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「ほぁ……⁉︎」
「ーーあ、でも一回じゃ少ないかなぁ……?」
そんなゼクスの発言にリアーヌは抗議するように大きく目を見開く。
しかしその瞳がとらえたゼクスの瞳は赤く輝いていてーー
「ちょ……なん、いま⁉︎」
途切れ途切れに抗議の声を上げているリアーヌにズイッと身体を密着させたゼクスが、その耳元で囁いた。
「ーーね? もっかいしよ……?」
(だから! 色気を引っ込めろお色気担当っ!)
リアーヌが声にならない悲鳴を上げていると、再びその耳にゼクスのクスクスと笑う声が聞こえ、リアーヌは動きを止めた。
「……リアーヌ、目閉じて?」
「ちょ……」
「黙って……」
「ぁ……」
ゼクスの赤い瞳がリアーヌに段々と近づいていき、それから逃れるように瞳を閉じるリアーヌ。
ーーそして二人の間の距離がもう間も無く無くなる、その瞬間ーー
ガチャリ。
と、音がして馬車のドアが開け放たれた。
「ーーおかえりなさいませお嬢様」
そう声をかけたのはヴァルムで……
「ーーひょわあぁぁぁっ⁉︎」
リアーヌはそんな奇声と共に、ゼクスの身体を全力で突き飛ばしていた。
「グゥッ⁉︎」
いきなり突き飛ばされ、馬車の反対側の壁に叩きつけられるゼクス。
「ーーあ、ごめんなさ……」
ゼクスの呻き声に、自分の行動を自覚したのか、オロオロとゼクスに手を伸ばすリアーヌだったが、そんなリアーヌの手を掴みながらヴァルムが誇らしそうに口を開く。
「ーーお見事にございまする、お嬢様。 さ、お早くこちらに……」
「や、でも……」
そんなヴァルムと向かい側の座席の上でうめいているゼクスを交互に見つめながら、リアーヌは戸惑いの声をあげる。
「……遠回りさせるべきだったな」
そんな苦々しいゼクスの声が聞こえてきて、ヴァルムは不愉快そうに眉を顰め、リアーヌは(あ、意外に元気そう……)と安堵の表情を浮かべた。
「ーー次回からは当家の馬車にてお送り頂きますよう」
ヴァルムは、そう冷たい視線でゼクスに言いながら、リアーヌを手を優しく引いた。
「いやいや、婚約者のエスコートをそちらの馬車でするのは……」
ようやく痛みが引いたのか、ゼクスは笑顔を浮かべながら衣服の乱れを治し始める。
「ーーエスコート……? 男爵のそれは私の認識とは大きく異なるようで……?」
ヴァルムはそう答えながらリアーヌを安心させるように優しい笑顔を向ける。
「……普通、もう少しくらい待ってくれたって……」
「ーーなにか?」
「いいえ、なんでも?」
そう答えながらゼクスは馬車を降りようとしているリアーヌの腕を引いて、自分が先に出ようとした。
ーーしかし外にいたヴァルムが、文字通り目の前に立ち塞がりそれを阻止する。
「ーーあ、でも一回じゃ少ないかなぁ……?」
そんなゼクスの発言にリアーヌは抗議するように大きく目を見開く。
しかしその瞳がとらえたゼクスの瞳は赤く輝いていてーー
「ちょ……なん、いま⁉︎」
途切れ途切れに抗議の声を上げているリアーヌにズイッと身体を密着させたゼクスが、その耳元で囁いた。
「ーーね? もっかいしよ……?」
(だから! 色気を引っ込めろお色気担当っ!)
リアーヌが声にならない悲鳴を上げていると、再びその耳にゼクスのクスクスと笑う声が聞こえ、リアーヌは動きを止めた。
「……リアーヌ、目閉じて?」
「ちょ……」
「黙って……」
「ぁ……」
ゼクスの赤い瞳がリアーヌに段々と近づいていき、それから逃れるように瞳を閉じるリアーヌ。
ーーそして二人の間の距離がもう間も無く無くなる、その瞬間ーー
ガチャリ。
と、音がして馬車のドアが開け放たれた。
「ーーおかえりなさいませお嬢様」
そう声をかけたのはヴァルムで……
「ーーひょわあぁぁぁっ⁉︎」
リアーヌはそんな奇声と共に、ゼクスの身体を全力で突き飛ばしていた。
「グゥッ⁉︎」
いきなり突き飛ばされ、馬車の反対側の壁に叩きつけられるゼクス。
「ーーあ、ごめんなさ……」
ゼクスの呻き声に、自分の行動を自覚したのか、オロオロとゼクスに手を伸ばすリアーヌだったが、そんなリアーヌの手を掴みながらヴァルムが誇らしそうに口を開く。
「ーーお見事にございまする、お嬢様。 さ、お早くこちらに……」
「や、でも……」
そんなヴァルムと向かい側の座席の上でうめいているゼクスを交互に見つめながら、リアーヌは戸惑いの声をあげる。
「……遠回りさせるべきだったな」
そんな苦々しいゼクスの声が聞こえてきて、ヴァルムは不愉快そうに眉を顰め、リアーヌは(あ、意外に元気そう……)と安堵の表情を浮かべた。
「ーー次回からは当家の馬車にてお送り頂きますよう」
ヴァルムは、そう冷たい視線でゼクスに言いながら、リアーヌを手を優しく引いた。
「いやいや、婚約者のエスコートをそちらの馬車でするのは……」
ようやく痛みが引いたのか、ゼクスは笑顔を浮かべながら衣服の乱れを治し始める。
「ーーエスコート……? 男爵のそれは私の認識とは大きく異なるようで……?」
ヴァルムはそう答えながらリアーヌを安心させるように優しい笑顔を向ける。
「……普通、もう少しくらい待ってくれたって……」
「ーーなにか?」
「いいえ、なんでも?」
そう答えながらゼクスは馬車を降りようとしているリアーヌの腕を引いて、自分が先に出ようとした。
ーーしかし外にいたヴァルムが、文字通り目の前に立ち塞がりそれを阻止する。
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