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▽1
窓から差す光で目を覚ます。
もぞもぞとシーツの波を掻き分け、身を起こした。夏の暑さは鳴りを潜め、やがて訪れる秋を予感させる。薄い寝間着では寒く、室内履きを挟んで冷えた床を踏みしめた。
くあ、と欠伸をしながら、長い髪を持ち上げる。洗面台に向かうと、慣れた手つきで結い紐を解いた。うねりのある髪質が解き放たれる。
一仕事が控えている憂鬱さと共に、顔を洗った。
丁寧に櫛を使って髪を梳き、枝毛になった部分を切り落とす。表面がかさついている場所には油を塗り込んだ。髪の嵩が減ったところで、丁寧に後頭部のあたりで結い直す。すぐ広がるため、結った上で三つの束に分けた髪を背で編み込んだ。
白に近い金髪と、光が差せばうっすら青が覗く黒の瞳。後援者が、吸い込まれそう、と言う瞳は、いまは深海の色をしていた。
長い睫と白くしみ一つ無い肌。薄紅色の唇と、上気したように肌の下の色を伝える頬。神殿に仕えればどんなに、と残念がられる容姿は、有名な大神官との共通点を挙げられるほど整っているらしい。
やれ花だ、やれ人形だ、やれ小鳥だ。浴びせかけられる美辞麗句には事欠かない。
「ふぁ……」
大きく口を開けて欠伸をすると、鏡の前から離れる。寝間着からローブ姿へと着替え、そのまま居間、兼、実験室へと向かった。
この小さな家は貸し与えられているもので、後援者である貴族の屋敷、その一角にある。
馬車を走らせれば王都の中央部にも行きやすく、周囲が静かで暮らしやすい土地だ。俺のように支援を受けている芸術家も、それぞれ家を与えられては創作に励んでいる。
与えられた家の色彩には木目と白しかなく、良く言えばこざっぱりとしていた。悪く言えば人が住むには殺風景な家だ。だが、研究器具などを運び込む上では都合が良い。住み始めてどれくらい経ったのか忘れてしまったが、それくらい俺にとって居心地のいい家となっていた。
まず炉に近づいて炭を入れ、第一声、と朝の真新しい空気を吸い込む。
「炉は新たな炉へ。燃え盛る炎は光沢もつものを橙へと導き、その姿さえも変えんと呑み込む」
ぼっ、と舐めるように炎が伝い、黒い炭を覆い尽くす。追うように炭を放り込み、暑すぎる熱を結界で遮断する。
家の中でも涼しい位置に設けた倉庫の棚は満杯で、廊下にはみ出している荷物も多くあった。そこから幾らかの金属片を持ってくる。そして、水銀の保管容器も密閉された状態のまま持ち出した。
記録用の紙と筆記具。そして色とりどりの金属を机に並べ、きのう書き残した文面に視線を投げる。
「朝起きて、ぜんぶ金に変わってりゃなぁ……」
俺の主な研究対象は錬金だ。
身近で使われている鉄や鉛。そして水銀に硫黄。ありとあらゆる材料を組み合わせ、安価に金を生成させることを研究目標としている。
昔は魔術師として働きに出ていたが、どうにも仕事が長続きしなかった。俺の外見の美しさは色事にまつわる騒動を呼びやすく、自身も面倒ごとを堪え忍べる性格をしていない。大体は喧嘩別れのように仕事を辞めることが多かった。
仕事を始めようと器具を準備していると、玄関先で靴音がする。聞き慣れた音の間隔で、来訪者はすぐに分かった。研究は放り出し、玄関に向けて歩き始める。
俺の声を待たず、かちゃり、と鍵が開いた。
「おはよう、ラディ。まだ寝ているかと思ったよ」
「おはよノックス。寝ている、と思ったのなら呼び鈴くらい鳴らせ」
俺の言葉を聞き流し、ノックスは手を広げる。げ、と分かりやすく顔を歪めてみせた。だが、当人は意に介した様子もない。
大人しく腕の中に収まると、彼は満足したように俺の頭を撫でた。
ノックス・グラウ。
彼が俺を敷地に住まわせ、衣食住すべての金と研究費を与えてくれている後援者だ。
