転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
305 / 1,190
第二十一章 ちょっと平和な日々

五百一話 入園式の対応

しおりを挟む
 ルーカスお兄様とアイビー様の学園への入園が近くなったので、今日は王城に学園関係者も集まっての打ち合わせです。
 参加者は当事者のルーカスお兄様とアイビー様に王妃様、そして軍務卿と僕です。
 学園からは、新年度の生徒会長と式典担当の教員です。

「生徒会長はエマさんとオリビアさんなんですね」
「まあ、今までの流れ的にね」
「因みに、エマが生徒会長でオリビアが副会長よ」

 今年最上級生になるエマさんとオリビアさんが生徒会長と副会長なら、知り合いでもあるルーカスお兄様とアイビー様も一安心ですね。
 そしてもう一つ疑問があります。

「王妃様、何で僕がここにいるんですか?」
「アレク君は、来賓として入園式に参加するからよ」

 うん、王妃様だけでなく他の人も当たり前って感じで僕の事を見ているよ。
 まあ、何となく予想がついたけどね。

「さて、会議を進めるぞ。とはいっても、以前王家が入園した時の対応に準ずるがな」
「体育館の壁際に近衛騎士を配置して、学園の中も兵が巡回するわ」
「受付なども対応を強化する。アレク君も武器を携行していいぞ」
「僕の場合はアイテムボックスがあるので、武器とかは閉まって置けます」

 学園の周辺も含めて、警備を厳重にするそうです。
 闇ギルドの動きが良く分からないし、こればっかりは仕方ないよね。

「アレク君、当日はスラちゃんとプリンも連れて来てね。何かあった時の手は多い方が良いでしょう」
「分かりました。スラちゃんとプリンも、やる気満々で来てくれると思います」

 アイビー様の従魔のアマリリスもいるし、何かあった時の対応は直ぐにできるはず。
 というか、逆にやりすぎ無い様に気を付けないと。

「学園側も警戒を強化します。当日は式典に関係ある教職員のみ登校する予定です」
「その方が良いだろう。できるだけ無駄な要素を排除した方が良いな」

 式典担当の教員からも、当日は学園に入る人を制限すると言っていました。
 軍務卿も頷きながら返答していました。

「でだ、新入生にも危ういのが一人いるんだっけな。確か、テシウス伯爵家の三男だったはず」
「はい。でも、殿下とは座る席を離れております。他の新入生にも何かをする可能性がありますので、教職員も警戒しております」

 当日僕も見ることになるテシウス伯爵家の三男か。
 一体どんな人物なのか、とっても気になるなあ。
 僕達の話し合いはこれで終わり、後は担当者同士で話を詰めるそうです。
 折角なので、エマさんとオリビアさんも僕達と一緒に食事を食べる事になりました。

「エマお姉ちゃんが挨拶するの?」
「そうよ。私が生徒会長だからね。来賓はアレク君が挨拶するみたいだよ」
「お兄ちゃんは挨拶が上手だから、きっと大丈夫だよ」
「そうね。私達の入園式でも、上手な挨拶をしていたもんね」

 ご飯をもぐもぐと食べながら、リズがエマさんに話しかけていました。
 リズは挨拶をやらなくていいので、とっても気楽です。

「おりちゃ、あーん」
「はい、あーん。大きなお口で食べられましたね」
「うん!」

 一方のオリビアさんはというと、ミカエルにご飯を食べさせていました。
 ミカエルだけでなく、ブリッドやルカちゃんにエドちゃんもオリビアさんに食べさせて欲しくて集まっています。
 オリビアさんは、昔から面倒見が良かったもんね。
しおりを挟む
感想 287

あなたにおすすめの小説

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※短編です。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4800文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます

今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。 しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。 王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。 そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。 一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。 ※「小説家になろう」「カクヨム」から転載 ※3/8~ 改稿中

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた

菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに対して、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…? ※他サイトでも掲載しております。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。