転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第二十五章 新たな脅威?

七百四十七話 新たな調査対象

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 そして、午後の会議に出席すると、少し緊迫した話になった。
 会議室に行ってみると軍と内務部局の関係者が多く、宰相と僕とジンさんもちょっとビックリしちゃいました。
 スラちゃんだけは、特にビックリすることなくいつもの席に座りました。

「これだけの担当者が集まっていると、流石のアレクとジンも驚くか」
「中々無いですから。領地持ちの貴族で、闇ギルド関連のトラブルがあった時以来じゃないですか?」

 うんジンさん、その言い方だとツンツン頭の時みたいに先に言い当てて陛下に色々な事を任されるのでは?
 僕の予想通りに、陛下はジンさんを見てニヤリとしていた。

「なんだ、ジンの勘はよく冴えるな。闇ギルドが裏にいるかは分からないが、だいたいジンの言う通りだ」
「げっ、マジですか? まさか俺が担当者になって、現地に行けって話ですか?」
「話の半分が終わってしまったぞ。いやあ、会議時間の短縮になってとても良い事だ」

 あーあ、陛下がうんうんと頷いていて、ジンさんは思わずガクリとしちゃったよ。
 細かい話を聞かないといけないので、ここからは内務卿と軍務卿にバトンタッチです。

「今回問題となっているのが、王都近郊にあるブランデー子爵領だ。王国建国以来の歴史のある貴族で、傍系王族から嫁を貰った事があるのを誇りにしている。といっても、百年以上前の話だがな」
「ルーカス殿下の御学友が学園で暴行を受けた事件があったが、実はこの事件の主犯とブランデー子爵家が親戚で、国が跡目相続に口をはさむなと抗議してきた。もちろん拒絶したが、どうも不穏な動きをしているのだよ」

 今回は、闇ギルドよりかは本当に古臭い考えを持っている貴族の件なんだ。
 うん、何だかとっても面倒くさい話の様な気がしてならないよ。
 ジンさんも、思わずあちゃーって表情をしているね。

「以前にも謁見で言ったが、王国は法治国家だ。貴族のプライドで国が出来ている訳では無い。王都にいる古い貴族の動きは収まったが、残念ながら地方では逆に国の決定に反発を強めている貴族がいる。そちらの対応を、今後も続けなければならない」

 陛下も頭が痛そうに言っているけど、今回問題になっている貴族以外にも対応をしないといけないんだ。
 となると、ジンさんは暫く出張が続くね。

「まずは、いつも通り現地への偵察を行う。ジンだけでなく、兵と調査官も向かわせよう」

 軍務卿が基本的な方針を話したけど、この後ジンさんとスラちゃんも残って担当者会議を行うそうです。
 僕と宰相は、一人と一匹を残して執務室に戻りました。

「お帰りなさい」
「「「おかえりー!」」」

 僕たちが執務室に戻ると、職員とリズ達が出迎えてくれました。
 リズ達は、大きな机で午前中冒険者ギルドで集めた情報を集計していました。
 すると、この場に現れなかった一人と一匹に気がついた人が。

「あら、ジンとスラちゃんは?」
「内務卿、軍務卿と関係者と残って会議をしていますよ」
「何だか嫌な予感がするわね……」

 流石はレイナさんです。
 僕の話を聞いて、直ぐに察していますね。
 陛下から、このメンバーには先に説明してと言われています。
 僕は、みんながいる大きな机に向かいました。

「簡単に言うと、また領地持ち貴族の調査に行って貰う事になりました。ルーカスお兄様に喧嘩売って強制当主交代になった貴族の親戚が、国に処分撤回の抗議をしてきたんです」
「あー、うん、それで分かったわ。古臭い貴族が治める領地での調査ね」
「王家に喧嘩を売るとは。また、大馬鹿な貴族がいたんだね」

 僕が簡単に話すと、レイナさんとカミラさんが直ぐに状況を理解してくれました。
 流石はAランク冒険者、話が早いです。

「どうせなら、スラちゃん部隊も出した方が良さそうだわ。ああいう貴族は、表向きはニコニコして裏で何を言っているか分からないわ」
「そうね、スラちゃん部隊は必須だね。後は、御用商人とかも調査した方が良さそうだわ」

 こうして、レイナさんカミラさんを中心として、みんなであーだこーだ話をしていました。
 そして、ジンさんとスラちゃんが執務室に戻って作戦の説明をしたら、話した内容が殆どでした。
 うん、やっぱりジンさん含めてAランク冒険者は凄いね。
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