転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百五十三話 試験の準備は順調?

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 体育館の中では、並べられた机のところに受付を済ませた受験生が座っていて、真剣に参考書を読んで復習していますね。
 試験開始時間までは勉強オッケーなのだけど、去年はここまで勉強している人はいなかった気がします。
 イヨも復習を行っていて、イヨの隣にはミリアも一生懸命復習をしていました。
 僕的には、この二人はいい成績を取るのではないかなと思っていました。
 そんな僕の足元に、一匹のマジカルラットがやってきました。

「キュッ」
「ポッキー、ありがとうね。今のところ何もないけど、この後も宜しくね」
「キュッ!」

 今日のマジカルラット部隊の隊長はポッキーなので、こうして定期的に報告をしてくれます。
 プリンもマジカルラット部隊と一緒に行動していて、受付を終えたらスラちゃんも一緒に巡回メンバーに入る予定です。
 みんなは昨年も受験中の巡回部隊を行っているので、今年も頑張るぞと気合を入れて巡回をしていました。
 ポッキーと別れた僕は、舞台近くで準備を進めるルーシーお姉様のところに向かいました。

「ルーシーお姉様、お疲れ様です。受付は順調に進んでいます。ポッキーたちも、今は特に問題ないって報告がありました」
「弟くん、お疲れ様。試験準備も順調だから安心してね」

 ルーシーお姉様は、今年も試験準備担当です。
 慣れた手つきで、問題用紙の準備を進めていました。
 生徒会長のヤザンさんは敢えてフリーの立場をとっていて、何かあった際には臨機応変に対応するそうです。

「でも、何かトラブルが起きても先に弟くんが直ぐに対応しちゃいそうだね。生徒会長の挨拶くらいしかやる事がないんじゃないかな」

 ルーシーお姉様、僕だってトラブル解決には限界がありますよ。
 たぶん、その時は生徒会長であるヤザンさんの力が必要です。
 そんな事を思いながら、今度は体育館の中にいる監視部隊のところに向かいました。

「バーグさん、お疲れ様です。監視部隊も大変だと思いますが、よろしくお願いします」
「アレク様、任せて下さい。監視部隊の先輩にも色々と教わりましたし、とても勉強になります」

 無事に生徒会に入会したバーグさん達剣技特待生の面々は、体育館内の警備と監視を担当しています。
 昨年は軍の兵も監視役として参加していたけど、今年は軍の兵は呼んでいません。
 剣技の先生なども監視を行っているので、バーグさんは先生や先輩から色々とアドバイスを貰っていました。
 監視のいい勉強にもなりそうだし、バーグさん達も真剣に取り組んでいますね。
 監視部隊は問題なさそうかなと思ったら、体育館の入り口からリズたちが入ってきました。
 まだ受付時間は終わっていないけど、大半の受験生が来たので先輩の生徒会役員とドラちゃんが残りの時間まで対応するみたいですね。

「お兄ちゃん、リズはどうすればいいかな?」
「うーん、ルーシーお姉様に話をして次の配置場所を決めて貰った方がいいかな。僕は、遊撃班として色々動いているよ」
「わかったー!」

 リズたちは、僕に返事をすると直ぐにルーシーお姉様のところに向かった。
 そして体育館の壁の方に向かったので、リズたちはどうやら監視班に着くみたいです。
 バーグさん達のところに挨拶にいったけど、これで受験生は勘の良いリズの監視を受けることになった。
 もしカンニングを企んでも、絶対に見つかってしまうだろうね。

「あー! カンニングはいけないんだよ!」
「は、はい……」

 すると、リズが机に何か細工をしようとした受験生を注意していた。
 受験生は素直にリズの指示に従っていたけど、再度カンニングをしないかと要注意人物となった。
 他にも数人カンニングをしようとしたものをリズが注意していたけど、バーグさんたちはどうしてリズが不正を見抜いたのか不思議そうに思っていた。

 ずずずずず……

 そして、三人程いきなり机ごと壁際に連れてこられ、バーグさん達の監視の下で試験を受けることになってしまった。
 とはいえ、昨年はもっとカンニングをしようとしていた人が多かったから、今年はとても少ないといえましょう。
 では、時間だし受験生の受付も全て済んだのでいよいよ試験開始ですね。
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