貴族であり、まだ若い研究者や芸術家などを支援しては大成させ、事業に活かしている。その眼は正確で、支援のために大金をつぎ込んでも家が傾く様子はない。
薄紅の髪を清潔感のある長さに整え、普段はきっちりと固めていることが多い。黄色みがかった灰色の目は、色が薄いためか視線の先が読み取りづらく。飄々とした当人の言動も相俟って浮世離れした空気があった。
俺とは十ほど年が離れているが、年齢よりも若々しく美形だ。
彼は数年前に親の紹介で結婚をしていたが、俺と出会うより前に妻の不貞を理由に離婚している。妻との間に子はおらず、いまは弟の次男坊に対して跡継ぎ教育をしているようだ。
「朝食は?」
「まだ」
「良かった。屋敷の朝食に招待しようと思ってね」
ちゅ、と頬に唇が触れた。眉を歪め、袖で雑に頬を拭う。俺の行動にもノックスは気にした様子はない。後援者に対しての精一杯の譲歩、ということは分かっているようだ。
彼は出会った時からこうだ。どうやら長いこと浮名を流してきたらしい。結婚して落ち着いたと思ったらすぐ離婚。という結果にだって、だろうな、と感想を言う使用人が多かった。彼が結婚期間中に大人しくしていた事の方が意外に思われている。
もぞもぞと腕から抜け出し、片腕を抱き込んだ。連れていけ、と顎をしゃくる。
「君が食につられるような性格で助かっているよ。動かす手段が増える」
「どうせ食事はもう用意してるんだろ。残飯にするのが惜しいだけだ」
抱き込んでいた腕は扉を閉める時に引き抜かれ、鍵を掛けると腰を抱かれる。
彼の体温は落ち着かなくて苦手だ。避けるために媚を売るような腕組みまでしたのに、こうやって容易く腕の中に入れられる。
俺に色目を使った輩がこんなことをしようものなら、下手したら殴り合いだ。だが、衣食住を全て担い、他よりは見目も良く頭もいい男に絡め取られれば、溜め息と共に諦めるしかない。
「いい天気だね」
「あんたがいなきゃ、もっと清々しかっただろうにな」
「気の持ちようだよ」
「…………はあ」
屋敷の敷地は庭師が手入れするものだが、グラウ家の庭はなかなか個性的だ。芸術家の作品公開の場にもなっており、ぱっと見、なんだか呪われているのか、と言いたくなるような像もある。
花の色を絵の具に、土を画布にしようとする庭師だっている。天才達は他人を気にしない。個性がぶつかり合いすぎて、この庭園は余りにも賑やかだ。
「また像が増えたか?」
「そうだね。でも、減ってもいるよ」
視線の方向を見ると、以前あった『眼窩が落ち窪んだ男の像』が消えていた。
「よく売れたな。あんな悪夢に出そうな像」
「世の中には、好みがまったく同じ人間はいないからね」
「千人中、一人しか好きにならない絵はあるだろうがな」
乾いた笑い声を上げる。窘めるように腰に掛かった腕に力が籠もった。視線を上げると、光が差して色を変えた瞳とかち合う。
「じゃあ、あの像は『二人』だ。私も好きだったよ」
無言の間が長引く。性格も育ちもまったく違う、この男のこういう所がきらいだ。
「……悪かったよ。怖いと思うのは、俺の感覚だもんな」
「いいよ。君、意外と怖がりだものね」
「身長の高い男が苦手なだけだ」
ふい、と勢いよく視線を逸らす。
身長が高い男に殴られていたのは自業自得だ。北の孤児院に入るまで、俺は孤児たちのまとめ役をしていた。物乞いもした、無断での残飯漁りだって何度もやった。何度追い返されても、お前らが捨てた物だろう、と何度も漁った。面倒を見ていた中には、何度止めても盗みを働く子もいた。身体が大きくて丈夫だったから代わりに殴られた。
結局、領主の部下に見つかって、みんな纏めて孤児院に入った。孤児院は、楽園みたいなところだった。
「────私は?」
ふ、と男の目に妙な光が灯り、唇が笑みのかたちに歪んだ。
