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20、嫉妬
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次の日。昼近くに起きたマリアは遅めの朝食を済ませて、ジークハルトと一緒に店が並ぶ通りへ出かけた。ベルタはお留守番で、楽しんできてくださいと言って見送ってくれた。
馬車の中でもまだ少し眠くて、ジークハルトの肩に自然と寄りかかってしまう。
「すまない。無理をさせすぎたな」
「いえ……わたしも、欲しいと言いましたから……」
昨夜の濃厚な情事を互いに思い出して、二人は顔を赤くして気まずそうに目を逸らす。
(わたしばかり気持ちよくなっている気がするけれど、これでいいのかしら)
基本マリアはただ仰向けになって寝ているだけだ。たまに流れで、四つん這いの格好やうつ伏せの体勢で行うこともある。
だが互いの顔を見られないのが物足りないのか、ジークハルトはすぐに自分の方を向かせて抱くことがほとんどだった。マリアも、ジークハルトの顔が見られないのは寂しいので、向き合ってする方が好きだ。
(わたしからも、何かするべきよね)
いつもジークハルトには犬のように奉仕させてしまい、罪悪感があった。自分もジークハルトの……を舐めた方が平等と言えるのではないだろうか。
(でも、難しそう。それに嫌だと断られたら……)
悶々と考え込んでいたマリアだが、馬車が目的地に到着したことで一度閨事のことは忘れようと頭を切り替えた。
ドレスや帽子、靴など、女性が好みそうな、かつそこそこ値段がする店に入るのをジークハルトは躊躇わなかった。
「ジークハルト様はこちらに来た時、よく足を運んでいましたの?」
女性との付き合いがあったのだろうかというマリアの不安を察してか、ジークハルトが慌てて誤解を解く。
「まさか! 生まれて初めてだ! ……実は、ベルタや女性の使用人たちに訊いて、店を教えてもらったんだ。マリアが好みそうな店を……」
目を丸くするマリアにジークハルトはぼそぼそと気恥ずかしそうに話す。
「その、俺はそういった女性経験が皆無だから、マリアをスムーズにエスコートする自信がなくて、少しでも大人の余裕を見せたくて頑張ったんだが……あなたを誤解させてしまったのならば、申し訳ない」
「あっ、いえ! わたしこそ、疑ってしまってごめんなさい。ジークハルト様のエスコートが完璧で……わたし以外の女性にもそうしたことがあると思うと、胸がモヤモヤしたと言いますか……嫉妬してしまったのです」
マリアの告白にジークハルトは優しい表情をして、ふと顔を曇らせた。
「ジークハルト様?」
「いや、そうした接触はないが、まだ婚約者であったヒルデ嬢には手紙を送っていた」
すまない、と律儀に謝るジークハルトにマリアは困ったように言った。
「それは……仕方ありませんわ。わたしも、以前の婚約者とはお茶をしたり会ったりしていたので……」
むしろ忙しい合間を縫ってジークハルトは少しでも嫁いでくるヒルデの不安を和らげようとしたのだろう。誠実で真面目な彼らしい行動だと思った。……とはいえ、自分に送ったような心を込めた手紙をヒルデももらったのかと思うと、少し、モヤモヤしたが……。
「あの、今も、ヒルデからもらった手紙は、持っていたりしますか」
「いいや。一枚も持っていない」
「えっ、それって」
「返事はもらっていないんだ」
ジークハルトは苦笑いして恐らく読んでいないのだろうと言った。
「ヒルデ嬢が読む前に彼女の両親が目を通すかもしれないと、当たり障りのない内容を書いていたんだが……もしかすると、それもあって、娘にわざわざ読ませる必要はないと破棄した可能性もある」
「そんな……」
しかしあり得る話だ。伯爵夫妻は本当はヒルデを辺境伯家へ嫁がせたくないと思っていたし、ヒルデもエルヴィンのことが好きだったから……。
「あの、ごめんなさい、ジークハルト様。お忙しいなか書いていただいたのに、お返事できず……」
申し訳なくなってマリアが代わりに謝れば、ジークハルトは笑った。
「どうしてあなたが謝るんだ」
別に気にしていないさ、とあっけらかんと言う。
「むしろ今は、それでよかったと思っている。初めて手紙を返してくれた喜びをマリアが教えてくれたからな。……確実にあなたが読むとわかっていたから、少々情熱的に書いたんだ」
自分に宛てた手紙は特別と知り、マリアはじんわりと嬉しさが込み上げる。城へ帰ったらもう一度読み返そう。
「わたしも……ジークハルト様のお手紙を両親やヒルデが読んでいないと知れて、安心している自分がいます」
「そうか。不謹慎だが、マリアが嫉妬してくれたのは嬉しい」
「嬉しいのですか?」
「ああ。俺のことが好きだから嫉妬するのだろう?」
さらりと告げられてマリアの方が顔を赤くする。
だがジークハルトのこういったところも嫌いではないと思った。自分が正直に気持ちを伝えていいか迷うところがあるぶん、彼に伝えられて安心してもいた。
「はい……ジークハルト様のことが好きだから、嫉妬してしまいました」
ジークハルトはマリアの手を握りしめて嬉しそうに笑った。アルミンやヴィリーたちのような無邪気な笑みだった。
「あの~お客様、何かお探しのようでしたら、お伺いしますが」
