転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千九十九話 屋敷に遊びに来た人

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 こんな感じで学園の日々が過ぎていきました。
 意外と学園生活が大変で、安息日の今日は疲れていたので朝食を食べた後はベッドの上でゴロゴロとしていました。
 プリンと一緒にむにむにとしていたら、廊下から元気の良い足音が聞こえてきた。

 トトトト。
 ガチャ。

「おにーちゃん、サキちゃんが遊びに来たよー!」

 リズが元気な声を僕にかけてきたけど、今日サキさんが遊びに来るって話だったっけ?
 話がよく見えないので、僕は身支度をしてプリンとともに部屋を出て行った。
 応接室に向かうと、サキさんだけでなく小さな子ども三人も一緒にいたのだ。
 えーっと、これはどういうことだろうか。
 何故かエレノアも遊びに来ていたけど、ここは一番しっかりしている人に話を聞いてみよう。

「サンディ、いったいこれはどういうこと?」
「その、この前一緒にみんなで遊んだ時にサキちゃんのご兄弟を招待しようということになりまして。その、その、リズ様が説明しておくと言っておりました……」

 うん、よく話が分かった。
 つまりは、リズが悪いってことですね。
 ここは、きちんと話をしないといけないですね。

「リズ、友達をうちに連れてくるのはいいんだけど、ちゃんと僕に話をしないと駄目だよ」
「えー、昨日の夜お兄ちゃんにちゃんと話をしたよ。殆ど眠りかけていたけど、ちゃんと返事をしたよ」

 うーん、リズが僕に抗議をしているけど全然記憶にないよ。
 でも、プリンはちゃんと話を聞いていたみたいだった。
 なら、ちゃんと教えてくださいよ。
 ということで、僕は改めてサキさんに話しかけた。

「サキさん、グタグタになっちゃって御免ね」
「いえ、昨日も放課後にお仕事をされていたみたいですし、アレク様は、疲れているのかと思います」

 うんうん、サキさんはとても優しいですね。
 そして、サキさんの三人のきょうだいのところには、さっそくミカエルたちが行ってお喋りをしていた。
 全員弟で、サキさん曰くやんちゃ盛りみたいです。

「じゃあ、追いかけっこしよー」
「「「おー!」」」

 そして、ミカエルたちはサキさんの弟君を引き連れて元気よく応接室を出て行った。
 子ども同士、あっという間に仲良くなったみたいだね。
 因みに庭でドラちゃんが寝ているけど、王都の炊き出しで何回も見ているので全然怖くないそうです。

「それでね……」

 そして、リズを含む女性陣はいつの間にか仲良くお喋りを始めていたけど、これって僕が起こされる必要があるのかな。
 僕は、思わず苦笑しながら元々予定していたプリンのストック作りのために、スラちゃんとプリンとともに厨房に向かったのだった。
 すると、リズがこんなことを僕に言ってきた。

「あっ、お兄ちゃん、サキちゃんに出来立てのプリンを食べさせて上げたいから、昼食にだしてね!」

 リズよ、それを言うならリズが作ったプリンをサキさんに食べさせてあげた方がいいんじゃないかな。
 僕は、またまた苦笑しながら応接室を出たのだった。
 そして、厨房で大量のプリンを作ったのだけど、まあ短期間でこれだけのプリンを作ったとある意味関心してしまったのだった。
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