囲い込んで甘やかして、その上でふいに言葉で額を押さえつけられる。俺が撥ね除けるのを待っているように、時おり言葉を仕掛ける。
「苦手だよ。他の男よりずっと」
吐き捨てて、肩に寄り添った。息を吐く音がして、いっそう強く腰を抱かれる。石畳を歩く間、靴音だけが煩かった。
屋敷の玄関に立つと、待機していた使用人が扉を開ける。
「おはようございます、ラディ様」
「おはよう。その格好は暑くないか? 昼間はもっと気温が上がるぞ」
「生地が涼しいので大丈夫ですよ。外を動くので、日焼けするのも困りもので」
「ああ、そっか」
指先を動かして魔術式を綴る。冷気が相手に向かって降り注ぎ、一瞬だけ雪降る地のように冷たくなった。隣でノックスが目を瞠る。
「はは、冷たい。ありがとうございます」
「後でもっかいやりにくるよ」
光溢れる室内に、高い天井。上品で清潔感がありながらも、屋敷の端々には庭先で見たような前衛的な作が品よく座っている。
他の貴族の屋敷よりも鮮やかな室内は、彼の支援に対する芸術家からの見返りだ。名の知れた芸術家が無名だった頃から才能を信じて金を注ぎ込む。すると、出世した芸術家たちは『ぜひ作品を贈らせてほしい』と言う。
屋敷を訪れた貴族が作品を気に入ると、ノックスはさり気なく芸術家へと繋ぐ。彼が手を回して、新たな主を得た者も多い。
この屋敷が、才ある者たちが最初に恩を受けた場所だ。色とりどりの色彩は、恩返しの感情に溢れている。眩しさに目を細めた。
「今日の朝食は料理人が遊びたいそうだ。楽しみにしていてね」
「ははーん、だから俺なんだな。腹が丈夫だから」
「いや。君を呼んだのは、真っ正直にしか意見を言わないからだよ」
分からない、と首を傾げてみせると、ノックスは眉を上げた。
「そもそも、君が身体を壊すような料理を私が許すとでも?」
「あんたの良心は信じてるけど、偶に嗜虐心が漏れてる」
「────そう?」
「そう」
危機察知をしなければ満足に生きてはいけなかった。幼い頃に覚えた感覚は、未だに身体に染み付いている。
案内された部屋の机には綺麗に卓布が掛けられ、向かい合って椅子が置かれていた。屋敷にしてはこぢんまりとした部屋は、ノックスが静かに食事をしたい時に使う場所だ。
俺との食事は、彼の『そういう時』の恒例だった。
「どうぞ」
「どうも」
主みずから椅子を引かれ、腰掛ける。この部屋には、使用人も料理を運ぶ以外には入ってこない。
普通の給仕がそうではないことは流石に知っている。俺との時間は、出来うる限り人払いをされているらしい。俺の作法が悪いのか、俺を苛めている様を見せたくないのか、それを彼に問うたことはないのだが。
主人の招きで、目の前に皿が並べられた。色鮮やかなスープは、生地を焼いたものを円にした中に注がれ、鳥の巣のような形状に見える。パンは中に捏ねた肉の塊を入れ、甘辛く味付けして焼き上げたもののようだ。つやつやとした照りが見える。野菜は色鮮やかな生のまま細長く切られ、ソースが何種類も用意されていた。
「うわ、遊んでるなぁ」
「私は好きだよ」
「俺も好き」
貴族の食事、というよりも市街の料理店で好まれているような品ばかりだ。とはいえ、ノックスはそれらを好む質で、運ばれている料理を追う瞳は絶え間なく動いていた。
手のひらを拭い、食事が始まった。
パンを手づかみで割り、口に運ぶ。肉汁がパンまで滴り落ち、まだ温かいソースが舌を甘やかす。丁寧に、かつ素早く胃に収める。
「う、まい。焼きたてだ」
「本当に美味しい。子どもの頃は食べられなかった味だな」
「……あぁ、貴族家では好かれなさそうだな。この殴ってくるような味付け」
「貴族とはいえ味覚はそれぞれだし、それこそ君が昔いたところの領主様なんかは食べていたと思うよ」
手を止める。俺が昔いたところの領主。思い当たる名前を挙げる。
