血のつながらない弟に誘惑されてしまいました。【完結】

まつも☆きらら

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「小坂くん、お待たせ」

学校の前のコンビニで立ち読みをしていると、ひなちゃんが入ってきた。

「あ、ひなちゃん、早かったね。まどかちゃん、なんだって?」
「うん、きょおくんに伝言頼まれただけ。小坂くん、何見てたの?エッチなやつ?」

ひなちゃんが俺の手元を覗きこむ。
見ていたのはバスケットボールの雑誌だ。

「ふはは、そんなわけないでしょ?ひなちゃん、変なこと言わないでよ」
「んふふ。ねぇ小坂くん、お腹空かない?どっか寄っていこうよ」
「いいね!どこがいい?マック?あ、ファミレスでもいいけど」
「マックでいい。俺、ポテト食べたい」
「よし、じゃあ今日は俺がおごってあげるね!」
「ほんと?やった!小坂くん優しい!」
「んふふ」

か~わいい。
たまんないよなぁ。

「ねえひなちゃん、俺のこと下の名前で呼んでくれない?」

マックに入り、ポテトを2人で向かい合いながら食べていた。

「下の名前?」
「うん。俺ね、龍太って言うんだよ。子供のころはりゅうとか、りゅうくんとか呼ばれてた」
「りゅうくん?いいね、それがいいな。龍くんて呼びやすい」
「じゃ、決まり!いいなぁ、俺もひなちゃんみたいな可愛い弟欲しかった」
「え~、ほんとに?」
「本当だよ!京ちゃんがすごい自慢するんだよ、ひなちゃんのこと。俺羨ましくって」
「きょおくんが・・・?」

そう言ったひなちゃんの頬が赤く染まる。
大きな目が潤んで、なんだか女の子みたいだ。

「うん。本当に仲いいよね、京ちゃんとひなちゃんは。本当の兄弟みたいだよ」
「・・・・えへへ、ありがと、龍くん」

ひなちゃんが嬉しそうに笑う。
でも・・・・
なぜか一瞬だけ、その瞳に影が差した気がした。
『本当の兄弟みたい』
そう言った瞬間だった。

「京ちゃん、優しいでしょ?」
「うん、すっごく優しいよ」
「京ちゃんの弟になれて、嬉しい?」
「・・・・嬉しいよ、すごく」

まただ。
長い睫毛が白い頬に影を作る。
少し悲しげなその表情は、思わずドキッとするほど色っぽかった・・・・。



「きょおくん、お帰りなさい」
「ただいま、陽向」

生徒会の仕事に追われ、家に帰ったのは夜の8時を過ぎていた。
帰宅した俺を迎えに出てきた陽向はいつも通りの笑顔で、思わずホッとする。
だけど、その頬はまだかすかに赤い気がして・・・・

「きょおくん、今日のごはん唐揚げだよ」
「ほんと?やった、超腹減ってたんだ」
「んふふ」
「でも・・・・・その前に、陽向に話があるんだけど」
「え・・・・?なに?」
「おいで」

不安げに眉を下げる陽向の手を取り、俺は自分の部屋へ行った。

「・・・今日、まどかと何か話した?」

ベッドの上に並んで座り、陽向の肩を抱く。

「・・・雄介に聞いたの?」
「話したんだな、やっぱり」
「ちょっとだけ・・・・。きょおくんに婚約解消したいって言われたって・・・・」
「・・・で?」
「でって・・・・それだけだよ。きょおくんには幸せになって欲しいからよろしくって、そう言われただけ」
「ほんとに・・・?その頬・・・・」

陽向の頬にそっと手を添える。

「まどかに・・・叩かれたんじゃないの?」
「・・・まさか。先輩はそんなことしないよ。これは・・・急いで教室戻ろうとして、人とぶつかった時に当たっちゃっただけ」
「陽向、嘘は―――」
「嘘じゃないよ。本当に先輩には何もされてない。本当だよ?」

にっこりと微笑む陽向。
俺はまだ信じられなかったけど・・・・・
でも、陽向は意外と頑固だ。

「・・・わかった。信じるよ。でも・・・・もし何かされたら、ちゃんと俺には本当のことを言えよ?」
「うん、わかってる」

そう言って俺の首に腕を絡める陽向に。
俺は食事のことも忘れ、そのままベッドに倒れ込み、夢中でその細い体を抱いたのだった・・・・。
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