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ざわめきの中
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今日は学園祭。
うちの学校は幼稚舎から大学までエスカレーター式の学校ではあるけれど、学園祭は中学からで、中学と高校は同日開催、大学は別日程になっていた。
中高の学園祭は中学生は主に展示や演奏、合唱の発表で、自分たちの出番以外は自由行動で午前中に解散になる。
高校生になると自分たちで予算を組んで企画し、売り上げは黒字になった分が慈善事業に寄付されるというものになるのだ。
その高校生たちの催しを管理、統括しているのが京ちゃんが会長を務める生徒会というわけなので、京ちゃんは今日も朝からめちゃくちゃ忙しそうだった。
当然クラスの催しはクラスメイト達に任せ、自分は生徒会にかかりきりとなる。
「龍くん、きょおくんに会った?」
中学での出番(合唱の発表だったらしい)が終わったひなちゃんと雄介が昼頃に俺のクラスへやってきた。
中学の方は生徒の保護者だけが入ることができ、高校の方は一般の人も入ることができるようになっていた。
もちろん不審者が入らないように入場する際に大人は身分証明書の提示が必要だった。
そのため高校の方は一般の入場者もかなり多く入り、だいぶにぎわっていた。
ちなみに俺のクラスではたこ焼き屋をやっていて、俺はひなちゃんと雄介にたこ焼きをおごってあげた。
猫舌らしいひなちゃんが、ハフハフと熱がりながらもたこ焼きを頬張る姿はかわいかった。
「朝ちょっとだけね。すぐ生徒会の方に行っちゃったからそれからは会ってないよ。今日はずっと走り回ってるだろうから話ができるのは振替終わってからかなあ」
「龍くんでもそうなんだ。俺も朝起きたらもうきょおくん出た後だったから全然会ってない」
そう言うひなちゃんはちょっと寂しそうだった。
わかってはいたけれど。
ひなちゃんは本当に京ちゃんが大好きなんだよな・・・・。
そう考えてしまうと胸がギュッとなる。
思っていた以上に、俺はひなちゃんが好きなんだ・・・・。
「雄介!!」
廊下の人ごみの中に、雄介たちの同級生らしい男の子がこっちに手を振っていた。
「なに、武田」
「あっちにお前の親、来てたぜ」
「はあ?来ないでいいって言ったのに」
「なんかお前のこと探してたよ」
「まじかよ」
「雄介、行って来れば?」
ひなちゃんの言葉に、雄介は顔をしかめる。
「放っとけばいいよ。親と一緒なんて恥ずかしい」
「そんなこと言っちゃだめだよ、せっかく来てくれてるんだから」
そう言ってほほ笑むひなちゃんに、雄介がちょっとハッとする。
ひなちゃんには親がいない。
今は京ちゃんのお父さんが父親だけれど。
「・・・・わかった。じゃ、ちょっと行ってくるけど・・・・。すぐ戻ってくるから。龍太さん、陽向くんに悪さしないでよ?」
「しないよ、悪さなんて!」
俺は答えたけれど、雄介はそれでも俺を睨みながら渋々といった感じで武田と一緒に廊下を歩いて行ったのだった。
「龍くんは、この後どうするの?」
「俺はもうなんもないよ。店番、午前中だけだったし。あとは終わってからの後片付けだけ」
「そうなんだ?」
「ひなちゃん、見たいとこある?付き合うよ」
「そうだなあ、結構もう雄介と回っちゃったけど・・・・」
「お化け屋敷とかあるよ」
「え~、それはいい。お化け苦手」
「ふふ、そうなの?」
かわいいなあ。
「人が多すぎて、ちょっと疲れちゃった。休めるとこないかな」
ひなちゃんがそう言って俺を見る。
ただ、見ただけだ。
けど―――
なんとなく、感じてしまったんだ。
「―――じゃあ、静かなところに行こうか」
俺の言葉に、ひなちゃんはにっこりと笑って頷いた。
