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◇
――好き勝手染め上げた稀布が、想像以上の大好評。 なおかつ春鈴も楽しく作業できるとあって、あっという間に三人分の注文を納品し終えた頃。
思った以上の臨時収入を得て、ほくほくの春鈴たちの懐事情とは裏腹に、蓮歌山には大量の雪が降り積もっていた。
庭先でシャベルを持った春鈴と腕組みをした蒼嵐がなにやら意見を交わし合っている。
「雪なんて溶かしてしまえばいいだろう?」
「ダメ! ここに集めてかまくらにするの。 それでかまくらの中で焚き火して、お餅入りのお汁粉食べるるの! 手伝ってくれたら蒼嵐のも用意してあげる」
「なぜわざわざそんな寒い場所で……」
「かまくらあったかいよ?」
「……雪で出来ているのにか?」
蒼嵐はうさん臭げな眼差しを春蘭に向けながら眉をひそめる。
「いや、それが意外にあったかいんだって! どうせ雪かきするんなら作ろうよー」
(かまくらって、小さな頃に父ちゃんと母ちゃんが作ってくれた1回しかやったことないんだよねー。 ――蒼嵐の腕力なら、きっと凄い大きいのができる! はず……!)
「――俺の仕事は雪かきで、かまくらが作りたいわけでは無いんだが……?」
明らかに乗り気でない蒼嵐に、むぅー! と口を尖らせる春鈴。
少し悩んだのち、渋々譲歩案を口にした。
「――晩御飯は羊鍋にします」
「……汁粉以外のおやつを出すのも忘れるな?」
春鈴の譲歩案を聞いて、ニヤリと満足そうな微笑みを浮かべた蒼嵐は、バサリッと音を立て翼を大きく広げると、一瞬のうちに空へと舞い上がり、屋根に積もった雪の上へ降り立った。
「……私相手にだけ交渉上手くなるの、良くないと思うー……」
下から蒼嵐を見上げ、ぼやくように言う春鈴。
その声を龍族の発達した耳で正確に聞き取った蒼嵐は、屋根の上から身を乗り出しニヤリと笑って口を開く。
「お前の助言に従い交渉術を学ぼうと思ってな? ――お前で無理なら、美羽蘭相手に交渉など出来ないだろう?」
蒼嵐の言い分に、春鈴は顔じゅうをシワだらけにしながら顔をしかめたのだった。
◇
――蒼嵐と作り上げたかまくらが浩宇たちにも好評で、様々な料理をかまくらの中で食べるのがこの冬の新しい楽しみとなってきた、あるよく晴れた日のことだった。
楽しそうに歌いながら、笑顔で稀布を織っていく春鈴。
蒼嵐はそんな様子を見つめ口元を緩ませると、長椅子から立ち上がり、春鈴が布を織るその後ろに立った。
そして白から青、青から白と変わっていく美しい布を、うっとりと見つめながら口を開いた。
「まるで夏空のような色合いだな。 ――美しい。 仕立てるのが楽しみだ」
「ふふっ こんなに色変わってるのに“美しい”なんて褒められたの初めて」
春鈴は手を止めると、くすぐったそうに微笑みながら答える。
「なにも変わらないものなんて面白くないだろう?」
「んー……人間はいつも変わらない色と品質を好む気がする。 ――私はすぐ飽きちゃうから、なかなか均一にならないけどー」
「――人間の方が龍族などより、ずっと感情の起伏が激しい気がするが……なぜ変わらないものを好むのか……」
「――無い物ねだり?」
「……確かに無さそうだな」
蒼嵐は春鈴の織る布を見て、納得したように大きく頷いた。
その色合いは、ころころと目まぐるしく変わっていて、春鈴の気まぐれさが詰め込まれているかのようだった。
「――私はその人間の中でも特に激しい!」
蒼嵐の視線受け、振り返りながらどやぁっ! と、胸を張る春鈴。
なぜだか自信に満ち溢れ、誇らしげなその様子にブハッと吹き出す蒼嵐。
二人は顔を見合わせると、どちらともなく笑い始め、ずいぶん長い間楽しそうな声を上げて笑い合うのだった――
