【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「でもね? 確かに客観的に考えるなら、次はそうくるものなのよ」

 全くわけの分かっていないリアーヌを置き去りに、ビアンカはいつになく熱のこもった言葉で言い募っていく

「……そう、なんだー?」

 早々に理解することを諦めたリアーヌは、少し澄ましたような顔を取り繕うと、適当な相槌を打って話の続きを促した。

「もはや定石ね。 どうして今まで気がつかなかったのかしら……」
「見落としってあるよねー?」

 リアーヌはそう言いながらもビアンカの話を理解しようとするのだが、全く話が見えず、唯一分かったことは、この世界にも“定石”と呼ばれるものがあると言うことだけだった。

(確か囲碁が語源のはずでーーこりゃ困った時の西の果ての国案件ですな……)

 リアーヌはそう考えながらクスリと忍び笑いを漏らしつつ納得したように数回頷く。

「いいお話なのは分かってるのよ?」
「ーーあ、いい話なんだ?」
「そうよいいお話なの! だって研究学科への進学を認めてもらえて、家のことに触りがでない程度であるならば研究自体を続けることもできる!」
「ーーえ、なにそれめっちゃ凄いじゃん⁉︎」
「ーー……ええ、そうね。 本当に凄いことなのよ……だって実家はすぐ隣の領で後ろ盾だって大きくていらっしゃるーーお人柄も文句はないわ」

(ーーえっ? 実家にお人柄って……しかもさっきの条件……⁉︎ これってつまりーー)

「けど全てリアーヌのせいだと思っているわ?」

 スンッ……と一気に表情を無くしたビアンカにそう言われ、
「ーーええ……? あの……婚約しました的な話じゃないの……?」
「ーー期待が重すぎるのよ……」

 そう言ったビアンカは再び大きなため息をついて頭を抱えてしまった。
 
「ごめんなさいビアンカ先生。 なんの話かサッパリです……」

 先程とは全く違う、演技とは思えない嘆きを含んだため息を吐くビアンカに、リアーヌは肩すくめながら気まずげに言った。
 たとえ呆れられたとしても、こんなに悩んでいるビアンカの話をきちんと理解したいと思ったからだったのだがーー

「私だってどうしたらいいのかサッパリよ……」

 ビアンカはチラリとリアーヌに視線を投げかけただけで、また頭を抱えてしまった。
 どうやらグチを言う気はあっても、詳しい説明をする気は全くないようだった。

「えっと……確認なんだけど、これっていい話ーーでいいんだよね……?」

 うなだれるビアンカの顔を覗き込むようにしてたずねるリアーヌに、ビアンカはかすかに顔を上げると、大きく息を吸い込む。
 そしてーー

「はあああぁぁぁぁ……っ」

と、盛大にため息をついて見せたのだった。

「ええー……?」

(本当はいい話じゃない……? ーーでも前にチラッと、研究を続けてもいいって言ってくれる方とご縁があれば……って言ってたし、しかも人柄もいいって自分で言ったのに……? 一体どういうことなの……⁇)

 目の前で嘆くビアンカにリアーヌは首を傾げることしかできなかった。
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