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第11話
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「あれ?」
カウンターから戻ってきた悠太くんが部長と課長の姿がないのを見てきょとんとしている。
大きな目を瞬かせて小首を傾げる様子がかわいかった。
椅子に座り、課長の座っていた椅子の前に持ってきた箸を置いていた。
「ここ、いい?」
俺は悠太くんの隣―――渉くんの座っていた椅子に座った。
「あ、市原くん。そこ部長が―――まあいいか、いないし」
「さっき、課長と外出てったよ。一服でもしに行ったんじゃない?」
「そっか。市原くん、大丈夫?ちゃんと食べてる?」
席を移動して、ビールの入ったグラスだけ持ってきた俺を心配そうに見る悠太くん。
―――優しい。
「大丈夫、唐揚げ100個くらい食った」
「ふは、何それ」
俺の言葉に悠太くんが楽しそうに笑う。
あんなに大きな目が、笑うと線みたいに細くなる。
そんなところもかわいい。
「あの・・・悠太くんて呼んでもいいかな」
「え?」
悠太くんが驚いて俺を見た。
「その・・・・坂井が名前で呼んでたし、歳も近いからその方が話しやすいかなって」
「あー、そうだね、いいよ。俺の方が年下だし呼び捨てでもいいよ」
「いや、悠太くんで」
「ふふ、ならそれでいいよ。俺は何て呼べばいい?直くんは確かイチって・・・」
「・・・そうだね。何でもいいよ。イチでも、カズでも・・・」
「カズ?ああ、和樹だっけ、名前。それもいいけど―――」
「イチ、悠太に意地悪しないでよ?」
突然後ろから、坂井がにゅっと顔を出した。
「直くん、何言ってんの。俺もう子供じゃないんだから」
悠太くんが恥ずかしそうに頬を赤らめる。
「意地悪なんかしてないよ。悠太くん、優しいし」
俺が言うと、坂井がむっと顔をしかめた。
「・・・・名前で呼んでんの?」
「お前も呼んでんじゃん。悠太くんもいいって言ったし」
「歳も近いし、その方が話しやすいって。で、俺はイチって呼ぼうかと思ってるんだけど、カズって呼んでもいいって」
「は?カズ?駄目だよそんなの!」
坂井が慌てたように悠太くんの肩を掴む。
「なんで?」
「なんでって・・・・それは、どうでもいいの!とにかく、イチって呼べばいいから!」
「・・・・うん、わかった」
首を傾げながらも素直にうなずく悠太くん。
そりゃ、坂井だってかわいがるよなあ。
かわいいもん、ほんとに。
「ちょっと、なんで和樹がそこ座ってんの」
いつの間に戻ってきたのか、渉くんが後ろに立っていた。
「いいでしょ、別に指定席ってわけじゃないし」
「あ、部長ここに座りますか?俺はあっちに―――」
「「だめ!」」
思わず渉くんと俺の声が重なり、悠太くんが目を瞬かせた。
「ふ・・・・息ぴったりですね。さすが、従兄弟」
そう言って笑う悠太くんが、またかわいい。
あーダメだ。
俺さっきから『かわいい』しか頭に浮かばない。
これは完全に―――
「・・・・お前もか」
渉くんの後ろで課長がこっそりそう言うのを、俺は聞き逃さなかった・・・・。
カウンターから戻ってきた悠太くんが部長と課長の姿がないのを見てきょとんとしている。
大きな目を瞬かせて小首を傾げる様子がかわいかった。
椅子に座り、課長の座っていた椅子の前に持ってきた箸を置いていた。
「ここ、いい?」
俺は悠太くんの隣―――渉くんの座っていた椅子に座った。
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「さっき、課長と外出てったよ。一服でもしに行ったんじゃない?」
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「その・・・・坂井が名前で呼んでたし、歳も近いからその方が話しやすいかなって」
「あー、そうだね、いいよ。俺の方が年下だし呼び捨てでもいいよ」
「いや、悠太くんで」
「ふふ、ならそれでいいよ。俺は何て呼べばいい?直くんは確かイチって・・・」
「・・・そうだね。何でもいいよ。イチでも、カズでも・・・」
「カズ?ああ、和樹だっけ、名前。それもいいけど―――」
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突然後ろから、坂井がにゅっと顔を出した。
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悠太くんが恥ずかしそうに頬を赤らめる。
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俺が言うと、坂井がむっと顔をしかめた。
「・・・・名前で呼んでんの?」
「お前も呼んでんじゃん。悠太くんもいいって言ったし」
「歳も近いし、その方が話しやすいって。で、俺はイチって呼ぼうかと思ってるんだけど、カズって呼んでもいいって」
「は?カズ?駄目だよそんなの!」
坂井が慌てたように悠太くんの肩を掴む。
「なんで?」
「なんでって・・・・それは、どうでもいいの!とにかく、イチって呼べばいいから!」
「・・・・うん、わかった」
首を傾げながらも素直にうなずく悠太くん。
そりゃ、坂井だってかわいがるよなあ。
かわいいもん、ほんとに。
「ちょっと、なんで和樹がそこ座ってんの」
いつの間に戻ってきたのか、渉くんが後ろに立っていた。
「いいでしょ、別に指定席ってわけじゃないし」
「あ、部長ここに座りますか?俺はあっちに―――」
「「だめ!」」
思わず渉くんと俺の声が重なり、悠太くんが目を瞬かせた。
「ふ・・・・息ぴったりですね。さすが、従兄弟」
そう言って笑う悠太くんが、またかわいい。
あーダメだ。
俺さっきから『かわいい』しか頭に浮かばない。
これは完全に―――
「・・・・お前もか」
渉くんの後ろで課長がこっそりそう言うのを、俺は聞き逃さなかった・・・・。
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