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友達のキス
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「おじゃましまぁす」
「今日は、うちの家族誰もいないんだ」
「そうなんだ」
家に着き、陽向くんを俺の部屋へ連れて行く。
今日家族が家にいないことは最初からわかってた。
どうせなら、陽向くんとの時間を誰にも邪魔されたくなかったからこの日を選んだんだ。
部屋に行き陽向くんの好きそうなゲームをいくつか出してあげると、陽向くんの瞳が輝いた。
「すごい!本当にたくさんあるんだね!これ、自分のお小遣いで買ったの?雄介」
「まあね。毎月のお小遣いじゃすぐになくなっちゃうから、お母さんの代わりに買い物に行ってあげたりしてお小遣いもらうこともあるし、そうやってちょこちょこ貯めるんだよ」
「すごいね~、俺、考えたことなかった」
「陽向くんはお小遣い何に使ってるの?」
「え~、マンガとかかなあ」
「あ、俺もマンガ好きだよ」
「ほんと?気ぃ合うね」
そう言って嬉しそうに笑ってくれる陽向くん。
ほんとに可愛い。
陽向くんといると、時々胸が苦しくなる。
好きで好きで、堪らない気持ちになる。
しばらく2人でゲームをして楽しんで。
気付くともう6時を過ぎていた。
「―――あ、そろそろ帰らなくちゃ」
「もう?ご飯、食べてけば?」
「え」
「もうすぐうちの母さん帰ってくるしさ、そしたら紹介するから」
「う~ん、でもきょおくん心配するし・・・・」
また、きょおくん・・・・。
俺は、きゅっと唇を噛み―――
陽向くんの手を、両手で握った。
「え・・・雄介?どうしたの?」
俯く俺の顔を、下から覗きこむように見つめる陽向くん。
「・・・まだ、一緒にいたい」
「雄介・・・・」
「陽向くん、俺、陽向くんが―――」
その瞬間。
陽向くんの白くて細い指が、俺の唇に触れた。
「―――!」
「・・・言っちゃダメだよ、雄介」
「陽向く―――」
「言ったら、俺たち友達でいられなくなっちゃう」
「・・・・・」
「俺、雄介とはずっと友達でいたい。雄介が、大好きだから・・・・」
優しく、にっこりと微笑む陽向くん。
でも、その笑顔は、残酷だ。
俺の気持ちをわかってて、友達でいろという残酷な笑顔だ。
陽向くんの腕が俺の背中に回され、ふわりと抱きしめられる。
「―――大好きだよ、雄介。ずっと友達でいて。ずっと、俺の傍にいて。お願い・・・・」
「陽向くん・・・・俺も、陽向くんが大好き。ずっと・・・・傍にいるよ」
残酷なお願い。
でも俺は、そのお願いに頷くしかない。
だって、陽向くんと離れることなんて考えたくない。
たとえずっと友達でいなくちゃいけないとしても、それでも俺は、陽向くんの傍にいたいから・・・・。
「―――あ、きょおくんからメール来てる」
陽向くんが携帯を見てぱっと顔を輝かせた。
「7時に、駅まで迎えに行くって。あ、じゃあもうそろそろ出なくちゃ」
「・・・駅まで送るね」
「でも、それじゃあ雄介が帰り1人になっちゃうよ?俺、道覚えたし1人でも大丈夫だよ」
「俺は大丈夫。―――まだ、陽向くんと一緒にいたい」
そう言って再び陽向くんの手を握ると、陽向くんは戸惑ったように首を傾げたものの、それを拒否したりはしなかった。
「―――うん、わかった。じゃ、行こう」
俺たちはそのまま、手を繋いで家を出た。
まだ外は明るかったけど、肩が触れ合うくらい寄り添って歩けば、手を繋いでるなんて目立たないし。
あんまり人通りの多くない道を選んで歩いたから、気付く人もいなかったと思う。
気付かれたっていいけど。
「―――雄介、ありがとね」
「うん?」
「ゲーム、楽しかった。また行ってもいい?」
「もちろん。いつでもきてよ」
「ほんと?本当に行っちゃうよ?」
「本当だってば。毎日でもいいよ」
「ふはは、毎日?じゃあ毎日雄介と一緒に帰ろうかな」
「んふふ、いいね」
「ふふ。でもきょおくんに怒られちゃうかなあ、毎日遊んでたりしたら」
「・・・陽向くんは・・・・」
「ん?」
「陽向くんは、京さんのこと・・・・大好きなんだね」
「―――うん、好きだよ。大好き」
そう言って笑う陽向くんは、とても可愛くて。
俺は胸が痛くて・・・・泣きそうになった。
「・・・でも、雄介のことも好き」
「・・・・え?」
顔を上げた俺の頬に、微かに陽向くんの唇が触れ・・・・離れた。
「陽向くん・・・・」
「・・・本当だよ」
そう言って優しく笑う陽向くんは本当に輝いていて・・・・
まるで天使みたいだった。
わかってる。
陽向くんは京さんが好きなんだって。
だけど、それでもよかった。
「―――陽向くん!」
俺は陽向くんの手を強く引き―――
体勢を崩した陽向くんの唇に、キスをした。
「―――陽向くんが、好きだ」
そう言って見つめる俺の視線を受け止める陽向くんは―――
