【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「ーーほう……?」

 その言葉で、今度は裏の取れている確実な情報だということをすぐさま察知したフィリップは、ギラリと瞳を輝かせゼクスを見据えた。

「彼女、入学ギリギリまで自分の家で暮らしてますよ」

 ゼクスの言葉にザワリ……と、ざわめきが部屋の中に広がる。

「……なんだと?」

 不可解な顔で声を上げたフィリップに肩をすくめただけで返したゼクスは、さらに詳しい情報で補足する。

「それが養子に出す条件の一つだったようで」
「……常識が無いないのはそういう事情だから、か……?」

 呆れたように吐き捨てるフィリップ。

「ーーではなぜ入学を許したんでしょう……?」

 戸惑うようなパトリックの疑問に、フィリップが鼻を鳴らしながら口を開く。

「なぜか……は不明だが、今の問題のほぼ全ての原因はフォルステル家にありそうだな」
「ーー他に横槍を入れられる前に、彼女を手に入れたかったんでしょうねぇ……」

 彼女が住んでた村、フォルステル領ですから……と続けながら、紅茶を口を含むゼクス。
 その言葉に目を釣り上げたのはレジアンナだった。

「呆れましたわ……そんな理由だけで、なんの教育も施していない方を伯爵家の一員だと認めましたの⁉︎」
「ーー認めざるを得なかった、だろうな……」

 フィリップは宥めるようにレジアンナの手に自分の手を重ねながら言った。

「確かに……その状況で、ほかの家に彼女を奪われていたとすれば伯爵家としてはいい赤っ恥ですね……?」

 パトリックの言葉に皆が沈黙という手段でその言葉を肯定した。

「ーーつまり今の現状は、他家たけに付け入る隙を作りたくなかったフォルステル家の勇足の結果、ということか?」
「……まさか、命綱となりえたはずの侍女を断られるとは考えていなかったんでしょうねぇ?」
「あの年頃の娘一人、言いくるめられませんか……」

 フィリップ、ゼクス、レオンと、攻略対象の三人が、立て続けに冷たい声色で吐き捨てるように言う姿を見て、リアーヌはスコシトの恐れとともに、ある疑問に内心で首を傾げていた。

(……あれ? なんでこの人たちの中で、ユリアの評判がこんなに低いんだ……? 恋愛感情は置いておいたとしても、嫌がらせされてたら婚約者そっちのけで助けちゃうぐらいの存在ですよね……? ーーえ、元々裏ではこんな会話が繰り広げられていた……? それで表ではあのキャッキャッウフフだったの⁉︎ ……これ、ゲームスタート時の優しさは80%ぐらい打算だったんじゃ……? え、やめてやめて。 乙女の夢ぶっ壊さないで⁉︎)
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