【完】相手が宜しくないヤツだから、とりあえず婚約破棄したい(切実)

桜 鴬

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第2章・婚約破棄は新たなる珍事を招く。

婚約破棄戴きました。再び?

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玉座の有る高台になるステージ部分。王族と高位の貴族達が集っている。その前で行われた茶番劇。

婚約破棄されたブライアンは、姫を抱き締めようと、空ぶった両腕を下げ所在なさげにしている。哀れ弟よ。当の姫様は大神官であるユリウス様に抱きついたまま。姫様の次の婚約者だと言う男性は、顔を真っ赤にして宰相に詰め寄っている。

「あらあら。今晩の舞踏会は、この国の姫さまと我国の公爵家嫡男との婚約を歓迎する会では無かったのでしょうか?また来賓で有る魔法大国のドレイク様とグレイシー様との、親睦を深める為の会でも有りましたわよね。その場でこれだけの馬鹿騒ぎ。勿論これらの茶番劇は、我が国への侮辱と捉えて宜しいのかしら?」

私が話し出すと、会場がざわめき出す。何故なら我が国を敵に回せば大変な事になるからだ。

「侍女風情が何を言う!貴様にそんな権限は無い!元はブライアン殿の責任では無いか!グダグダいわずに罪を認め、大人しく婚約破棄に応じろ!」

煩いわ!この残念王太子が!確かに魅了されたブライアンは悪い。しかし婚約破棄等、公衆の面前でする事では無いだろう。上位貴族、ましてや王族の婚約なら尚のこと。これは契約なのよ。個人の好き嫌いで済む事ではない。更には簡単には破棄できない。特に今回は、国同士の契約なのだから。

「そうよ!侍女風情が口を挟まないで!解ったわ!きっと貴女もブライアンのお手付きなのね!結婚前に愛妾を侍らすなんて!貴方達は卑劣だわ!私を辱しめただけでなく、隣国の姫様を騙したまま結婚するつもりなの?そんな事は許されない。騙されたままの、姫様がお可愛そうだわ!」

その姫様はブライアンでは無く、ユリウス様にしがみついてますけど?

しかもローズマリー?私がブライアンと?どう考えたらそうなるのかしら?本当に頭がイカレポンチなのね。卑劣なのはあなたよ?魅了の魔道具を使い男性を唆した。魔道具の効果をローズマリーは知らなかったそうだけど、己に靡いた男性を手玉に取り貢がせた事には代わり無い。親密な関係になり、高額な金品を貰う。確かに結婚するとは、本人は口にしてはいない。だが男性側がその言葉を持ち出すと手を切る。更には邪魔になると、見向きしなくなる。そのまま魅了が切れた男性は助かったけれど、魅了が切れぬまま絶望し何人もが命を絶っているの。

結婚詐欺と何ら変わらはない。

婚約者の居た三男坊以降の男性達。唆され婚約を破棄したは良いが、その後は特に悲惨だった。ローズマリーは後継となる嫡出子にしか興味が無い。それ以外は貢がせ、役に立たねば捨てる。捨てられた後に正気に戻っても、もはややり直しは出来ない。己が婚約破棄をした筈の婚約者達に、三行半を突きつけられてる。可愛そうだけど、彼等に未来は無いわ。三男坊以降の早い婚約は、ほぼ政略結婚の婿養子だ。浮気をして婚約破棄をする様な男性を、誰が好んで婿に迎えたいものか。例え魔道具に操られたにしても、防御し惑わされぬ男性も存在するのだ。新たな婿入り先等、絶対に見付からないだろう。

それらを貴女は知っていたのかしら?多分知らないのでしょうね。いえ知る必要も無いのね。だって己には関係無いと思っているのでしょうから。

「皆のもの静まれ!ブライアン殿。悪いが姫との婚約は破棄して貰う。またそちらの過失により、慰謝料を戴きたい。まあ我が国には大商会の主で有る、新たなる婚約者殿がいらっしゃる。彼がたんまりと結納金を弾んで下さるそうだ。だから我が国は要らん。代わりと言っては何だが、ローズマリーにくれてやれ。魔術師団長と子息達は、他にも何やら欲しい物が有るそうだ。我も興味が有る。是非それを貰おうか。」

ニヤリと気持ちの悪い笑みを浮かべ私を舐める様に見るゲス王。そこにゲス皇太子も割り込んできた。

そう言えば貴様も夜這いに来たよな!全く懲りない奴だよ。

「父上!私もその慰謝料を一緒に味見しても良いですか?我が国にも、魔力持ちは少ない。是非増やしたい!」

・・・・・。

私は物ですか?しかも増やしたいだ?人の子に何て言い方をするんだ!その頭かち割ってやろうか?