春鈴の仕事が一段落し、お茶を飲みながらゆったりとした時間を過ごしている頃。
長椅子に寝そべる蒼嵐にお茶のおかわりを注いでいた春鈴。
その視界の隅できらりと光るものが見えた気がした春鈴はジッと蒼嵐の頭を見つめた。
……そしてそれを見つけてしまった。
「――蒼嵐……」
「……なんだ?」
「白髪、生えてる……」
春鈴の視線の先では、蒼嵐の頭からピロンと飛び出した1本の白髪が、その存在を強く主張していた――
「――は?」
蒼嵐はその言葉にピシッと固まると、ポカンと口を開けたまま春鈴の顔をジッと見つめ返していた。
まるで、今言われた言葉の意味が理解出来ていないかのようだった。
(――いつも仕事さぼってのんびりダラダラしてるだけだと思ってたけど……きっと、私には分からない苦労とかがたくさんあるんだろうな……)
春鈴は蒼嵐をいたわるように、優しい眼差しを向けると、すっ……と手を差し伸べた。
そして――
ぷちっ
と、小さな音と共に。ひと思いにその白髪を引き抜いた。
「――なぜ抜いた⁉︎」
「え……? だって白髪は抜くものでしょ? うちの母ちゃんよく抜いてるし……」
不思議そうに首をかしげる春鈴だったが、蒼嵐の方はその説明になんの反応も見せず、春鈴がつまんでいる白髪を呆然と見つめていた。
「……あ! 大丈夫なんだよ? 白髪を抜いたら増えるっていうのは迷信だって! あとでばっちゃに白髪予防効果のある、漢方煎じてもらおうね?」
「う、む……」
春鈴の問いかけにあいまいに頷きながら、蒼嵐は春鈴の手につままれた白髪をずっと見つめていた。
その視線をたどり、春鈴は不思議に思いながらも、それをそっと蒼嵐へと差し出した。
やけにゆっくりと、おそるおそる大切なものをあつかうような手つきでその白髪を受け取ると、懐から出した紙にそっと包んで再び懐に戻す。
(――え、なに? 白髪に対しての反応が想定外なんだけど……――龍族特有のやり方とかがあったりする……? ――あっ⁉︎ そうだ! 龍族の爪とか髪、鱗って昔は漢方として取引されてたって聞いたことある! ……――もしかして蒼嵐、それ関係で嫌な思いしたことあるのかな…… 私もしかしてやっちゃった……?)
「――これ、あげる……」
春鈴は自分の取り皿から、菓子を一つ蒼嵐の皿に移した。
うつむき視線を揺らしていた蒼嵐だったが、そんな春鈴の態度に顔を上げ不思議そうに首を傾げた。
「……なぜ?」
「その……白髪の事、デリカシーに欠けてたかなぁって……」
「――ふ……気にするな。 ――だが菓子はもらっておく」
そうニヤリと笑った蒼嵐が菓子に手を伸ばした瞬間――
キューッ! と大きく鳴いたフェイロンたちが蒼嵐に突撃していく。
「――お前たちにはさっきやっただろう?」
そんな非難の言葉をかけられたフェイロンたちだったが、ギュ! ギュッ! と頭突きを繰り返し、諦めるつもりは無いようだ。
「俺の方が体がでかい。 だからお前たちよりも多く食べて当たり前なんだ」
そう鼻を鳴らした蒼嵐は、フェイロンたちに見せつけるようにして菓子をパクリと食べてしまった。
そのとたん、ギュー⁉︎ ギュッ! ギュー! っと、今までにない大声でわめき出したフェイロンたち。
その騒がしさに蒼嵐も春鈴も顔をしかめてフェイロンたちに非難の視線、そしてたしなめるようにその名前を呼ぶが――
……結局フェイロンたちが静かになったのは、春鈴が新しく持ってきた菓子を一つずつ口にいてれやったときだった。
「……餌をやっていないのか?」
蒼嵐のその発言に思わず苦笑をもらす春鈴。
言われても仕方がないな……と、納得してしまうほどには、二匹は必死に菓子を求めていた。