入店したものの、扉近くから動かず二人はずっと話し込んでいる状況だった。
店員が申し訳なさそうな顔で声をかけてくるのも当然で、二人は慌てて自分たちだけの世界から戻って、店内の品を見て回ることにした。
「――こういうの、マリアに似合うんじゃないか?」
ジークハルトは店員と一緒になってマリアに似合うドレスや帽子をあてがい、勧められるがまま購入を決めて後で屋敷に届けさせるように手配した。
「今度は、ジークハルト様のものを見たいです」
マリアがそう言ったので、次は男性用の店に入っていく。
(これ、ジークハルト様に似合いそう)
トルソーに飾られていたのは全身白の燕尾服であった。本人に言えば恐らく渋るであろう派手さだが、マリアはジークハルトの赤い髪と相まって似合うと思った。というか、マリア自身がこれを着たジークハルトを見たい。
(騎士団の黒い正装もとても素敵だったけれど……こちらも見てみたい)
ジークハルトに頼んだら着てくれるだろうか……と、マリアがジークハルトの方を見ると、彼は鬘などが置いてあるコーナーを熱心に見ていた。
ジークハルトにはまだ早いのではないかとマリアが隣に行くと、彼が見ていたものは鬘ではなかった。
「お髭に興味があるのですか?」
首までのマネキンには、鼻の下につけ髭が付けられていた。
「ああ。実は昔、辺境伯の跡を継いだばかりの頃、付けようかと思ったことがあるんだ。せめて外見だけでも舐められないように、って威厳を出すためにな。普通は自然と生えるんだろうが、なぜか俺は生えない体質でな……。まぁ、つけ髭の方が便利かと思って……」
「それで、付けたのですか?」
腰を屈めて見ていたジークハルトは姿勢を正した。
「いいや。みんなに絶対やめろって言われて結局付けなかった。ラウルにも外見だけ取り繕っても意味ないって言われて、それもそうかと思った」
マリアも同じ意見だった。似合わないことはないだろうが、ジークハルトの凛々しい顔に髭は早い気がした。まだ、付けていない時の顔を見ていたい。
「今なら、多少経験もついたから、試しに挑戦してみてもいいかと思うんだが……」
「ジークハルト様は、今のままで十分素敵ですわ」
「そ、そうか?」
「はい!」
マリアが自身を持って答えれば、彼は照れたように頬をかく。
「じゃあ、今はまだやめておく」
今はまだ、ということは数年後にまた挑戦するのだろうか。その時もこの店に足を運び、自分はジークハルトの隣にいるのだろうか。
(だったらいいな……)
マリアがそう思ってジークハルトの手に触れると、彼はどうした? と優しい声で訊いた。
「疲れたか? なら少し休もうか」
「はい。ジークハルト様も一緒に」
もちろんだと言うように彼に手を握られる。
「休んだら少し通りを散歩して、夕食はレストランで食事して帰ろう」
幸せでもう十分だと思っていたのに、いつの間にか欲が出ている自分にマリアは気づく。
(ジークハルト様の隣にいたい)
もっと彼に自分を求めてほしいと……。
馬車の中でもまだ少し眠くて、ジークハルトの肩に自然と寄りかかってしまう。
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「いえ……わたしも、欲しいと言いましたから……」
昨夜の濃厚な情事を互いに思い出して、二人は顔を赤くして気まずそうに目を逸らす。
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基本マリアはただ仰向けになって寝ているだけだ。たまに流れで、四つん這いの格好やうつ伏せの体勢で行うこともある。
だが互いの顔を見られないのが物足りないのか、ジークハルトはすぐに自分の方を向かせて抱くことがほとんどだった。マリアも、ジークハルトの顔が見られないのは寂しいので、向き合ってする方が好きだ。
(わたしからも、何かするべきよね)
いつもジークハルトには犬のように奉仕させてしまい、罪悪感があった。自分もジークハルトの……を舐めた方が平等と言えるのではないだろうか。
(でも、難しそう。それに嫌だと断られたら……)
悶々と考え込んでいたマリアだが、馬車が目的地に到着したことで一度閨事のことは忘れようと頭を切り替えた。
ドレスや帽子、靴など、女性が好みそうな、かつそこそこ値段がする店に入るのをジークハルトは躊躇わなかった。
「ジークハルト様はこちらに来た時、よく足を運んでいましたの?」
女性との付き合いがあったのだろうかというマリアの不安を察してか、ジークハルトが慌てて誤解を解く。
「まさか! 生まれて初めてだ! ……実は、ベルタや女性の使用人たちに訊いて、店を教えてもらったんだ。マリアが好みそうな店を……」
目を丸くするマリアにジークハルトはぼそぼそと気恥ずかしそうに話す。
「その、俺はそういった女性経験が皆無だから、マリアをスムーズにエスコートする自信がなくて、少しでも大人の余裕を見せたくて頑張ったんだが……あなたを誤解させてしまったのならば、申し訳ない」
「あっ、いえ! わたしこそ、疑ってしまってごめんなさい。ジークハルト様のエスコートが完璧で……わたし以外の女性にもそうしたことがあると思うと、胸がモヤモヤしたと言いますか……嫉妬してしまったのです」
マリアの告白にジークハルトは優しい表情をして、ふと顔を曇らせた。