「我が国は勿論公爵家は、慰謝料をびた一文支払うつもりはございません。そして私も、ゲス共の言いなりにはなりません。それに姫様には想う方がいらっしゃる様ですが?姫様はどうなさりたいのですか?」

姫様はユリウス様から離れ、ブライアンの元へと歩いて来る。下がるブライアンの両手を取り、ぎゅっと握り締め頭を下げた。

「ブライアン様。ごめんなさい。貴方は私に優しくしてくれました。私はそんな貴方が好きでした。政略結婚だからこそ愛したかった。勿論今でも好きです。尊敬しています。ローズマリーのお話等、信用していません。」

「姫…。」

「でも私は愛を見付けてしまいました。例え叶わなくとも、今回も愛を返して貰えなくても、私は諦めたくない。私は王家を捨てます。民の事を蔑ろにする様な王家何て滅びれば良い。存在すら穢らわしい。自身に流れる半分の血さえ疎ましい。私は姫では無くなります。ブライアン様。本当にごめんなさい。」

「ふざけるな!」

王様が突如立ち上がる。

「構わぬ!王たる我が認める!姫を貴賓牢に入れよ!婚約破棄は成立した!次の婚約を認める。新たな婚約者たるお前が姫を牢に入れそのまま婚姻しろ。政略結婚の駒にしかならぬ、己の半分の血の意味を体に叩き込め!あの牢は貴族専用だ。不自由は無い。1週間も2人で籠れば、姫も諦め従順になるだろう。」

「嫌っ!離して!」

兵士が姫に群がる。ブライアンが止めようとするが弾き飛ばされた。

軟弱ね。もう…。

「そこの侍女は不敬罪だ。王族たる我々に、侍女風情が減らず口を叩きおって!魔術師団長!ソイツは貴様にやる。ブライアン殿からの慰謝料だ。息子達も加えて楽しむが良い。我が国にも魔力持ちは沢山欲しい。ばんばん生ませろ。誰の子でも構わん。」

私の周囲を兵士が取り囲む。

今時まだこんな、男尊女卑なこと言う人間が居るとは…。貴様はもう王たる資格は無い。不敬何て関係無いわ!

「ロジャースお願い!」

「ああ。任せろ!リーダー出ろ!」

会場の中へ、我が国の騎士団員が流れ込んでくる。慌てふためくお客達を、流れ作業の様に別室へ避難させる。

私が作成しロジャースに渡して置いた、転移の魔道具で順に呼び出しているのだ。瞬く間に会場には人が少なくなり、王族とゲス共は騎士団の者達に囲まれた。

「なっ、何だこれは!この騎士団の制服と紋章は、ブライアン殿の国の物では無いか!ブライアン殿!まさかクーデターか?それとも貴殿の国は、たかが婚約破棄で、内政干渉するおつもりか?」

「僕は全くのノータッチ。」

「なら誰がこれ程の騎士を城内へ!?」

「多分姉さん。」

「は?ブライアン殿の姉上は、皇太子殿下の婚約者では?そんな方が何故騎士団を我が国へ?しかも今回は、来国されてないではないか!」

王達を庇う様に、宰相が立ち塞がり捲し立てる。この宰相は多少は根性が有るのかしら?しかしこの場合王族をお守りするのは、近衛か騎士団では無いの?そう言えば兵士しかいない?

「騎士団も魔術師団も既に無い。近衛等、真っ先に解散させた。我が国では養えず全て解団している。ここに居る兵士達は、地方から徴兵された者達だ。そして新たにブライアン殿の国からやって来た者達が、現在の名だけの団員だ。そこで武勲をあげれば、亡命を認めると父王は言われた。しかし武勲を上げる場所等は無い。可愛そうだけど、飼い殺しの捨てゴマだよ。」

リーダーに守られたレイシス王子が話し出す。やはりそうよね。だって引き取っても旨味が無いもの。使えて今回の騒ぎの元になる位。

「ローズマリーも観念しなよ。魅了の魔道具等、当にバレている。私は効いた振りをしていただけだ。その方が間抜けな弟の前でも動き易いからね。魅了の魔道具とは関係なしに弟は入れ込んでるみたいだけど、あれは単なる色狂いの色情魔なだけだよ。少し見目が良く、己の言いなりになる馬鹿な女がお好みだからね。」

中々言うわね。しかしその通り!

