転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
917 / 1,190
第三十二章 新入生

千百十三話 そろそろ学園見学会

しおりを挟む
 無事に剣術大会も終了し、学園もそろそろ夏休みに入ります。
 僕たち生徒会は、そろそろ行われる学園見学会の準備を行っていました。
 僕たちの知り合いだと、イヨとミリアが一個下として入園してくる予定です。

「僕たちもやりましたけど、体育館での説明の後に学園案内ですね」
「そうそう、だから弟くんにも手伝ってもらうよ」

 ルーシーお姉様と資料の準備をしているけど、学園が夏休みになって少ししたら学園見学が予定されています。
 基本的に王都にいる生徒会役員が対応するけど、僕たちは直ぐに移動もできるので全く問題ありません。
 あと、ミリアは貴族令嬢枠だけど、イヨは他国出身で爵位もないので一般人枠での入園予定です。

「うーん、でも来年入園する学生だと目ぼしい子はいないんだよね。エレノアちゃんと同級生を狙った貴族がとても多いし。まともにいけば、イヨちゃんが特待生になると思うわ」

 ルーシーお姉様が苦笑しながら話をしていたけど、イヨは一個上の僕たちと同じ教育を受けていたので頭もとてもいい。
 更に接近格闘技が大得意なので、剣技も中々の腕前だった。
 うーん、普通に考えたらイヨが首席になってもおかしくないんだよね。
 ミリアも屋敷で勉強を頑張っているみたいだし、昔は話すのもたどたどしかったけど今はとても頭が良くなった。
 王都の炊き出しとかで二人は会うこともあるので、とても仲良かった。

「よしっ、これで準備完了ですね。後は、当日朝準備すれば大丈夫です」
「流石は弟くんね。じゃあ、王城に行っていいわよ。リズちゃんたちは、もう少しやることがあるわよ」
「「「えー!」」」

 当日の役割分担とかもあるので、ルーシーお姉様はその辺りも含めて決めたいのでしょう。
 書類作成の大半を僕がやったので、リズたちにも頑張って欲しいです。
 ということで、僕は王城にゲートを繋いでプリンとともに向かいました。

「もう学園見学会をする季節がやってきたのか。月日が経つのは早いな」

 仕事をしつつ生徒会のことを宰相執務室の面々に話をすると、宰相が感慨深そうに話をしていました。
 春学園に入園したと思ったら、もう夏休み前だもんね。
 ちなみに夏休みは長めに取ってあるけど、これは地方の領地に帰る貴族がいるからです。

「アレク君は、本当に夏休みの間は王城に来るのかい? せっかくだから、休んでもいいのだよ」
「みんなと遊びに行くときはお休みを貰いますけど、それ以外は普通にお仕事に行きますよ。屋敷にずっといるのもあれなんで」
「アレク君は本当に真面目だね。休みの日が分かったら、事前に教えるように」

 宰相だけでなく、ローリーさんや他の人も思わず苦笑していたけど、何にもやらない方が気持ち悪いんだよね。
 そんなことを思っていると、王城で勉強していた面々が宰相執務室にやってきました。

「「「アレクお兄ちゃん、お仕事終わったら一緒に帰ろう!」」」

 どうやら、今日のミカエルたちの勉強は無事に終わったみたいですね。
 僕もあと少しでお仕事が終わるのだけど、ミカエルたちは屋敷に帰らずにここで待つみたいです。
 ついでなので、イヨにあのことを聞いてみよう。

「イヨ、本当にオカマさんが保護者として学園説明会に来るって?」
「うん、お店は他の人に任せるって」

 実は、イヨの元保護者であるオカマさんが、わざわざ教皇国からやってくるそうです。
 先日学園説明会の話をしに行ったら、絶対に参加すると言っていました。
 ちなみに、オカマさんは長距離転移魔法が使えるので、自力で王都に来るそうです。
 そして、イヨの書類上の保護者はティナおばあさまになっているので、ティナおばあさまも学園説明会に参加予定です。
 うーん、ティナおばあさまは大丈夫だけどその他の人がオカマさんを見てびっくりしなければいいな。
 こうして、今日のお仕事が終わったのでミカエルたちと一緒に屋敷に帰りました。

「「「あっ……」」」

 すると、何故かエレノアとルーシーお姉様も僕の屋敷に来ていて、冷蔵魔導具からプリンを取り出して食べていました。
 あの、泥棒が見つかったというような表情をしなくてもいいのですよ。
 その代わり、暫くプリンはお預けです。
しおりを挟む
感想 287

あなたにおすすめの小説

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※短編です。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4800文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます

今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。 しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。 王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。 そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。 一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。 ※「小説家になろう」「カクヨム」から転載 ※3/8~ 改稿中

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

家の全仕事を請け負っていた私ですが「無能はいらない!」と追放されました。

水垣するめ
恋愛
主人公のミア・スコットは幼い頃から家の仕事をさせられていた。 兄と妹が優秀すぎたため、ミアは「無能」とレッテルが貼られていた。 しかし幼い頃から仕事を行ってきたミアは仕事の腕が鍛えられ、とても優秀になっていた。 それは公爵家の仕事を一人で回せるくらいに。 だが最初からミアを見下している両親や兄と妹はそれには気づかない。 そしてある日、とうとうミアを家から追い出してしまう。 自由になったミアは人生を謳歌し始める。 それと対象的に、ミアを追放したスコット家は仕事が回らなくなり没落していく……。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。