「ジークハルト様?」
「いや、そうした接触はないが、まだ婚約者であったヒルデ嬢には手紙を送っていた」
すまない、と律儀に謝るジークハルトにマリアは困ったように言った。
「それは……仕方ありませんわ。わたしも、以前の婚約者とはお茶をしたり会ったりしていたので……」
むしろ忙しい合間を縫ってジークハルトは少しでも嫁いでくるヒルデの不安を和らげようとしたのだろう。誠実で真面目な彼らしい行動だと思った。……とはいえ、自分に送ったような心を込めた手紙をヒルデももらったのかと思うと、少し、モヤモヤしたが……。
「あの、今も、ヒルデからもらった手紙は、持っていたりしますか」
「いいや。一枚も持っていない」
「えっ、それって」
「返事はもらっていないんだ」
ジークハルトは苦笑いして恐らく読んでいないのだろうと言った。
「ヒルデ嬢が読む前に彼女の両親が目を通すかもしれないと、当たり障りのない内容を書いていたんだが……もしかすると、それもあって、娘にわざわざ読ませる必要はないと破棄した可能性もある」
「そんな……」
しかしあり得る話だ。伯爵夫妻は本当はヒルデを辺境伯家へ嫁がせたくないと思っていたし、ヒルデもエルヴィンのことが好きだったから……。
「あの、ごめんなさい、ジークハルト様。お忙しいなか書いていただいたのに、お返事できず……」
申し訳なくなってマリアが代わりに謝れば、ジークハルトは笑った。
「どうしてあなたが謝るんだ」
別に気にしていないさ、とあっけらかんと言う。
「むしろ今は、それでよかったと思っている。初めて手紙を返してくれた喜びをマリアが教えてくれたからな。……確実にあなたが読むとわかっていたから、少々情熱的に書いたんだ」
自分に宛てた手紙は特別と知り、マリアはじんわりと嬉しさが込み上げる。城へ帰ったらもう一度読み返そう。
「わたしも……ジークハルト様のお手紙を両親やヒルデが読んでいないと知れて、安心している自分がいます」
「そうか。不謹慎だが、マリアが嫉妬してくれたのは嬉しい」
「嬉しいのですか?」
「ああ。俺のことが好きだから嫉妬するのだろう?」
さらりと告げられてマリアの方が顔を赤くする。
だがジークハルトのこういったところも嫌いではないと思った。自分が正直に気持ちを伝えていいか迷うところがあるぶん、彼に伝えられて安心してもいた。
「はい……ジークハルト様のことが好きだから、嫉妬してしまいました」
ジークハルトはマリアの手を握りしめて嬉しそうに笑った。アルミンやヴィリーたちのような無邪気な笑みだった。
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店員が申し訳なさそうな顔で声をかけてくるのも当然で、二人は慌てて自分たちだけの世界から戻って、店内の品を見て回ることにした。
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ジークハルトは店員と一緒になってマリアに似合うドレスや帽子をあてがい、勧められるがまま購入を決めて後で屋敷に届けさせるように手配した。
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マリアがそう言ったので、次は男性用の店に入っていく。
(これ、ジークハルト様に似合いそう)
トルソーに飾られていたのは全身白の燕尾服であった。本人に言えば恐らく渋るであろう派手さだが、マリアはジークハルトの赤い髪と相まって似合うと思った。というか、マリア自身がこれを着たジークハルトを見たい。
(騎士団の黒い正装もとても素敵だったけれど……こちらも見てみたい)
ジークハルトに頼んだら着てくれるだろうか……と、マリアがジークハルトの方を見ると、彼は鬘などが置いてあるコーナーを熱心に見ていた。
ジークハルトにはまだ早いのではないかとマリアが隣に行くと、彼が見ていたものは鬘ではなかった。
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「それで、付けたのですか?」
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マリアも同じ意見だった。似合わないことはないだろうが、ジークハルトの凛々しい顔に髭は早い気がした。まだ、付けていない時の顔を見ていたい。
「今なら、多少経験もついたから、試しに挑戦してみてもいいかと思うんだが……」
「ジークハルト様は、今のままで十分素敵ですわ」
「そ、そうか?」
「はい!」
マリアが自身を持って答えれば、彼は照れたように頬をかく。
「じゃあ、今はまだやめておく」
今はまだ、ということは数年後にまた挑戦するのだろうか。その時もこの店に足を運び、自分はジークハルトの隣にいるのだろうか。
(だったらいいな……)
マリアがそう思ってジークハルトの手に触れると、彼はどうした? と優しい声で訊いた。
「疲れたか? なら少し休もうか」
「はい。ジークハルト様も一緒に」
もちろんだと言うように彼に手を握られる。
「休んだら少し通りを散歩して、夕食はレストランで食事して帰ろう」
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