「イニアック・モーリッツ様? あぁ、あの人は色んな所に出向くし、孤児院でも食事をしていたから。確かに食べているものは幅広いだろうな」
「孤児院で食事、か。……確かに、環境を確認する上ではいい方法だね。私も食べに行こうかな」
「イニアック様はご自身で解毒魔術の展開ができる御仁だからいいけど、あんたじゃ毒味係が必要になるだろ」
「解毒魔術なら君が得意でしょう、ラディ。君を連れていくよ」
錬金術に多様な材料を使う都合から、毒についての知識も他の魔術師より多い。解毒魔術も、目の前の後援者を守り切れると胸を張れるくらいには多く知っていた。
この人は屋敷に仕えている魔術師ではなく、俺を使うことがある。屋敷仕えの魔術師は家に仕えているが、俺はノックスへの恩で動くからだ。
孤児院へ行く日程を決め、スープの具を囲む生地を崩し始めた時、ようやく話が本題に辿り着いた。
「────それで、君を朝食に招待した理由なんだけれど」
「おう」
「近々、君の後援を打ち切ろうと思っていてね」
がしゃん、と落ちた食器がスープに浸かった。ぽかん、と口を開けても、ノックスは冗談とは言わない。
今まで、彼の事業に貢献する成果は提供してきたつもりだった。だが、別の金属から金を作る、という最終目標を達成している訳ではない。
長年、誰も達成してこなかった分野だったからこそ、こんなに早く後援が打ち切られるとは思っていなかった。
「打ち切った後は家からも出てもらう。それを避けたいなら、安い金属から金を作るか。……それか、私の愛人にでもなるかい?」
「は?」
「そうしたら、屋敷にずっと居ても構わないよ。今より広い実験室も用意してあげる」
握り込んだ指が震えた。この男は、俺の研究に理解を示していたはずだ。研究結果を渡した時も、彼の事業でどう活かすかまでわざわざ語ってくれた。
そんな人物が、急に後援を打ち切って、あまつさえ愛人への提案をしてくる事に強烈な違和感があった。俺がそういった関係を嫌っている事は、彼もよく知っている筈だ。
怒りは湧かない。あまりにも意図が見えなさすぎて戸惑っている。
「あんた。そんなこと言う奴だったか?」
「現にいま言っているでしょう」
笑みは仮面だ。彼が外面として作る表情をそのまま貼り付けている。前髪がはらりとこぼれ落ちても、ぴたりと貼り付いた面は崩れない。
俺が何かを仕掛けられていることは分かる。けれど、何を目的にそうしているか全く想像が付かなかった。
「…………成果物を用意する期限は?」
「ひと月。それ以前に愛人になることを決めたのなら、申し出てくれればいいよ」
回答自体が既に試されている。間違った方を選べば、ひと月待たずに放り出される気がした。
目の前のひとが笑っているのに、氷を皮膚に押し付けられているようだ。心細さに胸がぎゅうっと締まった。
彼に世話になり始めてからは、生活も安定して研究を続けられてきた。今までの安寧の中では、抱いたことのない感情だった。
「わかった」
取っ手は無事な食器を引き上げ、少し冷えたスープを口に運ぶ。ざくざくとした生地の食感と、季節の野菜が舌に刺激を与えるのに、感じるべき頭が働かなかった。
世間話のようなものが振られるが、何と返したのかは覚えていない。心ここにあらず、といった状態のまま、美味しいはずの料理を食べ終える。
飲み終えたカップを置いて、視線で合図をして席を立った。
「美味かった」
「『美味かった』ような顔じゃないね」
「誰のせいだ」
立ち上がった俺が前に歩き出そうとすると、ノックスが進路を塞いだ。相手の顔を見上げると、伸びた腕が俺を抱き込む。
朝のそれとは、受け止める感情が違いすぎた。腕の中で藻掻いても、上手く制される。
「なん……!」
「あと、これから『期限』までは君とこうやって触れ合うことにするよ。いずれ愛人になるかもしれないしね」
指が顎に掛かり、くい、と持ち上げられる。目を見開いた瞬間に、唇が重なった。
