772 / 1,038
772
しおりを挟む
「……おう。 無理はすんなよ?」
リアーヌからの提案に頷いた船員だったが、すぐさま仲間たちと視線を交わし合い、心配そうな顔をリアーヌに向けていた。
「ーーお嬢まだ力使えるか?」
「うん? まだ全然余裕だよ?」
「マジかよ……俺たちだって力の量には自信があるが……ーーお嬢が一番多いんじゃねぇか……?」
「貴族ってのはそんなとこまでスゲーのかねぇ……?」
そんな全員たちの言葉に、リアーヌは全員たちの見た目からその年齢を推測し、自分の年齢と照らし合わせる。
そして自分の中の仮説を説明するために質問を口にした。
「働き出したのって十年ぐらい前?」
「あー……十六ん時だから……そうだな。 十年ぐらいにはなるな?」
「じゃあ、力の量は大して変わってないかも。 私も十年前にはもう力使ってバイトしてたから」
「……は?」
「おいおい、お嬢、冗談ならもっと面白いヤツ頼むぜ?」
一人の全員が肩をすくめながら言うと、その言葉に船員たちがヘラリ……と笑いながら「冗談かよー」「そうだぞ!」と、口々に言い始めるーーが、リアーヌも困ったように肩をすくめながら口を開いた。
「残念ながら本当なんだなぁー? ……お菓子が欲しければ自分で働いて手に入れるというのが、うちの決まりでした」
「スパルタ……?」
そう呟いた船員の顔が「貴族なのに……?」と言っているように見えたリアーヌは、小さく声を上げながらさらに詳しい説明を口にする。
「あ、あのね、私元は庶民なの。 それも下町って言われるような王都の端っこで暮らしてたような」
「……庶民?」
「下町って……」
怪訝な顔つきになる船員たちに(あれ、もしかしてこの話しないほうが良かった……?)と思ったリアーヌだったが(でも隠してることじゃないし……それにアンナさんたちからも止められないから……)そう思いながら、チラリと柵の外で控えるアンナたちの反応を確認しながら口を開いた。
「うちの父さんが子爵家に入ったのは、私が十五の頃。 だからそれまでは“平民のお嬢ちゃん”だったんだー」
リアーヌのその説明に、全員たちは顔を突き合わせ小声で意見を交わし合う。
「……え? 確か坊の婚約者って教養学科のSクラス……?」
「貴族だって難しいって……」
漏れ聞こえてきた会話に、リアーヌは苦笑いを浮かべながらふぅーと、長く息を吐き出した。
「……まぁ、その……ーーいわゆるスパルタなので?」
「ーーいや、それでどうにかなるレベルかよ⁉︎」
「見栄だけで生きてる貴族でも無理なんだぞ⁉︎」
「そこをなんとかしてくれたんですぅー! うちの使用人たちは凄いんですから!」
リアーヌからの提案に頷いた船員だったが、すぐさま仲間たちと視線を交わし合い、心配そうな顔をリアーヌに向けていた。
「ーーお嬢まだ力使えるか?」
「うん? まだ全然余裕だよ?」
「マジかよ……俺たちだって力の量には自信があるが……ーーお嬢が一番多いんじゃねぇか……?」
「貴族ってのはそんなとこまでスゲーのかねぇ……?」
そんな全員たちの言葉に、リアーヌは全員たちの見た目からその年齢を推測し、自分の年齢と照らし合わせる。
そして自分の中の仮説を説明するために質問を口にした。
「働き出したのって十年ぐらい前?」
「あー……十六ん時だから……そうだな。 十年ぐらいにはなるな?」
「じゃあ、力の量は大して変わってないかも。 私も十年前にはもう力使ってバイトしてたから」
「……は?」
「おいおい、お嬢、冗談ならもっと面白いヤツ頼むぜ?」
一人の全員が肩をすくめながら言うと、その言葉に船員たちがヘラリ……と笑いながら「冗談かよー」「そうだぞ!」と、口々に言い始めるーーが、リアーヌも困ったように肩をすくめながら口を開いた。
「残念ながら本当なんだなぁー? ……お菓子が欲しければ自分で働いて手に入れるというのが、うちの決まりでした」
「スパルタ……?」
そう呟いた船員の顔が「貴族なのに……?」と言っているように見えたリアーヌは、小さく声を上げながらさらに詳しい説明を口にする。
「あ、あのね、私元は庶民なの。 それも下町って言われるような王都の端っこで暮らしてたような」
「……庶民?」
「下町って……」
怪訝な顔つきになる船員たちに(あれ、もしかしてこの話しないほうが良かった……?)と思ったリアーヌだったが(でも隠してることじゃないし……それにアンナさんたちからも止められないから……)そう思いながら、チラリと柵の外で控えるアンナたちの反応を確認しながら口を開いた。