「毎日ちゃんとあげてるけど、人間の味付けは身体に毒だから……ーーでも口には合うみたいでね? こっちの方が美味しい! って学習しちゃったみたい。 それに……この子たちね? こっちの都合で生まれてすぐのときから、親フェイロンと引き離しちゃって……――正直甘やかした。 ーーよその子より、大分わがままに育ったよねー……」
「……甘やかした自覚があるならばしょうがないんだろうな……?」
困ったようにそう言って、蒼嵐はようやく静かになった二匹の顎下をくすぐるように撫でた。
――そんな会話をしている時だった。
外からバサバサッという、なにかの羽ばたき音が聞こえ、部屋の中に降り注いでいたあたたかな日差しに陰が混じった。
「……だれか来た……?」
春鈴はそう首をかしげながら立ち上がり、窓から空を見上げた。
そして見つけた一行が、家から少し離れた場所に作られた、開けた土地に降り立つ姿を見つめていた。
「――来客の予定が?」
視力が優れている蒼嵐は、降り立ったのが人間たちだとハッキリ見えていた。
ならば自分を追ってきた者たちではないな……と、推測しながら春鈴の隣に並び立ちながらたずねる。
「いやぁー……? この山、てっぺんのほうだけとはいえ、龍脈の上にあるから、ほとんどのお客さんは式を飛ばして終わりだよ? 私みたいに龍族の血が混じってる人なら来ることも……? でも、今の売り物って保存食ぐらいだしなぁ……」
そう呟きながらしきりに首を傾げる春鈴。
来客が全くないわけではなかったが、あの人数でやってくる一行にも、今見えたフェイロンたちにも全く見覚えがなかった。
「ああ……稀布の販売はまずいんだったか」
「うん。 稀布が“買える”のは菫家だけ」
「――そういえば虎族は定期的に来ると言っていなかったか?」
蒼嵐は、ふと思いついた話を春鈴にふる。
いくら頑丈な虎族とはいえ、ここの気は決して弱くはない。 本能に忠実なあの一族が、その本能を押さえつけてまで何度も訪れるという行為をするとは、俄かには信じられなかった。
「……ああいう自分の身体能力に自信がある人たちって、こう……「虎族だとしても厳しいんじゃない? 無茶だよー」的なことに、とんでもない反発心見せるんだよね……」
「……そんなことはない、と?」
「そんなかんじ。 でもそれで大分名前が売れたって話だよ「龍脈が通っている場所だろうと仕入に赴く屈強な店員たちがいる店」だーって」
「……店員の強さは商売に関係が……?」
「……店が有名になる理由にはなるんじゃない?」
「それもそうか……とすると、こんな時期にわざわざやってくるあの客たちも……?」
「……それねらい……?」
まさか……と思いながらも、本当に……? と、疑ってしまう。
そのぐらい、ここにやってくるであろう客人たちに心当たりがなかった。
しかし春鈴は戸惑いつつも、確実にここにやってくるであろう客人を出迎えるため、台所へ降りてお茶を出す準備を始めた。
――やって来たのは菫家の人間たちだった。
春鈴はようやくその事実に気がつくと、あわてて蒼嵐とフェイロンたちを、いつもはたいして使われない両親の寝室へと避難させた。
(――あの子たちは単なるトラブル防止で隔離だけど、蒼嵐は絶対ヤバい! 龍族と取引きしてることがバレたら、ノルマ増やされるかもしれない……そんなのは嫌!)
「さっさと稀布のおよこしなさいと言っているの!」
そう声を荒げた少女の名は魅音。
春鈴とは幼いころからの顔見知りでもある菫家のお嬢様であった。
「はぁ……」
そう答えながら困ったように首をかしげる春鈴。
魅音のその後ろには護衛の男たちや侍女がずらりと並んでいて、この部屋をだいぶ圧迫している。
(……護衛とか外で待たせてくんないかなぁ……うちの広さ、分かんなかったんだろうか……? 無駄に豪華な長椅子だって三つも増えたしさぁ……――布かぶせて隠したけど……バレませんように!)
