スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん

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壁に耳あり障子に目あり異世界では影に耳あり、影に目あり

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「ところでナイトよ、どうやら王子の周りが本格的にきな臭い状態らしいがなにかきいとるか?」

「いや、警戒はしてるけど特には聞いてないな。今のところ俺等に実害がないから知らないだけかもしれないけど」

「なるほどの、ならばもしかしたら襲撃もあるかもしれんから気を付けておくんじゃぞ」

「あ~ありがとう。気を付けておくよ。今より警戒も強くするし」

 どうやら王子の周りで一悶着ありそうだな。つまり例のエルフにも会う可能性があるわけだな。問題は早く終わるに越したことはないんだが。
 どう動くべきかな。しばらくはウルフのみんなにも警戒してもらおうかな。それと、念の為にみんなにマーキングしておこう。マーキングしておけば最悪場所もわかるし、リルの影移動ですぐに追いつけるはずだ。

 ドボスから警告を受けて数日、スキルの練習をしていると、とうとう王子の方が動き出した。城内にいる半数以上の兵を使いクーデターを始めたのだ。

 王子の言い分としては、力を持つものはその力をもって国の上に立たねばならない、だが父は臆病に上に立とうとせず更には周りの国にすがろうとする臆病者であると、だからこそ父に代わり私がこの国の力を世界に知らしめる為にも父には王の座から引いてもらうとのこと。

 聞いている限りよほどなにか力に自信があるらしいが、たとえ力があったとしてもそのやり方では絶対に無茶がたたるとわからないのだろうか?あるいはエルフにそそのかされて今言っていることを理解できていないのか?いずれにせよこのままでは、王の身が危険だ。ここは一旦引いて状況を見守るとしよう。

 王は今執務室で信頼できる者と数名の兵士と共に部屋にこもっているみたいだ。俺はさっそくリルと共に影移動で王の下へとむかった。
 最近スキルの練習でリルに触れながらであれば俺のマーキングをリルも共有出来るようで狙った人の下へと移動出来るようになったのだ。今回はそれを使い、王の下へと移動して王子に捕まる前に信頼できる者と兵士を連れて、事前に用意しておいた部屋に逃げ込むことにする。

「王子がクーデターをついにはじめました。ここは一旦引いて状況を確認するのが得策かと、今みたいに俺のスキルで今なら脱出もすぐ出来ます。信用してもらえるなら、付いてきてください」

 王達も、危険度の高さを理解し思ったより素直に付いてきてくれた。良かった、ここで無駄な時間とかくったら本当に捕まる可能性が高かった。


 そして移動した先は、リザ達用に用意した部屋の更に地下に作った秘密基地である。この部屋の存在は俺の仲間しかしらない。

「いつの間にこんな部屋を城の中に、しかし今は助かるか。ここでなら城の中の様子も調べようもあるであろう」

 ナイト達が避難したあと部屋の前では何人もの兵士が待機していた。

「王よ、あなたの時代はもう古いのだ。これからはあなたに代わりこの息子が軍から民を率いて新しい国家を導いていく。あなたにはその座を退いてもらおう」

 避難したあと、クーデターの様子が気になりリルと一緒に先程の部屋の影に潜み様子をうかがっていた。

 完全に自分が正義だと信じてやまないみたいだな。その勝手な正義で犠牲になるのは自分でなく周りの兵士や民だと理解しているのだろうか?

「えい、お前たち王はこちらの話が、理解できないほど耄碌してしまったらしい。無言であるのがその証拠だ、構わない新たな王として命じるこの扉をこじ開け愚王を捕らえよ。そうすることがこれからのこの国が繁栄に進む第一歩である。」

 この王子はどれだけ自分に都合のいい夢を見ているんだ。どう考えても愚策としか考えられないんだが、それと悪いが無言なのは誰もいないからだからな、無人なことをあいつらは知らないから仕方ないが見てる側としては滑稽だな。誰も聞いていないのに熱く自分の、理想を語っている姿は

 ドーン、ドーンと扉を突き破ろうとする音が響き渡る。何度目かの激しい音が響き渡りそしてついにドガンと扉が突破されてしまい、部屋に兵士たちがぞろぞろ入り部屋の中を囲んでいく。そして、最後に王子が入ってきて誰もいない部屋に悪態をつきながらやってくるが誰もいないことに唖然とする。

「おい、お前らあの愚王はどこに行ったんだ?この部屋にいたのは確認したのだろ?一体どこにいるというんだ」

「はい、この部屋に数人が集まっているのを確認して、それから誰も出ていないのを確認しております」

「ならばどこに行ったと言うのだ、ここにいないということはお前らの、目を盗み出ていったということだろう。その目はなにを見ていたんだ」

 兵士には悪いが当たり前だよな、部屋にいながらおれが移動させたんだからな。いなくなるのを見ていなくて当たり前だ

「そう簡単に城から出れるわけがない。城のありとあらゆる場所を隅々まで探して私の目の前に引きずり出してこい」

 簡単に見つからないとは想うが警戒しておこう。それにしてもこのスキルはいいな。情報収集には最適だな、影さえあればいけるのだから

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