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信用できるあいつ
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朝、陽向を見た。
別に不思議なことはない。
中等部と高等部は校舎が分かれているとはいえ同じ校内だ。
その日俺は学園祭の準備のため通常の登校時間より1時間早く学校へ行っていた。
そろそろ生徒たちが登校してくる時間になって、俺たち生徒会役員も解散してそれぞれの教室へ向かったのだったが・・・・
「・・・・陽向?」
生徒会室の前の廊下の窓からは中等部の渡り廊下が見える。
資料室や化学室などがある旧校舎と呼ばれる校舎と教室のある新校舎を繋ぐ渡り廊下は、この時間に人が通ることはあまりない。
陽向と雄介は、旧校舎から新校舎へ向かって歩いていた。
―――なんでこんな時間に旧校舎にいたんだ?
2人の姿に俺の胸がざわつく。
陽向の気持ちを疑うわけではないけれど、雄介に関しては全く信用していない。
ガキのくせに、陽向のことを見るあの目は間違いなく『男』の目だった。
潤を誰にも渡す気はない。
陽向は俺を好きだと言ってくれてる。
だけど・・・・
陽向のあの目に見つめられると、どんな男でも惹かれずにはいられなくなる。
俺だって最初は陽向の兄貴として一線を引くつもりだったんだ。
どんなにあいつがかわいくてもあいつは弟なんだから、と。
でも俺のそんな心をいともたやすく懐柔し、その瞳の虜にしてしまうんだから・・・・。
もともと陽向のことを好きな雄介がその誘惑に抗えるとは思えなかった。
もちろん、陽向に誘惑する気があるかどうかは置いといて。
あいつは無自覚に人の心を翻弄するんだ・・・・。
陽向のところへ行って、早く朝のことを聞きたい。
そう思っていたのに1週間後に迫った学園祭の準備に追われ、休憩時間もバタバタと走り回らなければならず中等部へ行く暇がない。
次第にイライラしてくる。
そんな俺を見て小坂が心配そうな顔をする。
「大丈夫?京ちゃん」
「大丈夫、じゃないけど・・・・全然時間がねえ!陽向のところに行きたいのに―――」
「ひなちゃんのところ?なに、なんか伝言があるなら俺行ってくるよ」
「いや、そういうことじゃ―――」
「俺にできることがあったら言ってよ。京ちゃんずっと忙しそうだし。今日も一緒に帰れないんでしょ?ひなちゃんと」
そうだ。
今日も生徒会で帰りが遅くなることは、陽向にも伝えていた。
もし―――
もしもまた陽向が雄介の家、または雄介が家に来てたりしたら―――
俺は平静でいられる自信がなかった。
―――そうだ
俺は、心配そうに俺の顔を見つめる小坂を見た。
「―――お前に、頼みがあるんだ」
「俺に?いいよ、何でも言って。京ちゃんのためなら何でもするよ」
「お前、いいやつだな・・・・」
小坂は信用できる。
陽向のことをいくらかわいいと思っていても、俺の弟と知っていて手を出すようなことは絶対しないはずだ。
「ひなちゃん!」
俺は、雄介と一緒に校門を出て歩いていたひなちゃんに声をかけた。
「龍くん、どうしたの?」
ひなちゃんの大きな目が、きゅるんと俺を見上げた。
相変わらずかわいい。
「あのさ、一緒に帰ろうよ」
俺の言葉に、雄介が思いっきりいやそうな顔をする。
「は?なんで龍太さんと?」
「京ちゃんに頼まれたの。最近日が暮れるの早いし、一人で帰すの心配だから家まで送ってやってって」
「俺が一緒に帰るから大丈夫ですよ」
「って言ったって雄介だってガキだろ」
「あんたに言われたくない」
「とにかく、京ちゃんに頼まれたんだから家まで送ってくよ」
『陽向を家まで送ってやってほしいんだ。たぶん雄介もついてくると思うけど・・・・そしたら雄介が帰るまで一緒にいてよ。飯も食ってっていいから』
そう京ちゃんに頼まれたんだ。
小坂くん、頑張ります!!