窓から差す光で目を覚ます。
もぞもぞとシーツの波を掻き分け、身を起こした。夏の暑さは鳴りを潜め、やがて訪れる秋を予感させる。薄い寝間着では寒く、室内履きを挟んで冷えた床を踏みしめた。
くあ、と欠伸をしながら、長い髪を持ち上げる。洗面台に向かうと、慣れた手つきで結い紐を解いた。うねりのある髪質が解き放たれる。
一仕事が控えている憂鬱さと共に、顔を洗った。
丁寧に櫛を使って髪を梳き、枝毛になった部分を切り落とす。表面がかさついている場所には油を塗り込んだ。髪の嵩が減ったところで、丁寧に後頭部のあたりで結い直す。すぐ広がるため、結った上で三つの束に分けた髪を背で編み込んだ。
白に近い金髪と、光が差せばうっすら青が覗く黒の瞳。後援者が、吸い込まれそう、と言う瞳は、いまは深海の色をしていた。
長い睫と白くしみ一つ無い肌。薄紅色の唇と、上気したように肌の下の色を伝える頬。神殿に仕えればどんなに、と残念がられる容姿は、有名な大神官との共通点を挙げられるほど整っているらしい。
やれ花だ、やれ人形だ、やれ小鳥だ。浴びせかけられる美辞麗句には事欠かない。
「ふぁ……」
大きく口を開けて欠伸をすると、鏡の前から離れる。寝間着からローブ姿へと着替え、そのまま居間、兼、実験室へと向かった。
この小さな家は貸し与えられているもので、後援者である貴族の屋敷、その一角にある。
馬車を走らせれば王都の中央部にも行きやすく、周囲が静かで暮らしやすい土地だ。俺のように支援を受けている芸術家も、それぞれ家を与えられては創作に励んでいる。
与えられた家の色彩には木目と白しかなく、良く言えばこざっぱりとしていた。悪く言えば人が住むには殺風景な家だ。だが、研究器具などを運び込む上では都合が良い。住み始めてどれくらい経ったのか忘れてしまったが、それくらい俺にとって居心地のいい家となっていた。
まず炉に近づいて炭を入れ、第一声、と朝の真新しい空気を吸い込む。
「炉は新たな炉へ。燃え盛る炎は光沢もつものを橙へと導き、その姿さえも変えんと呑み込む」
ぼっ、と舐めるように炎が伝い、黒い炭を覆い尽くす。追うように炭を放り込み、暑すぎる熱を結界で遮断する。
家の中でも涼しい位置に設けた倉庫の棚は満杯で、廊下にはみ出している荷物も多くあった。そこから幾らかの金属片を持ってくる。そして、水銀の保管容器も密閉された状態のまま持ち出した。
記録用の紙と筆記具。そして色とりどりの金属を机に並べ、きのう書き残した文面に視線を投げる。
「朝起きて、ぜんぶ金に変わってりゃなぁ……」
俺の主な研究対象は錬金だ。
身近で使われている鉄や鉛。そして水銀に硫黄。ありとあらゆる材料を組み合わせ、安価に金を生成させることを研究目標としている。
昔は魔術師として働きに出ていたが、どうにも仕事が長続きしなかった。俺の外見の美しさは色事にまつわる騒動を呼びやすく、自身も面倒ごとを堪え忍べる性格をしていない。大体は喧嘩別れのように仕事を辞めることが多かった。
仕事を始めようと器具を準備していると、玄関先で靴音がする。聞き慣れた音の間隔で、来訪者はすぐに分かった。研究は放り出し、玄関に向けて歩き始める。
俺の声を待たず、かちゃり、と鍵が開いた。
「おはよう、ラディ。まだ寝ているかと思ったよ」
「おはよノックス。寝ている、と思ったのなら呼び鈴くらい鳴らせ」
俺の言葉を聞き流し、ノックスは手を広げる。げ、と分かりやすく顔を歪めてみせた。だが、当人は意に介した様子もない。
大人しく腕の中に収まると、彼は満足したように俺の頭を撫でた。
ノックス・グラウ。
彼が俺を敷地に住まわせ、衣食住すべての金と研究費を与えてくれている後援者だ。
貴族であり、まだ若い研究者や芸術家などを支援しては大成させ、事業に活かしている。その眼は正確で、支援のために大金をつぎ込んでも家が傾く様子はない。