ちょっと困ったように、でも、どこか満足げに俺を見つめて微笑んでいた・・・・・。
「今日は、うちの家族誰もいないんだ」
「そうなんだ」
家に着き、陽向くんを俺の部屋へ連れて行く。
今日家族が家にいないことは最初からわかってた。
どうせなら、陽向くんとの時間を誰にも邪魔されたくなかったからこの日を選んだんだ。
部屋に行き陽向くんの好きそうなゲームをいくつか出してあげると、陽向くんの瞳が輝いた。
「すごい!本当にたくさんあるんだね!これ、自分のお小遣いで買ったの?雄介」
「まあね。毎月のお小遣いじゃすぐになくなっちゃうから、お母さんの代わりに買い物に行ってあげたりしてお小遣いもらうこともあるし、そうやってちょこちょこ貯めるんだよ」
「すごいね~、俺、考えたことなかった」
「陽向くんはお小遣い何に使ってるの?」
「え~、マンガとかかなあ」
「あ、俺もマンガ好きだよ」
「ほんと?気ぃ合うね」
そう言って嬉しそうに笑ってくれる陽向くん。
ほんとに可愛い。
陽向くんといると、時々胸が苦しくなる。
好きで好きで、堪らない気持ちになる。
しばらく2人でゲームをして楽しんで。
気付くともう6時を過ぎていた。
「―――あ、そろそろ帰らなくちゃ」
「もう?ご飯、食べてけば?」
「え」
「もうすぐうちの母さん帰ってくるしさ、そしたら紹介するから」
「う~ん、でもきょおくん心配するし・・・・」
また、きょおくん・・・・。
俺は、きゅっと唇を噛み―――
陽向くんの手を、両手で握った。
「え・・・雄介?どうしたの?」
俯く俺の顔を、下から覗きこむように見つめる陽向くん。
「・・・まだ、一緒にいたい」
「雄介・・・・」
「陽向くん、俺、陽向くんが―――」
その瞬間。
陽向くんの白くて細い指が、俺の唇に触れた。
「―――!」
「・・・言っちゃダメだよ、雄介」
「陽向く―――」
「言ったら、俺たち友達でいられなくなっちゃう」
「・・・・・」
「俺、雄介とはずっと友達でいたい。雄介が、大好きだから・・・・」
優しく、にっこりと微笑む陽向くん。
でも、その笑顔は、残酷だ。
俺の気持ちをわかってて、友達でいろという残酷な笑顔だ。
陽向くんの腕が俺の背中に回され、ふわりと抱きしめられる。
「―――大好きだよ、雄介。ずっと友達でいて。ずっと、俺の傍にいて。お願い・・・・」
「陽向くん・・・・俺も、陽向くんが大好き。ずっと・・・・傍にいるよ」
残酷なお願い。
でも俺は、そのお願いに頷くしかない。
だって、陽向くんと離れることなんて考えたくない。
たとえずっと友達でいなくちゃいけないとしても、それでも俺は、陽向くんの傍にいたいから・・・・。
「―――あ、きょおくんからメール来てる」
陽向くんが携帯を見てぱっと顔を輝かせた。
「7時に、駅まで迎えに行くって。あ、じゃあもうそろそろ出なくちゃ」
「・・・駅まで送るね」
「でも、それじゃあ雄介が帰り1人になっちゃうよ?俺、道覚えたし1人でも大丈夫だよ」
「俺は大丈夫。―――まだ、陽向くんと一緒にいたい」
そう言って再び陽向くんの手を握ると、陽向くんは戸惑ったように首を傾げたものの、それを拒否したりはしなかった。
「―――うん、わかった。じゃ、行こう」
俺たちはそのまま、手を繋いで家を出た。
まだ外は明るかったけど、肩が触れ合うくらい寄り添って歩けば、手を繋いでるなんて目立たないし。
あんまり人通りの多くない道を選んで歩いたから、気付く人もいなかったと思う。
気付かれたっていいけど。
「―――雄介、ありがとね」
「うん?」
「ゲーム、楽しかった。また行ってもいい?」
「もちろん。いつでもきてよ」
「ほんと?本当に行っちゃうよ?」
「本当だってば。毎日でもいいよ」
「ふはは、毎日?じゃあ毎日雄介と一緒に帰ろうかな」
「んふふ、いいね」
「ふふ。でもきょおくんに怒られちゃうかなあ、毎日遊んでたりしたら」
「・・・陽向くんは・・・・」
「ん?」
「陽向くんは、京さんのこと・・・・大好きなんだね」
「―――うん、好きだよ。大好き」
そう言って笑う陽向くんは、とても可愛くて。
俺は胸が痛くて・・・・泣きそうになった。
「・・・でも、雄介のことも好き」
「・・・・え?」
顔を上げた俺の頬に、微かに陽向くんの唇が触れ・・・・離れた。
「陽向くん・・・・」
「・・・本当だよ」
そう言って優しく笑う陽向くんは本当に輝いていて・・・・
まるで天使みたいだった。
わかってる。
陽向くんは京さんが好きなんだって。
だけど、それでもよかった。
「―――陽向くん!」
俺は陽向くんの手を強く引き―――
体勢を崩した陽向くんの唇に、キスをした。
「―――陽向くんが、好きだ」
そう言って見つめる俺の視線を受け止める陽向くんは―――
ちょっと困ったように、でも、どこか満足げに俺を見つめて微笑んでいた・・・・・。
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