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大きな秘密
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ひなちゃんの唇は、やわらかくて、甘くて―――
もっと味わいたいなんて、不埒なことを考えてしまっていた。
京ちゃんに知られたら絶対殺されるけど。
それでも、止めることができなかった。
まだしっとりと湿っているひなちゃんの肩に手をかける。
細くて折れそうだけどその肌はやわらかくてあたたかくて―――
そのまま背中に手を回し抱きしめようとしたけれど。
「―――待って」
ひなちゃんが俺の胸を押した。
「え・・・・」
「たぶん、そろそろきょおくんが帰って来る」
「え!まじ!?」
思わずひなちゃんから離れる。
「ふふ・・・そんなすぐじゃないから大丈夫。ついさっき、先生の車に乗って今から送ってもらうってメールが来たの。だからたぶんあと5分くらいかな」
「わ、すぐじゃん!ひなちゃん、服着ないと!」
「うん、部屋に行って服着てくるね」
ひなちゃんは慌てるでもなくとことこと歩いて行ってしまった。
―――なんであんなに落ち着いてるんだ?
俺はもう心臓がバクバクだっていうのに・・・・・
いつもの無邪気でかわいらしいひなちゃんとは別人のようだった。
妖しい光を湛えたあの瞳に、逆らうことができなかった。
ていうか。
もっと知りたいと、思ってしまった。
京ちゃんには知られるわけにはいかないけど・・・・
それでも、ひなちゃんをもっと知りたい。
もっとその瞳の奥を―――
もっとその体を―――
知りたいと思ってしまったんだ・・・・・。
「―――小坂と何かあった?」
夜8時過ぎにようやく家に帰ったのだが、入れ替わるように小坂がさっさと帰って行った。
いつも慌ただしいやつではあるけれど、まるで逃げるように走って行ったような―――
そもそも、家に送って雄介がいる間だけいてくれればいいって言ったのに、あいつ!
「別に何もないよ。ちょっと遅くなっちゃったから慌てちゃったんじゃない?」
陽向は特にいつもと変わりない。
まあ、小坂なら大丈夫か・・・・なんて、俺は安易に考えていた。
そして今日はそんなことよりも陽向に聞かなくちゃいけないことがある。
今日はそればっかり気になって集中できなかった。
学園祭はもう来週なのに。
「陽向。今朝、雄介と何してた?」
「え?」
「今朝、旧校舎に行ってただろ?渡り廊下を歩いてるところを見た。あんな時間に何してた?」
俺の言葉に陽向はちょっと目を瞬かせ、それから目をそらせた。
その様子に胸がざわつく。
ソファーに並んで座り、俺はコーヒー、陽向はコーラを飲んでいた。
俺はマグカップをテーブルに置くと、陽向のほうへ向き直った。
「―――陽向、こっち見ろ」
「・・・・別に、何もないよ。たまたま旧校舎に―――」
「何しに?」
「・・・・・」
「何しに?陽向。答えろ」
「・・・・資料室に、行ってたんだ」
「・・・・どうして?」
「雄介と・・・・話がしたくて」
「資料室で?」
「あそこは人が来ないから」
「人に聞かれたくない話をしてたのか?あんな時間に?」
「・・・・きょおくん怖い」
陽向がかわいらしく口を尖らせるけれど、今回は引くつもりはない。
「お前が俺に隠し事をするからだ」
「言ったら怒るでしょ?雄介と2人きりって」
「・・・わかってんじゃん」
「雄介は俺の大事な友達だよ。怒らないで」
「じゃあ、何の話してたか言えるか?」
「それは・・・・言わない約束だから」
「・・・・」
「ごめんね。でも悪いことはしてないよ」
「・・・・本当に?」
「うん」
にっこりと笑う陽向に、俺の気持ちもだんだん落ち着いてくる。
陽向にとって雄介が大事な友達だってことは理解してる。
雄介にとっての陽向がどんな存在かは置いといて。
「・・・わかった。じゃあ、今回は話の内容は聞かないけど・・・・。これからは隠し事をするなよ」
「うん!」
このかわいい笑顔に、俺は何も言えなくなる。
まさかこんなにかわいい陽向が俺の1枚も2枚も上手で、さらにもっと大きな秘密を抱えてるなんて、この時の俺は想像もできなかったんだ・・・・。
もっと味わいたいなんて、不埒なことを考えてしまっていた。
京ちゃんに知られたら絶対殺されるけど。
それでも、止めることができなかった。
まだしっとりと湿っているひなちゃんの肩に手をかける。
細くて折れそうだけどその肌はやわらかくてあたたかくて―――
そのまま背中に手を回し抱きしめようとしたけれど。
「―――待って」
ひなちゃんが俺の胸を押した。
「え・・・・」
「たぶん、そろそろきょおくんが帰って来る」
「え!まじ!?」
思わずひなちゃんから離れる。
「ふふ・・・そんなすぐじゃないから大丈夫。ついさっき、先生の車に乗って今から送ってもらうってメールが来たの。だからたぶんあと5分くらいかな」
「わ、すぐじゃん!ひなちゃん、服着ないと!」
「うん、部屋に行って服着てくるね」
ひなちゃんは慌てるでもなくとことこと歩いて行ってしまった。
―――なんであんなに落ち着いてるんだ?
