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予想外
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「先輩、お昼ごはんまだですよね?食べてきてください」
後輩の女子に声をかけられて、俺は腹が減っていることに初めて気づいた。
時間はいつの間にか午後2時を過ぎていた。
俺は後を後輩に任せ、自分のクラスへと向かった。
俺のクラスはたこ焼き屋をやることになっていたけれど、俺は生徒会の仕事が忙しいので全くクラスの方にはタッチしていなかった。
「小坂は?」
たこ焼き屋は意外と大盛況で、クラスメイト達が汗をかきながらたこ焼きを焼き続け、廊下には長い列ができていた。
「お、水沢、ようやく昼飯?小坂ならさっきまで廊下でお前の弟と一緒にいたけど―――」
「陽向と?」
「ああ。あとその友達の―――雄介とかいうやつもいたけど」
廊下には3人の姿はなかった。
どこか見に行ったのかな。
「なあ、たこ焼き食うだろ?ほら」
そう言ってたこ焼きを焼いていたやつが俺にたこ焼きを1パックくれた。
「おう、サンキュ。金、あとでいいか?」
「それはいいよ。このクラスの奴らは1パックまで無料なの。それも知らなかった?」
「あ、そういや言ってたな。んじゃ、頑張って」
「おう、お前もな―」
俺は教室を出てたこ焼きを食べながら陽向たちを探すことにした。
ゆっくり見て回ってる余裕はないけど、陽向には会いたかった。
小坂が一緒ならそれなりに楽しんでるだろうけど―――
ふと廊下の向こう側に、俺と同じようにきょろきょろしながら歩いている雄介の姿が目に入った。
「雄介!」
俺の声に雄介が気付いてやってくる。
「―――京さん、陽向くんと龍太さん見ませんでした?」
「俺も探してるんだよ。お前一緒じゃなかったのか?」
「一緒でしたよ、さっきまで。俺の親が来て、ちょっとだけ抜けたんですよ。で、戻ってきたらいなくなってて・・・・」
ふてくされている様子の雄介に苦笑し、俺はまた辺りを見回した。
「どっか見に行ったんだろうけど・・・・陽向と一緒ならお化け屋敷じゃないだろうし、たこ焼き食ったんなら食べ物屋でもねえな」
「俺、下の階を見に行ってみます」
「ああ、じゃあ俺は上に行ってみるわ」
そうして俺たちは再び別れた。
ここは3階。
4階建ての校舎でその上の屋上は立ち入り禁止になっているはずだ。
俺は4階に上がり、一通り教室を覗きトイレも覗いてみたが陽向と小坂の姿は見当たらなかった。
―――どこに行ったんだ?
さっきから2人にメールも送っているが返信はないし、電話をかけても出ない。
人が多くて騒がしいから着信音に気づいていない可能性はある。
だからそう心配することでもないとは思っていたけれど―――
ふと、階段の登り口が目に入る。
屋上へ続く階段で、『立入禁止』の立て札があってテープも貼ってあった。
だけど、近くへ行ってよく見るとそのテープが張りなおされた跡が・・・・。
「あいつら、まさか―――」
小坂は、時々屋上で寝ていることがある。
授業が嫌でさぼっているというよりは、眠気に勝てず教室で寝るよりは屋上で寝る方が周りに迷惑をかけないと思って屋上に行って寝ているのだ。
俺はテープの下をくぐると、階段を上がって行った。
今日は誰も入れないように鍵もかかっているはずだったが、小坂はここの管理人とも仲がいい。
こっそり鍵を借りて屋上に行っているかもしれない。
陽向はああ見えて人混みが苦手だったりするし、2人で休んでるのかも。
本当にそう思っていたんだ。
小坂にとっての陽向は、弟みたいなものだろうと。
俺は自分を棚に上げて、13歳の陽向を小坂が好きになることはないだろうと思っていたんだ。
実際に小坂には弟がいるし。
かわいがるのは弟としてだろうって・・・・
屋上の扉はやっぱり開いていた。
俺は音がしないように静かにその扉を開け、屋上に出た。
そして―――
その光景に、目を疑った。
小坂が、陽向の上に覆いかぶさっていた。
陽向の着ていたシャツははだけ、その白い肌に小坂の手が―――
「何してんだよ!!」
俺の怒鳴り声に、小坂がはじけるように顔を上げた。
「京ちゃん・・・・」
