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ある日弟がやってきた
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「京、今日から陽向はお前の弟だ。可愛がってやってくれ」
そう言って父親に紹介されたのは、色白で瞳の大きな、華奢でかわいい女の子のような男の子だった。
不安げな瞳がじっと俺を見つめていて、俺は自然に右手を差し出していた。
「陽向、よろしく」
笑顔を浮かべると、陽向は微かに緊張がほぐれたようにその瞳を瞬かせた。
「きょおくん・・・・?」
「そうだよ。今日から、俺がお前の兄ちゃん。勉強とか、わからないところは聞きにおいで」
「・・・うん!」
かわいい笑顔だった。
中学1年生だという陽向は俺の5個年下だったけれど、身長は140センチほどしかなく、まだ声変りもしていないためにもっと幼く見えた。
陽向がうちに来ることになった詳しい経緯は聞いていなかった。
ただ、俺の父親が経営している会社の重役だった陽向の父親が急死してしまい、もともと父一人子一人だったためにうちの父親が陽向を養子として引き取ることになったのだと。
どうしてうちの養子なのか、肝心なことを父が教えてくれることはなかったけれど・・・。
それでも陽向は一般的な中学生からするととても素直だったしおとなしい子だったので、特に困ることはなかった。
一人っ子の俺にとって、陽向は本当に可愛い弟になったのだ。
あの日までは―――
「うわぁ、本当に可愛いね!ひなちゃん?俺、京ちゃんの友達の小坂龍太!よろしくね!」
ある日、クラスメイトの小坂をうちに連れてきた。
小坂とは小学校からの幼馴染だ。
俺の通う高校は幼稚舎から大学院までのエスカレーター式の学校だった。
陽向がうちに来たのは夏休み中だったが、夏休み明けからは陽向も同じ学校の中等部への転入が決まっていた。
「・・・・小坂、くん?」
「そうだよ、小坂龍太!ひなちゃんは、目ぇおっきいね!超可愛いなあ」
もともと子ども好きな小坂が陽向を見て目を細める。
「あんまり子供扱いすんなよ。これでも中学生なんだから。な、陽向」
「うん」
陽向が俺を見上げて微笑む。
「そっか、ごめんごめん。ねえ京ちゃん、宿題見せてよ!」
「お前、最初からやる気ねえな。見せるのはどうしてもわからないとこだけだって言ってるだろ?ちゃんとやれよ!」
「だって全部わかんないんだもん!大体、夏休みの宿題多過ぎるんだよ。ね、京ちゃんお願い!」
「ったく、しょうがねえな・・・。陽向、悪いけど後でコーヒー持って来てくれよ。俺ら、部屋で宿題やってっから」
「うん、わかった」
にっこりと微笑みながら手を振る陽向に、俺も軽く手を振り返す。
「やった!ありがとう京ちゃん!大好きだよ!」
「お前、調子良過ぎ!ちゃんとまじめにやれよ?」
軽く小坂の肩を叩きながら自室へ向かう俺。
そのとき、陽向が俺たちの後ろ姿をじっと見つめていることに、俺は気付いていなかった・・・・。
そう言って父親に紹介されたのは、色白で瞳の大きな、華奢でかわいい女の子のような男の子だった。
不安げな瞳がじっと俺を見つめていて、俺は自然に右手を差し出していた。
「陽向、よろしく」
笑顔を浮かべると、陽向は微かに緊張がほぐれたようにその瞳を瞬かせた。
「きょおくん・・・・?」
「そうだよ。今日から、俺がお前の兄ちゃん。勉強とか、わからないところは聞きにおいで」
「・・・うん!」
かわいい笑顔だった。
中学1年生だという陽向は俺の5個年下だったけれど、身長は140センチほどしかなく、まだ声変りもしていないためにもっと幼く見えた。
陽向がうちに来ることになった詳しい経緯は聞いていなかった。
ただ、俺の父親が経営している会社の重役だった陽向の父親が急死してしまい、もともと父一人子一人だったためにうちの父親が陽向を養子として引き取ることになったのだと。
どうしてうちの養子なのか、肝心なことを父が教えてくれることはなかったけれど・・・。
それでも陽向は一般的な中学生からするととても素直だったしおとなしい子だったので、特に困ることはなかった。
一人っ子の俺にとって、陽向は本当に可愛い弟になったのだ。
あの日までは―――
「うわぁ、本当に可愛いね!ひなちゃん?俺、京ちゃんの友達の小坂龍太!よろしくね!」
ある日、クラスメイトの小坂をうちに連れてきた。
小坂とは小学校からの幼馴染だ。
俺の通う高校は幼稚舎から大学院までのエスカレーター式の学校だった。
陽向がうちに来たのは夏休み中だったが、夏休み明けからは陽向も同じ学校の中等部への転入が決まっていた。
「・・・・小坂、くん?」
「そうだよ、小坂龍太!ひなちゃんは、目ぇおっきいね!超可愛いなあ」
もともと子ども好きな小坂が陽向を見て目を細める。
「あんまり子供扱いすんなよ。これでも中学生なんだから。な、陽向」
「うん」
陽向が俺を見上げて微笑む。
「そっか、ごめんごめん。ねえ京ちゃん、宿題見せてよ!」
「お前、最初からやる気ねえな。見せるのはどうしてもわからないとこだけだって言ってるだろ?ちゃんとやれよ!」
「だって全部わかんないんだもん!大体、夏休みの宿題多過ぎるんだよ。ね、京ちゃんお願い!」
「ったく、しょうがねえな・・・。陽向、悪いけど後でコーヒー持って来てくれよ。俺ら、部屋で宿題やってっから」
「うん、わかった」
にっこりと微笑みながら手を振る陽向に、俺も軽く手を振り返す。
「やった!ありがとう京ちゃん!大好きだよ!」
「お前、調子良過ぎ!ちゃんとまじめにやれよ?」
軽く小坂の肩を叩きながら自室へ向かう俺。
そのとき、陽向が俺たちの後ろ姿をじっと見つめていることに、俺は気付いていなかった・・・・。
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