「さっきからのらりくらりとっ! 私の言うことが聞けないの⁉︎」
「――ですからぁ……約束している分は期日までにしっかり送りますので、期日までお待ちいただけませんか?」
(何回も同じこと言わせんな。 ダダ捏ねてねぇでさっさと帰れ……)
「だからっ! それでは遅いのよ! ――私がよこせと言ったらさっさと寄こせばいいの!」
「……今出来ている分までをお渡しして、予定通りの報酬をいただけるんだったらそうしますけど……?」
(まぁ……まだ30センチくらいしか織ってないけどー)
「はあぁぁぁ⁉︎ この私に未完成品をよこすというの⁉︎」
「――……今よこせ。 さっさとしろ。 でも未完成はイヤ。 ――ではどうすればいいんですか?」
なるべく丁寧な応対を心掛けていた春鈴だったが、魅音の言い分のあまりの理不尽さに、少し呆れたような態度を取ってしまった。
「私に口答えするなっ! バケモノ憑きがっ!」
春鈴は魅音からの暴言に、グッと唇を噛みして耐える。
(――このクソ女……。 昔からこれっぽっちも変わってない……――こいつがことあるごとに私をバケモノ憑きって罵ったせいで、小さな頃はみんなが私をバケモノ扱いした……こいつはすぐに王都に引っ越していったけど、一度貼られたレッテルはそうそう消えない。 ――結局私はずっとバケモノ憑きで……一緒に遊んでくれる友達なんて一人も出来なかった……)
「…………なら帰ったら?」
思い出してしまった昔の暗い感情――その思いのままに言い放っていた。
「はぁっ⁉︎」
「そんなバケモノが作った布なんて、いらないでしょ?」
小バカにしたように鼻を鳴らす。
やめておけ……と心のどこかで警告している自分を感じではいたのだが、それが表情に反映されることはなかった。
「なんですってぇ⁉︎」
大声をあげて椅子から立ち上がる魅音。 ガタン! という大きな音が部屋の中に響く。
その音と共に魅音の後ろに控えていた護衛や侍女たちが剣呑な眼差しを春鈴に向ける。
その圧に後ずさりそうになる足を意地だけでこらえていると、その視線の先、庭先を横切る黒い影が見えた。
「――すまん。 この辺りに虎族の商会がやって来てはいないか?」
(蒼嵐……?)
他人行儀な蒼嵐が、庭先からぶっきらぼうに声をかけた。
そんな蒼嵐の態度で、春鈴はこれが蒼嵐からの助け舟なのだということを理解した。
「――んなっ⁉︎」
魅音は急に現れた蒼嵐――龍族の姿に、大きく目を見開き驚愕の声をあげる。
(……こんな性悪女でも、流石に龍族にはビビるのか――そりゃそうか。 龍族だもんね。 恐れ多い種族だよねー)
「――黒い龍! 黒龍なんて……なんて縁起の悪いっ!」
「…………は?」
いきなり言い放たれた魅音の無礼極まりない言葉に、春鈴は自分の耳を疑う。
「――何だと?」
ギロリと魅音を睨みつける蒼嵐。
あんまりな魅音の言動に、その後ろに控えていた護衛や侍女たちは、顔を真っ青にしながらオロオロとうろたえる。
そんな周りの反応などお構いなしに、魅音はさらに暴言を重ねる。
「こっちを見ないでちょうだい! ああっ、なんておぞましいのかしら!」
魅音はその視線から逃れるように、腕を上げ長い袖を顔の前にかざして蒼嵐の視線から逃れる。
そして「ああ嫌だ、恐ろしい……」と、わざとらしく身震いしながら、そそくさと逃げるように家を出ていく。
そんな魅音の行動に呆気にとられながらも、慌ててその後に付いていく侍女たち。
庭で蒼嵐とすれ違う際、ぺこぺこと何度も頭を下げてはいたが、無礼の数が多すぎて、もはやなにに対する謝罪なのか侍女たち自身にも分からなかった。
――それほどまでに魅音は、無礼を撒き散らして帰っていったのだった――
