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”さんず”から”やみ”へ
四
しおりを挟む足元さえもまともに照らせない。
携帯の灯りが弱いなどと言うのは全く理由になってない。
此処は恐らくそういう場所なのだ。
光の存在が許されない場所……。
そう思うと恐ろしい。
香織が会った男性はその闇に慣れていて、香織と合流した。
不慣れな私達はどうしようもない。
ソッと匠の服を手探りで掴む。
離れないように。
…………見失わないように。
駅内はまだ明るい。
だが問題はその外だ。
無人の改札を抜けて一歩外に出れば、真っ暗。
踏み出した途端、沈んでしまうかと錯覚する程の闇。
闇は無条件で怖い。
普段。
この平成の世、闇なんてものはそうそう体験しない。
昔の人はよく言ったものだ。
闇にはこの世の者じゃない者が潜んでると…。
人の想像力にこれほど嫌気がさしたことはない。
そんなものがなければ、闇に恐怖するなんて事はないだろう。
人は見えないことに恐怖する。
想像力を掻き立てられてはありもしないものを怖がる生き物だ。
暗いというだけで何もない場所が心霊スポットになったりする。
此処はそんな恐怖を含んでいて、そして実際に居るのだ……。
この世の者じゃないものが。
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