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第4章
第2話(1)
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「莉音せんせ~! 見て見てぇ、かなり可愛くできたち思わん?」
今日のノルマを終えて片付けに入った莉音の許に、数人の女子高生がやってきた。それぞれのタッパーには、今日作ったトマトカレーやコブサラダが盛りつけられている。具材のジャガイモや人参、アボカドなどが、いずれも星やハートの形になっていた。
「わあ、可愛いね。すごく上手にできてる」
「でしょ、でしょ? せっかくなら見た目にもこだわりたいなっち思うち、家から型抜き持っちきたん」
ジャガイモとかは、煮てるうちに結構崩れちゃったけどと笑う。
「うん、でもすごくいいと思う。作る人も食べる人も、味だけじゃなくて見た目も華やかなほうが楽しいしね」
「だよね! ユナ、全然料理やらしたことなかったけど、今日、すんごい楽しかったけん。お父さんも『おまえが料理教室ぅ?』とかメッチャバカにしちょったけんど、そんわりに嬉しそうにしちょってさ」
「今日作ったの持って帰ったら、お父さんもお母さんも喜ぶね。よかったら、今度家でも作ってあげてね」
「うん、そうするぅ。なんか、思うたより難しゅうなかったし」
「え、けどあんた、包丁持つ手ヤバかったやん」
「それ言うたら、そっちも一緒やろ!」
お互いに言い合って、賑やかに笑う。莉音もつられて小さく笑った。
「刃物使うときは注意が必要だけど、意外と簡単にできるレシピとか結構あるから、この機会に料理に興味持ってもらえたら嬉しいな」
「持った持った! だって莉音先生の料理教室、家庭科ん調理実習よりずっと楽しいもん!」
「だよね。家庭科ん授業、莉音先生が受け持ちやったらよかったにぃ」
そんな、と莉音は苦笑した。
「僕もまだ勉強することだらけだよ。ほとんど趣味の延長みたいなものだから」
「え~、でも、こんだけできたら充分やち思う」
「そうだよ。莉音先生、うちらとあんま歳変わらんやろ?」
「えっと、もうすぐ二十歳、かな」
それを聞いた女子高生たちは、「ほら~!」と騒ぎ立てた。
「やっぱそうやん。ってか、まだ十代!? うちらと三つくらいしか変わらんの?」
ヤバくない?と口々に騒ぐので、莉音はたじたじになってしまった。合間に、帰っていく参加者たちから挨拶を受け、お気をつけてと返事をする。
「ねえねえ、莉音先生、いつまで大分におるん? そのうち東京に帰っちしまうんやろ?」
「あ、うん。まだはっきりとは決まってないけど、そのうちには……」
「え~、ずっとこっちにおったらいいにぃ」
「料理教室やらもずっとつづけちほしい。お盆期間中だけやら、あり得ん!」
「ねえ、先生、SNSんアカウントやら、ねえん? あたしいくつか持っちょんけん、どれでもいいちゃ」
「あ、えっと僕、そういうのはやってなくて」
「いまどきっ!? 絶対嘘やん。天然記念物」
「もったいな~い! 作った料理やらいっぱい上げたら、あっちゅうまに大人気ちゃ。先生、超イケメンやし。っちゅうか、芸能界からスカウトやら来るんじゃねえ?」
「先生やったら、普通に道歩きよんだけでスカウトされそう」
「いや、全然そんなことは……」
「いいなぁ、都会ん暮らし。メッチャ憧るる。なぁなぁ、東京ってどげなとこ? テレビで見るんと変わらん?」
「たぶん……。でも実際に住んじゃうと、そんな極端には違わないんじゃないかな。都心部はともかく、僕がもともと住んでたところも、こことそんなに変わらないよ?」
「や~、ウソウソ、絶対そんなわけねえっち! 大体先生、言葉もだけど、物腰からしち、うちらと全然違うやん。なんやろ、あれ、洗練されちょん感じ?」
