86 / 1,191
第十六章 聖女様出迎え編
二百八十一話 教皇国側との打ち合わせ
しおりを挟む
「サーゲロイド辺境伯様、お待ちしておりました。アレク殿下、軍務卿閣下、外務卿閣下、ようこそ教皇国へ」
「うむ、出迎えご苦労じゃ。さあ、行くぞ」
「はい」
国境を渡ると、直ぐに教皇国側の兵が出迎えてくれた。
何だか神秘的な模様が彫られている鎧に身を包んでいるぞ。
「素晴らしい細工が施された鎧ですね」
「流石はアレク殿下、ご慧眼です。この模様は神を守るべき聖騎士団の証となります」
「そういう事は、皆さん教皇国の騎士の中でもエリートなんですね」
「恐れ入ります。私どもは国境を担当する聖騎士団となります。聖女様をお迎えする際にも、我々が警護に就く予定であります」
現地の代表に会う為に聖騎士と辺境伯領の兵に警護されながら、僕達は教皇国の街並みを歩いて行きます。
特にサーゲロイド辺境伯領との違いは見られないけど、若干教会関連の品を扱っている店が多いかな?
シスターっぽい服を着ている人も普通に街の中を歩いているし宗教の国って感じはするけど、街の人もいたって普通だ。
そんな街中を十分ほど歩くと目的の代表のいる施設、というか立派な教会に辿り着いた。
「うわあ、立派な教会ですね」
「宗教という一種の威厳をあらわしておりますからね。では、執務室にご案内いたします」
執務室は教会の中ではなく、外に併設された建物にあるという。
教会内の施設なだけあって、働いている人も教会関係者の服を着ているぞ。
三階建ての石造りの建物の最上階に、代表の執務室があるという。
「失礼します。サーゲロイド辺境伯様御一行が到着されました」
「おお、きたか。入っておくれ」
おや?
中からテンションの高い声が聞こえてきたぞ。
扉が開くと、司祭服をきた白髪の長い髪のお爺さんがとっても元気な表情で僕達を出迎えてくれた。
何だか元気なお爺さんから僕に向けてとっても熱い視線を感じている。
「遠い所からはるばる教皇国へようこそ。儂が王国との国境を預かっているグレアム司祭じゃ」
「ご丁寧にありがとう御座います。私はアレクサンダーと申します。どうぞ、アレクとお呼び下さい」
「うんうん、立派な返答じゃ。まさに双翼の天使様に相応しい」
あ、あの、グレアム司祭様が目を輝かせて僕を見ているのですけど。
それに僕の二つ名って、冒険者ギルドでの二つ名じゃなかったっけ?
「実は教皇国内で双翼の天使様の名はとても有名じゃ。幼くして数多くの武功を打ち立て、福祉活動にも熱心。そして、帝国内での活躍を外交担当が直に見て、帰国時に興奮しながら周りの者に語っておったそうじゃ」
「え、そうなんですか!」
「うむ、儂もどんな子どもなのかとても楽しみにしておってな。知性と品格に優れた子どもで、儂はとても感動しておる」
「恐縮です……」
な、何だかグレアム司祭がとんでもなく感動している。
というか、サーゲロイド辺境伯もうんうんと頷いているぞ。
流石に軍務卿と外務卿は僕の方を見て苦笑している。
とりあえず話を進めないと。
「王国からはルーカス殿下とアイビー様、それに私とエリザベスとロンカーク伯爵家当主が参加いたします」
「閣僚からは、私、外務卿と軍務卿が参加する予定となっております。サーゲロイド辺境伯も参加いたします」
「おお、何と既に未来の名君になるだろうと言われているルーカス殿下も参加されるとは。これは中々素晴らしい陣容ですな」
出席者を伝えると、グレアム司祭が更に興奮している。
そんなに興奮して、心臓が止まったりしないかとっても不安です。
「聖女様が通られる街道は、聖騎士と冒険者を中心にして魔物討伐を行なっておる。今の教皇国は、何かと政情不安で万全の対策をしておきたいのじゃ」
「懐古派の事ですか?」
「うむ、奴らは勢力を急拡大させておる。儂はもしかすると闇ギルドと繋がっているのではないかと考えておる」
「過激派と聞くだけで、闇ギルドとの繋がりを疑ってしまいますね」
まあ、あの連中は本当に何をやってくるかわからないから、できるだけの対策を取らないといけないね。
当日は僕もフル装備で対応予定です。
「細かい所はサーゲロイド辺境伯とも詰める。教皇国からも何人か参加する予定じゃ」
「うむ。詳細は国にも伝えよう。警備関連もこれから詰めないといけない」
という事で、話し合いはこれで終了。
これからも定期的に会議を行うことで、今日の話し合いは終了です。
初回なので、これくらいで十分という事になりました。
そして、話が終わった所でお茶くみをしていたシスターがわらわらと出てきた。
え?
