転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千二百五十一話 今日も色々活動します

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 翌朝、僕たちはいつもの朝の訓練を行っていました。
 準備運動をしてみんなで手合わせをする中、庭の片隅で微笑ましい光景が広がっていました。

 ペタペタ、ペタペタ。

「あー!」
「グルル」
「おー!」

 ハーデスちゃんが、大興奮でドラちゃんをペタペタと触りまくっていました。
 ドラちゃんは子どもの相手をするのが得意だし、ハーデスちゃんも相変わらずドラちゃんに興味津々です。
 側にいるネネさんがかなり微妙な表情をしているけど、確かに中々ない光景ですね。
 因みに、ネネさんとハーデスちゃんも直ぐに仲良しになり、僕の屋敷の中では幼い、ケンちゃん、レオンちゃん、セオちゃんとハーデスちゃんも仲良くなりました。
 この分なら、僕たちが学園に行っている間も問題なさそうですね。
 こうして、賑やかな朝のひとときが過ぎていきました。

「まさかあの焼き菓子店で、そんな大事件が起きていたのですね……」

 支度を整えて学園に行くと、レシステンシアさんが僕たちに例の焼き菓子店の件を聞いてきました。
 リズが説明すると、かなりびっくりした表情を見せていました。
 安息日の朝から商店街の一角で大捕物が行われたので、かなりの話題になっていました。
 リズたちが焼き菓子店の前で治療をしていたのも理由の一つで、それだけ大きな事件となっています。

「私も、放課後の治療をお手伝いいたします。やれることは限られると思いますが」
「私もお手伝いいたします」

 レシステンシアさんだけでなく、一緒に話を聞いていたサキさんも治療の手伝いをしてくれることになりました。
 既にメアリには話をしてあるし、人手が増えるのはとてもありがたいです。
 そして、休み時間に僕たちのところに焼き菓子店で購入した焼き菓子を食べたと相談に来た学園生がいました。
 直ぐに治療をし事なきを得ましたが、今週いっぱいはこんな感じのことが続くのかなと思ってしまいました。

「じゃあ、治療を宜しくね」
「治療ならリズにお任せだよ!」

 放課後、生徒会の仕事を終えたリズたちはみんなで焼き菓子店に向かいました。
 スラちゃんも一緒にいるし、治療の手はたくさんあります。
 僕は、みんなと別れて仕事をするために王城に向かいました。

「これだけのたくさんの証拠が出てきているのなら、子爵夫婦と嫡男夫婦の貴族権限を暫定停止してあの赤ん坊をベーリング子爵家の暫定当主にした方がいいだろう。ただ、久々に屋敷ぐるみでの犯罪だから、あの赤ん坊が子爵家に戻るのは早くてもルーカスの結婚式後だろう」

 王城に着いて直ぐに会議室に呼ばれ、報告を聞いた陛下は思わず溜息を漏らしていました。
 結局ベーリング子爵家の屋敷の使用人は、最近入った数名以外全員捕まってしまったのです。
 各々が何かしらの罪を犯していて、ある意味犯罪者の巣窟でした。
 ベーリング子爵家の屋敷の維持もあり、僕の屋敷から数人が使用人への教育を兼ねて派遣されています。
 マジカルラット部隊が屋敷の隅々まで確認していて、ついでにポッキーが使用人を連れて行っていました。

「数日あれば、暫定当主の手続きは完了するだろう。更に巡回を強化する。この際だから、犯罪組織は徹底的に叩くことにする」

 今年一番のイベントであるルーカスお兄様の結婚式を成功させるため、とにかく打てる手は何でもすることになった。
 偵察部隊も、別の魔物を加えることになりました。

「レイカの雲さんなら、どんなところにも侵入できちゃうよ!」

 会議後に勉強部屋に向かい、新たな偵察部隊の件を説明しに行きました。
 レイカちゃんのお友達のマジカルクラウドの雲さんなら、どこにでも飛んでいけます。
 雲さんは、ルーシーお姉様のピーちゃんとコンビを組むことになりました。
 さっそく今夜から偵察を始めるそうです。

「後は、二週間後に行われる教皇国での聖女継承の儀式までに今回の事件を決着させる。関係者と証拠は抑えているから、時間はかからないだろう」

 まだ違法薬物の生産拠点を抑えていないので、事件解決とはなっていません。
 今回の事件は、もう少し解決に時間がかかりそうです。
 因みに、今日のリズたちの治療は順調に進んだそうです。
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