――好き勝手染め上げた稀布が、想像以上の大好評。 なおかつ春鈴も楽しく作業できるとあって、あっという間に三人分の注文を納品し終えた頃。
思った以上の臨時収入を得て、ほくほくの春鈴たちの懐事情とは裏腹に、蓮歌山には大量の雪が降り積もっていた。
庭先でシャベルを持った春鈴と腕組みをした蒼嵐がなにやら意見を交わし合っている。
「雪なんて溶かしてしまえばいいだろう?」
「ダメ! ここに集めてかまくらにするの。 それでかまくらの中で焚き火して、お餅入りのお汁粉食べるるの! 手伝ってくれたら蒼嵐のも用意してあげる」
「なぜわざわざそんな寒い場所で……」
「かまくらあったかいよ?」
「……雪で出来ているのにか?」
蒼嵐はうさん臭げな眼差しを春蘭に向けながら眉をひそめる。
「いや、それが意外にあったかいんだって! どうせ雪かきするんなら作ろうよー」
(かまくらって、小さな頃に父ちゃんと母ちゃんが作ってくれた1回しかやったことないんだよねー。 ――蒼嵐の腕力なら、きっと凄い大きいのができる! はず……!)
「――俺の仕事は雪かきで、かまくらが作りたいわけでは無いんだが……?」
明らかに乗り気でない蒼嵐に、むぅー! と口を尖らせる春鈴。
少し悩んだのち、渋々譲歩案を口にした。
「――晩御飯は羊鍋にします」
「……汁粉以外のおやつを出すのも忘れるな?」
春鈴の譲歩案を聞いて、ニヤリと満足そうな微笑みを浮かべた蒼嵐は、バサリッと音を立て翼を大きく広げると、一瞬のうちに空へと舞い上がり、屋根に積もった雪の上へ降り立った。
「……私相手にだけ交渉上手くなるの、良くないと思うー……」
下から蒼嵐を見上げ、ぼやくように言う春鈴。
その声を龍族の発達した耳で正確に聞き取った蒼嵐は、屋根の上から身を乗り出しニヤリと笑って口を開く。
「お前の助言に従い交渉術を学ぼうと思ってな? ――お前で無理なら、美羽蘭相手に交渉など出来ないだろう?」
蒼嵐の言い分に、春鈴は顔じゅうをシワだらけにしながら顔をしかめたのだった。
◇
――蒼嵐と作り上げたかまくらが浩宇たちにも好評で、様々な料理をかまくらの中で食べるのがこの冬の新しい楽しみとなってきた、あるよく晴れた日のことだった。
楽しそうに歌いながら、笑顔で稀布を織っていく春鈴。
蒼嵐はそんな様子を見つめ口元を緩ませると、長椅子から立ち上がり、春鈴が布を織るその後ろに立った。
そして白から青、青から白と変わっていく美しい布を、うっとりと見つめながら口を開いた。
「まるで夏空のような色合いだな。 ――美しい。 仕立てるのが楽しみだ」
「ふふっ こんなに色変わってるのに“美しい”なんて褒められたの初めて」
春鈴は手を止めると、くすぐったそうに微笑みながら答える。
「なにも変わらないものなんて面白くないだろう?」
「んー……人間はいつも変わらない色と品質を好む気がする。 ――私はすぐ飽きちゃうから、なかなか均一にならないけどー」
「――人間の方が龍族などより、ずっと感情の起伏が激しい気がするが……なぜ変わらないものを好むのか……」
「――無い物ねだり?」
「……確かに無さそうだな」
蒼嵐は春鈴の織る布を見て、納得したように大きく頷いた。
その色合いは、ころころと目まぐるしく変わっていて、春鈴の気まぐれさが詰め込まれているかのようだった。
「――私はその人間の中でも特に激しい!」
蒼嵐の視線受け、振り返りながらどやぁっ! と、胸を張る春鈴。
なぜだか自信に満ち溢れ、誇らしげなその様子にブハッと吹き出す蒼嵐。
二人は顔を見合わせると、どちらともなく笑い始め、ずいぶん長い間楽しそうな声を上げて笑い合うのだった――
