に、私の体を元に戻したいと思ってるんだよね?」
「はい。陽菜先輩と離れていた一週間で、当たり前のことに改めて気付かされました。僕はナニがあっても陽菜先輩のことが好きです。そして、ナニがなくても変わらず陽菜先輩が大好きなんだって……。陽菜先輩がそばにいてくれるなら、それだけで僕は……あっ、もしもこれで願いが叶わなかったら、僕のおちんちんを切り落として陽菜先輩にプレゼントする覚悟でいます!」
……何それ気持ち悪い。途中までせっかく良い雰囲気だったのに、少しも喜べない物を最終的に押し付けるのは勘弁してもらいたい。
だけど、私を真っ直ぐに見つめる湊の瞳は真剣そのものだった。
湊は気付いてくれたんだ。ナニが付いていたら浮気が出来ないとか、スカートを長くするとか、そんなのくだらないって。
ナニが付いてようが付いてなかろうが私は私。これからも変わらずに湊のことが大好きな私のままなんだから。
「……それに、先輩の元の皮かぶり短小クリチンポが恋しくなっちゃったんですよね。同じ大きさになるまで一生かけて僕の手で育ててあげようと思ってるんです!」
「お、同じ大きさ? ナニと……?」
「ふふっ、怖くなんてないですよ。今まで以上の天国に連れて行ってあげますからね。楽しみにしていてください!」
唐突に聞かされた、私の体を戻しても構わないと思ったもう一つの理由。
湊は無邪気な笑顔を見せている。それはとてもとても可愛らしく、何よりも愛おしい天使の微笑み……なんだけど。
何か冷たいものが背筋を這ってくるような感覚に襲われて、私は身震いした。
湊が連れて行ってくれる場所なんて地獄くらいのものなんだから。
「あっ、陽菜先輩流れ星ですよ」
「ほんとだ!」
湊はすぐに目を閉じた。きっと私のためにお願いをしてくれてるんだ。
優しげな横顔から、私への溢れんばかりの愛情が伝わってくるようだった。
本当は、一瞬で消えてしまう流れ星にお願いごとなんて出来っこない。
それでも二人が気持ちを一つに出来たなら願いはきっと叶うはず。
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