【完】相手が宜しくないヤツだから、とりあえず婚約破棄したい(切実)

桜 鴬

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第2章・婚約破棄は新たなる珍事を招く。

それぞれの想い。

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ユリウス様…。

憎しみと怒りの涙は、やがて絶望の涙に変わったのだろうか…。静かに流れる涙が止まり、カップを包んでいた両手が膝に落ちる。俯く顔を静かに上げ、ユリウス様を見つめる私をその瞳に捉えた。

しかしその瞳には生気が無い…。まるで虚無を写す様なその瞳には、耐え難い空虚さを感じてしまう。私の姿を写している筈のその瞳には、多分私を写してはいないのだろう。写る姿は確かに私だ。でもユリウス様に見えてるのはきっと…。

「エリザベート様。私を思い出さなくて構いません。その方が貴女は幸せになれる筈。クリス。否。クリスティーネ。最後に私の名を呼んで貰えませんか?あの頃貴女が私を呼んでくれた名です。」

ユリウス様ではなく?

「最後にお願いです。私は龍治です。何度生まれ変わっても、始まりのこの名前だけは忘れなかった。クリスは発音が上手く出来ず、リュウと呼んでいました。私は龍を神と奉る神社の息子でした。龍神様が私にお慈悲を…。」

私はソファーに座るユリウス様の背中を抱き締めた。

「ユリウス様。否。リュウ。クリスを愛してくれてありがとう。」

どうしよう。自分から話をしましょう。話を聞かせてと言ったのに、私から何を伝えたら良いのか解らない。クリスティーネの記憶の無い私が、ユリウス様に何を言っても説得力が無いだろう。それならば…。

「リュウ。クリスと貴方との想い出を教えて。私は全てを知りたい。何度も言うわ。忘れてしまってごめんなさい。今の私に何が出来るかも解らない。でも一緒に頑張りましょう。リュウの気持ちが報われる未来を、私は一緒に探したい。その瞳に光を灯したいの。お願い。」

・・・・・。

「1時間程、私達に時間を貰えるかしら?」

「お姉さま…。」

「「エリー…。」」

「・・・。クリス…。否。エリー、私は…(ドガン!ドガガガガン!ドゴォォン!)…。エリー!なっ何が!?大丈夫ですか?まさか地震!?」

部屋全体がまるで地震の様に揺れる。ドガン!ガゴン!と、地鳴りの様な音が響き渡る。一体何が起こってるの?

「マリエンヌっ!大丈夫か?」

マリエンヌを抱え込んだロジャースが、転がりながら体勢を立て直す。リーダーもソファーから転がり落ち、壁に激突していた。額から血が流れている。大事は無いみたいだけど、一応回復しておこう。

「リーダー大丈夫?回復飛ばすわ!」

「悪いな!しかしこの衝動は何だ?地震じゃ無いぞ!窓から見てみろ。木々や建物は全く揺れてない!」

確かにそうね。建物は頑丈だとしても、地震ならば木々位は揺れてる筈。それにこの部屋には結界を張ってる。地震の揺れならば、上階のこの部屋は殆ど揺れない筈よ。音だって直接結界を攻撃してる訳じゃ有るまいし…。

何故こんなに響くの?

ってまさか!

(ドガガガガガ!ドガン!)

やっぱり!これは結界を攻撃してる!まさか破壊しようとしてるの?こんな事するのは誰よ!まさか自称聖国やバカ達がする訳も無し。やっぱりアイツなの?もう!大事な時に面倒くさい!

(ドオン!ズドオォォン!!)

ヤバい。壊れるかも!

「Barrier repair!結界修復ー!」

「リュウ来て!皆ごめん!1時間位アイツを足止めして。私はエリーよ。クリスじゃ無い。だからこそ公平に2人を知りたい。過去も今も未来もね!」

「「あぁ。任せとけ!」」

(ズドオォォン!!)

結界に亀裂が入る。と同時に人影が現れた。やはり…。

「エドワード!」

「龍治!クリスから離れろ!!」

やはり貴方もも覚えているのね。どの位覚えているのだろう?うぅん。今はエドワードよりユリウス様よ。

「It is restrained by ivy!蔦でぐるぐる巻きにして!そのまま1時間放置!死にはしないわ。本当に何て肝が小さいの!情けなさ過ぎるわ!結界壊した反省しろ!」

「クリス何故だ!?」

ミノムシ状態にして天井から吊るす。

「追っかけて来たら本気で殺るわよ!少し位自重しろ!結界を張る時に、遠慮してと伝えた筈よね?破壊してまで飛び込むなんて、情けないと言うより恥ずかしいわよ!私が追跡されてる気配に気付かないとでも思った?多少でも過去を覚えてるなら尚更よ。ここで貴方は飛び込むべきでは無かった。正直呆れたわ。私達は1時間で戻る。戻るまでこの部屋から一歩でも出たら許さない…。」