春鈴の仕事が一段落し、お茶を飲みながらゆったりとした時間を過ごしている頃。
長椅子に寝そべる蒼嵐にお茶のおかわりを注いでいた春鈴。
その視界の隅できらりと光るものが見えた気がした春鈴はジッと蒼嵐の頭を見つめた。
……そしてそれを見つけてしまった。
「――蒼嵐……」
「……なんだ?」
「白髪、生えてる……」
春鈴の視線の先では、蒼嵐の頭からピロンと飛び出した1本の白髪が、その存在を強く主張していた――
「――は?」
蒼嵐はその言葉にピシッと固まると、ポカンと口を開けたまま春鈴の顔をジッと見つめ返していた。
まるで、今言われた言葉の意味が理解出来ていないかのようだった。
(――いつも仕事さぼってのんびりダラダラしてるだけだと思ってたけど……きっと、私には分からない苦労とかがたくさんあるんだろうな……)
春鈴は蒼嵐をいたわるように、優しい眼差しを向けると、すっ……と手を差し伸べた。
そして――
ぷちっ
と、小さな音と共に。ひと思いにその白髪を引き抜いた。
「――なぜ抜いた⁉︎」
「え……? だって白髪は抜くものでしょ? うちの母ちゃんよく抜いてるし……」
不思議そうに首をかしげる春鈴だったが、蒼嵐の方はその説明になんの反応も見せず、春鈴がつまんでいる白髪を呆然と見つめていた。
「……あ! 大丈夫なんだよ? 白髪を抜いたら増えるっていうのは迷信だって! あとでばっちゃに白髪予防効果のある、漢方煎じてもらおうね?」
「う、む……」
春鈴の問いかけにあいまいに頷きながら、蒼嵐は春鈴の手につままれた白髪をずっと見つめていた。
その視線をたどり、春鈴は不思議に思いながらも、それをそっと蒼嵐へと差し出した。
やけにゆっくりと、おそるおそる大切なものをあつかうような手つきでその白髪を受け取ると、懐から出した紙にそっと包んで再び懐に戻す。
(――え、なに? 白髪に対しての反応が想定外なんだけど……――龍族特有のやり方とかがあったりする……? ――あっ⁉︎ そうだ! 龍族の爪とか髪、鱗って昔は漢方として取引されてたって聞いたことある! ……――もしかして蒼嵐、それ関係で嫌な思いしたことあるのかな…… 私もしかしてやっちゃった……?)
「――これ、あげる……」
春鈴は自分の取り皿から、菓子を一つ蒼嵐の皿に移した。
うつむき視線を揺らしていた蒼嵐だったが、そんな春鈴の態度に顔を上げ不思議そうに首を傾げた。
「……なぜ?」
「その……白髪の事、デリカシーに欠けてたかなぁって……」
「――ふ……気にするな。 ――だが菓子はもらっておく」
そうニヤリと笑った蒼嵐が菓子に手を伸ばした瞬間――
キューッ! と大きく鳴いたフェイロンたちが蒼嵐に突撃していく。
「――お前たちにはさっきやっただろう?」
そんな非難の言葉をかけられたフェイロンたちだったが、ギュ! ギュッ! と頭突きを繰り返し、諦めるつもりは無いようだ。
「俺の方が体がでかい。 だからお前たちよりも多く食べて当たり前なんだ」
そう鼻を鳴らした蒼嵐は、フェイロンたちに見せつけるようにして菓子をパクリと食べてしまった。
そのとたん、ギュー⁉︎ ギュッ! ギュー! っと、今までにない大声でわめき出したフェイロンたち。
その騒がしさに蒼嵐も春鈴も顔をしかめてフェイロンたちに非難の視線、そしてたしなめるようにその名前を呼ぶが――
……結局フェイロンたちが静かになったのは、春鈴が新しく持ってきた菓子を一つずつ口にいてれやったときだった。
「……餌をやっていないのか?」
蒼嵐のその発言に思わず苦笑をもらす春鈴。
言われても仕方がないな……と、納得してしまうほどには、二匹は必死に菓子を求めていた。