俺はもう心臓がバクバクだっていうのに・・・・・
いつもの無邪気でかわいらしいひなちゃんとは別人のようだった。
妖しい光を湛えたあの瞳に、逆らうことができなかった。
ていうか。
もっと知りたいと、思ってしまった。
京ちゃんには知られるわけにはいかないけど・・・・
それでも、ひなちゃんをもっと知りたい。
もっとその瞳の奥を―――
もっとその体を―――
知りたいと思ってしまったんだ・・・・・。
「―――小坂と何かあった?」
夜8時過ぎにようやく家に帰ったのだが、入れ替わるように小坂がさっさと帰って行った。
いつも慌ただしいやつではあるけれど、まるで逃げるように走って行ったような―――
そもそも、家に送って雄介がいる間だけいてくれればいいって言ったのに、あいつ!
「別に何もないよ。ちょっと遅くなっちゃったから慌てちゃったんじゃない?」
陽向は特にいつもと変わりない。
まあ、小坂なら大丈夫か・・・・なんて、俺は安易に考えていた。
そして今日はそんなことよりも陽向に聞かなくちゃいけないことがある。
今日はそればっかり気になって集中できなかった。
学園祭はもう来週なのに。
「陽向。今朝、雄介と何してた?」
「え?」
「今朝、旧校舎に行ってただろ?渡り廊下を歩いてるところを見た。あんな時間に何してた?」
俺の言葉に陽向はちょっと目を瞬かせ、それから目をそらせた。
その様子に胸がざわつく。
ソファーに並んで座り、俺はコーヒー、陽向はコーラを飲んでいた。
俺はマグカップをテーブルに置くと、陽向のほうへ向き直った。
「―――陽向、こっち見ろ」
「・・・・別に、何もないよ。たまたま旧校舎に―――」
「何しに?」
「・・・・・」
「何しに?陽向。答えろ」
「・・・・資料室に、行ってたんだ」
「・・・・どうして?」
「雄介と・・・・話がしたくて」
「資料室で?」
「あそこは人が来ないから」
「人に聞かれたくない話をしてたのか?あんな時間に?」
「・・・・きょおくん怖い」
陽向がかわいらしく口を尖らせるけれど、今回は引くつもりはない。
「お前が俺に隠し事をするからだ」
「言ったら怒るでしょ?雄介と2人きりって」
「・・・わかってんじゃん」
「雄介は俺の大事な友達だよ。怒らないで」
「じゃあ、何の話してたか言えるか?」
「それは・・・・言わない約束だから」
「・・・・」
「ごめんね。でも悪いことはしてないよ」
「・・・・本当に?」
「うん」
にっこりと笑う陽向に、俺の気持ちもだんだん落ち着いてくる。
陽向にとって雄介が大事な友達だってことは理解してる。
雄介にとっての陽向がどんな存在かは置いといて。
「・・・わかった。じゃあ、今回は話の内容は聞かないけど・・・・。これからは隠し事をするなよ」
「うん!」
このかわいい笑顔に、俺は何も言えなくなる。
まさかこんなにかわいい陽向が俺の1枚も2枚も上手で、さらにもっと大きな秘密を抱えてるなんて、この時の俺は想像もできなかったんだ・・・・。
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