「貴様ごときに弟等と言われたくないわ!母親がどうなっても良いのか!」

うわー。こちらはゲスい。

「レイシス王子!貴方は騙されてるのよ。エリザベートに会ったの?彼女は悪役なの。貴方の心の隙を狙ったの。何を言われたの?大丈夫よ。私が癒してあげる。私がいつまでも側にいるわ。お願い。目を覚まして。」

・・・・・。

ローズマリー凄いわ。名演技ね。クサいけど。でも魅了は効かないと、レイシス王子は言ってるわよ?カチカチ握りしめてもムリムリ。しかしたいした根性よね。地下牢で牢名主を垂らし込み、魅了の魔道具に魔力をこめさせてたそう。脱走の際には、行くなと懇願する牢名主を足蹴にしたそうよ。牢名主のお陰で、牢の中では姫様扱いだったそうなのにね。

「煩い!戯言は聞きたくない!」

さてさてそろそろ私のターンかしら?

元魔術師団長やローズマリーの所では、グレイシー様が睨みをきかせている。

ドレイク様は、会場の扉を守ってくれている。

リーダーは、レイシス王子をサポートしている。

ユリウス様はドレイク様の居る扉の近くにいる。姫様と一緒ね。あ!ブライアンも合流した。弟よ。気まずいかも知れぬが、それが1番安心よ。キチンと頭の使える男で、姉さんは安心だわ。後は体を鍛えるだけよ。ニヤリ。

では行くわよー!

呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン。そうです。騎士団を呼び込んだ!それは勿論ワタクシ。でも本来は騎士団では無く、この国の人々を集める予定だった。でもあの城下町を見てしまったら、栄養満点の城のお偉方には勝てないと感じた。慌てて伝を使い兵士を集めてたら、王家から公爵家経由で騎士団を貸し出されたのよ。まあ公爵で有る父にバレた以上、王家には筒抜けよね。ならば利用させて戴きます。しかし私は借りは作らない。王家にも利を与えさせて戴きますわ。

内政干渉上等!クーデター行っちゃうよ。意外に腹黒いレイシス王子なら、立派な王になれるでしょう。少し頭が古くて固いけど、真面目な貴族達もかなりいる。それが却ってレイシス王子の足枷になっていた。だからこそ政権交代後はご老体にムチを打ち、馬車馬の如く働いて戴きましょう。そしてもう1つの弱み。これは既に解決済みよ!

「皆様改めてこんばんは。不敬な侍女は仮の姿。実は私が噂のブライアンの姉ですわ。皆様。どうぞお知りおき下さいませ。」

私はカツカツとヒールを鳴らしながら、ゲス王の前に居るレイシス王子とリーダーの側へ歩いて行く。レイシス王子の目前でとまり、カテーシーを決めた。レイシス王子は私の手を取り、その手の甲に軽くキスを落とす。

優雅な挨拶に、周囲からタメ息がもれる。

私はレイシス王子と並び、自称聖国の王に話し始める。

「この姿では失礼ですわね。先に目眩ましの認識阻害魔法を解除しますわ。」

魔法を解除すると、元の色彩の自分に早変り。勿論、久し振りのドリルヘアー。乙女の戦闘服よ。ドレスにお飾りは国の威信をかけた最高級品。素材から全てが素晴らしい一級品。特にティアラは、公爵家の家宝。あのプリズムローズのティアラだ。ドリルにはちょっとあわないけど、公爵家の侍女達は優秀なの。素敵にアレンジしてくれた。隣国の王家所縁の色彩を纏い、素晴らしい品を身に纏う私への変化。私は負けられない。1国の代表として、国の威信も背負っているのだから。

当然の様に会場内からは、ざわめきと驚きと称賛の歓声が上がる。見知った方々からは、確かにエリザベート様だとの声が上がっている。私は次期王妃として、国々との親善も行っていたからね。各国へかなり顔は売れてるのよ。特にドリルヘアーがかもしれないけど。

あまりの驚愕に話す言葉も出ない者達。ん?ゲス王が立ち直った?

「次期王妃ともあろう方が!何故侍女の真似事等しとるのだ!しかも騎士を他国に招き入れるなど!まさか宣戦布告か!」

「まさか。そんな訳有りませんわ。」

あからさまにホッとしたゲス王。しかしそうは問屋が卸さない。サクッと落下させて差し上げましょう。

「宣戦布告等まどろこしい。無血開城の要求ですわ。素直に白旗をあげて、降伏宣言して下さいませ。」

私が話すと同時に、我が国の近衛騎士団が突入してきた。私とレイシス王子の周囲を囲み壁になる。騎士団との見事な連携プレイだ。

しかし何故に近衛騎士団まで?ここまでは聞いてないけど?