「うちの父さんが子爵家に入ったのは、私が十五の頃。 だからそれまでは“平民のお嬢ちゃん”だったんだー」
リアーヌのその説明に、全員たちは顔を突き合わせ小声で意見を交わし合う。
「……え? 確か坊の婚約者って教養学科のSクラス……?」
「貴族だって難しいって……」
漏れ聞こえてきた会話に、リアーヌは苦笑いを浮かべながらふぅーと、長く息を吐き出した。
「……まぁ、その……ーーいわゆるスパルタなので?」
「ーーいや、それでどうにかなるレベルかよ⁉︎」
「見栄だけで生きてる貴族でも無理なんだぞ⁉︎」
「そこをなんとかしてくれたんですぅー! うちの使用人たちは凄いんですから!」
19
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
モブ令嬢は脳筋が嫌い
斯波@ジゼルの錬金飴③発売中
恋愛
イーディスは海のように真っ青な瞳を持つ少年、リガロに一瞬で心を奪われた。彼の婚約者になれるのが嬉しくて「祖父のようになりたい」と夢を語る彼を支えたいと思った。リガロと婚約者になってからの日々は夢のようだった。けれど彼はいつからか全く笑わなくなった。剣を振るい続ける彼を見守ることこそが自分の役目だと思っていたイーディスだったが、彼女の考えは前世の記憶を取り戻したことで一変する。※執筆中のため感想返信までお時間を頂くことがあります。また今後の展開に関わる感想や攻撃的な感想に関しましては返信や掲載を控えさせていただくことがあります。あらかじめご了承ください。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
『 私、悪役令嬢にはなりません! 』っていう悪役令嬢が主人公の小説の中のヒロインに転生してしまいました。
さらさ
恋愛
これはゲームの中の世界だと気が付き、自分がヒロインを貶め、断罪され落ちぶれる悪役令嬢だと気がついた時、悪役令嬢にならないよう生きていこうと決める悪役令嬢が主人公の物語・・・の中のゲームで言うヒロイン(ギャフンされる側)に転生してしまった女の子のお話し。悪役令嬢とは関わらず平凡に暮らしたいだけなのに、何故か王子様が私を狙っています?
※更新について
不定期となります。
暖かく見守って頂ければ幸いです。
【完結】ど近眼悪役令嬢に転生しました。言っておきますが、眼鏡は顔の一部ですから!
As-me.com
恋愛
完結しました。
説明しよう。私ことアリアーティア・ローランスは超絶ど近眼の悪役令嬢である……。
気が付いたらファンタジー系ライトノベル≪君の瞳に恋したボク≫の悪役令嬢に転生していたアリアーティア。
原作悪役令嬢には、超絶ど近眼なのにそれを隠して奮闘していたがあらゆることが裏目に出てしまい最後はお約束のように酷い断罪をされる結末が待っていた。
えぇぇぇっ?!それって私の未来なの?!
腹黒最低王子の婚約者になるのも、訳ありヒロインをいじめた罪で死刑になるのも、絶体に嫌だ!
私の視力と明るい未来を守るため、瓶底眼鏡を離さないんだから!
眼鏡は顔の一部です!
※この話は短編≪ど近眼悪役令嬢に転生したので意地でも眼鏡を離さない!≫の連載版です。
基本のストーリーはそのままですが、後半が他サイトに掲載しているのとは少し違うバージョンになりますのでタイトルも変えてあります。
途中まで恋愛タグは迷子です。
誰からも愛されない悪役令嬢に転生したので、自由気ままに生きていきたいと思います。
木山楽斗
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢であるエルファリナに転生した私は、彼女のその境遇に対して深い悲しみを覚えていた。
彼女は、家族からも婚約者からも愛されていない。それどころか、その存在を疎まれているのだ。
こんな環境なら歪んでも仕方ない。そう思う程に、彼女の境遇は悲惨だったのである。
だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
その自由を謳歌しながら、私は思っていた。
悲惨な境遇から必ず抜け出し、自由気ままに生きるのだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる