転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
149 / 1,191
第十七章 教皇国編

三百四十五話 首謀者の発覚

しおりを挟む
 少しして落ち着いた子ども達は、大教会のシスターの案内で迎賓館の宿泊する部屋に移動した。
 完全に孤児院が崩壊してしまったので、今日の所はそのまま迎賓館に泊まるという。
 そして、僕達には今回の件で報告があるという事です。

「リズ殿下が犯人を捕まえてくれて本当に助かりました。直ぐに奴らの目論見が分かりました」
「昨日今日とかなりの数の懐古派が捕縛され、奴らは一気に勢力を落としました」
「焦った懐古派の一部が、みせしめの為に孤児院に爆破型の魔導具を仕掛けた様です」
「自分達の主義主張を通す為だけに、孤児院に魔導具を仕掛けたのですか」

 ヤークス枢機卿とサイファ枢機卿が報告した内容に、会議室にいる全員が憤っている。
 何も罪の無い子ども達が、テロリストの標的になったのだからだ。

「今までの事もありましたが、今回の孤児院爆破事件を受けて懐古派を正式にテロリストと認定しました」
「現在、皆様の従魔とポニーも同行して、昨日に引き続き皇都の大規模な捜索を行っています」
「スラちゃんとプリンちゃんもとっても怒っていたよ。勿論、リズも怒っているの」
「アマリリスもやる気になっていましたわ。不審者には、容赦なく電撃を浴びせてもらいたいですわ」

 スラちゃん達にポニさん達も、孤児院爆破事件にはかなり怒っていたもんな。
 相当な意気込みで、聖騎士と共に街に繰り出していた。
 因みにミカエルは自分と同じ小さな子が怪我をしたので、気になって二人が運ばれた医療施設に行っている。
 プリンと近衛騎士が護衛についているから、大丈夫だろう。

「そして、昨日捕まえた司教を取り調べたら、先程とんでもない事が分かった。奴らは懐古派に繋がっていて、資金提供をしている事が分かった」
「自分達が推す枢機卿も懐古派に繋がっている事が分かったのだが、姿を消しやがった。元々公の場に来るのが少ない枢機卿だったが、その理由が分かった」
「バカスタイル枢機卿と言います。既に暫定で職務停止にしました。投票対象からも外れます」

 成程、その枢機卿を担ぎ出して、懐古派の傀儡政権を作るつもりだったのか。
 そして配下の司教や司祭に資金集めをさせて、見返りを与えるという。
 武力と併せて政権奪取も行っていたのか。
 流石に教皇も、教会関係者の大規模な不正にショックを隠せない様だ。

「元々教皇選挙にはヤークス枢機卿とバカスタイル枢機卿が立候補していた。バカスタイル枢機卿が職務停止により、ヤークス枢機卿の一択になったのだ」
「とはいえ、このままでは行かないでしょう。僕もその事は分かります」

 という事は、教皇選挙の日がポイントになりそうだ。
 それまでは、不審者の取り締まりとバカスタイル枢機卿の行方を追う事になりそうだ。
 僕達の身の安全を確保しつつ懐古派を捕まえるという、中々難しいミッションだな。

「まあ、アレク殿下ならチョチョイのちょいで解決するかと」
「そうですな。こちらには、アレク殿下がいらっしゃる」
「何も心配する事はない」

 おいおい、教皇国だけでなく王国や帝国の人も混じって何を言っているのですか。
 僕はお悩み解決人じゃないですよ!
 
 とりあえず会議は終了し、王妃様や皇妃様をそれぞれ送ろうとした時だった。

「大変です! 医療施設の担当者に懐古派が紛れていて、戦闘になりました」
「「「えっ!」」」

 慌てた様子で、大教会担当のシスターが会議室に駆け込んできた。
 まだまだトラブルが続きそうだ。
しおりを挟む
感想 287

あなたにおすすめの小説

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※短編です。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4800文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)

ラララキヲ
ファンタジー
 乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。  ……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。  でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。 ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」  『見えない何か』に襲われるヒロインは──── ※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※ ※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※ ◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。 ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げてます。

突然伯爵令嬢になってお姉様が出来ました!え、家の義父もお姉様の婚約者もクズしかいなくない??

シャチ
ファンタジー
母の再婚で伯爵令嬢になってしまったアリアは、とっても素敵なお姉様が出来たのに、実の母も含めて、家族がクズ過ぎるし、素敵なお姉様の婚約者すらとんでもない人物。 何とかお姉様を救わなくては! 日曜学校で文字書き計算を習っていたアリアは、お仕事を手伝いながらお姉様を何とか手助けする! 小説家になろうで日間総合1位を取れました~ 転載防止のためにこちらでも投稿します。

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます

今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。 しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。 王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。 そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。 一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。 ※「小説家になろう」「カクヨム」から転載 ※3/8~ 改稿中

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。