しかも私をクリスと呼んだ。

「記憶の無い私には、貴方はエドワードなの。エドワードにクリスと呼ばれたくない。ユリウス様。否、リュウはクリスは過去だと、私はエリーだと理解してくれてる。エドワードはどう?リュウが出てきた途端、私をクリス呼びするの?」

・・・・・。

「わっ私は…。」

「言い訳しないで。間抜けなその姿では、何を言われても滑稽なだけ。聞きたくもない。私達の居ぬ間に少し考えておいて。では暫く失礼するわ。」

私はユリウス様に手を差し出す。

「あ!これは置いてくわね。早々に返して貰うべきだったのかしら。まさか結界を破る様な暴挙に出るなんて思わなかった。エドワード?本当に残念だわ。」

私は通信機付きの、ネックレス型の魔道具を外して机の上におく。

「クリスティーネ…。」

「まだ言うの?しつこい男は嫌われると言うか、私は大嫌いだと常々伝えてる筈よね?」

「クリス!!」

「いい加減にして!人の話を聞かないエドワード何て大嫌いよ!絶対についてくるな!!」

私はぐるぐる巻きのエドワードを放置し、リーダーとロジャースを見る。2人が頷いてくれる。有難う。私はユリウス様の手を取り転移した。

「ユリウス様。目を開いて。」

良かった。まだ残ってた。もうかなり緑の葉に覆われてるけど、まだかなり残ってる。良かった。

ユリウス様は呆然と一点を眺めていた。

*****

【リーダー side】

あーあ。皇太子様やっちまったな。魔力の封印の件で、かなり株を上げてたのに!男としての我慢も理解できるから、俺らも随分よいしょしたんだぞ!折角の俺らの努力が水の泡だよ。

(大嫌い…。大嫌い…。大嫌いだと…。私を大嫌い…。ブツブツ…。)

今の結界破壊で、全てを無駄にしやがったよ。もう少し我慢しろよ!しかも私はエリーだと言ってるのに、前世の名前で呼ぶか?ガキじゃ有るまいし、全く女心の解らん朴念仁かよ。しかも何度も繰り返しやがって。全くどうしようもないヘタレだよなぁ…。

(龍治をリュウと呼ぶから…。龍治だって…。何故…。私は駄目なんだ…。どうして僕は…。)

しかも惚れた女にだけだ。男の俺としては、皇太子様の気持ちは痛い程理解できる。しかし何故取り繕えないんだ?恋愛何て痘痕も靨だ。惚れさせちまえば己も多少は落ち着くだろうし、エリーだってほだされる筈だ。変態加減を更正できれば、政略結婚なら出来ると言ってるんだからからな。

(クリス…。やはり僕を恨んでるのか?君に無体を強いた僕を、今だに憎んでるのか?クリス…。君は許すと言ってくれたじゃ無いか…。お願いだ。僕を見捨てないでくれ…。大嫌い何て言わないで…。クリス愛してる…。)

しつこいのは前世が絡むのか?

(クリスティーネ…。君は僕の全てなんだ。子供だって…生むなと言ったのに…。君は死んで僕を1人に…。)

否。ユリウス様の話では、生まれ変わる度にエリーと皇太子様は結ばれてる。しかもそれがエリーの幸福だからと、ユリウス様は己を律して一歩引いている。3人の間に確執は有れど、最終的に2人が結ばれたのは事実だ。なのに皇太子様のあの余裕の無さは一体…。

俺がロジャース様から聞いた以外の何かが有るのか?俺は荒筋を聞いただけだから、核心までは迫れない。

(クリス…。クリス…。君は許してくれたのに…。やはり僕を憎んでるの?ねぇ…。クリスティーネ…。)

やはり前世の因縁が有るのか?

(クリス…。どうして龍治と…。僕のクリスティーネ…。)

・・・・・。

「ウガー!煩いわ!しかも気持ち悪いわ!このボンクラ皇太子!クリス、クリスとウザすぎる!頭がいかれてるのか?彼女はエリーだ!否。皇太子様の前ではエリザベートだろうが!エリザベートとしてさえ向かいあって貰えないのに、更に話をややこしくしてどうするんだ!彼女はエリザベートだ!クリスティーネじゃ無い!いい加減にしろ!このボンクラ野郎が!!」

・・・・・。

・・・・・。

ヤバい…。ついぶち切れて本音を…。もしかしなくても俺って不敬罪?俺手打ちにされちゃう?

エリー様助けてー!