まあ良いや。

「ここに我が国の王からの、直筆サインと押印付きの正式な書類が有ります。先ずは裁決&捕縛委任状です。これは我が国の犯罪者に適用します。脱獄者のローズマリー。他、脱国者3名。この4名は国際指名手配中です。速やかにお引き渡し下さい。」

私の話を聞き、ローズマリーが暴れだす。騎士団長が抑え縄をかける。他3名も捕縛された。騎士団長は渋面をしている。我が息子が混じっている事が辛いのだろう。

「お次は我が国だけでは無く、魔法大国からの支持も得ております。自称聖国。この国は既に国としての機能を果たしていない。王家の罪状は明らかだ。よって国の機能を止めて貰う。両国の支配を受けたくなければ、大人しく王家は降伏し世代交代せよ。」

王家の者達からは怒号が放たれ、貴族達は歓喜や困惑様々の様だ。

「ならば!ならば私が王だ!現王が退位し、王太子たる私が即位すれば良いだろう!どうだ!?」

それでは意味が無いんだよね。貴方も腐敗の一因だからね。

「次期王はこちらで決定します。しかし貴方は有り得ません。ノブリスオブリージュ。この意味が解りますか?理解できぬ者に、王となる資格は無い。貴族としての資格すらね!」

「くっ…。レイシスか!貴様が謀反を!母親がどうなっても構わんのか!」

ドレイク様に付き添われ、1人の女性が歩いてくる。女性の顔を見て驚くレイシス王子。

「レイシス。母は大丈夫です。民の為にも己を信じて進みなさい。」

「母上!?」

レイシス王子と姫様の母親は、正妃の嫉妬により毒を盛られていた。それは長期に渡り徐々に体を蝕む毒薬。無味無臭で気付かれ難い。徐々に衰弱するため、病弱な為だと思われやすい。

「私は万能薬で体から毒薬を抜いて貰いました。もう大丈夫です。今までごめんなさい。弱い母を許して…。」

「母上…。」

王が憤怒の形相で正妃を問い詰めている。流石の王も毒薬については知らなかったのね。しかも…。

「私の元から去るのか?」

「貴方は罪を犯しすぎました。私が去らなくても、貴方には天罰が下るでしょう。」

・・・・・。

「貴方は私に執着していました。それが愛だと貴方は言いました。しかし貴方は私から与えられる事だけを望んだ。そして変わり果てて行く貴方の側で、私は疲れ果てました。」

・・・・・。

「私は幼馴染みだった貴方を愛していました。暴虐な王である貴方では無いのです。変わってしまった貴方は愛せません。貴方はいつの日からか、私から奪うだけになった。私は見返りが欲しいのでは有りません。私はもうこれ以上何も奪われたくは無いのです!大事なものは奪われてからでは遅いのです!」

・・・・・。

崩れ落ちる王…。

近衛と騎士団が散開し、会場内を整理し罪人を次々と捕縛して行く。残る人々も次々と散らばって行く。

そしてほぼ会場に人が居なくなった。

さて私は…。

「覗きなんて趣味が悪いわ!何処かに居るんでしょ?聞こえてる?愛は奪うだけでは成り立たない。また与えられるだけでもね。姫様もそう。返して貰うだけが愛では無いと知っている。貴方はクリスに沢山のものをねだった。そして与えて貰った。でも貴方は何を与えたの。ユウの弱さと愛の押し付けで身籠った。その子を愛し、死と引き換えでもユウに愛しい家族を与えたかった。それなのに!愛しい筈の双子の顔も見ずに後を追う?そんなの愛の押し付けでしかない!クリスの気持ちを踏みにじってるわ!それを知ったら、私は貴方を愛せないわ。例え前世だとしてもね。」

私は叫んだ。

「だから今は出てくるな!出てきたら本当に最後よ。私は絶対に貴方を許さない。エリザベートとして、クリスティーネとしてもよ。過去にすがり付き未来の話を出来ぬ男に、未来の話をする場所への参加を認めない!相応しくない。」

会場が静まり返る。ユリウス様と姫様が、扉の側でエドワードを抑えていた。やがて2人に伴われ出ていった。

ふぅ。

途中から、エドワードの気配を感じてしまったから…。

取り敢えずクーデターは成功ね。後は国にお任せしましょう。

ブライアンには可哀相だけど、姫様には幸いだったわね。2度目の婚約も阻止できたし、ユリウス様との事を思い出した。姫様からしたら…。

婚約破棄戴きました!丁度良かった。有難う。かしら?

でも先は長そうよ。頑張って。

私は…。

何だかどっと疲れたわ。

*****
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