「うん」
俺はひなちゃんと一緒に、人ごみの中を歩きだした・・・・。
うちの学校は幼稚舎から大学までエスカレーター式の学校ではあるけれど、学園祭は中学からで、中学と高校は同日開催、大学は別日程になっていた。
中高の学園祭は中学生は主に展示や演奏、合唱の発表で、自分たちの出番以外は自由行動で午前中に解散になる。
高校生になると自分たちで予算を組んで企画し、売り上げは黒字になった分が慈善事業に寄付されるというものになるのだ。
その高校生たちの催しを管理、統括しているのが京ちゃんが会長を務める生徒会というわけなので、京ちゃんは今日も朝からめちゃくちゃ忙しそうだった。
当然クラスの催しはクラスメイト達に任せ、自分は生徒会にかかりきりとなる。
「龍くん、きょおくんに会った?」
中学での出番(合唱の発表だったらしい)が終わったひなちゃんと雄介が昼頃に俺のクラスへやってきた。
中学の方は生徒の保護者だけが入ることができ、高校の方は一般の人も入ることができるようになっていた。
もちろん不審者が入らないように入場する際に大人は身分証明書の提示が必要だった。
そのため高校の方は一般の入場者もかなり多く入り、だいぶにぎわっていた。
ちなみに俺のクラスではたこ焼き屋をやっていて、俺はひなちゃんと雄介にたこ焼きをおごってあげた。
猫舌らしいひなちゃんが、ハフハフと熱がりながらもたこ焼きを頬張る姿はかわいかった。
「朝ちょっとだけね。すぐ生徒会の方に行っちゃったからそれからは会ってないよ。今日はずっと走り回ってるだろうから話ができるのは振替終わってからかなあ」
「龍くんでもそうなんだ。俺も朝起きたらもうきょおくん出た後だったから全然会ってない」
そう言うひなちゃんはちょっと寂しそうだった。
わかってはいたけれど。
ひなちゃんは本当に京ちゃんが大好きなんだよな・・・・。
そう考えてしまうと胸がギュッとなる。
思っていた以上に、俺はひなちゃんが好きなんだ・・・・。
「雄介!!」
廊下の人ごみの中に、雄介たちの同級生らしい男の子がこっちに手を振っていた。
「なに、武田」
「あっちにお前の親、来てたぜ」
「はあ?来ないでいいって言ったのに」
「なんかお前のこと探してたよ」
「まじかよ」
「雄介、行って来れば?」
ひなちゃんの言葉に、雄介は顔をしかめる。
「放っとけばいいよ。親と一緒なんて恥ずかしい」
「そんなこと言っちゃだめだよ、せっかく来てくれてるんだから」
そう言ってほほ笑むひなちゃんに、雄介がちょっとハッとする。
ひなちゃんには親がいない。
今は京ちゃんのお父さんが父親だけれど。
「・・・・わかった。じゃ、ちょっと行ってくるけど・・・・。すぐ戻ってくるから。龍太さん、陽向くんに悪さしないでよ?」
「しないよ、悪さなんて!」
俺は答えたけれど、雄介はそれでも俺を睨みながら渋々といった感じで武田と一緒に廊下を歩いて行ったのだった。
「龍くんは、この後どうするの?」
「俺はもうなんもないよ。店番、午前中だけだったし。あとは終わってからの後片付けだけ」
「そうなんだ?」
「ひなちゃん、見たいとこある?付き合うよ」
「そうだなあ、結構もう雄介と回っちゃったけど・・・・」
「お化け屋敷とかあるよ」
「え~、それはいい。お化け苦手」
「ふふ、そうなの?」
かわいいなあ。
「人が多すぎて、ちょっと疲れちゃった。休めるとこないかな」
ひなちゃんがそう言って俺を見る。
ただ、見ただけだ。
けど―――
なんとなく、感じてしまったんだ。
「―――じゃあ、静かなところに行こうか」
俺の言葉に、ひなちゃんはにっこりと笑って頷いた。
「うん」
俺はひなちゃんと一緒に、人ごみの中を歩きだした・・・・。
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