薄紅の髪を清潔感のある長さに整え、普段はきっちりと固めていることが多い。黄色みがかった灰色の目は、色が薄いためか視線の先が読み取りづらく。飄々とした当人の言動も相俟って浮世離れした空気があった。
俺とは十ほど年が離れているが、年齢よりも若々しく美形だ。
彼は数年前に親の紹介で結婚をしていたが、俺と出会うより前に妻の不貞を理由に離婚している。妻との間に子はおらず、いまは弟の次男坊に対して跡継ぎ教育をしているようだ。
「朝食は?」
「まだ」
「良かった。屋敷の朝食に招待しようと思ってね」
ちゅ、と頬に唇が触れた。眉を歪め、袖で雑に頬を拭う。俺の行動にもノックスは気にした様子はない。後援者に対しての精一杯の譲歩、ということは分かっているようだ。
彼は出会った時からこうだ。どうやら長いこと浮名を流してきたらしい。結婚して落ち着いたと思ったらすぐ離婚。という結果にだって、だろうな、と感想を言う使用人が多かった。彼が結婚期間中に大人しくしていた事の方が意外に思われている。
もぞもぞと腕から抜け出し、片腕を抱き込んだ。連れていけ、と顎をしゃくる。
「君が食につられるような性格で助かっているよ。動かす手段が増える」
「どうせ食事はもう用意してるんだろ。残飯にするのが惜しいだけだ」
抱き込んでいた腕は扉を閉める時に引き抜かれ、鍵を掛けると腰を抱かれる。
彼の体温は落ち着かなくて苦手だ。避けるために媚を売るような腕組みまでしたのに、こうやって容易く腕の中に入れられる。
俺に色目を使った輩がこんなことをしようものなら、下手したら殴り合いだ。だが、衣食住を全て担い、他よりは見目も良く頭もいい男に絡め取られれば、溜め息と共に諦めるしかない。
「いい天気だね」
「あんたがいなきゃ、もっと清々しかっただろうにな」
「気の持ちようだよ」
「…………はあ」
屋敷の敷地は庭師が手入れするものだが、グラウ家の庭はなかなか個性的だ。芸術家の作品公開の場にもなっており、ぱっと見、なんだか呪われているのか、と言いたくなるような像もある。
花の色を絵の具に、土を画布にしようとする庭師だっている。天才達は他人を気にしない。個性がぶつかり合いすぎて、この庭園は余りにも賑やかだ。
「また像が増えたか?」
「そうだね。でも、減ってもいるよ」
視線の方向を見ると、以前あった『眼窩が落ち窪んだ男の像』が消えていた。
「よく売れたな。あんな悪夢に出そうな像」
「世の中には、好みがまったく同じ人間はいないからね」
「千人中、一人しか好きにならない絵はあるだろうがな」
乾いた笑い声を上げる。窘めるように腰に掛かった腕に力が籠もった。視線を上げると、光が差して色を変えた瞳とかち合う。
「じゃあ、あの像は『二人』だ。私も好きだったよ」
無言の間が長引く。性格も育ちもまったく違う、この男のこういう所がきらいだ。
「……悪かったよ。怖いと思うのは、俺の感覚だもんな」
「いいよ。君、意外と怖がりだものね」
「身長の高い男が苦手なだけだ」
ふい、と勢いよく視線を逸らす。
身長が高い男に殴られていたのは自業自得だ。北の孤児院に入るまで、俺は孤児たちのまとめ役をしていた。物乞いもした、無断での残飯漁りだって何度もやった。何度追い返されても、お前らが捨てた物だろう、と何度も漁った。面倒を見ていた中には、何度止めても盗みを働く子もいた。身体が大きくて丈夫だったから代わりに殴られた。
結局、領主の部下に見つかって、みんな纏めて孤児院に入った。孤児院は、楽園みたいなところだった。
「────私は?」
ふ、と男の目に妙な光が灯り、唇が笑みのかたちに歪んだ。
囲い込んで甘やかして、その上でふいに言葉で額を押さえつけられる。俺が撥ね除けるのを待っているように、時おり言葉を仕掛ける。
「苦手だよ。他の男よりずっと」
