【完結】成り上がり令嬢暴走日記!

笹乃笹世

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(ーーそりゃそうだよね? だってラッフィナートの買い付けって、でっかい船五隻ぐらい繋げてたどデカい商船団で行くって話だし……ーーそんな規模……その辺のお店じゃ太刀打ちできないんだろうなぁ……)

「船動かすのってお金かかるみたいだもんね?」
「それもそうだが、うちで捌ける量なんてたかが知れてる。 ラッフィナートみてぇに大量に買い付けたって捌き切れねぇ」
「あー、そう言う問題も……」
「だから頼むよ嬢! バイト代はずむから」
「ーー本当?」
「任せろ!」

 ーーリアーヌは現在、アウレラ旅行に向け、自分で自由自在に使える“おこずかい”という金銭に、とても飢えていた。

(今度は絶対に好きに買い食いしてやるんだから……! 前回はアンナさんにお財布を握られてたから諦めたものも、今回は全部自分のお金で食べ尽くしてやるんだからー!)

 リアーヌの心がバイトを受けるほうにだいぶ傾き始めた頃、ザームがボソリとリアーヌに声をかけた。

「ーー姉ちゃん、あんまやりすぎるとデザート……」
「ーーそれは絶対ダメ」

 ザームの指摘にキッパリと答えたリアーヌだったのだが……

「……やっぱ、ダメかー?」

 その言葉にヨッヘムは大きく肩を落とし、情けない声を上げた。

「あ、いや……えっとーーゼクス様に聞いて許可が降りたら、そのバイト受けるってことでも良い?」

「弾む!」と断言されたバイト代を諦めたく無かったリアーヌは、考えを巡らせて自分にとって一番良いであろう方法を提案した。

「おおお⁉︎ 全然かまわねぇよ! 聞いてもらえるだけでありがてぇ!」
「……ちなみになんだけど、どんなスパイスが欲しいの?」
「んー? そりゃどこにでも売ってるよく見るスパイスでかまわねぇんだよ。 ってのが、売れる条件なんだから……ーーそうだな胡椒は絶対として……あとは、ナツメグ、レッドペッパー……生姜にローリエなんかも、よく売れるな?」
「……本当にその辺で見るスパイスだね……?」
「人気が高いから、その辺でよく見るんだ」
「……なのにわざわざ買い付けてくる必要がある……?」
「あるある! ものにもよるが、全く別物に感じるくらい変わるスパイスもあるぐれぇだ。 味にうるさい店はもちろん、その辺の美食家気取ってる奴らも、アウレラで売ってるスパイスを欲しがるんだぞ?」
その言葉にリアーヌとザームは顔を見合わせる。

「ーーうちは安いので良いよね?」
「だな? そんなもん無くても、うちの料理は美味うめぇ」

 ――ボスハウト家のシェフが、好んでアウレラで買い付けられたスパイスを使っている、という事実は知らないようだった……
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