なになに?
「司祭様、私も双翼の天使様とお話をしたいのですが」
「おお、難しい話は終わったぞ」
「それでは、失礼しますわ」
ええ!
部屋に二十人以上のシスターが入ってきたぞ。
一体どういう事?
「ははは、今日ここにアレク殿下がくると聞いてな。シスターがどうしても会いたいと言って聞かないんじゃよ」
「なら、儂らは席を外そう」
「そうですな。会議は終わりましたし」
「陛下に結果を報告する必要がありますし、丁度良いですな」
「ちょっと!」
グレアム司祭の話を聞いて、サーゲロイド辺境伯と軍務卿と外務卿はあっという間に部屋から消えてしまった。
そして僕は、若い人から年老いたシスターまで沢山の女性に囲まれて質問攻めにあってしまったのだった。
「うむ、出迎えご苦労じゃ。さあ、行くぞ」
「はい」
国境を渡ると、直ぐに教皇国側の兵が出迎えてくれた。
何だか神秘的な模様が彫られている鎧に身を包んでいるぞ。
「素晴らしい細工が施された鎧ですね」
「流石はアレク殿下、ご慧眼です。この模様は神を守るべき聖騎士団の証となります」
「そういう事は、皆さん教皇国の騎士の中でもエリートなんですね」
「恐れ入ります。私どもは国境を担当する聖騎士団となります。聖女様をお迎えする際にも、我々が警護に就く予定であります」
現地の代表に会う為に聖騎士と辺境伯領の兵に警護されながら、僕達は教皇国の街並みを歩いて行きます。
特にサーゲロイド辺境伯領との違いは見られないけど、若干教会関連の品を扱っている店が多いかな?
シスターっぽい服を着ている人も普通に街の中を歩いているし宗教の国って感じはするけど、街の人もいたって普通だ。
そんな街中を十分ほど歩くと目的の代表のいる施設、というか立派な教会に辿り着いた。
「うわあ、立派な教会ですね」
「宗教という一種の威厳をあらわしておりますからね。では、執務室にご案内いたします」
執務室は教会の中ではなく、外に併設された建物にあるという。
教会内の施設なだけあって、働いている人も教会関係者の服を着ているぞ。
三階建ての石造りの建物の最上階に、代表の執務室があるという。
「失礼します。サーゲロイド辺境伯様御一行が到着されました」
「おお、きたか。入っておくれ」
おや?
中からテンションの高い声が聞こえてきたぞ。
扉が開くと、司祭服をきた白髪の長い髪のお爺さんがとっても元気な表情で僕達を出迎えてくれた。
何だか元気なお爺さんから僕に向けてとっても熱い視線を感じている。
「遠い所からはるばる教皇国へようこそ。儂が王国との国境を預かっているグレアム司祭じゃ」
「ご丁寧にありがとう御座います。私はアレクサンダーと申します。どうぞ、アレクとお呼び下さい」
「うんうん、立派な返答じゃ。まさに双翼の天使様に相応しい」
あ、あの、グレアム司祭様が目を輝かせて僕を見ているのですけど。
それに僕の二つ名って、冒険者ギルドでの二つ名じゃなかったっけ?