吐き捨てて、肩に寄り添った。息を吐く音がして、いっそう強く腰を抱かれる。石畳を歩く間、靴音だけが煩かった。
屋敷の玄関に立つと、待機していた使用人が扉を開ける。
「おはようございます、ラディ様」
「おはよう。その格好は暑くないか? 昼間はもっと気温が上がるぞ」
「生地が涼しいので大丈夫ですよ。外を動くので、日焼けするのも困りもので」
「ああ、そっか」
指先を動かして魔術式を綴る。冷気が相手に向かって降り注ぎ、一瞬だけ雪降る地のように冷たくなった。隣でノックスが目を瞠る。
「はは、冷たい。ありがとうございます」
「後でもっかいやりにくるよ」
光溢れる室内に、高い天井。上品で清潔感がありながらも、屋敷の端々には庭先で見たような前衛的な作が品よく座っている。
他の貴族の屋敷よりも鮮やかな室内は、彼の支援に対する芸術家からの見返りだ。名の知れた芸術家が無名だった頃から才能を信じて金を注ぎ込む。すると、出世した芸術家たちは『ぜひ作品を贈らせてほしい』と言う。
屋敷を訪れた貴族が作品を気に入ると、ノックスはさり気なく芸術家へと繋ぐ。彼が手を回して、新たな主を得た者も多い。
この屋敷が、才ある者たちが最初に恩を受けた場所だ。色とりどりの色彩は、恩返しの感情に溢れている。眩しさに目を細めた。
「今日の朝食は料理人が遊びたいそうだ。楽しみにしていてね」
「ははーん、だから俺なんだな。腹が丈夫だから」
「いや。君を呼んだのは、真っ正直にしか意見を言わないからだよ」
分からない、と首を傾げてみせると、ノックスは眉を上げた。
「そもそも、君が身体を壊すような料理を私が許すとでも?」
「あんたの良心は信じてるけど、偶に嗜虐心が漏れてる」
「────そう?」
「そう」
危機察知をしなければ満足に生きてはいけなかった。幼い頃に覚えた感覚は、未だに身体に染み付いている。
案内された部屋の机には綺麗に卓布が掛けられ、向かい合って椅子が置かれていた。屋敷にしてはこぢんまりとした部屋は、ノックスが静かに食事をしたい時に使う場所だ。
俺との食事は、彼の『そういう時』の恒例だった。
「どうぞ」
「どうも」
主みずから椅子を引かれ、腰掛ける。この部屋には、使用人も料理を運ぶ以外には入ってこない。
普通の給仕がそうではないことは流石に知っている。俺との時間は、出来うる限り人払いをされているらしい。俺の作法が悪いのか、俺を苛めている様を見せたくないのか、それを彼に問うたことはないのだが。
主人の招きで、目の前に皿が並べられた。色鮮やかなスープは、生地を焼いたものを円にした中に注がれ、鳥の巣のような形状に見える。パンは中に捏ねた肉の塊を入れ、甘辛く味付けして焼き上げたもののようだ。つやつやとした照りが見える。野菜は色鮮やかな生のまま細長く切られ、ソースが何種類も用意されていた。
「うわ、遊んでるなぁ」
「私は好きだよ」
「俺も好き」
貴族の食事、というよりも市街の料理店で好まれているような品ばかりだ。とはいえ、ノックスはそれらを好む質で、運ばれている料理を追う瞳は絶え間なく動いていた。
手のひらを拭い、食事が始まった。
パンを手づかみで割り、口に運ぶ。肉汁がパンまで滴り落ち、まだ温かいソースが舌を甘やかす。丁寧に、かつ素早く胃に収める。
「う、まい。焼きたてだ」
「本当に美味しい。子どもの頃は食べられなかった味だな」
「……あぁ、貴族家では好かれなさそうだな。この殴ってくるような味付け」
「貴族とはいえ味覚はそれぞれだし、それこそ君が昔いたところの領主様なんかは食べていたと思うよ」
手を止める。俺が昔いたところの領主。思い当たる名前を挙げる。
「イニアック・モーリッツ様? あぁ、あの人は色んな所に出向くし、孤児院でも食事をしていたから。確かに食べているものは幅広いだろうな」