別に不思議なことはない。
中等部と高等部は校舎が分かれているとはいえ同じ校内だ。
その日俺は学園祭の準備のため通常の登校時間より1時間早く学校へ行っていた。
そろそろ生徒たちが登校してくる時間になって、俺たち生徒会役員も解散してそれぞれの教室へ向かったのだったが・・・・
「・・・・陽向?」
生徒会室の前の廊下の窓からは中等部の渡り廊下が見える。
資料室や化学室などがある旧校舎と呼ばれる校舎と教室のある新校舎を繋ぐ渡り廊下は、この時間に人が通ることはあまりない。
陽向と雄介は、旧校舎から新校舎へ向かって歩いていた。
―――なんでこんな時間に旧校舎にいたんだ?
2人の姿に俺の胸がざわつく。
陽向の気持ちを疑うわけではないけれど、雄介に関しては全く信用していない。
ガキのくせに、陽向のことを見るあの目は間違いなく『男』の目だった。
潤を誰にも渡す気はない。
陽向は俺を好きだと言ってくれてる。
だけど・・・・
陽向のあの目に見つめられると、どんな男でも惹かれずにはいられなくなる。
俺だって最初は陽向の兄貴として一線を引くつもりだったんだ。
どんなにあいつがかわいくてもあいつは弟なんだから、と。
でも俺のそんな心をいともたやすく懐柔し、その瞳の虜にしてしまうんだから・・・・。
もともと陽向のことを好きな雄介がその誘惑に抗えるとは思えなかった。
もちろん、陽向に誘惑する気があるかどうかは置いといて。
あいつは無自覚に人の心を翻弄するんだ・・・・。
陽向のところへ行って、早く朝のことを聞きたい。
そう思っていたのに1週間後に迫った学園祭の準備に追われ、休憩時間もバタバタと走り回らなければならず中等部へ行く暇がない。
次第にイライラしてくる。
そんな俺を見て小坂が心配そうな顔をする。
「大丈夫?京ちゃん」
「大丈夫、じゃないけど・・・・全然時間がねえ!陽向のところに行きたいのに―――」
「ひなちゃんのところ?なに、なんか伝言があるなら俺行ってくるよ」
「いや、そういうことじゃ―――」
「俺にできることがあったら言ってよ。京ちゃんずっと忙しそうだし。今日も一緒に帰れないんでしょ?ひなちゃんと」
そうだ。
今日も生徒会で帰りが遅くなることは、陽向にも伝えていた。
もし―――
もしもまた陽向が雄介の家、または雄介が家に来てたりしたら―――
俺は平静でいられる自信がなかった。
―――そうだ
俺は、心配そうに俺の顔を見つめる小坂を見た。
「―――お前に、頼みがあるんだ」
「俺に?いいよ、何でも言って。京ちゃんのためなら何でもするよ」
「お前、いいやつだな・・・・」
小坂は信用できる。
陽向のことをいくらかわいいと思っていても、俺の弟と知っていて手を出すようなことは絶対しないはずだ。
「ひなちゃん!」
俺は、雄介と一緒に校門を出て歩いていたひなちゃんに声をかけた。
「龍くん、どうしたの?」
ひなちゃんの大きな目が、きゅるんと俺を見上げた。
相変わらずかわいい。
「あのさ、一緒に帰ろうよ」
俺の言葉に、雄介が思いっきりいやそうな顔をする。
「は?なんで龍太さんと?」
「京ちゃんに頼まれたの。最近日が暮れるの早いし、一人で帰すの心配だから家まで送ってやってって」
「俺が一緒に帰るから大丈夫ですよ」
「って言ったって雄介だってガキだろ」
「あんたに言われたくない」
「とにかく、京ちゃんに頼まれたんだから家まで送ってくよ」
『陽向を家まで送ってやってほしいんだ。たぶん雄介もついてくると思うけど・・・・そしたら雄介が帰るまで一緒にいてよ。飯も食ってっていいから』
そう京ちゃんに頼まれたんだ。
小坂くん、頑張ります!!
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