血のつながらない弟に誘惑されてしまいました。【完結】

まつも☆きらら

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熱い体

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「――水沢、どうした?」

給食の時間、ふと水沢陽向を見るとほとんど給食に手をつけていなかった。
なんとなく赤い顔をして、元気がない様子なのが気になった。

「・・・陽向くん、朝から元気ないよね?やっぱり具合悪いんじゃない?」

隣の席の谷口雄介が心配そうに陽向を見つめた。

「・・・だいじょぶ。先生・・・」
「ん?」
「これ、残してもいい?もう食べれない」
「ほとんど食べてないじゃんか。本当に大丈夫か?保健室行くか?」
「いい。だいじょぶだから。次、体育だし」
「体育なんて休んだって・・」

俺の言葉に、陽向は首を横に振った。

「だめだよ」
「なんで?」
「・・・校庭が、高等部の教室から見えるからでしょ?」

谷口の言葉に、陽向が頷いた。

「体育休んでたりしたら、きょおくんが心配する」
「でも、本当に具合悪いんだったら休まないと。父ちゃんに迎えに来てもらうか?」

だけど、その言葉にも陽向は首を振った。

「・・・・お義父さん、今出張中だから。ほんとに、大丈夫だよ」

陽向の頑固なその態度に、俺と谷口は顔を見合わせ小さく溜息をついたのだった・・・・・。



資料室の窓を開け、校庭を見つめる。
陽向は大丈夫だと言ったけれど、やっぱり心配だった。
今日の体育の授業はサッカーらしい。
2組のチームに別れ、試合形式でゲームが進められていく。
ときどき谷口が陽向に声をかけているのが見えた。
陽向はそんな谷口に笑顔を向けているが、その笑顔はやっぱり弱々しくて。

―――大丈夫かな。

そんな風に思って見ていたら。

「―――陽向くん!!」
「水沢!?大丈夫か!?」

陽向が、走ってる最中によろけたかと思ったらそのまま倒れてしまったのだ。

「―――!」

考えてる余裕はなかった。
気付けば俺は資料室を飛び出し、校庭へと向かって走り出していた。

「あれ・・・島田先生、どうしました?」

校庭へ走り出た俺を、体育教師が驚いて見た。

「あの・・・・たまたま、資料室の窓から見えて・・・・水沢は・・・・?」
「熱があるんじゃないですかね、顔真っ赤だし・・・・。とりあえず保健室へ運びますので」
「あの、俺・・・僕がやりますよ」
「え?でも―――」
「僕、この時間授業ないんで・・・・僕のクラスの子ですから、僕が」
「そうですか?助かります。じゃあ、お願いします」

傍で谷口がじっと俺のことを見ているのが分かったが、あえてそっちは見ないようにした。

陽向を抱き上げ、保健室へ急ぐ。
やっぱり熱があるんだろう。
陽向の体は熱くて、その息遣いは荒かった。

「あら、島田先生。どうしました?」

めがねをかけた40代の保健医が俺を見て、それから俺の腕に抱かれた陽向を見た。

「すいません、体育の授業中に倒れまして・・・・。熱があるみたいなんです」
「まぁ。じゃあ保護者に連絡して迎えに―――」
「それが、こいつの父親は今出張中らしくて。兄貴が高等部にいるので放課後迎えに来てもらえばいいかと・・・・。それまでここに寝かせておいてもらえませんか?」
「それはいいですけど・・・・でも困ったわね。わたし今日は用事があって、もう帰るところなんですけど・・・・。あの、島田先生、今日はこの後授業は・・・?」
「あ、僕はもうないです。この時間の後はホームルームがあるくらいで」
「そうですか!よかった!それじゃあ、そのホームルームの時間までここにいてくださいません?」
「え・・・・」
「鍵をお預けしますので、出る時に閉めて行ってください。閉めた後は職員室に戻しておいていただければ」
「え・・・ちょ、あの―――」
「じゃあ、お願いしますね!」

そう言うと、保健医は机の上に置いてあったハンドバッグを掴むとポケットから鍵を出してそこへ置き、さっさと保健室を出て行ってしまったのだった・・・・・。
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