「あ~、わかるぅ。都会オーラがすごいんでなぁ」
「都会オーラって……」
莉音は苦笑いした。
今日のノルマを終えて片付けに入った莉音の許に、数人の女子高生がやってきた。それぞれのタッパーには、今日作ったトマトカレーやコブサラダが盛りつけられている。具材のジャガイモや人参、アボカドなどが、いずれも星やハートの形になっていた。
「わあ、可愛いね。すごく上手にできてる」
「でしょ、でしょ? せっかくなら見た目にもこだわりたいなっち思うち、家から型抜き持っちきたん」
ジャガイモとかは、煮てるうちに結構崩れちゃったけどと笑う。
「うん、でもすごくいいと思う。作る人も食べる人も、味だけじゃなくて見た目も華やかなほうが楽しいしね」
「だよね! ユナ、全然料理やらしたことなかったけど、今日、すんごい楽しかったけん。お父さんも『おまえが料理教室ぅ?』とかメッチャバカにしちょったけんど、そんわりに嬉しそうにしちょってさ」
「今日作ったの持って帰ったら、お父さんもお母さんも喜ぶね。よかったら、今度家でも作ってあげてね」
「うん、そうするぅ。なんか、思うたより難しゅうなかったし」
「え、けどあんた、包丁持つ手ヤバかったやん」
「それ言うたら、そっちも一緒やろ!」
お互いに言い合って、賑やかに笑う。莉音もつられて小さく笑った。
「刃物使うときは注意が必要だけど、意外と簡単にできるレシピとか結構あるから、この機会に料理に興味持ってもらえたら嬉しいな」
「持った持った! だって莉音先生の料理教室、家庭科ん調理実習よりずっと楽しいもん!」
「だよね。家庭科ん授業、莉音先生が受け持ちやったらよかったにぃ」
そんな、と莉音は苦笑した。
「僕もまだ勉強することだらけだよ。ほとんど趣味の延長みたいなものだから」
「え~、でも、こんだけできたら充分やち思う」
「そうだよ。莉音先生、うちらとあんま歳変わらんやろ?」
「えっと、もうすぐ二十歳、かな」
それを聞いた女子高生たちは、「ほら~!」と騒ぎ立てた。
「やっぱそうやん。ってか、まだ十代!? うちらと三つくらいしか変わらんの?」
ヤバくない?と口々に騒ぐので、莉音はたじたじになってしまった。合間に、帰っていく参加者たちから挨拶を受け、お気をつけてと返事をする。
「ねえねえ、莉音先生、いつまで大分におるん? そのうち東京に帰っちしまうんやろ?」
「あ、うん。まだはっきりとは決まってないけど、そのうちには……」
「え~、ずっとこっちにおったらいいにぃ」
「料理教室やらもずっとつづけちほしい。お盆期間中だけやら、あり得ん!」
「ねえ、先生、SNSんアカウントやら、ねえん? あたしいくつか持っちょんけん、どれでもいいちゃ」
「あ、えっと僕、そういうのはやってなくて」
「いまどきっ!? 絶対嘘やん。天然記念物」
「もったいな~い! 作った料理やらいっぱい上げたら、あっちゅうまに大人気ちゃ。先生、超イケメンやし。っちゅうか、芸能界からスカウトやら来るんじゃねえ?」
「先生やったら、普通に道歩きよんだけでスカウトされそう」
「いや、全然そんなことは……」
「いいなぁ、都会ん暮らし。メッチャ憧るる。なぁなぁ、東京ってどげなとこ? テレビで見るんと変わらん?」
「たぶん……。でも実際に住んじゃうと、そんな極端には違わないんじゃないかな。都心部はともかく、僕がもともと住んでたところも、こことそんなに変わらないよ?」
「や~、ウソウソ、絶対そんなわけねえっち! 大体先生、言葉もだけど、物腰からしち、うちらと全然違うやん。なんやろ、あれ、洗練されちょん感じ?」
「あ~、わかるぅ。都会オーラがすごいんでなぁ」
「都会オーラって……」
莉音は苦笑いした。
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