「毎日ちゃんとあげてるけど、人間の味付けは身体に毒だから……ーーでも口には合うみたいでね? こっちの方が美味しい! って学習しちゃったみたい。 それに……この子たちね? こっちの都合で生まれてすぐのときから、親フェイロンと引き離しちゃって……――正直甘やかした。 ーーよその子より、大分わがままに育ったよねー……」
「……甘やかした自覚があるならばしょうがないんだろうな……?」
困ったようにそう言って、蒼嵐はようやく静かになった二匹の顎下をくすぐるように撫でた。
――そんな会話をしている時だった。
外からバサバサッという、なにかの羽ばたき音が聞こえ、部屋の中に降り注いでいたあたたかな日差しに陰が混じった。
「……だれか来た……?」
春鈴はそう首をかしげながら立ち上がり、窓から空を見上げた。
そして見つけた一行が、家から少し離れた場所に作られた、開けた土地に降り立つ姿を見つめていた。
「――来客の予定が?」
視力が優れている蒼嵐は、降り立ったのが人間たちだとハッキリ見えていた。
ならば自分を追ってきた者たちではないな……と、推測しながら春鈴の隣に並び立ちながらたずねる。
「いやぁー……? この山、てっぺんのほうだけとはいえ、龍脈の上にあるから、ほとんどのお客さんは式を飛ばして終わりだよ? 私みたいに龍族の血が混じってる人なら来ることも……? でも、今の売り物って保存食ぐらいだしなぁ……」
そう呟きながらしきりに首を傾げる春鈴。
来客が全くないわけではなかったが、あの人数でやってくる一行にも、今見えたフェイロンたちにも全く見覚えがなかった。
「ああ……稀布の販売はまずいんだったか」
「うん。 稀布が“買える”のは菫家だけ」
「――そういえば虎族は定期的に来ると言っていなかったか?」
蒼嵐は、ふと思いついた話を春鈴にふる。
いくら頑丈な虎族とはいえ、ここの気は決して弱くはない。 本能に忠実なあの一族が、その本能を押さえつけてまで何度も訪れるという行為をするとは、俄かには信じられなかった。
「……ああいう自分の身体能力に自信がある人たちって、こう……「虎族だとしても厳しいんじゃない? 無茶だよー」的なことに、とんでもない反発心見せるんだよね……」
「……そんなことはない、と?」
「そんなかんじ。 でもそれで大分名前が売れたって話だよ「龍脈が通っている場所だろうと仕入に赴く屈強な店員たちがいる店」だーって」
「……店員の強さは商売に関係が……?」
「……店が有名になる理由にはなるんじゃない?」
「それもそうか……とすると、こんな時期にわざわざやってくるあの客たちも……?」
「……それねらい……?」
まさか……と思いながらも、本当に……? と、疑ってしまう。
そのぐらい、ここにやってくるであろう客人たちに心当たりがなかった。
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(――あの子たちは単なるトラブル防止で隔離だけど、蒼嵐は絶対ヤバい! 龍族と取引きしてることがバレたら、ノルマ増やされるかもしれない……そんなのは嫌!)
「さっさと稀布のおよこしなさいと言っているの!」
そう声を荒げた少女の名は魅音。
春鈴とは幼いころからの顔見知りでもある菫家のお嬢様であった。
「はぁ……」
そう答えながら困ったように首をかしげる春鈴。
魅音のその後ろには護衛の男たちや侍女がずらりと並んでいて、この部屋をだいぶ圧迫している。
(……護衛とか外で待たせてくんないかなぁ……うちの広さ、分かんなかったんだろうか……? 無駄に豪華な長椅子だって三つも増えたしさぁ……――布かぶせて隠したけど……バレませんように!)
