女子切腹同好会

しんいち

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32 出来れば麻酔を…

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「行ってきます」

 母にいつも通りの挨拶をし、私は家を出ます。
 心の中で「さようなら」と言いながら……。

 遂に来た日曜日なんです。
 危険人物認定されてしまった私は、これから処刑。生きたまま解剖されるのです。

 抵抗するつもりはありません。大人しく、解剖されますよ。
 そのかわり、家族には手を出さないでと頼むのです。これは絶対条件です。
 それから、もしも可能であれば、麻酔なんかして欲しいんですけどって、頼みたい…。

 生体解剖か…。
 私の内臓が、美紀さんたちによって取り出されてしまう…。憧れの先輩に解剖してもらえるのです。本望ですよ。
 そして、最後に自分の内臓を、この目で見ることが出来る…。そうして、死んでゆく…。
 内臓フェチとしては幸せな死に方でしょう。変態の私には、お似合いですよね。

 会館に着きます。二人はもう来ています。

「あれ~、どうした~有香ちゃん。何か悲壮感漂わせちゃって~。
あ、ああ、そうよね~。まあ、そうなるかね~」

 そうですよ。これから自分が解剖されるんですよ。ウキウキワクワクしてたら、それ完全にイカレテいます。

「そうよね。解剖なんですもんね。それも、生きたまま」

 はい、美紀さん。あなたにしてもらえるんです。私は喜んで解剖されます。よろしくお願いします。
 だけどもその前に、キチンと頼んでおかないと!

「あ、あの、事務局の人は来てるんですか?
私、執刀前にお願いしたいことがあるんです」

 美紀さんと夏実さんが顔を見合わせます。怪訝な顔…。

「何? お願いって」

 そう言いながら、隣の部屋から入ってきたのは、保健の先生! そうです。この人、事務局に関係ある人だってことでした。
 私は、直ぐに土下座。そして、

「お願いします。私の体は、どうとでもしてくださって結構です。素直に受け入れます。
ですが、家族にだけは手を出さないでください。家族には何にも言っていません。本当です。
ですから、お願いします!」

「は、はあ?」

 保健の先生、ポカンとした顔、そして、美紀さん夏実さんとも顔を見合わせ、首を傾げます。
 でも、私の方は余裕がない。言うべきことは言ってしまわないといけませんからね。拘束されて、何も出来なくされてしまう前に。

「あ、あの…。あ、あと、出来ましたら、痛いのは嫌なので麻酔を……」

 ここで、やっと私も三人の反応がオカシイことに気が付きました。

「あ、あれ? 今日するのって、生きているままでの解剖ですよね」

「そうよ。処刑なんだけど、切腹の参考になればってことで、会の二人に委託したのよ」

「はい。ですから……、私は痛いのは嫌なので、出来ましたら麻酔なんかしてもらえたりしないかなって」

「なんで、あなたが痛いの?」

「だって、生きたままで解剖なんでしょ。それ、痛いでしょ」

「いや、だから、何であなたが痛いのよ」

「何でって、お腹切られれば、痛いでしょ?」

「誰のお腹?」

「えっ、わ、私のですけど…」

「何で、あなたのお腹切らなきゃいけないのよ」

「だって、私の生体解剖なんでしょ!」

「はああ? 何言ってるの?」

 へえっ・・・?
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