小坂が真っ青な顔で俺を見ていた。
そして陽向はゆっくりと起き上がり、いつものようにその透き通る目で俺を見上げたのだった。
後輩の女子に声をかけられて、俺は腹が減っていることに初めて気づいた。
時間はいつの間にか午後2時を過ぎていた。
俺は後を後輩に任せ、自分のクラスへと向かった。
俺のクラスはたこ焼き屋をやることになっていたけれど、俺は生徒会の仕事が忙しいので全くクラスの方にはタッチしていなかった。
「小坂は?」
たこ焼き屋は意外と大盛況で、クラスメイト達が汗をかきながらたこ焼きを焼き続け、廊下には長い列ができていた。
「お、水沢、ようやく昼飯?小坂ならさっきまで廊下でお前の弟と一緒にいたけど―――」
「陽向と?」
「ああ。あとその友達の―――雄介とかいうやつもいたけど」
廊下には3人の姿はなかった。
どこか見に行ったのかな。
「なあ、たこ焼き食うだろ?ほら」
そう言ってたこ焼きを焼いていたやつが俺にたこ焼きを1パックくれた。
「おう、サンキュ。金、あとでいいか?」
「それはいいよ。このクラスの奴らは1パックまで無料なの。それも知らなかった?」
「あ、そういや言ってたな。んじゃ、頑張って」
「おう、お前もな―」
俺は教室を出てたこ焼きを食べながら陽向たちを探すことにした。
ゆっくり見て回ってる余裕はないけど、陽向には会いたかった。
小坂が一緒ならそれなりに楽しんでるだろうけど―――
ふと廊下の向こう側に、俺と同じようにきょろきょろしながら歩いている雄介の姿が目に入った。
「雄介!」
俺の声に雄介が気付いてやってくる。
「―――京さん、陽向くんと龍太さん見ませんでした?」
「俺も探してるんだよ。お前一緒じゃなかったのか?」
「一緒でしたよ、さっきまで。俺の親が来て、ちょっとだけ抜けたんですよ。で、戻ってきたらいなくなってて・・・・」
ふてくされている様子の雄介に苦笑し、俺はまた辺りを見回した。
「どっか見に行ったんだろうけど・・・・陽向と一緒ならお化け屋敷じゃないだろうし、たこ焼き食ったんなら食べ物屋でもねえな」
「俺、下の階を見に行ってみます」
「ああ、じゃあ俺は上に行ってみるわ」
そうして俺たちは再び別れた。
ここは3階。
4階建ての校舎でその上の屋上は立ち入り禁止になっているはずだ。
俺は4階に上がり、一通り教室を覗きトイレも覗いてみたが陽向と小坂の姿は見当たらなかった。
―――どこに行ったんだ?
さっきから2人にメールも送っているが返信はないし、電話をかけても出ない。
人が多くて騒がしいから着信音に気づいていない可能性はある。
だからそう心配することでもないとは思っていたけれど―――
ふと、階段の登り口が目に入る。
屋上へ続く階段で、『立入禁止』の立て札があってテープも貼ってあった。
だけど、近くへ行ってよく見るとそのテープが張りなおされた跡が・・・・。
「あいつら、まさか―――」
小坂は、時々屋上で寝ていることがある。
授業が嫌でさぼっているというよりは、眠気に勝てず教室で寝るよりは屋上で寝る方が周りに迷惑をかけないと思って屋上に行って寝ているのだ。
俺はテープの下をくぐると、階段を上がって行った。
今日は誰も入れないように鍵もかかっているはずだったが、小坂はここの管理人とも仲がいい。
こっそり鍵を借りて屋上に行っているかもしれない。
陽向はああ見えて人混みが苦手だったりするし、2人で休んでるのかも。
本当にそう思っていたんだ。
小坂にとっての陽向は、弟みたいなものだろうと。
俺は自分を棚に上げて、13歳の陽向を小坂が好きになることはないだろうと思っていたんだ。
実際に小坂には弟がいるし。
かわいがるのは弟としてだろうって・・・・
屋上の扉はやっぱり開いていた。
俺は音がしないように静かにその扉を開け、屋上に出た。
そして―――
その光景に、目を疑った。
小坂が、陽向の上に覆いかぶさっていた。
陽向の着ていたシャツははだけ、その白い肌に小坂の手が―――
「何してんだよ!!」
俺の怒鳴り声に、小坂がはじけるように顔を上げた。
「京ちゃん・・・・」
小坂が真っ青な顔で俺を見ていた。
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