【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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「招待状が無い人はパーティーに来られないとでも言いたいの⁉︎」

 遠くから聞こえてくるユリアの怒声に耳をそば立てながら、リアーヌは隣でワイングラスを口につけているゼクスにヒソヒソと話しかけた。

「……来られませんよねぇ?」
「来られても困っちゃうかなー……」

 その周りでリアーヌたちと同じように騒動を見つめている者たちは顔を見合わせ、同意するように肩をすくめあった。

 ーー今や参加者たちのほとんどの注目を集めるほどに、レジアンナの注意は、大騒動へと発展してしまっていた。

「貴族だからってそんな差別していいと思ってるの⁉︎」

 ーーつい最近、貴族の仲間入りをした少女の発言内容と、その声量のせいで。

「……差別?」
「――区別、かな? いくらここが国で一番安全な場所だと言っても、勝手にやってくる不審者を全員入れていたら大変なことになる」

 リアーヌの疑問に答えたつもりのゼクスだったが、その言葉に周りにいた多くの人たちが頷いたのを見て、少し照れくさそうにグラスを掲げた。

「さっきから偉そうに! 貴女だってまだ子供でしょう⁉︎ 正式な貴族でも無いくせに!」

 その言葉に、会場のあちこちから非難めいた吐息が漏れ聞こえてきた。

「……確かにレジアンナは偉そうですけど……」
「――実際に偉いんだよねぇ……? 現ミストラル侯爵家の長女にして、未来のラッフィナート公爵夫人だし……ーー法律上“貴族”とされているのはその家の当主と夫人だけだけど……ーーあの法律は、貴族階級の未成年たちの暴走を防ぐ為のものであって、平民同等に扱っても構わないーーって法律じゃ無いんだけど……あの子にはそんな知識とか無いんだろうなぁ……」

 ゼクスの言葉にリアーヌがうわぁ……と、ドン引きの表情で答え、その周りもリアーヌほどでは無かったが、顔をしかめ、不快感をあらわにしていた。

「恥知らずはアンタのほうじゃないっ!」

 一際大きな叫び声がホールの中に響き渡り、その反響の高さから小さく何回かリフレインされる。

「ーーあ、フォルステル伯爵だ」
「……スッ飛んで行きましたね?」
「……どこにいたんだか。 対応がお粗末すぎる」

 吐き捨てるように言ったゼクスの言葉に、リアーヌも肩をすくめて同意して見せる。

 平民から貴族のお嬢様という、ある意味ではユリアと似たような境遇のリアーヌだったからこそ、教育の大切さは嫌というほど理解していたし、周囲の手助けは絶対的に必要だと考えていた為だ。
 フォルステル家が教育も施さず、ユリアを単身で学院に送りつけたことを、快く思っていなかった。
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