「さっきからのらりくらりとっ! 私の言うことが聞けないの⁉︎」
「――ですからぁ……約束している分は期日までにしっかり送りますので、期日までお待ちいただけませんか?」
(何回も同じこと言わせんな。 ダダ捏ねてねぇでさっさと帰れ……)
「だからっ! それでは遅いのよ! ――私がよこせと言ったらさっさと寄こせばいいの!」
「……今出来ている分までをお渡しして、予定通りの報酬をいただけるんだったらそうしますけど……?」
(まぁ……まだ30センチくらいしか織ってないけどー)
「はあぁぁぁ⁉︎ この私に未完成品をよこすというの⁉︎」
「――……今よこせ。 さっさとしろ。 でも未完成はイヤ。 ――ではどうすればいいんですか?」
なるべく丁寧な応対を心掛けていた春鈴だったが、魅音の言い分のあまりの理不尽さに、少し呆れたような態度を取ってしまった。
「私に口答えするなっ! バケモノ憑きがっ!」
春鈴は魅音からの暴言に、グッと唇を噛みして耐える。
(――このクソ女……。 昔からこれっぽっちも変わってない……――こいつがことあるごとに私をバケモノ憑きって罵ったせいで、小さな頃はみんなが私をバケモノ扱いした……こいつはすぐに王都に引っ越していったけど、一度貼られたレッテルはそうそう消えない。 ――結局私はずっとバケモノ憑きで……一緒に遊んでくれる友達なんて一人も出来なかった……)
「…………なら帰ったら?」
思い出してしまった昔の暗い感情――その思いのままに言い放っていた。
「はぁっ⁉︎」
「そんなバケモノが作った布なんて、いらないでしょ?」
小バカにしたように鼻を鳴らす。
やめておけ……と心のどこかで警告している自分を感じではいたのだが、それが表情に反映されることはなかった。
「なんですってぇ⁉︎」
大声をあげて椅子から立ち上がる魅音。 ガタン! という大きな音が部屋の中に響く。
その音と共に魅音の後ろに控えていた護衛や侍女たちが剣呑な眼差しを春鈴に向ける。
その圧に後ずさりそうになる足を意地だけでこらえていると、その視線の先、庭先を横切る黒い影が見えた。
「――すまん。 この辺りに虎族の商会がやって来てはいないか?」
(蒼嵐……?)
他人行儀な蒼嵐が、庭先からぶっきらぼうに声をかけた。
そんな蒼嵐の態度で、春鈴はこれが蒼嵐からの助け舟なのだということを理解した。
「――んなっ⁉︎」
魅音は急に現れた蒼嵐――龍族の姿に、大きく目を見開き驚愕の声をあげる。
(……こんな性悪女でも、流石に龍族にはビビるのか――そりゃそうか。 龍族だもんね。 恐れ多い種族だよねー)
「――黒い龍! 黒龍なんて……なんて縁起の悪いっ!」
「…………は?」
いきなり言い放たれた魅音の無礼極まりない言葉に、春鈴は自分の耳を疑う。
「――何だと?」
ギロリと魅音を睨みつける蒼嵐。
あんまりな魅音の言動に、その後ろに控えていた護衛や侍女たちは、顔を真っ青にしながらオロオロとうろたえる。
そんな周りの反応などお構いなしに、魅音はさらに暴言を重ねる。
「こっちを見ないでちょうだい! ああっ、なんておぞましいのかしら!」
魅音はその視線から逃れるように、腕を上げ長い袖を顔の前にかざして蒼嵐の視線から逃れる。
そして「ああ嫌だ、恐ろしい……」と、わざとらしく身震いしながら、そそくさと逃げるように家を出ていく。
そんな魅音の行動に呆気にとられながらも、慌ててその後に付いていく侍女たち。
庭で蒼嵐とすれ違う際、ぺこぺこと何度も頭を下げてはいたが、無礼の数が多すぎて、もはやなにに対する謝罪なのか侍女たち自身にも分からなかった。
――それほどまでに魅音は、無礼を撒き散らして帰っていったのだった――
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