「孤児院で食事、か。……確かに、環境を確認する上ではいい方法だね。私も食べに行こうかな」
「イニアック様はご自身で解毒魔術の展開ができる御仁だからいいけど、あんたじゃ毒味係が必要になるだろ」
「解毒魔術なら君が得意でしょう、ラディ。君を連れていくよ」
錬金術に多様な材料を使う都合から、毒についての知識も他の魔術師より多い。解毒魔術も、目の前の後援者を守り切れると胸を張れるくらいには多く知っていた。
この人は屋敷に仕えている魔術師ではなく、俺を使うことがある。屋敷仕えの魔術師は家に仕えているが、俺はノックスへの恩で動くからだ。
孤児院へ行く日程を決め、スープの具を囲む生地を崩し始めた時、ようやく話が本題に辿り着いた。
「────それで、君を朝食に招待した理由なんだけれど」
「おう」
「近々、君の後援を打ち切ろうと思っていてね」
がしゃん、と落ちた食器がスープに浸かった。ぽかん、と口を開けても、ノックスは冗談とは言わない。
今まで、彼の事業に貢献する成果は提供してきたつもりだった。だが、別の金属から金を作る、という最終目標を達成している訳ではない。
長年、誰も達成してこなかった分野だったからこそ、こんなに早く後援が打ち切られるとは思っていなかった。
「打ち切った後は家からも出てもらう。それを避けたいなら、安い金属から金を作るか。……それか、私の愛人にでもなるかい?」
「は?」
「そうしたら、屋敷にずっと居ても構わないよ。今より広い実験室も用意してあげる」
握り込んだ指が震えた。この男は、俺の研究に理解を示していたはずだ。研究結果を渡した時も、彼の事業でどう活かすかまでわざわざ語ってくれた。
そんな人物が、急に後援を打ち切って、あまつさえ愛人への提案をしてくる事に強烈な違和感があった。俺がそういった関係を嫌っている事は、彼もよく知っている筈だ。
怒りは湧かない。あまりにも意図が見えなさすぎて戸惑っている。
「あんた。そんなこと言う奴だったか?」
「現にいま言っているでしょう」
笑みは仮面だ。彼が外面として作る表情をそのまま貼り付けている。前髪がはらりとこぼれ落ちても、ぴたりと貼り付いた面は崩れない。
俺が何かを仕掛けられていることは分かる。けれど、何を目的にそうしているか全く想像が付かなかった。
「…………成果物を用意する期限は?」
「ひと月。それ以前に愛人になることを決めたのなら、申し出てくれればいいよ」
回答自体が既に試されている。間違った方を選べば、ひと月待たずに放り出される気がした。
目の前のひとが笑っているのに、氷を皮膚に押し付けられているようだ。心細さに胸がぎゅうっと締まった。
彼に世話になり始めてからは、生活も安定して研究を続けられてきた。今までの安寧の中では、抱いたことのない感情だった。
「わかった」
取っ手は無事な食器を引き上げ、少し冷えたスープを口に運ぶ。ざくざくとした生地の食感と、季節の野菜が舌に刺激を与えるのに、感じるべき頭が働かなかった。
世間話のようなものが振られるが、何と返したのかは覚えていない。心ここにあらず、といった状態のまま、美味しいはずの料理を食べ終える。
飲み終えたカップを置いて、視線で合図をして席を立った。
「美味かった」
「『美味かった』ような顔じゃないね」
「誰のせいだ」
立ち上がった俺が前に歩き出そうとすると、ノックスが進路を塞いだ。相手の顔を見上げると、伸びた腕が俺を抱き込む。
朝のそれとは、受け止める感情が違いすぎた。腕の中で藻掻いても、上手く制される。
「なん……!」
「あと、これから『期限』までは君とこうやって触れ合うことにするよ。いずれ愛人になるかもしれないしね」
指が顎に掛かり、くい、と持ち上げられる。目を見開いた瞬間に、唇が重なった。
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