「実は教皇国内で双翼の天使様の名はとても有名じゃ。幼くして数多くの武功を打ち立て、福祉活動にも熱心。そして、帝国内での活躍を外交担当が直に見て、帰国時に興奮しながら周りの者に語っておったそうじゃ」
「え、そうなんですか!」
「うむ、儂もどんな子どもなのかとても楽しみにしておってな。知性と品格に優れた子どもで、儂はとても感動しておる」
「恐縮です……」
な、何だかグレアム司祭がとんでもなく感動している。
というか、サーゲロイド辺境伯もうんうんと頷いているぞ。
流石に軍務卿と外務卿は僕の方を見て苦笑している。
とりあえず話を進めないと。
「王国からはルーカス殿下とアイビー様、それに私とエリザベスとロンカーク伯爵家当主が参加いたします」
「閣僚からは、私、外務卿と軍務卿が参加する予定となっております。サーゲロイド辺境伯も参加いたします」
「おお、何と既に未来の名君になるだろうと言われているルーカス殿下も参加されるとは。これは中々素晴らしい陣容ですな」
出席者を伝えると、グレアム司祭が更に興奮している。
そんなに興奮して、心臓が止まったりしないかとっても不安です。
「聖女様が通られる街道は、聖騎士と冒険者を中心にして魔物討伐を行なっておる。今の教皇国は、何かと政情不安で万全の対策をしておきたいのじゃ」
「懐古派の事ですか?」
「うむ、奴らは勢力を急拡大させておる。儂はもしかすると闇ギルドと繋がっているのではないかと考えておる」
「過激派と聞くだけで、闇ギルドとの繋がりを疑ってしまいますね」
まあ、あの連中は本当に何をやってくるかわからないから、できるだけの対策を取らないといけないね。
当日は僕もフル装備で対応予定です。
「細かい所はサーゲロイド辺境伯とも詰める。教皇国からも何人か参加する予定じゃ」
「うむ。詳細は国にも伝えよう。警備関連もこれから詰めないといけない」
という事で、話し合いはこれで終了。
これからも定期的に会議を行うことで、今日の話し合いは終了です。
初回なので、これくらいで十分という事になりました。
そして、話が終わった所でお茶くみをしていたシスターがわらわらと出てきた。
え?
なになに?
「司祭様、私も双翼の天使様とお話をしたいのですが」
「おお、難しい話は終わったぞ」
「それでは、失礼しますわ」
ええ!
部屋に二十人以上のシスターが入ってきたぞ。
一体どういう事?
「ははは、今日ここにアレク殿下がくると聞いてな。シスターがどうしても会いたいと言って聞かないんじゃよ」
「なら、儂らは席を外そう」
「そうですな。会議は終わりましたし」
「陛下に結果を報告する必要がありますし、丁度良いですな」
「ちょっと!」
グレアム司祭の話を聞いて、サーゲロイド辺境伯と軍務卿と外務卿はあっという間に部屋から消えてしまった。
そして僕は、若い人から年老いたシスターまで沢山の女性に囲まれて質問攻めにあってしまったのだった。
670
あなたにおすすめの小説
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※短編です。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4800文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
突然伯爵令嬢になってお姉様が出来ました!え、家の義父もお姉様の婚約者もクズしかいなくない??
シャチ
ファンタジー
母の再婚で伯爵令嬢になってしまったアリアは、とっても素敵なお姉様が出来たのに、実の母も含めて、家族がクズ過ぎるし、素敵なお姉様の婚約者すらとんでもない人物。
何とかお姉様を救わなくては!
日曜学校で文字書き計算を習っていたアリアは、お仕事を手伝いながらお姉様を何とか手助けする!
小説家になろうで日間総合1位を取れました~
転載防止のためにこちらでも投稿します。
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます
今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。
しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。
王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。
そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。
一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。
※「小説家になろう」「カクヨム」から転載
※3/8~ 改稿中
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。