*****

【ロジャース side】

・・・・・。

よく言ったな。リーダーよ。骨は拾ってやる。安心しろ。しかしマジにウザすぎる。確かに以前から、エリザベートに対しては極端にウザかった。しかしここまででは無かった筈だ。しかも一人称が私から僕に変わっている。皇太子様は、公私共に私だった筈だ。しかも何度も転生を繰り返した。始まりの異世界での前世は、殆ど記憶に無かったんだ。

私が初めて皇太子様に出会った頃は、真面目で優秀なお人柄だと評判だった。勿論現在も、対外的にはこのイメージで変わらない。また婚約者のエリザベートにベタ惚れしていると囁かれていた。まあこれは仲良き事は美しきかな?てな感じで、お世継ぎも安泰だと喜ばれていた。

しかし私が初めてお城に上がり、エドワード皇太子様に拝謁した翌日の事。貴族会議の終了間際に、とある貴族が皇太子様に意見を陳情した。エリザベート様との婚姻前に、側室を侍らせたらどうか?世継ぎの憂いを無くす為にも、是非後宮を機能させよと。

これに対し、皇太子様は一刀両断した。

「私はエリザベート以外には性的な気持ちが沸かない。他の女は虫けらと変わらん。私が女共に見せる笑顔は社交だ。社交辞令を理解できず、私に触れる女は全て死ねばよい。貴殿らは虫に性的な事を感じるのか?娘を虫けらの様に捻り潰されたく無ければ、出すぎた事を申すな!」

静まり返る室内。

その後、皇太子様のその言葉は有言実行された。皇太子様に色目を使う女は尽く排除され、色仕掛けでくる様な女は家族諸とも捻り潰された。貴族達は竦み上がったという。

「ロジャース!サイズが変わった様だから、新しいのを頼む。これが資料だ。」

実は初めて皇太子様に拝謁した時、頼まれたのはエリザベート様の等身大の人形作りだった。皇太子様は定期的に、エリザベート様のサイズを諜報に調べさせていたのだ。

因みに人形を恃まれた際には、皇太子様に前世の記憶等は全く無かった。記憶が無くとも、エリザベート様に異様に執着していた。

「そうだ。ロジャース。何か欲しい品は無いか?褒美を取らすぞ。貴殿には礼を言おう。貴殿に会い大切な事を思い出した。やはり私は間違えてはいなかった。私とクリスは運命だった。絶対に逃がさない。」

クリス?

「クリスティーネだ。今はエリザベートだがな。」

エドワード皇太子様がニヤリと笑う。その笑いにゾクリと背筋が冷えた。

まさか…。

そのまさかが的中した。しかも前世は始まりの異世界人だと言う。しかし思い出したのは、当時のフローラ公爵家についてと断片的な数度の前世。何度か生まれ変り生きた断片だけ。

「毎回違う人生だった。しかし変わらない事が1つだけあった。」

それがクリスティーネ。今世ではエリザベート様。必ず己の側にいて、必ず結ばれたのだと言う。

私の存在がエドワード皇太子様の前世を思い出させた。多分マリエンヌが私と出会い思い出した、この血に潜む枷のせいだ。

しかし結ばれるなら良い。不幸にならぬ運命ならば…。

その後お2人は、まるでいたちごっこの様だった。はたからみたら微笑ましい光景だっただろう。

己に近付く婚約者以外の女を、本当に虫けらの様に躊躇無く葬りさる。皇太子様の裏の顔を知らなければ…。

エリザベート。否。エリーが本気で変態加減を嫌がっている事を知らなければ…。

そして今回の皇太子の異常なまでのウザさ。まさかユリウス様との邂逅で、更なる記憶を思い出したのか?ならば何処まで思い出したのだろう?

前世は前世。そう言い切れるのは、全てを忘れている場合だけ。覚えてる者には割りきれぬだろう。しかもエリザベート様は、全てを忘れている。

しかしそれが本当なのだ。神は罪深い…。

やはり私にも責任は有るのだろう。皇太子様は見守ろう。エリーには出来るだけ手を貸そう。ユリウス様には…。

本当に申し訳無さしかない。自力で2度狭間を越えた。それが意味する事が、どれ程の辛さと絶望を彼に与えたのか?

私には想像も出来ない。

コメコメ大商会初代の日記。日本語と言われる異世界語で記載された部分。マリエンヌが解読してくれた部分には、ユリウス様が日本と呼ばれる異世界に戻った事。コメコメ大商会から公爵家へ献上されたティアラの奇跡。それら初代が知り得た事が記載されていた。しかしそこに、龍治(リュウジ)君。リュウがこちらの世界に戻った記録は無かったのだから。

そしてエドワード様。否。佑真(ユウマ)君。ユウの犯した罪。

全ての決着は当事者のみにしか出来ない。しかし…。前世の柵の解決はどうしたら良いのだろう。

やはり私達は、見守るしか出来ないのだろう…。

エリー。頑張ってくれ。

*****

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